私が涙目になって震えていると魔王が慌てだした。
「いや!あの女は人間じゃない!俺たちは転生者を殺しはしねえ!安心しろ!」
魔王が必死になって弁解を始めると私は震えるのを一旦やめてみた。
私が『そうなの?』と魔王の後ろの二人に目で訴えかけると、二人はニヤリと笑った。
「いやぁ?紅蓮団は何でもやるぜ!」
そうすると今度は杖をもった紫髪の男が急に叫びだした。
私はしょうがないのでもう一度震えだすと魔王が慌ててさらに弁解を重ねる。
「待ってくれ!そんなやべえことしねえって!お前ら適当なこと言うんじゃねえ!」
しかし魔王は仲間からの同調は得られず金髪で細目の斧使いはさらにノリノリで斧をぶん回している。おーかっこいい。
「馬鹿言っちゃいけねえぜ!リオ!舐められたらお終いの島で舐められるわけにゃいけないぜ!」
私はさらに震える!するとそれを見た魔王はとうとう膝から崩れ落ちた。
「うあああああああああ、なんでお前らそんなにバカなんだ!また警邏隊に絡まれるだろうが!」
「そうだぜ!おやびん!はやくこの女やっちまいましょうぜ!」
いつの間にか円香まであっち側にいる。あなたそんなキャラだっけ?
「なんでそんな物騒な思考回路なんだよお前ら!やめろ!マジで勘違いなんだって!俺はやってねええ!ん?」
どうやらおかしいことに気づいたらしく顔を上げた魔王。彼が見た光景は……。
4人に囲まれてなにやってんだこいつと蔑まれた瞳で見つめられていた光景だった。
少し時間をさかのぼり……。
魔王みたいな見た目の男リオは紅蓮団の団長に見た目が怖いからという理由で就任してしまった。
少し前までは大勢の奴らに担ぎ上げられてしまっていて、かつ自身も何のコミュニティに所属しないよりはと流されるように居ついてしまったのだが……。
問題は彼らの素行が悪く、1週間、2週間と経ちだんだんと目に余るようになってきてしまったのだ。
リオ自身は入るところ間違えちゃったかなと、内心後悔していたが今更辞めますといってもひどい目に合わされそうなのでどうすることもできずにいたのだが、事態は一人の女によって一変する。
紅蓮団がいつものようにそこら辺の奴に絡みに行ったのだが、その女が悪かった。
通称ロリコン、幻覚で幼女を見るほど幼女に飢えているというレッテルを張られたせいで名前がロリコンになってしまった見た目だけは麗しい美少女に絡んでしまったのだ。
それだけならよかったのだが、彼女が一番気にしている名前をいじったため紅蓮団はその日のうちに壊滅した。
壊滅した後に素行の悪いやつらがどっか行ってくれたのはありがたかったのだが……残ったのは素行が悪くはない代わりに頭が悪いやつらだった。
それが金髪細目の斧使い和也ことカズと紫髪ですこし頬が痩せこけて不健康そうな男隆弘ことヒロだった。