緋弾のアリア 意志を受け継ぎし者   作:暗黒の影

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意味:目覚めし蛇

37弾の前編です。どうぞ!!




第37弾 Awake and snake 前編

 

 

シベリア連邦管区 ロシア開発局 A区航空機格納庫裏

 

 

飛び降りた俺と猴は、音を立てずに壁を蹴りながら、衝撃と重量を軽減させ、地面を滑るかの様に着地すると同時に軽減仕切れなかった衝撃を筋肉を使って地面に逃がす。

 

 

ちょうど、着地した場所が格納庫裏であった事もあり、目撃されずに済んだ。

 

 

さて、作戦を始めるか。

 

 

「・・・・・・・・・オーグメントモード」

 

 

オーグメントモードにより周辺が青色に見える中に赤色として見える人影が複数確認できる。

 

 

航空機格納庫周辺に6人、格納庫内に整備員含めて16人か・・・その先の格納庫も同様の人数か・・・

 

 

これは、上のルートを通るか・・・

 

 

「・・・・・・猴。地上じゃなく、屋根上から進むぞ」

 

 

「人が多いみたいですね・・・分かりました」

 

 

俺は、少し筋肉に電力を通して力を入れて格納庫の屋根上に向かってジグザグにジャンプし、先程と同様に音を立てずに着地する。

 

 

猴も同じように尻尾を使ってアクロバティックに移動してきて、音もなく着地した。

 

 

「・・・・・・サイレント。このまま、見つからずに上を通るが、進行ルートに敵影は?」

 

 

『今のところは、確認できてるのは前方30m先の監視塔に1人とその左、15m先の監視塔に1人を確認した』

 

 

「・・・・・・了解だ。合図したら、前方の30m先のヤツを特注麻酔弾で眠らしてくれ」

 

 

特注麻酔弾とは、機嬢に製作してもらった特注品の麻酔弾であり、使用する弾をAPFSCD弾に似たように装弾筒の中に小さな針が入っており、対象に刺さり次第地面に落ちて砕け散る仕様であり、証拠を残さなく使用する麻酔薬も後遺症の少なく即効性があるが、目覚めが速い複合開発麻酔薬を使用した事で隠密作戦としての利用価値が高い。

 

 

まぁ、使用コストがバカにならないのだがな・・・(一発辺り35万円だったな)

 

 

「・・・・・・猴、前方30m先の監視塔が見えるな?」

 

 

「はい・・・見えます」

 

 

「・・・・・・合図したら、サイレント(コルネール)に狙撃させて前方の監視塔の兵士を一時的に気絶させる。その瞬間を一気に走り抜けるぞ」

 

 

「・・・制限時間は、10秒でしたね」

 

強力な睡眠作用を持っており瞬間的な効果を出すのだが10秒と言う短時間しか作用しないモノである。

 

欠点的な部分が大きく出ているが、人外に足を踏み入れている俺や猴からしてみれば10秒の時間での行動は容易にできる為、問題はないが一般的な使用を目途に量産はまだ程遠いだろう品物だ。

 

それに麻酔を受けた対象にとっては『眠る』と言う感覚より、脳の集中力が途切れて起きるボーっとすると言う『呆ける』感覚に近いだろうがな・・・

 

「・・・・・・10秒もあれば、十分に走り抜けられるだろう?」

 

 

「・・・はい。可能ですが・・・その・・・他の人に見られないでしょうか?」

 

 

「・・・・・・問題ない。視認できる兵士が此方を見ていないタイミングを見て指示を出す」

 

 

「わ、わかりました・・・」

 

オーグメントモードで透視確認するが現状を見た限りで此方を見ている人や物は確認できない。

 

監視カメラを含み、周辺警戒をしている警備兵は此方とは逆方向を見ている。

 

タイミング的には絶好のチャンス・・・・・・

 

「・・・・・・(準備はできているな?)」

 

 

「・・・(はい)」

 

 

「・・・・・・(準備完了だ。カウント3秒後に目標への狙撃を頼む)」

 

 

『了解。カウント3秒後に狙撃する。タイミングは任せる』

 

 

「・・・・・・(了解)」

 

 

オーグメントモードの望遠システムを使用し、監視塔にいるスナイパーを所持した敵兵をよく見る。

 

 

『はぁ・・・毎日同じように監視塔で警備してるが、こんな場所を襲撃するヤツなんているのか?』

 

 

今現在で襲撃しようとしているヤツがいるのだが・・・・・・

 

 

『はぁ・・・全く、上の考える事はわからん』

 

 

『さてと・・・〈CP・・・CP。此方、監視塔〉』

 

 

『〈こちらCP。どうした?〉』

 

 

『〈定時連絡の報告をする。此方、Bポイント監視塔、敵影らしき不審なモノは見当たらない。引き続き警戒する〉』

 

 

『〈了解した〉』

 

 

どうやら、上の連中(愛国者達)は下の連中には、話を通していないみたいだな・・・

 

 

まぁ・・・そのお陰で慢心状態になっての警戒心低下になってくれているのであれば、十分にありがたいな。

 

 

猴にアイコンタクトで確認を取り、視線をスナイパーであるサイレントの方に向けて見える様にハンドサインを出すとそれをスコープにて確認したコルネールが通信で連絡してくる。

 

「・・・・・・(行くぞ)」

 

 

 

『3』

 

 

 

『2』

 

 

 

『1』

 

 

 

『0』

 

 

 

ゼロになった瞬間、オーグメントモードで見ていた敵の後ろ首筋(うなじ部分)に約5mmサイズの注射針の様なモノが刺さる。

 

 

その瞬間、首筋に違和感を感じた敵が、そのまま意識が首筋に向き首筋に触ろうとしたと同時に動きがピタリと止まるとバイザーディスプレイに敵兵の頭上に青色の睡眠マーク(Zzz)が表示された。

 

 

「・・・・・・(GO!!)」

 

 

ディスプレイで意識を失った事を確認した瞬間、ハンドサインでGOサインを出し、猴と2人で動く。

 

 

足音を鳴らさずに済む特殊な技である無音走り(サイレントラン)を使い屋根を走り・・・敵が見えないように角度を調整した高さに飛べるようにして屋根を飛ぶ。同じく猴も無音走り(サイレントラン)を使って屋根を飛んだ。

 

 

目的の建物の屋根に到着する手前で先ほど眠らせた敵兵をすれ違い様ではあるが、再度確認をすると目の焦点が合っておらず、完全にどこかわからない場所を見た状態で固まっていた。

 

 

そのことを確認した瞬間に目的地である開発局の屋根に到着した。

 

 

「・・・・・・(無事か?)」

 

 

「(はい。問題ありません)」

 

 

ハンドサインで怪我がないか確認し周辺を警戒しながら通信を繋げる。

 

 

この時点で時間は、6秒であり・・・制限時間にも余裕で間に合っていた。

 

 

『・・・・・・此方は無事に到着した。次はお前たちのルートの援護を行う』

 

 

『了解』

 

 

 

 





・特注麻酔弾は、非常に即効性があると同時に効果時間も非常に短い特殊な麻酔弾。その結果、一発あたりでの値段が日本円で35万円に達している。


では次回会いましょう~~

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