ハイスクール・フリート ~護衛艦『やまと』出航ス~   作:大艦巨砲主義者

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ニイハウ島要塞基地

「そうか……そういうことか……」

 

「……艦長?」

 

「……両弦停止、目標に通信。『我、貴艦の指示に従う』だ」

 

「艦長!目標は、所在不明艦ですよ!?」

 

「大丈夫」

 

「……え?」

 

「こちらから撃たない限り、相手は撃ってこない……。だけど、砲雷長、戦闘システムはスタンバイ」

 

「「……了解!」」

 

港は各員に配置につくように命令し、楓は、通信機に向かって『両弦停止』を命令する。そして、目標に通信する。

 

『こちら海上自衛隊、護衛艦やまと、および、補給艦かしのである。我、貴艦の指示に従う』

 

目標に通信が終わる。

 

「通信終わりました」

 

「……艦長、本当に大丈夫なんですよね?」

 

「……」

 

普通、国際法では海軍に当たる海上自衛隊の艦艇が所在不明艦の指示に従うことはあり得ない。それなのに、艦長の修は、両弦停止を命令したのだ。

 

だが、修には、確信があった。

 

「……艦長!目標から通信です!」

 

「なんて!?」

 

「えっと……『我、貴艦らの通信を受け取った。二艦とも、我に追従セヨ』です……」

 

「了解、あおのしまに追従」

 

「こちらCIC、から第一艦橋へ、あおのしまへ追従せよ」

 

楓は艦橋に通信する。

 

『こちら第一艦橋、航海長です。えっと……あおのしまを追従ですね、了解しました』

 

「艦長……本当に大丈夫ですか?」

 

「……」

 

(ここしばらくの、各部衛星機器の受信不可、そして、味方艦との通信途絶。やっぱりそうか……)

 

やまととかしのは、船速を上げ、ニイハウ島へと舵を切るあおのしまを追従する。そして、数時間が立ち、日が傾き、空が赤みを帯びてきた頃……

 

『こちら監視員!本艦前方、方位0度、約20㎞に巨大な構造物あり!』

 

「「「!」」」

 

「モニターに表示して!」

 

モニターにその巨大な構造物が表示される。そこに映ったのは……

 

「よ、要塞……?」

 

ニイハウ島があるはずの位置にあったのは、巨大な要塞だった。それも、ニイハウ島程の大きさで、側面には14インチ相当の砲が十数門取り付けられていた。乗員たちは驚愕していたようだったが、修には見覚えがあった。

 

(やっぱりだ……!写真だけど“前世”で見たものと一緒だ……)

 

そのうち、やまとは要塞に接近し、要塞の根元にある巨大な入口へと入っていく。

 

「すごい……」

 

「なんてデカいんだ……」

 

そして、しばらく要塞内をあおのしまの指示に従いながら航行していくと、たくさんのふ頭がある地点に到着した。どうやら、タグボートによって接岸されるようだ。

 

「接岸か……これでやまとは動きずらくなりますね……」

 

「うん……」

 

相手は、やまとの動きを封じ込めるのが目的のようだ。一応、こちらから攻撃しないかぎり攻撃されないのは分かってはいるが、不安が残る。

 

「艦長、意見具申です」

 

砲雷長の湊から意見が出される。

 

「総員武器携帯を具申します」

 

「分かった……。でも、発砲はあくまで最終手段だ」

 

「了解、総員、武器携帯!」

 

『総員、武器携帯!』

 

艦内の武器庫にしまわれている武器が一斉に解放される。そして、89式小銃や、9㎜拳銃などが配布される。

 

「艦長、拳銃です」

 

「え?ああ……ありがとう」

 

楓は、ホルスターと一緒に9㎜拳銃を渡してくる。ホルスターにを腰につけると、9㎜拳銃を取り出し、マガジンを入れ、スライドを引く。薬室に弾丸が入ったことを確認すると、ホルスターに戻した。

 

「楓」

 

「はい?」

 

「よく、ここまでついてきてくれたね?」

 

「まあ……。私と艦長が訓練候補生の時からそういう一見ハチャメチャなことをやる人だって私も他の乗員も知ってますからね」

 

「ハチャメチャ……」

 

「合ってますよね?」

 

「うっ……。耳が痛い事を……」

 

「まあ、それがなんやかんやでいい方向に回るのも知ってますけど」

 

楓は、修に向かって少しほほ笑みながらそう言った。

 

◇ ◇ ◇

ニイハウ島要塞基地 室内ふ頭監視室

 

ニイハウ島要塞内部の室内ふ頭を監視、安全な接岸を行うために、天井に設置されたふ頭監視室、そこから、ふ頭を見下ろす人物がいた。その人物は、白髪に褐色肌で、眼鏡をしており、周りで作業を行っている隊員とは異なり、少し豪華な装飾が施された制服に身を包んでいる。

 

その人物は、胸ポケットに手を入れると、小さな箱を取り出し、中から一本の棒を取り出す。それを口にくわえて、火を点けようとしたようとしたところで、別の人物が現れた。

 

「基地司令、喫煙室や自室以外でのお煙草はおやめくださいと申しましたよね?」

 

「おっと、そうだったな、すまない」

 

基地司令と呼ばれたその人物は、煙草を箱にしまうと、改めて、ふ頭を見下ろした。

 

「所属不明の戦闘艦、護衛艦やまと、か……」

 

「たしかに、日本の大和型超大型直接教育艦に酷似していますね」

 

「と、いうよりかは、近代化改修仕様か?」

 

見下ろすと、確かに全体的な形状は似ているのだが、全体的にステルス性を意識した形状になり、前艦橋と後部艦橋に二枚づつ設置された、アクティブ・フェイズドアレイ・レーダーに加え、200セル以上はありそうな垂直発射装置V L S、主砲の46cm砲も長砲身化、副砲の155㎜三連装砲も、8インチ程度の単装砲に変化している。

 

「うちの改インディペンデンス級では、手も足も出ずにやられそうだな」

 

「……所詮、どこかの発展途上国で違法に建造された艦では?」

 

「発展途上国にいくらコピーとはいえ、大和型ほどの大型艦を建造できるほどの技術力も資金もないだろう、それに、わざわざ大和型に似せる必要もない」

 

「では……あの艦は……」

 

「それを調べるために、あの艦の艦長と話をするんだ」

 

「……!しかし、それは危険です!もし、あの艦が海賊やテロリストの所属で、この基地を乗っ取るのが目的だとしたら……!」

 

「私を人質に取られるかもしれない、と」

 

「分かっているのなら、何故!?」

 

「ふむ……何故……か」

 

基地司令は、口元に手をあて、少し考え込む。

 

「私の個人的な興味だ」

 

「興味!?しかし、危険です!」

 

「ふっ……、なら誰が話をするというんだ?」

 

「それは……」

 

「なら、私が話をすればいい」

 

「しかし!」

 

「ふっ……、その時は、私もろとも撃ってもらって構わない。最も、そう安々とやられるつもりはないがな」

 

「そうですか……」

 

基地司令の強い意志が伝わったのか、その隊員は一歩退く。

 

「まあ、任せておけ」

 

「それでは……よろしくお願いします“武蔵野基地司令”」

 

武蔵野と呼ばれたその基地司令は、ふっと笑うと、くるりと振り返り、出口のドアへと向かって歩いて行った。




キャラ紹介


名前:大瀬 湊
NAME:OSE MINATO
所属:海上自衛隊呉基地
所属艦:護衛艦やまと BBG-01
役職:砲雷長
階級:一等海尉
好きな物:ラーメン
苦手な物:おしゃれなパスタ
得意教科:物理
苦手な教科:国語
誕生日:4月17日
星座:おひつじ座
血液型:B型
呼称:砲雷長
概要:護衛艦やまとの砲雷長、たまにノリが軽い時がある。

どうも、作者です。突然ですが、質問です。今の作者の作品って、台本形式と台本形式じゃない方のどっちが読みやすいですか?もしよかったら、アンケートお願いします!

  • 台本形式「こっちの方が読みやすい!」
  • 「こっちの方が読みやすいに決まってる!」
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