並行世界のアガスティア   作:羊1世

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第16話 休日の過ごし方

この島に来てから1週間が経った。

 簡単に説明すると日本から転生させられて1年以内にダンジョンを攻略し力をつけるように神に言われてしまった私たち転生者はいやいやダンジョンに潜っているのだ。

 何がいやかってダンジョンを探索するのに家から往復2時間も通勤時間がかかってしまうところだ。毎日歩いたため私の足は少し鍛えられてしまったくらいだ。

 さらに本命のダンジョン探索も3日目以降はスライムを倒しながら未探索の通路のマッピングをしてとずっと歩きっぱなしなのでもうすごく鍛えられた。ちなみに代わり映えのしないダンジョンの1階は少し退屈に感じてしまう程度には慣れてきた。

 そうして昨日まで地道に探索を進めた私はようやくダンジョンの2階への進む階段を見つけたのだった。そしてその時自分の保有しているポイントが少々余裕があったこともあり今日、この世界に来て初めてダンジョンに潜らない休日を満喫することにした。

 「くさむしり~♪、えのころぐぅさ、めひしば~、ひめじょおん…は花がきれいだな?とっといてもいいかな?」

 休日に今まで気になっていた雑草でぼうぼうの庭を手入れしようと草むしりをしていた私だったのですが、ずっと草をむしっていたため腰が痛い。後単純作業が地味につらい。スマホも何もないのでしょうがないので自分で作った歌を歌って作業用BGMにしてた。

 ここらでいったん草むしりはやめようと立ち上がりぐっと背伸びをすると少し気持ちがいい、さらに朝からずっと草むしりをしていたおかげで庭全体とはいかなくても玄関から門近くの一角がお庭でティータイムをしゃれ込める程度には奇麗になっていた成果を一望できるので達成感もプラスだ。

 そう、今日はせっかくの休日でさらにいい天気なので外でご飯を食べようと思いたったのだが家の周りにどこかご飯を食べられる場所があるかわからなかったため外で食べるついでに見るたびに私を鬱蒼とした気分にさせた庭の手入れをしてしまおうと一念発起したのだ。

 ふと体を見てみると朝からずっと草をむしっているため泥や汗で汚れている。ご飯を食べる前に汗を流そう。ダンジョンに向かわなくていい私はずっと適当な歌を歌っていたけどシャワーを浴びるときだけは歌うことは出来ない。さっさとシャワーを浴びてまたご機嫌な歌を歌いながら髪を乾かす。

 この作業にも慣れたものだ。こっちに来てから数日は髪を短くしたいと考えていたのだが悲しいことに床屋などない。

 自分で切ったら悲惨なことになりそうなのでしばらくこのままでいることにした。もしPTを組むチャンスが来たとき髪型が変だと困るからだ。

 着替えを着て家の中に設置されていた机といすを外に出そうとしたらドアにつっかえた。鼻歌が止まる。少し考えてアイテムボックスに入れて外に出る。ものを持ち運ぶときアイテムボックスは便利だな。

 「ここをティータイム地とする!」

 私の努力の結晶の手入れされた(決して後ろを振り向いてはいけない)庭に机といすを置いて私は満面の笑みでご飯と飲み物を置いて食べようとした。

 食べようとしたのだが……。

 机の上に赤髪の少女の頭がいた。友達欲しさに幻覚でも見てしまったか。それだと助かる。

 「あら、ようやく気付いたの?」

 目の前の赤髪の少女がしゃべってしまった。幻聴じゃない。本物だ。

 「あの、その、つかぬ事をお聞きしますが……」

 私は嫌な予感がすごくするのとそれを聞かないほうがいいのではないかという葛藤の中でやはりそれを聞きたいほうが勝ち少女に訪ねてしまった。

 「いったい、いつから、みてたんでしょうか……?」

 目の前の少女はこともなげにこう答えた。

 「朝から、ずっと、へたくそな歌うたってるなって。」

 ……………………一人だと思ったから歌ってただけなんですけど。

 当社比5000%くらいの気まずい雰囲気(相手はそうでもなさそう)のなか私の目の前からかわいらしいお腹のなる音がした。

 「おなかすいてるんですか?」

 私の問いに少女はうなずいた。その時私の頭の中にいいアイディアが浮かんだ。

 「じゃあご飯あげるんで朝のことは黙っていてください。」

 賄賂でもみ消そう。

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