並行世界のアガスティア   作:羊1世

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ハーメルンは1000文字以下だめらしいので閑話が合体して投稿しました


閑話6 カヌスの場合+閑話7 〇〇〇〇の場合

閑話6 カヌスの場合

 

 常闇の島、エターナル。

 俺はそう密かに呼んでいる。かつてこの持論を話した時仲間には一つも賛同は得られなかった。

 この島は夜には街灯が灯され夜道を歩く分には必要最低限以上の光量はあるし、住んでいる住人も日本人ばかりで犯罪も起こることはないと最初は楽観視されていたが……はずだったが、期待は裏切られこの島には今脅し、脅迫、恐喝など軽犯罪が横行しており、弱い人間は夜はおろか昼ですら一人で裏道を歩き回っていたら何かに巻き込まれてしまう可能性が高い犯罪の島になり果てていた。

 いや……というかそもそもこの島に人が少なすぎる。人の目が少なく、さらに大多数がダンジョンと家を行き来するだけの生活をしているのだ。ダンジョンの周りに無駄に配置された広場や商店街のオブジェクトたちは人の目を盗んで何かをするにはもってこいの、犯罪の温床になっている。

 「カヌスさん西地区でまた恐喝犯が出たようです……」

 今あそこを見回りしているのは……ちらりとシフトを見てうげぇと顔をしかめる、問題児の双子じゃないか、あいつら自分に似た顔の人間がいるからと言って双子を自称するのはいいんだけど全然息もあってなければそれを回りに強要して白けさせるというしょうもないことをするので最近苦手になった、派遣先で迷惑かけてないかな?

 「また西地区か、あそこはもうだめかもしれないな」

 特にひどいのが西地区だった。北地区は警邏隊の本拠地がありさらに仲がいいメンバー同士の家に同居することで人が集まりそして何より誠実さの塊のような男であるカヌスが半ぐれを少し前にしばき倒して方々に散らしてしまったせいでここだけは治安がいいのだがそのせいで周りが被害を被っている、本当は東にも同じくらい流れてもよさそうなものだが、あそこには正体不明のロリコンという化け物がいるらしく東地区を根城にしていた紅蓮団というヤンキー集団が一瞬で壊滅したそうで腕っぷしで成り上がろうとしている半ぐれどもは寄り付かなかった。

 南地区は広間に噂になっている幽霊があちらに向かっているのを何人も確認したせいで天国と呼称されており……なんかあっちに行きたくないと言っている人が多い。

 半ぐれどもも嫌がっているらしく西に一極集中しているともいえる。

 それ以外にも西が選ばれる理由はいろいろとあった、まず家の仕様が島の東西南北で異なる点があるだろう、北は遊牧民族のようなテントの建物が並んでおり塀などで区切られておらず各々が好きなスペースに家を建て暮らしている。最初は家を建てされられるなどと不満を感じていたが一度建ててしまえばメニューにそのまましまえるし、上下水道などは不思議な力でつながっているようで他の地区に比べ不便な点はなく、さらに気分で引っ越しがしやすいという点や仲間内で集まりやすいというメリットも浮き出てきた。

 この一か所に集まりやすいという利点があったからこそカヌスは短期間で北地区の覇権を握ることができたといえる。弱者を保護し、悪い人間を片っ端からぶっとばすという脳筋プレイだ。

 他の地区からも移住希望者はたくさんおりテントを建ててさらに人を受け入れ、集団で行動をするということを続けて北の町はすでに1600人以上の人間が住んでいるこの島で一番発展している町となった。

 東の町は東洋の建築が並ぶ和風じみた街並みとなっている。だが単純に自分の敵わない人間それも女がいるというだけで敬遠されているのか、それとも見慣れた光景がダサくてもっと違う地区で活動したいと感じているのかは定かではない。多分前者な気がする。

 南は西洋の牧歌的でかつ外側が石灰で塗りたくられているギリシアの建築のような草原と白い家の立ち並ぶなんとも言えない光景の町だ。塀で家々が区切られていてあそこで大人数が集まるのは少しめんどくさそうだ。

 そしてくだんの西地区なのだが荒れ果てた荒野にログハウスが並ぶ西部劇の舞台のような町だ。正直住むならここがよかったかもしれないと見まわった時感じるほどには魅力的な町だった。

 でもそれは立場も自身の良心も許してはくれないだろう。けれどこんど西地区に見回りを自分に優先して回そうかなと思うそのくらいの役得はあってもいいかもしれない、でもそうすると双子と会う機会が多くなるんだよなあ……。

 

 

閑話7 〇〇〇〇の場合

 

  「やあ、今日も君一人なの?」

 目の前の少年とも少女とも言えそうな可憐な君の声を聴き私は重い腰を上げてそちらに向かう。

 今日も君は浮かない顔をしていてそれが私は無性に悲しい、他の大多数の人がするように君を慰めたいのだが私にはそれができない。

 ただその気持ちを君は汲み取ってくれて私の頭を代わりになでてくれる。少し悲しげな笑顔しか見れないのだがそれでも私は嬉しくなった。

 「そういえば昨日言った数学の小テストの話なんだけど、先生が忘れちゃってね、結局無くなったんだ」

 私をなで、君は嬉しそうに今日学校であったことをつらつらと話す、学校では友人がいないらしくこうして放課後私と二人でお話をするのが日課であり、唯一の癒しのひと時なのだと君はまた悲しげに笑いながら私に話してくれた時のことを思い出す。私は口下手ながら精一杯にリアクションをして君の話が面白かったと何とか伝えようとする。

 それを見て君が今日初めて心から笑ってくれたことを感じ取りそれが私には誇らしい。この笑顔が見れるのはきっと世界で私一人だけなのだから。

 「おっといけない、今日は大事な日だったんだ、もう行かないと」

 そういうと名残惜しそうに君は立ち上がり私とさよならをする、なんだかもう2度と会えないような嫌な予感がしたのだがそれが気のせいであったことを明日も明後日もその後も変わらず君と会えたため勘違いしていた。

 

 




https://x.com/hituji1sei

ツイッターで小説の設定とかをたまに書くかもしれないです。


挿絵?キャラクターのデザインをAIで書いてもらったのを載せてるように作りましたので見てみたい人は飛んでみてください。

登場人物の紹介が1000文字超えるまではハーメルンに紹介が登校できませんでした;;
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