並行世界のアガスティア   作:羊1世

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第36話 大火災の後

 『これ誰やったの?』円香に目配りをすると、円香はそっと双子を見る。

 誰も助けてくれなかったんですか……。

 魔王は『似合ってんだからい~じゃん』とか適当なこと抜かすしリゼは私を無言で回収して膝の上に乗せた。

 双子のいけにえに私の髪は差し出されたのだ……。

 

 晩御飯は予定になかったので日替わりランチで済ますことになったが出てきたのはサンマ定食だった。

 食へ゛つ゛れぇよぉ、できればテーブルの上で食べたかったよこれ、小骨をとるのがめんどくさいことこの上ない。

 周りをちらっと見るとこういうのって性格出るね。

 カヌスさんは膝の上にちょこんと魚の乗った皿を載せてちびちびと食べているし、双子は魚とみるやそもそもランチを選ばずメニューからリンゴやらみかんなどを選択してそれを食べている。

 魔王はめんどくさくなったのか手でつかんで直接食べているしカズさんは……魚が嫌いみたいでヒロさんに魚を押し付けた。

 完全栄養食(カロリーメイト)を食べていたヒロさんは押し付けられた魚を持て余してる。

 リゼは難なく食べていそうで意外にも苦戦していた。やっぱ暗いと小骨見えないもんね。

 そして円香は口いっぱいにほおばったせいで小骨がのどに刺さって呻いている。

 私は周りを見て途中まで食べた魚をあきらめて箸を使ってちびちびと食べることにした。

 

「セーフティエリアでも物は燃やせるのは幸いだったね」

 ぶるる、と震えながら円香はいそいそと寝袋にくるまって芋虫になった。

 私達の真ん中でパチパチと薪が鳴る音を聞きながら、ゆったりとくつろぐ、これが少し憧れるスローライフってやつだ。外からもパチパチ音がするのは気のせい。

 寝袋にくるまって暖を取りつつ寝ぼけ眼で揺れる光を見ながら明日の探索は早めに終わるといいなと思いながら私は眠りについた。

 

 そして次の日の朝探索は3時間で終わった!!!!!

 

「セーフティエリア以外全部燃えてやがるぜ……」

 魔王が地面に転がっている燃えカスを蹴りながら独り言をつぶやいている。

 カズとヒロさんは二人で焼け焦げた木の棒からエクスカリバーを探すためにうろうろしてる。

 円香はカヌスさんと話して濡れたハンカチで鼻を覆い始めた。

 リゼは呆然としてる、自らの行いの結果の理解を脳が拒んでいるそうだ。

 セーフティエリアを出たらあたり一面焼け焦げた光景が広がっている。すごく遠くのほうに緑色が見えたけどそこもセーフティエリアだ。

 なんて地獄絵図、せめてモンスターくらい沸かないのかと思ったが、昨日の大火災で人が避難していないせいで新たにポップすらしてない……。

 絶好の探索日和ではあった、うん。

 こんな時うるさい双子はどうしたのかと思ったら空から偵察してたジェニーが言いたくない光景を見て吐いたらしくジェミーが介護してた。

 こんな時どんな顔すればいいのかわかんないよ。

 「焼け焦げた匂いがひどくて顔をしかめればいいんだよ?」と誰かが囁いた気がした。

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