平成が終わって令和となっての初投稿ですな。
6か月振りの投稿です。
だいぶ期間が空いてしまいました。
申し訳ないです。
では第41弾です。どうぞ
シベリア連邦管区 ロシア開発局 中枢深層エリア 第8区通路 被験者実験エリア
第01通路
リンクスSide
猴とスネークと別れてから、着ていた制服を脱ぎ捨て元々着ていたスーツを着用し、通路を急ぎ走っている。
ニンジャランによる高速ダッシュを行っていることにより、足元には電流の跡が残るが気にしている暇はない
「・・・・・・・・・情報提示」
------了解です。情報を提示します。
バイザー内のAIを起動させ情報を聞く。
------現在、向かっている目標地点に確認できる生体反応は20です。
20?多いな・・・
------その内の12は反応の大きさが小さいです。推測するに残りの8が敵性勢力で12が救助者であると推測します。
「・・・・・・・・・生体反応20の内12が救助者か・・・救助し次第の合流ポイントへのルートを再検索を頼む」
------了解しました。
検索に少々時間が掛かるのか、AIが黙り込む。
生体反応が12か・・・事前情報によると研究の被験者として連れてこられているのは、全て子供だと聞いている・・・
この基地を脱出するのに12人もの子供を連れてになると少し難しいな・・・
「・・・・・・・・・捕まってる子供が戦えれば良いが・・・」
------検索結果を報告します。検索結果、97%の確率で安全に通れるルートを発見しましたが、前提条件として救助対象が全員、応戦できることが必要です。
「・・・・・・・・・応戦・・・と言うことは、戦うと?」
------はい。と言っても最悪の場合によります。
「・・・・・・・・・うまくいけば、戦わずして安全に行けるんだな?」
------はい。
「・・・・・・・・・なら、そのルートを提示する準備を・・・直ぐに突入して制圧するぞ・・・」
ニンジャランによる高速ダッシュにより、目的地である『被験者収容所』に辿り着きAIにそう告げると直ぐに返事をすると検索モードから戦闘モードへと移行する。
モードが切り替わったことを理解した瞬間、ムラサマブレードの居合切りの構えを取ると同時に警告がAIから届く。
------告。ドアロックと同時に室内に動きがあります。
「・・・・・・・・・なに?・・・オーグメントモード」
------了解です。オーグメントモード起動
居合切りの構えを解かずにオーグメントモードを起動すると先ほどの情報で出た生体反応20の内8が敵だと判断すべき武装した大人で残りの12は子供たちであると把握し銃を構えた状態の大人が囲っているのが分かる。
「・・・・・・・・・人質と言う訳か・・・」
------このまま、突入しますか?
そんなもん・・・決まっている。
「・・・・・・・・・あぁ。奴らが引き金を引くより先に動き斬る」
リンクスSide out
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敵兵Side
いつも通り、被験体であるガキどもの警備で終わる済むはずが・・・
「っクソ!!どうなってやがる!!」
現在の状況を考えるに侵入した人数は多くなく少人数らしいのだが、既に多くの兵士が殺られているらしく、その情報を聞いた隊長も理解できずにいた。
「・・・・・・っ」
その大声を聞いた被験体であるガキ数人が体をビクつかせているが、そんなものもお構いなしに被験体の一人である薄茶色のガキの腹部に向けて手加減なしの蹴りを八つ当たりでぶつける。
「・・・ガッ!?・・・ゲホッ!!ガホッ!!」
無防備にも蹴られたガキは、衝撃を殺しきれずに体をくの字に曲げ一瞬だが両脚が地面から離れ宙に浮くが、直ぐに地面に着くと同時に苦しそうに地面に倒れ蹲まる。
「っくそ!!おい!!さっさと立て、ここから移動するぞ!!」
八つ当たりから自分で蹴り飛ばしたガキの髪の毛を鷲掴み、無理やり立たせようとする。
「っがは!!・・・うっ・・・・・・」
無理やり立たされたガキの表情は激痛により、歪みその奥の瞳は苦痛と絶望に塗りつぶされていた。
その表情をみると同時に自分の通信機が鳴る。
「・・・こちらアサルト2。どうした?」
『こちらサポート1。監視カメラが侵入者を捕捉した。現在直進してそちらに向かっている警戒を強めろ。約30秒後に到着するぞ』
監視カメラを監視していた兵士の一人からの連絡であり、今回の襲撃犯がカメラに映ったことの報告を寄越してきた。
「了解だ。お前らも此方に急いで合流しろ。侵入者をお出迎えしてやるぞ」
現状で6人だが、カメラを監視している2人を含めれば8人になる。
・・・・・・いくら侵入者が強かろうと8人の武装兵士には敵う訳ないはずだ。
『了解。サポート1。合流する』
『サポート2。了解、合流する』
「よし。通信アウト」
『通信アウト』
通信を切り、未だに苛立っている隊長の元に近寄り知らせる。
「隊長。どうやら例の侵入者が此方に向かって来ているとのことです」
「なに!?っち!!何故こっちに来る必要がある!?クソっ!!」
「っが!!」
隊長本人に通信の内容を伝えるとその内容に苛立ち、先ほど蹴り飛ばしたガキを再び蹴り飛ばす。
「仕方ねぇ!!アサルト3とアサルト4は、入り口付近にバリケードを作って待機しろ」
「「了解」」
指示が出された2人は直ぐに近くにある金属製のテーブルをひっくり返し即席のバリケードを作り上げるとバリケードの上に持っていたRPK-12とPKP‘ペチェネグ’のバイポッドを展開させて構え待つ。
「アサルト5と6は、アサルト3と4と同じ様にバリケードで構え待て」
アサルト5と6は、アサルト3と4の方に向かい扉に銃を構えて待機する。
「サポート1、サポート2合流します」
移動し終えると同時にカメラを監視していた2名の隊員が合流する。
「よし、サポート1とサポート2は、俺とアサルト2と共にガキどもを囲むように並んで待機だ」
「「了解」」
ガキどもを囲む理由は2つだろうな・・・1つ目はガキどもが変な気を起こさないためだろう、2つ目は侵入者に対しての人質としてだろうな。
「・・・・・・っひ!!」
AK-12をガキどもに向けると小さな悲鳴を上げるとガキどもが身を寄せ合い震え始める。
「ふん。さてぇ?こうすれば奴は入ってくると同時に5.45×39㎜弾の蜂の巣になるだろうなぁ?最悪バリケードを超えて来たとしても此方には、こいつ等がいるしな?流石に人質関係なく襲ってこないだろうしな。ははは!!」
斬っ!!
隊長が高らかに笑い声をあげると同時に扉に切れ目が入ると隊員全員に緊張が走る。
「っな!?っクソ!!総員構え!!」
「(電動式気圧自動ドアとは言え、その厚さは約90mmだぞ!?切り裂くなんて無茶な筈なのだが・・・・・・)」
バガンッ!!
隊長がバリケードにいる隊員に向けて言うと同時に切れ目から扉が吹き飛んでくる。
「っクソ!!」
「ッがぁ!?」
吹き飛んだ扉の破片がバリケードにいた4人に目掛けて飛来してくるのに対して右側の兵士2人と左側の端にいた兵士は、瞬時に反応し身を屈めることで事無きを得るが左側の手前にいた兵士の一人が回避が間に合わず、破片が体に突き刺さり、その勢いのまま俺たちの横の壁に貼り付けられる。
その兵士の左肩から腹部にかけて破片が袈裟斬り状態で刺さっており、その体からは夥しい量の血を流し地面に血の池を作り壁には血しぶきによる大量の血がこびり付いており、一目で即死であると言うのが分かる。
「っな!?撃て!!総員射撃開始!!」
壁に貼り付けられた仲間の死体をガキどもを囲んでた俺を含む4人が視認し理解すると同時に隊長が直ぐに硬直した意識を戻しバリケード前の兵士たちに向けて命令を出す。
「っ!!このクソ野郎!!」
「ッよくも!!バルメロを!!」
「ッ野郎!!死にやがれ!!」
ダダダダダッ!!
その命令と共に止まっていた兵士たちも仲間を殺った侵入者に向けて罵倒発言しながら動き始め、RPK-12とPKPペチェネグから5.45×39㎜弾と7.62×54㎜弾が吐き出される。
ドアが吹き飛ばされた入り口は、未だに立ち込める煙でドアを吹き飛ばした張本人が確認できないが、それは向こうも同じである。
敵の位置が掴めなくても入り口付近にいれば、そのまま身に受けてたちまちハチの巣になる筈だ。
「総員射撃止め!!」
隊長の指示を聞き、バリケードの隊員3人が引き金から指を離し、鳴り響いていた銃声が止む。
「・・・・・・どうだ?死体はあるか?」
隊長の言葉にバリケードにいた隊員の一人がゆっくりと動き、入り口に目を向けると視界不良の原因になっていた
煙がゆっくりと晴れていく。
「・・・いえ。死体どころか・・・誰もいません」
入り口に目を向けていた兵士の報告に全員が困惑する。
「・・・馬鹿なッ!!いないだと!?そんな筈はない!!いるはずだ!!」
隊員の報告に隊長が感情を爆発させる。
「し、しかし、外にはいません!!」
「(いない?じゃあ、先ほどのドアを吹き飛ばした奴は・・・・・・っ!!)っまさか!!」
先程飛んできた扉の破片に向けて視線を向けようとした瞬間。
「・・・あれ?」
額に衝撃を感じると同時に視界が暗転し意識が遠退いていくなか、隊長たちの体から噴き出す真っ赤な鮮血が視界に捉えると同時に意識を無くした。
敵兵Side out
リンクスSide
副隊長と思わしき人物の額を高周波ナイフで一刺し絶命させる同時に体を瞬時に動かし子供を囲んでいる兵士全員の腕を切り落とし、喋る前に喉元を切り裂き絶命させる。
「・・・・・・まさか、気づかれるとはな」
ムラマサブレードの刀身にこびり付いた血を振り払う動作「血振り」で血を刀身から降り落としつつ、上腕と下腕を繋ぐ関節部位で刀を挟み込み振り落としきれていない血をふき取り鞘に戻しながら呟き、此方を向いていない兵士に腰の高周波ナイフ3本を投擲し絶命させる。
扉前にいる筈の俺がどうやって敵に気付かれずに銃弾の雨を潜り抜けたのかは、至って簡単だ。
スモークグレネードを2つ取り出し安全ピンを引き抜き地面に落とし、スモークが出始めると同時にムラマサブレードでドアを切り、切れ目に向けて八卦を応用とした掌打で吹き飛ばす。
吹き飛ばした時にオーグメントモードで確認し計算することで破片を任意的な方向に飛ばすことで敵兵の死角を作りあげる。
視界不良を利用しながら、吹き飛んだ破片の死角を利用し
したのだが・・・どうやら、隊長より思考が優れていた副隊長の方が気づくとはな・・・
少しだが、焦ってしまったな・・・
俺の方を見る前に始末できたのは良かった、そのお陰で入り口付近のバリケードにいた兵士をナイフで「サイレント・キル」できたのは幸いか。
「・・・・・・さて、ガキどもを連れて脱出するか」
ゆっくりと後ろにいる子供たちの方に体を向けて視線を向ける。
『・・・・・・ッ!!』
この部屋に入る時に見た時よりも顔が恐怖に染まっているのが良くわかる。
まぁ、仕方ないか数十分前まで自分たちを囲んでいた兵士たちの体から突然、血が噴き出て、視認できないレベルで投擲されたナイフでバリケードの兵士たちも絶命したと思えば、次の瞬間には目の前にSFチックな体をした男がいれば、怖いだろうな。
「・・・・・・動けるな?此処から脱出する、ついて来い」
しかし、そんなものを気にしている暇は無い。
冷酷非情にも感じ取れる様な態度で言葉を投げかけ、そのままゆっくりと子供たちに向かって歩いていく。
一歩一歩ゆっくりと歩いて行く度に地面に倒れている兵士の死体から流れ出る大量の赤い液体を踏んでいく事で出る音は他者から聞けば、窮地を救ってくれた救世主が歩み寄る音に聞こえるのか、はたまた死神が魂を刈り取る大きな鎌を振り上げ今にも魂を刈り取ろうと歩み寄る音に聞こえたのかはわからない。
「っひ!!」
悲鳴を上げたのは隊長格に殴られ、蹴り上げられていた薄茶色の髪をした少女からだった。
「あ、アナタは?」
白色に近いプラチナブロンド色の長髪をした少女が悲鳴を上げた少女に瞬時に近づき抱き庇いながら問いかけてくる。
「・・・・・・この基地を襲撃した奴だと言えば理解するか?」
その言葉を告げた瞬間、人質にされていた子供全員が体を震え上がらせた。
「・・・な、なぜ。私たちを・・・助けるんですか?」
少女を抱き庇っていた少女が、声を振るえさせ畏怖した視線を向けながら聞いてくる。
(時間が惜しい・・・少しでも動かなければ、増援部隊が来るかもしれない。そうなれば、ここにいる子供全員を守りながらだと少々厳しい、早急に動きたいのだが・・・・・・仕方ない)
「・・・・・・その問に答えれば、貴様ら全員動くのか?」
「そ、それは・・・」
「・・・・・・俺としては、どちらでも構わない。貴様らが動かないのなら、そのまま置いていくだけだ」
「・・・っ!!」
「・・・・・・どうする?このまま、此処に残って奴らの実験台になるか?それともどこの誰だが分からない奴と共に此処から出ていくか」
「・・・・・・残れば、生きるか死ぬか分からない実験台になるだろう」
「・・・アナタと出たら?」
「・・・・・・最悪の場合は死ぬだろうな・・・だが、死なせる気は一切ないし実験台として扱う気もない」
「・・・少し」
「・・・・・・ん?」
「少し、みんなと話させて」
「・・・・・・断る。今この場でこの瞬間で決めろ」
「っな!?」
「・・・・・・貴様らはどうする?」
今まで会話に参加してこない子供全員に向かって問いかける。
「私たちは・・・・・・」
鼠色の短髪をした少女が声に出しながら、迷い始めるとほかの少女たちも迷い始めた。
それを見たリンクスは、止めていた脚を動かしゆっくりと扉まで移動していく。
その動きは、早くも遅くもなく、普通に歩けば追い付けるほども速度であった。
「・・・・・・はぁ、貴様らを待つ時間はないんだ。残りたいのならそこで大人しくしていろ。俺は行くぞ」
しかし、少女たちには自分たちを見捨てていく様に見えたのか・・・・・・
「ま、待って!!」
少女たちは、焦り始め思考が纏まらずにいたのだが、とりあえず止めてほしいのか、声を大きくして言うが・・・
「・・・・・・待たん。さっさとしろ。ついてくるならついて来い。ついてこないのならそのままでいろ」
リンクスは、そう言い動きを止めず、歩いて行き自動ドアが開き姿を消した。
だいぶ期間が空いてしまい申し訳ない。
ネタは沢山あるので、どうにか書く速度(打ち込む速度)を上げていけるように頑張ります。
ではまた次回会いましょう