第40弾ですどうぞ!!
平成最後の日にギリギリ間に合った・・・
シベリア連邦管区 ロシア開発局 中枢深層エリア 第1区通路 重要人物冷凍睡眠室付近
第03通路保管倉庫内
リンクスSide
BIG BOSS・・・・・・20世紀最強の兵士と呼ばれた傭兵にして核戦争から世界を救った英雄。
そして、ザンジバーランド騒乱を引き起こした張本人でもある史上最悪の
「・・・・・・・・・」
BIGBOSSと呼ばれた男は、しっかりと此方の眼を見ながら口を閉ざす。
「・・・・・・・・・だんまりか」
銃を仕舞いゆっくりと構えを解きながら、小さな声で呟く。
「どうして、そう思った?」
俺が構えを解くと男もゆっくりと構えを解いていく中で訪ねてくる。
「・・・・・・・・・俺の肉体は、天然の人間の体ではなく研究所によって試験管から生まれ隅々まで改造された人造人間でな」
「それで?」
「・・・・・・・・・俺の・・・このバイザーと眼は、高性能なデジタル機器になっていてな。この機器には遺伝子情報検索とか身体情報らを読み取る事の出来るシステムも内蔵されている」
つまり・・・
「っふ・・・つまり、お前からしたら俺の事は筒抜けだと?」
包帯の隙間から見える口元が緩む様に聞いてくる。
「・・・・・・・・・あぁ」
俺もその姿を見ながらゆっくりと頷き肯定する。
「そうか・・・それで?お前は何者なんだ?この基地の者じゃないんだろう?」
俺が、奴の正体を暴くと同時に奴も俺と同じ様に問いかけてくる。
「・・・・・・・・・どうして、そう思う?」
これでは、さっきのやり取りと真逆だな・・・
「・・・基地の者ならば、統一された動きに軍特有の気配があるものだが、お前にはその2つが見て取れない」
統一された動き・・・確かに俺には無いな。軍の動きが悪いわけではなく、純粋に俺には合わないということだな。
簡単に言ってしまえば、整列して大進軍する軍の中を誰もいない所で一人でただ普通に歩いている様なモノ。
軍特有の気配・・・これも上記と同じで確かに俺には無いモノだな。
上記の場合は動きだとすれば、これはオーラなどのことだな。言わば、強者たるに値する雰囲気の違いだろう。軍の場合は形に嵌った刺々しく何処か触れ合い難い雰囲気を出しているのだが・・・
俺の場合は、周りと同化することを無意識の内に行っているからな、自然と雰囲気がゆったりとした緩いモノに感じるのだろうな。
「・・・・・・・・・」
もし、俺と同じものを言うならば、少し気を付けなければならないな・・・
と言っても、この2つをどうにかすることは難しいんだがな。
動きは、どうにか真似をしてギリギリ誤魔化せるかもしれないが、雰囲気については長い間、アニムスのデータでアサシンとして鍛え上げられたこともあり、自然体でいることを強いられた事もあり、誤魔化しきれない。
つまり、雰囲気については、どこかしらで誤魔化しのきく方法を身に着けないといけないな。
「わかってるんだろう?何がないのか?」
「その動きは、よく見たことがある暗殺者の動きに近い、気配も同じくその自然に同化するかのような気配の薄さ、軍の中でも異質感が半端ではないな」
「まぁ・・・いるとすれば、それこそ暗殺を主とした部隊位だろが、この基地にそんな存在はいないからな」
いない?何故そんなことを知っているんだ?
それに今更ながら、何故BIG BOSSは起きているんだ?
「・・・・・・・・・今更だが、何故起きている?事前情報によればアンタは冷凍睡眠に入っていたはずだが?」
問いかけが遅れたが気になる所だからな聞いておかないとな・・・
「確かに今更だな。だが教えたところでどうする?お前に関係あるのか?」
関係か・・・
「・・・・・・・・・あぁ、関係あるな」
BIG BOSSの問いに俺がそう答えると包帯で隠している顔が僅かに動いた。
「俺を・・・殺すのにか?」
どうやら、BIG BOSSは俺をここの兵士ではなく自分を殺しに来た暗殺者だと疑っている訳か・・・
「・・・・・・・・・いいや、アンタには生きてもらう。その為に俺たちは動いたんだからな」
そう、俺達はみんなBIG BOSSである彼を救出する為にわざわざこんな危険極まりない基地に潜入してきたんだからな。
「どういう事だ?まさか、俺を救出にでも来たと言うのか?」
俺の答えに動いた表情が次は固まり呆ける。
「・・・・・・・・・そのまさかだ。俺とコイツを含んであと数人で編成された少数精鋭でアンタを救出しに来たんだ」
この作戦に参加しているのは、指揮兼パイロットのシャーロック・ホームズ、医療人のエル・ワトソン、メカニックの壷、実働部隊のコルネール、リサ、猴、リンクスの合計7人で編成された少数精鋭である。
「正気か?仮にも国が管理している軍に攻めてくるなんて・・・」
それをアンタが言うか・・・
「・・・・・・・・・ザンジバーランド騒乱を引き起こした本人が言う事か?」
再び問いかけに対して俺が答えると呆けていた顔から苦虫を噛んだかの様な顰めっ面になった。
「いや、まぁ・・・確かにそう言われるとそうなんだが、お前の歳で国を相手にするのは・・・」
しかめっ面から少し表情を変えて何か言い難そうな表情で言葉を言いかける。
「・・・・・・・・・無謀か?確かに俺一人で国と戦えば簡単に朽ち果てるだろうな。だからこそ他人に力を借りている」
誰も一人で国を相手にできるなんて思っちゃいない。
例え俺がこの世界の原作を知って、どの様に世界が動くか分かっていようが、神の力でこの世界に能力を貰い転生したからと言いおうが人ひとりでできる事なんて、たかが知れているからな・・・・・・
「・・・・・・・・・ここに来るまでも、仲間の力を借りている」
ゆっくりと視線を後ろにいる猴に向け、直ぐに視線を戻してBIG BOSSを見る
「・・・だが・・・いや、やめよう、ここで話すことじゃないか。直ぐに此処から移動するのか?」
世界を相手にした事のあるBIG BOSSが何かを言いかけるが、直ぐに首を振り考えを切り替えて本題の方に意識を向けてくる。
「・・・・・・・・・少し待て『サイレント、最優先目標を確保した。退避ルートはどうだ?』」
瞬時に通信を開き、コルネールに詳細を述べず告げる。
『此方、サイr・・・なんだって?』
突然の言葉に驚愕しているのか、素っ頓狂な声で聴き返してきた。
「・・・・・・・・・説明すると長くなるから省くが結論から申して、今入った部屋の中に最優先目標である人物を発見し確保した」
そう再度、告げると呆れたかの様な雰囲気を出しているのが分かるくらいの小さなため息をつく。
『ハァ・・・いろいろ省き過ぎなんだが・・・まぁいい、本当に本人なのか?』
「・・・・・・・・・あぁ。バイザー内にあるシステムC.E.B.S.O.で確認済みだ」
『結果は・・・?』
「・・・・・・・・・95%の確率で本人だった」
『・・・はぁ、わかった。予想時刻より圧倒的に速いが了解だ退避ルートを教える、直ぐにそこから・・・』
「・・・・・・・・・どうした?問題か?」
『いや、最優先目標である人物の退避は、鳳凰に任せてライデンはセカンドミッションに移行してくれ、どうやら基地の奴らが動き始めたようだ』
「・・・・・・・・・了解。それとピクシーはどうだ?」
『ここを占拠して直ぐにセカンドミッションに向かってもらった、先ほど通信で順調だと言っていたぞ』
「・・・・・・・・・了解だ。それなら此方もセカンドミッションに移るとする・・・通信アウト」
『任せた・・・部屋のロックは解除してあるからな。通信アウト』
今更ながら『鳳凰』は猴で『ピクシー』はセーラの通信コードネームであり、基本的に通信会話の時はこちらの呼び方で読んでいる。
「・・・・・・・・・さて、猴は彼を連れて退避ルートを進みランデブーポイントに迎え」
「アナタは?」
「・・・・・・・・・俺は、セカンドミッションに移行する。ミッションが完了次第すぐにランデブーポイントに向かい合流する合流次第は救助者全員を連れて脱出するぞ」
BIG BOSSを含む要救助者たちを連れて、滑走路付近まで向かい対空兵器を含む戦闘機を破壊し、対空砲火を鎮め次第シャーロックが搭乗するAC-130H<スペクター>を滑走路に着陸させ、救助者全員を機体に搭乗させて早急に離脱する。
「お一人で・・・ですか?」
「・・・・・・・・・あぁ。俺を心配するより自分の心配をしていろ」
「は、はい・・・」
「・・・・・・・・・アンタもいいな?」
猴の問いを答え、視線をBIG BOSSに向けつつ問いかける。
「そう聞かれてもな?俺に残されている返答は『YES』しかないんだが?」
包帯の隙間から見える口元と眼には呆れが見える。
「・・・・・・・・・つまり、そういうことだ。ではミッションを始めよう」
ゆっくりと体を動かし、扉付近に敵がいないかオーグメントモードで透視して安全を確認する。
「・・・・・・・・・スネーク。扱い難いだろうがコイツを持っていけ」
直ぐに視線を後ろに向けて先程から読んでいたBIG BOSSと呼ぶのを止め、スネークと呼び変え、持っていたAK-12とマガジンを2本渡す。
「良いのか?」
渡されたAK-12を見て問いかけてくる。
「・・・・・・・・・構わない。俺にはコイツ等がいるからな」
手に持っているMK.23SOCOM(vr.CB)と左腰に下げている
「そうか、なら遠慮なく受け取ろう」
俺の視線を辿り装備を見たBIG BOSSも頷きAK-12を受け取る。
「・・・・・・・・・外に敵はいない。行くならば今だな」
「そ、それじゃあ、行きましょう」
ロックの外れた扉を開けて、念には念を入れ注意しながら通路に出る。
「・・・・・・・・・<敵影なし、進路クリア>」
敵影を確認できない事をハンドサインで2人に知らせるとゆっくりと猴とスネークが警戒しながら出てくる。
「・・・・・・・・・<進むぞ>」
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AC-130H<スペクター> コックピット内
そこには、世界の裏に存在する秘密結社を率いるリーダーである男性『シャーロック・ホームズ』が通信用片耳ヘッドセットを耳に掛けてコックピットの機長席に座っていた。
「さて、そろそろ時間になるね・・・『ワトソン君。少しの間運転を変わっていただけないかな?』」
そのリーダーである男性は、ゆっくりと胸のポケットにしまっていた懐中時計の蓋を開き時間を確認すると耳に掛けた通信機で連絡を入れる。
『僕がですか?わかりました。直ぐに向かいます』
「すまないね」
通信機から聞こえてくる声に軽く謝罪の言葉を述べ、機器を弄る。
「さてと、詳細の準備は・・・これで大丈夫だね。あとはリンクス君次第だね」
そう言い機内機器の一部をおふらオフラインからオンラインに切り替えた。
機内火器管制システム=オンライン
ギリギリすぎる投稿だ・・・
次回の話も急いで投稿できるように頑張ります。