機動戦士ガンダムSEED レディ・アヴァロン   作:鳥頭

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Phase1 偽りと欺瞞の平和

 夕暮れは違う。そう言いたい、そう思いたい時期が私にありました。

 ヘリオポリスが揺れる。これは、‘その時’が来たという合図だった。私は行っていた作業をばっくれてカトウ教授に謝りつつ、その場を離れる。

 

「なんで着いてくる! そっちこそ早く逃げろ!」

 

 その声を察知して、爆風を利用して気流にのり煽られて髪がバタつくがそこに急いだ。おのれ、ザフトめ! と内心で罵りつつ、キラと謎の女の子こと、カガリに追いついくことができた。

 

「キラ、探したわよ。ほら、シェルターに行かないと、貴女も……私は貴女のお姉ちゃんよ!」

「姉さん、この状況を分かってるの!?」

「何を言ってるんだお前は!?」

「なんて、冗談。場を和ませるためのジョークよ。さ、こっちに」

 

 と、二人を工業区に誘う。どのみち、遅かれ早かれというか。そこにしかないのだ、シェルターが。だが、走り出た場所に横たわる、GAT-X105、303の足元で絶賛戦闘中! クソが! 

 

「姉さん、アレって……」

「連合の新型。しかも、形状から察するにモビルスーツね」

「……やっぱり……地球軍の新型機動兵器っ……お父様の裏切り者ぉぉっ!」

「ちょっバカ! 大声出したら」

 

 手すりに着弾、お見事! 撃ったのはラミアス大尉かなぁ!? 

 

「冗談じゃない、こっちに!」

「撃たないでくださーい!」

 

 こっちの叫びが聞こえたかどうかは知らん! とにかくシェルターにカガリを押し込まねば。

 

「泣いてちゃダメだ、ほら走って!」

「まぁ、分かるよ。自分の知らないところであんなモン作られちゃ堪らないって気持ちは。ここの住人にはトップシークレット、そんな軍事機密を見た私たちはどうなることやら」

 

 愚痴りながら走ってシェルターに着くが原作通り、定員あと1人! 

 

「入って」

「おい、お前は、そっちのはどうするんだ!」

「いいから入りなさい。私たちは他に行けるし、37番シェルターに駆け込むから」

 

 2人がかりで、カガリを押し込んでキラに頷きかける。ロックしてカガリはシェルターに落ちる寸前でまだドアを叩くので。

 

「また会いましょ、カガリ」

「はっ? おい、どうして私を知って」

 

 そのままボッシュートです、と私は踵を返す。キラもぽかんとしてるが肩を叩いてシェルターの方に行こうと指差して走り出す。

 

「危ない、後ろ!」

 

 交戦してる女性士官っぽい人に危険を伝えるとそれを討ち取られる。お見事、って言ってる場合ではない。彼女曰く、原作通りに37番シェルターはもうドアしか無いと……やべーのでわ? 

 

「二人とも、こっちに!」

「言ってられないか、キラ。行こう」

「くっ」

 

 引き返そうとするが、退路は火を吹いて。飛び込めば爆風が熱烈歓迎、四肢を砕いて爆散させてくれるはずだ。

 スカートの裾を抑えながら、多分7mはある階段を走り降りる暇はないからと飛び降りる。鍛えてるから、柔な体じゃないので華麗に着地。して顔を上げたら、あっ撃たれた。

 

「大丈夫ですか!?」

「キラ、その人お願い。迎え打つよ」

 

 軽やかに地を蹴って、散乱してた鉄パイプを拾ってた私はこっちにやってくる赤いノーマルスーツのザフト兵に振りかぶる。ナイフを持ってるのが見えたし、鉄パイプのがリーチ的優位があるからね。

 

「おりゃっ、とぅっ!」

「ちっ、このっ!?」

 

 棍術の応用でバトンのように鉄パイプの両端で相手の突き出しの機先を潰しつつ、制空拳のイニシティアブの優位を保つ。ナイフを弾いて相手の態勢を崩すのが優先だね? 

 白兵戦させない、できないように。こんなので殴られれば痛いってのはよくわかる。しかしこの声、ザフト兵の声に聞き覚えがあるんだけど……。

 

「なっ、イリア姉っ!?」

「えっ、その声はアスラン……!?」

 

 目と目が合う、その後ろにいたキラまでもが呆然としていて。肩を撃たれた士官さんは拳銃の狙いもままならないだろうにアスラン(仮)を撃ち殺そうと発砲する。 

 たまらずザフト兵は後退して、隣のモビルスーツに飛び込んだ。

 

「君、こっちに!」

「3人も乗れるんですか!?」

「う、うわっ!?」

 

 キラを払い落とすようにコックピットに押し込んだ士官さんに促されて私も飛び込んだ。

 

「シートの後ろにっ!」

「あー、私に任せてくれません? 怪我してるのに無理でしょ」

「っ、この機体だけでも守りたいの……えっ!?」

 

 判断に迷ってらっしゃるのはまぁ、分かる。でも、時間がない! 

 

「悪いようにはしませんよ。私、プログラマーなんで」

 

 どいてもらいつつ、シートに座る。そしてキラにモジュールの予備を渡してプログラムにアクセスする。

 

「うわー、まだ未完成のOS。こりゃこうしてっ、こう」

「キャブレーションの維持と反応値の制御をこっちでやる!」

「モーメントの理論計算はこっちで見るから、足回りのプログラムをキラが優先でよろしく!」

「分かった!」

 

 コックピット内はキーボードとモジュールの電子音が鳴り響く。黙々と作業して……

 

「あなた達は一体……」

「これでよし!」

「とりあえず、脱出が最優先ね」

 

 フッドペダルを踏み込み、立ち上がり、前進。拘束してたパーツも悪いけど破壊して前に進み、進んだ先には……似た様なのこと、イージスにミゲルの乗るジンかな? 

 

「くっ、ジン」

「仕掛けてくるなら、迎撃するまでですよっと」

 

 マシンガンの射撃。それをみてなんかこう、フレクサトーンの音色が頭に流れた。射線がなんとなく解るっ! 

 屈ませて組み付くようにジンの胴にタックル! そのまま投げっぱなし、ジャーマンっ! ジンはそのまま近くのビルに頭から突っ込んでいった、ヨシ! 

 

「な、なんて駆動性とパワーなのこれ!? ジンを持ち上げたっ!」

「作ったのあんたらやろがい!? まぁいい、あっちのは」

 

 イージスは離脱行動。ロック警告音が鳴り響き、サーベルを抜いてかかって来るジンが見える。

 

「げっ、回避動作が間に合わないなぁ!?」

「そこのボタンを押して!」

「コレね!」

 

 押したらおう、なんか駆動音が変わる。これは、フェイズシフトか! 

 

「サーベルが効かないっ、これって何!?」

「フェイズシフト装甲よ。物理攻撃の大半はこれで効かない!」

「アンチシナジーとしてビーム兵装はダメってことね!」

 

 ザフトのモビルスーツの大半は実弾兵装が多くを占める。なるほど、これはいい発明だ! 

 

「よくも、やったわ、ねっ!」

 

 動揺したジンの頭を掴み膝蹴りをコックピット近くに叩き込む。そのまま、センサーが捉えているキラの学友たちから離れた位置にジンを再び投げ飛ばす。

 

「武器は、コレかなっ!」

 

 サイドアーマーからアーマーシュナイダーを呼び出して抜く。立ち上がるジン相手に近接白兵戦を挑む。軽い動きで、すごい運動性ねっ! 

 しゃがみ込み、射線を切ってサイドステップ。かかるGは車の比じゃないけど、耐えれないわけじゃない! 

 

「凄い、ここまで乗りこなせるの!?」

「姉さん、無茶苦茶しないでくれっ!」

 

 ダマらっしゃいっと口に出さないで相手の武器を破壊、そのままメインカメラを切り裂いて壊すと左肩にナイフを叩き込む! いい切れ味、振動破砕がいい仕事してるっ! 

 

「ん? パイロットが出て行ったのかな……っ!」

「ジンから離れ……」

 

 士官さんに言われるまでもなく後ろに跳躍している。カレッジの学生たちの前に着地して爆風から守るためにしゃがんだ。

 

「ふぅ〜……なんとかなったわね」

 

 ちゃきっ、その音を聞いてそのまま両手をホールドアップしてちらりと士官さんに視線を寄越す。

 

「心苦しいですが、現在は非常事態なの。貴女には緊急の徴兵に応じてもらいます。これに拒否は……」

「そんな顔で言わないでください。了承します」

「姉さん!?」

「拒否権はないって続くんだろうから、それに私は既に成人だからね」

 

 ちょっと暴れすぎたかなと反省しながら、私はモビルスーツを指定された場所に移動させて、膝をついてコックピットハッチを開く。

 

「あと、彼らはあなたの学友かしら?」

「は、はい」

「彼らも拘束するので手伝ってください。臨時ですが、貴女の階級は少尉よ」

「イリア・ヤマトです。キラ」

 

 不服そうに眉を歪め、顰める我が弟に名乗れと伝える。以心伝心、キラは長いため息をひとつ。

 

「僕はキラ・ヤマトです」

「ではイリア少尉とキラ君ね。私は第2宙域第5特務師団所属マリュー・ラミアス大尉よ」

「では、ラミアス大尉ですね。然るべきパイロットへ引き継ぐまでの間ですが、よろしくお願いいたします」

「結構。では、指示通りに動きましょうか」 

 

 私は一時的に軍籍を得ることになるが、後でキラにバトンが渡るはずだし別にいいだろう。スーパーコーディネーターの実力を遺憾無く発揮してくれよ我が弟様よ……なんて言えるわけがない! 

 可愛い弟に危険なことをさせるつもりはないからなぁ……でも、可愛い子には旅をさせろとも言うしぐぬぬ。

 

 そんな私のくだらない葛藤を他所に。ラミアス大尉の指示に従ってキラの学友に声をかけるべく、ラダーを下ろすのだった。

 

 to be continued .

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