新年あけましておめでとうございます。(遅っ!!)
気付いたら2月中旬・・・・・・やばっ
地道に書いてはいたと言えば書いていました・・・はい。
正直に言いますと、遅くに仕事終わって購入したゲームを消化していました。
落ち着いてきたので再び書き始めます・・・はい。
と言う訳で第42話です。どうぞ
シベリア連邦管区 ロシア開発局 中枢深層エリア 第8区通路 被験者実験エリア
リンクスSide
突き放さない速度で歩きながら、所持していた銃の残弾を確認する。
MK.23SOCOM(vr.CB)の残弾・・・30発マガジン(4本)と装填済みの1マガジンの5本で合計150発
キラーエンペラーの残弾・・・10発ダブルカラム・マガジン(2本)と装填済みの1マガジンの3本で合計30発
ムラマサブレードの残弾・・・20発ダブルカラム・マガジン(1本)と装填済みの1マガジンの2本で合計40発
「・・・・・・(とりあえず、これだけの残弾が残っているのならば十分に戦えるな・・・・・・)」
腰や脚、胸のポーチに装着してある弾薬ポーチに入っている残弾をすべて確認していると後ろから複数人の走ってくる音が耳に届く。
聞こえてくる音からして、あの部屋にいた12人の子供全員がどうやら追いかけてきたようだ。
「はぁ・・・はぁ・・・待ってください!!」
走り寄ってくる音を聴き取り人数を認識すると同時に少女らしい声を高さと走ってきたときの息切れを含んだ少し甲高いくらいの声を掛けられる。
「・・・・・・結局、全員が付いてくるのか」
声を聴き歩いていた脚を止めて腰の位置に移動させたムラマサブレードの柄に手を添えた状態でゆっくりと子供たちの先頭を走っていた白色に近いプラチナブロンド色の長髪をした少女に視線を向ける。
「私たちも連れて行ってください!!」
息切れをしている事も含めて少し声を抑えずに叫んでいる状態に近い声で少女は言う。
「・・・・・・それは、覚悟ができているということか?」
部屋を出る前に述べた事を踏まえて『その言葉』を言っているのならば、別に構わないのだが・・・再確認として問いかけを少女たちにする。
「・・・・・・・・・・・・」
その問かけに少女たちは、視線を合わせずに下に向けてしまう。
「・・・・・・どうなんだ?」
「まだ・・・」
再度の問いかけに視線を下に向けていた少女の一人であるプラチナブロンドの子がゆっくりと視線を上げて目を合わせて呟く。
「・・・・・・」
「まだ・・・まだ、ちゃんと覚悟ができたわけじゃありません」
その答えには、正直に言えば納得する。
生きてきた中で実験台として扱われていた子供にその問いかけは、難しく様に決められるものではない。
しかし、その事を気にしている暇は、此方にはないのだ。
「・・・・・・それでも、ついてくると?」
「あのまま・・・私たちが、何もせずにあの部屋にいたとしても・・・待ち受けているのが絶対的な絶望なら・・・少しでも希望が存在する方に行きたいんです」
絶対的な絶望と少しでも存在する希望を天秤に掛けてこちらに来たと言うことから、まだ少し甘さがあると言うことだがそれは、しょうがないであろう。
「・・・・・・確かに絶望からは逃れるだろう、しかしその先が希望かは分からないぞ?」
「・・・はい、それでも・・・それでも・・・みんなと決めました。私たちは貴方に着いて行きます!!」
プラチナブロンドの少女が、そう言うと他の少女たちも顔を上げて視線を向けてくる。
「・・・・・・・・・・・・」
視線を上げて合わせてくる視線には、最初に会った時の待ち受ける絶望と恐怖が合わさったモノではなく、自分たちの意思による決意と希望に変わっていた。
「・・・・・・なら、ついて来い」
少女たち全員が決意しているのならば、俺から言うことはない。
決意したのならば、あとは少女たちを無事に届けるだけである。
その後のことは聞かずに止めていた脚も動かし歩き始める。
「え・・・あの・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
プラチナブロンドの少女が何か言いたそうにしているが、片手を上げて喋ろうとするのを止めさせてバイザーを展開させ通信をする。
「・・・・・・こちら、ライデン」
『こちら、サイレント。成功か?』
「・・・・・・あぁ、これから合流ポイントに向かう」
『了解だ、此方も既にピクシーと合流している。後は鳳凰と最優先目標を待つだけだ』
「・・・・・・了解。2名と合流したら、イーグルに連絡をしてサードミッションを開始する」
『待たなくて、良いのか?』
「・・・・・・構わない」
『了解。合流次第、サードミッションに移行する』
「・・・・・・通信アウト」
『通信アウト』
・・・さて、サードミッションが始まると言うのなら、急ぐしかないな。
視線をゆっくりと後ろに向けると此方の様子を窺うように視線を向けてくる少女たちがいた。
「・・・・・・時間がない。急ぐぞ」
そんな様子の少女たちを見ても表情を変えずに付いてくるように指示を出し、歩くスピードを速める。
「っえ!?あ、はい!!」
その指示に対して、驚きもするが直ぐに意識を切り替えてリーダーであろう少女が返事をするとほかの少女たちも直ぐに意識を切り替えて付いてくる。
「・・・・・・スピードを上げるぞ」
少女たちが付いてきてる事を確認すると歩きから走る方へとスピードを上げていき、少女たちの盾になる様に先行・誘導する。
「「「っはい!!」」」
この基地にて人体実験として扱われていただけあって、体力面も高くなっている様だ。
「・・・・・・(このままのスピードで行けば、予定時刻には合流ポイントにたどり着けるか。)」
少女たちの先頭を走るリンクスは、思考を走らせながら次のミッションの事を考える。
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「サードミッション」
1.ファーストミッションとセカンドミッションが問題なく完遂した事で移れるミッション。
2.セカンドミッションである「救助対象」の救助と「破壊工作」が完了しサイレントとピクシーを含む別動隊と合流ポイントで合流次第、次の工程に移る。
3.上空で待機してるシャーロックたちが搭乗するAC-130H<スペクター>による近接航空支援を行い、地上部隊を錯乱させる。
4.錯乱された地上部隊の持つ対空兵器をセカンドミッションで行った「破壊工作」でピクシーが設置した爆薬を
同時に起爆させ、対空兵器を全て無力化。
5.対空兵器を無力化すると同時に地上部隊の掃討による無力化を行う。
6.勢力の無力化を確認次第、AC-130H<スペクター>を滑走路に着陸させる。
7.AC-130H〈スペクター〉が着陸後、要救助者と救助対象を迅速に搭乗させて現場を離脱する。
8.空域を離脱次第、サードミッションは完了。
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鳳凰と最優先目標(スネーク)がサイレントとピクシーの別動隊と合流すると同時にサードミッションが開始される。
つまり、このままでいると上空にいるスペクターによる対地攻撃の被害を受けてしまう可能性が高く最悪、死者が出る可能性も高い。
「・・・・・・(だが、俺たちを待っている間も安全とは言えない。最優先目標は目覚めたばかりで体力も少ない、救助対象も数が多くまだ幼い)」
「・・・・・・(待っている間に見つかり交戦状態になったら、ひとたまりもない)」
「・・・・・・(ハイリスクハイリターンで対処するしかない)」
「・・・・・・(予想以上に少女たちの体力が多くあった事で予定時刻より早く合流ポイントには着けるだろう)」
P---P---P---P
サードミッションについて考えて行動していると体内に内蔵された通信装置のサブ機能であるEシステム(メール)に連絡が入る。
「・・・・・・ッ!!全員ッ!!止まれッ!!」
Eシステムに入った連絡を開いて目を通したリンクスは、周囲にいる少女たちに聞こえるレベルで声を高めて言う。
「「「「っ!?」」」」
当然の声に驚きつつも、バランスを崩さずに少女たちは足を止めた瞬間・・・
ドゴォォンッ!!グラッグラッ
爆発音と衝撃で基地全体が大きく揺れた。
「・・・・・・始まったか」
リンクスの呟いた小さな声は、未だに続く揺れと音によってかき消されていった・・・・・・
次回、上空にいるシャーロックたちの視点から始まります。
では次回会いましょう!!