緋弾のアリア 意志を受け継ぎし者   作:暗黒の影

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長らくお待たせしました。

どうぞ44弾です。




第44弾 Assault horizon 前編

 

シベリア連邦管区 ロシア開発局 中枢深層エリア 第8区通路

 

リンクスSide

 

突然襲ってきた激震が収まり、周囲を見渡しながら後ろにいる少女たちを見ると激震に耐えれずに何人かの少女は地面に座り込んでいた。

 

「・・・・・・収まったか」

 

MK.23SOCOM(vr.CB)を構え直して言うと少女たちの中にいた座り込んだ赤色というよりは、赤に近い桜色の髪の毛をした少女が声を荒げていた。

 

「痛っ!!クソっなんなんだよ、もう!!」

 

突然の激震で尻を強く打ち痛かったのか悪態をついていた。

 

「いたた、ちょっと大丈夫?多由也」

 

多由也と呼ばれる悪態をついていた少女に近づき手を伸ばしながら話しかける金髪ポニーテイルの少女が目に入る。

 

「あぁ、大丈夫だ。ったくよ!!なんなんだ?今の揺れは?いの、分かるか?」

 

いのと呼ばれた少女の手を借りて立ち上がりながら問いかける。

 

※(今後は「いの」の名前は「イノ」のカタカナでいきます)

 

「さ、さぁ?でも普通の揺れ方じゃなかったよね」

 

多由也の問いに戸惑い気味に答えている、いのを視界にいれつつ多由也の問いかけに俺が答える。

 

「・・・・・・AC-130H、通称はスペクターと呼ばれる対地攻撃専用の大型航空機だ」

 

 

「「「「「え?」」」」」

 

 

俺の答えにビックリしたのか気の抜けた声を数人が上げた。

 

 

「・・・・・・今の揺れからして、120mm砲を使ったな。急ぐぞ、此処から出たら攻撃を行った輸送機に乗って脱出する予定だ」

 

 

「えっ!?で、でもこの基地の滑走路には数多くの兵器が配置されてましたよ!?」

 

兵士に蹴られ暴力を受けていた少女に肩を貸していたオレンジ色の少女が声を抑えて聞いてくる。

 

「・・・・・・問題ない、滑走路にある脅威は全て排除しているだろう。その為の攻撃でもあるからな今のは」

 

 

「それでも、ヤバイ数の兵器が置いてあったろ?無事で済むのか?」

 

外の光景を朧気に覚えていたのか数が多かったことを多由也が聞いてくる

 

「・・・・・・俺とは別に動いている他のチームが工作行為をしている、この攻撃もその工作行為が上手くいった合図でもある」

 

そう、120mmによる攻撃が来たと言うことは地上に設置されていた対空兵器群は設置型の爆薬や無力化されたことを意味しているのだ。

 

つまり、あと数分程度で上にいるスペクターが地上に降りてくると言うことになる。

 

「へぇー」

 

その事を聞いた多由也は、曖昧な声で納得していた。

 

「・・・・・・納得したか?なら急ぐぞ、スペクターが来るまで時間がない」

 

 

「まっ、待ってください!!ここを進んだ先に武器庫があります!!そこで私たちの武器を回収させてください!!」

 

先を急がせようと止まっていた脚を動かすと同時にプラチナブロンドの少女が声を出して言ってくる。

 

「・・・・・・武器の回収だと?」

 

確かに武器を持たせた方が自分の身を守れて安全になるかも知れないが、同時に危険でもある。

 

それに、武器の回収と言うことは・・・

 

「・・・・・・自分たちの専用の武器を持っているのか?」

 

少年兵になれる年齢かも知れないが、こんな基地で自分専用の武器を持たせているのか?

 

「は、はい。この基地にいる間は銃などを使った訓練をずっとやってました。私とトリエラも2人は狙撃手を多由也とハナビの2人は偵察兵をイノは尋問兵を紗津希は工兵をひかりは衛生兵をヒナタとヘンリエッタと二代の3人は突撃兵をウオルシンガムとネイトの2人は援護兵の訓練を受けています!!その訓練の際に自分たちが扱う武器もあずかっていました!!ですから!!」

 

 

「・・・・・・お前の名前は?」

 

 

「えっ・・・?っあ・・・照安鞠亜です」

 

名前が次々と出てくるがつまり、このプラチナブロンドの少女が鞠亜と言い、その後ろにいた褐色肌の金髪ツインテールの少女がトリエラ、桜色に近い赤髪の少女が多由也で手を貸した金髪ポニーテイル少女がイノで、黒髪ショートの少女2人がヒナタとハナビであるんだろうな。

 身長差からヒナタが姉でハナビが妹であるだろう、そしてその2人と一緒にいる茶髪のおかっぱ少女がヘンリエッタなのだろう、トリエラとヘンリエッタの2人は、まともな人間とは言い難い体をしているようだな。

 

兵士に蹴られていた薄栗色のショートヘアーの少女が紗津希と呼ばれている子でその子に肩を貸している子で薄橙色のショートヘアーをした子がひかりと呼ばれる少女でその近くにいる大きく巻かれた4つの薄紫色に近い白髪が特徴的な少女がネイトと呼ばれる少女だろう。

 

そして、目つきが鋭い紺色のポニーテイルの少女が二代と呼ばれる子でその子の近くにいる全身機械の体を持った赤髪ロングヘアーの女の子がウオルシンガムと呼ばれる子だな。

 

「・・・・・・なら、直ぐに向かうぞ。ゆっくりしているヒマは無いからな。案内しろ鞠亜」

 

 

「えっ・・・は、はい!!」

 

長いことこの基地にいて訓練もしていたのなら初心者ではないだろうしな、問題ないだろう。

 

リンクスSide out

 

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少し時間が戻り地上

 

 

シベリア連邦管区 ロシア開発局 航空滑走路 第6格納庫

 

コルネールSide

 

BTR-80装甲車

 

スペクターからの地上攻撃が起きると同時に混乱に乗じて格納庫内に置いてあった装甲車一台に全員が急いで搭乗する。

 

運転席に俺が座り、その横の助手席には猴が座り上部に設置されているPKT 7.62mm機関銃にはセーラが、砲塔である2A72 30mm機関砲には要救助者であった人物『BIG BOSS』が操作席に座っている。

 

各部スイッチを操作し異常がないかを確かめ、エンジンキーを捻り回すと停止していたエンジンのバルブが動き始めてエンジン内に空気が入りピストンが激しく動作し始め冷えていたエンジンが徐々に熱くなっていく。

 

「動く準備はOKですね!?」

 

後方にいる2名に確認を取る為に後ろを見ると丁度『BIG BOSS』も砲塔の準備を終えており、セーラも上部の装甲板を叩いて準備完了を知らせる。

 

「それじゃあ、少し派手に外に出ますから踏ん張ってくださいね!!」

 

アクセルペダルをベタ踏みと呼ばれる状態まで踏み込み、一気に停止していた装甲車を走らせてスペクターの攻撃の余波で中途半端に閉まっていた格納庫の扉を無理喰いにこじ開けて出る。

 

一種の弾丸の様に格納庫から出たコルネールが操作する装甲車内にいた者たちが見たのは、突然の攻撃で監視センターを含む管制塔類の指揮を行う重要地点が破壊され指揮系統が機能せず、混乱している兵士たちと攻撃で負傷した者たちを助ける者たちが入り乱れており、攻撃に出る者たちが非常に少ない。

 

「どうやら、予想以上に作戦が効果的だったみたいだ・・・このまま、スペクターが着陸する場所に向かおう」

 

スペクターが降りてくる滑走路に向かおうとハンドルをきろうと回そうとした瞬間・・・・・・

 

『左に避けて!!』

 

銃座にいたセーラから悲鳴に近い大きな声を聴くと同時に背中に冷水を掛けられたように感じた感覚が襲い、セーラが言った方に急いでハンドルを回すと火の玉の様な物が風を切る様に通り過ぎる。

 

通り過ぎた火の玉が、そのまま地面に当たると大きくも小さくもない爆発と土煙が発生する。

 

その正体を確認するまでもないっ!!これは攻撃だ!!

 

それよりも確認しないといけないのは・・・

 

次の攻撃に備えて、車体をジグザグに蛇行運転をする。

 

「戦車2台だ!!」

 

車体を激しく揺らしているにもかかわらず、いつの間にか砲塔を旋回させ砲塔スコープを覗いていた『BIG BOSS』が声を大きくして報告してくる。

 

戦車・・・つまり、T-90戦車だろう。

 

この基地に来る前にデーターを見ているからどう言う性能かは、把握している。

 

「あの戦車は命中精度が高のですが!!次弾装填に2~3秒掛かります!!発射しそうになったら、30mmを奴の砲塔に撃ってください!!」

 

 

「了解だ!!」

 

此方の武装は30mm砲しか有効打になるものがない、だとすると相手を確実に仕留められる瞬間を見極めないといけなくなる・・・

 

「猴、すまないが人員輸送区画に何か有効打になりそうな武器がないか調べてくれないか!!」

 

助手席に座っている猴に呼びかけ、戦車に有効打になる兵器を探すように言う。

 

「は、はい!!直ぐに探してきます!!」

 

返事をした猴は直ぐにシートベルトを外すと素早く動く。

 

「すまない、助かる」

 

 

「よいしょ、急いで兵器を探しますね!!」

 

 

「もう一射くるぞ!!」

 

ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!

 

猴が人員輸送区画に行くと同時に砲塔スコープを覗いていた『BIG BOSS』から報告が来ると同時に先制攻撃を行い始めた。

 

発射された30mm徹甲弾は、3発ほど敵戦車の前面装甲にあたる傾斜型の複合装甲に弾は弾かれるが、1発は旋回部位の胴体の接続部位に着弾し徹甲弾が炸裂する。

 

接続部位の重要機器を破損させたのか大きな火花を発し旋回機能不全を起こしたのがわかる。

 

「そのまま、もう一台の方に牽制射撃をして撃たせないで下さい!!」

 

2台の内の戦車一台は旋回して狙えない状況にしたが、もう一台が無傷の状況のため直ぐに対処してもらう。

 

「了解だ!!」

 

しかし、対処しようとした戦車は、一台目の後ろにおり盾にするかのように走行しており狙えない状況になっている。

 

サイドミラー越しに見ると、砲塔が機能せずに故障した部位から黒煙を吐き出しているT-90一台しか見えないのを確認すると上の機銃にいたセーラが大きな声でもう一台の位置を知らせてくれる。

 

「ピッタリと後ろに付いてる!!」

 

 

「この装甲車で攻撃しても大きなダメージにはならないし、相手の砲塔をもう一回同じ様に機能不能にできるとは限らないし・・・クソっ良い案がないか?」

 

例え、前衛にいる履帯を破壊したところで後衛にいる奴が即追撃をしてくるだろうし・・・

 

「っあ!!あ、ありました!!戦車に効きそうな武器!!」

 

作戦に悩んでいると後部兵員輸送区画に向かった猴から声が上がったのを聞き、顔を後ろに向けて猴が持って来たものを確認すると瞬時に悩みが消え作戦が思いつく。

 

「良し!!猴っ!!弾頭を装填して機銃座にいるセーラに渡してくれ!!」

 

 

「は、はい!!」

 

猴が持っているモノ・・・それは、名前は分からずとも一般人でも映画や漫画などで数多く姿を見てきているモノ・・・・・・

 

簡易的な作りでありながら戦車に有効的な兵器。

 

ソ連が開発した携帯型対戦車用擲弾発射器『RPG-7』を小改良した対戦車兵器である『RPG-7V2』

 

弾頭は、通常弾頭のPG-7VL 対戦車榴弾とは違う対爆発反応装甲用のPG-7VR タンデム対戦車榴弾を装填していた。

 

「えっと・・・炸薬を此処に取り付けて、擲弾発射器に弾頭を差し込んで・・・・・・」

 

猴が覚束無い手で弾頭に炸薬を取り付けて、擲弾発射器に弾頭をゆっくりと装填しているのが声だけで分かる。

 

「そうだ、弾頭を後ろまで思いっきり差し込んだら、弾頭の先にある安全ピンを引き抜くんだ」

 

砲手をしているBIG BOSSが慣れてない手つきで準備をする猴にゆっくりと優しく指示を出しているもが理解できる。

 

「よ、よし!!できました!!セーラさん。受け取ってください!!」

 

炸薬の取り付けから弾頭の装填を終え発射準備が完了したらしく、猴が機銃座にいるセーラに渡す。

 

「まだ、構えないで下さい、ピクシー!!30mm砲で一台目のキャタピラを破損させます!!その隙に脇から出て来るだろう2台目の砲塔付近に弾頭を着弾させて無力化してください!!」

 

 

『・・・・・・了解っ』

 

 

「聞こえましたね!?」

 

通信を切ると同時に後ろにいる砲手を担当しているBIG BOSSに声を大にして聞くと大きく返事してくる。

 

「あぁ!!任せろ、この距離では外したくても外せないさ!!」

 

 

「(上手くいって欲しいが・・・)」

 

作戦は、至ってシンプルなモノであり、砲塔の動かない戦車の履帯を30mm砲の徹甲弾で攻撃し破壊すると同時に戦車を盾にして後方にいる戦車を炙り出た所をRPG-7V2のタンデム弾で攻撃して無力化させると言うものである。

 

そこまで心配しなくても、セーラの持つ颱風の力で弾頭の操作は容易だろうから問題ないと思う。

 

「お願いします!!」

 

 

「あぁ!!そらっ喰らっとけ!!」

 

BIG BOSSが引き金を引くと2A72 30mm機関砲が瞬時に起動し砲身から火が噴き数多くの30mm徹甲弾を放ち始めた。

 

重厚な重々しく響き渡る音を立てながら、発射された30mm弾は戦車の履帯に数発連続して被弾する。

 

ガギャンッ!!ギャリリィィィィ!!

 

金属特有の絡み合う大きな音を立てると同時に地面と擦り合う甲高い音が聞こえてくる。

 

「よし」

 

音が聞こえサイドミラーを見るとBIG BOSSが見事に戦車の履帯を撃ち抜いたことで体勢を崩したT-90は車体が傾きバランスが取れずにいた。

 

「ピクシー!!体制が崩れました!!そのまま貴女から見て左に逸れて行く筈です!!その瞬間に出て来る筈ですので遠慮なく撃ち抜いてください!!」

 

 

『分かった』

 

通信を急ぎ入れて伝えると同時に戦車の車体がスピードを殺しきれずに右に向くと後ろに隠れていた戦車が姿を見せた。

 

『そこッ!!』

 

隠れていた戦車が姿を見せた瞬間、隠していたRPG-7V2を外に出し瞬時に押し込み型の安全装置を押しロック状態からアンロック状態にし照準器を覗き込むとタイミング良く砲塔を此方に向けていたT-90が見え、セーラは迷いなく胴体と砲塔の中間部位に向けて引き金を引いた。

 

ドシュー!!

 

その瞬間、発射器の後ろから大量の後方燃焼噴射ガス(バックブラスト)を噴き出すと同時に前方にも燃焼で発生した白い煙でセーラを一瞬覆い隠しながら放たれたタンデム弾頭は狙っていた部位に直撃した。

 

『OK、無力化したよ』

 

直撃した戦車は、装甲を貫通され内部にいたクルーは死を免れない結果であろう。

 

最悪生きていたとしても戦車を動かすことはできない。

 

「ピクシー。残存勢力は?」

 

 

『見当たらない』

 

眼の良いセーラに戦車以外の地上兵器の類を索敵してもらったが、現状の範囲では見当たらない事を聞き通信を上空にいる教授(プロフェシオン)が搭乗するAC-130H(スペクター)に切り替える。

 

「了解です。此方サイレント。イーグル聞こえますか」

 

 

『此方イーグル、聞こえてるよ』

 

 

「地上勢力の無力化を完了しました。右滑走路に着陸をお願いします」

 

 

『了解。直ぐに着陸態勢に入るよ』

 

教授がそう言うと通信を切り今いる左滑走路から移動する。

 

「さて、こっちはこれで任務完了だね。あとは・・・」

 

ハンドルを動かしてスペクターが来るポイントに向かっていると通信が繋がる。

 

『・・・・・・此方ライデン、ポイントに到着した』

 

 

「了解。右の滑走路にイーグルが来ます。急いでください」

 

 

『・・・・・・了解』

 

 

「あとは警戒して待つだけですね」

 

 

 





と言う事で他作品キャラが参加します。

NARUTOから「多由也」「ヒナタ」「ハナビ」「いの」

リトルアーモリーから「照安鞠亜」「小海 紗津月」「上月 ひかり」

ガンスリンガーガールから「トリエラ」「ヘンリエッタ」

境界線上のホライゾンから「ネイト」「本多・二代」「ウオルシンガム」

が参加しました。

詳細は今後出すキャラ紹介で説明します。



では次回に会いましょう。

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