逆行喜多ちゃん   作:絶対読み専

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なんか前話めっちゃ評判悪かったですね…HIPHOPのせいかな?あくまでメインはロックなので安心して貰えれば。


喜多ちゃん、まさかの出会い

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでどんな曲を作ろっか?」

 

学校での休み時間、私の前の席に座ったさっつーがそう切り出した。

 

「それなんだけど…()()私って世の中への不満とか、主張したい事って特に無いのよね」

 

「もちろん小さな不満とかはあるけれど、曲として表現するほどでも無いし」

 

「うーん…あ!じゃあさ架空の世界を作ってみるのはどう?」

 

「架空の世界?」

 

「そう。不満がなければ作れば良いじゃん」

 

 

「例えば…核戦争があった後の世界とか」

 

 

顔を上げ、顔を見る。

 

「…良いわね」

 

 

それからすぐにホームルームが始まる時間になり、週末に世界観の擦り合わせを行う事を決めるとさっつーは自分の席へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

その後適当にノリを合わせながら一日をこなし、家に帰ると両親から話があるから来てくれと声を掛けられた。すぐに手を洗い、両親が座るテーブルの対面に腰を下ろす。両親を見ると2人とも少し困った様な顔をしていた。

 

 

「動画投稿の収益がこのまま順調に行くと、高校生になる頃には扶養から外れるかもしれないんだ」

 

「あぁ…」

 

遂に来てしまったか。そっち(税金)関係の話が…

 

 

前世でも税金関係は苦労をした。ミュージシャンは個人事業主であり、確定申告なども自分で行わなければならない。事務所の人に助けてもらって何とかこなしていたが、単語を聞くだけでも気分が重くなるほど面倒臭かった事を覚えている。

 

「中学生の間は良いけど、高校生になったら自分でやらないといけない所も出てくるから覚えておいてね」

 

「ご迷惑お掛けします…」

 

 

両親の今後の苦労を考えるとそう言う以外の選択肢が私には無かった。

 

その後日課のボイトレを済ました私は勉強机の前に座り、今世で初めての曲作りに取り組み始めた。()()()()()()()()曲も仕上げていかなくてはならないし、忙しい日々になりそうである。

 

 

 

 

 

 

日曜日、待ち合わせのカフェに行き周りを見回すとこちらに向かって手を振っているさっつーが目に入った。

 

「待たせた?」

 

「私も今来た所だから」

 

席に座りコーヒーを注文しながら書き起こしたノートを取り出す。

 

「じゃあ始めましょうか」

 

驚くほどスムーズに話し合いは終わり、リリック(歌詞)を書き始めたところで今日のところは終わりにしようという流れになった。

 

 

 

さっつーと別れた後、家とは逆方向に歩き出す。

そう。実はこの近くに中古の楽器店があるのだ。収入も得た事だし、もし良い相棒が見つかればお迎えも視野に入れていきたい。

 

 

数分歩くと店舗の外観が見えてきた。いかにも「老後の趣味でやってます!」という風貌に笑みが深まる。こういう店は当たりが多い。

扉を開け中に入ると、一番目立つ場所に見覚えのあるギターが置いてあるのが目に入った。

 

「Gibson 1968…」

 

そう。ギターヒーローの初代相棒である。

 

 

「よく知ってますね」

 

突然聞こえた声に顔を向けると、人の良さそうなお爺さんが店の奥から出てくる様子が見えた。

 

 

「少し値段は高いですが…良いギターでしょう?」

 

「そうですね…」

 

紹介出来るのが嬉しいのか、言葉が出ないでいる私に構う事なくお爺さんは話を続ける。

 

「半年程前に持ち込まれた品でして…もうギターをやる事もないし引越し費用が必要だからと売っていきました」

 

「勿体無いですね。取っておけば値は上がり続けるのに」

 

「まったくです。まぁ、一軒家を建てると言っていましたし、纏まったお金が必要だったんでしょう」

 

 

(ん?)

 

まさかなと思いつつも質問をする。

 

「もしかしてなんですが…その方、後藤さんって名乗っていませんでした?」

 

「ええそうですよ。もしかしてお知り合いで?」

 

 

「…大丈夫ですか?」

 

頭痛を感じたかのように頭を抑える私を見て店主が怪訝そうに声を掛けてきているが、正直会話に応じている余裕は無かった。

 

(買うべきよね?)

 

もしこのギターを売ったのが私の知ってる後藤さんだった場合、他の人の手に渡るということは絶対に避けなければならない。

 

 

「あの…半額先払いするので取り置きして頂く事とかって可能ですか?」

 

「ええ、可能ですよ。それでも相当高額ですが…」

 

「一週間以内に払いに来ます…」

 

 

完全に予算オーバーだがこれはもうどうしようもない。買われる前に確保できた事を喜ぶべきだろう。

難航するであろう両親の説得を想像し、ため息が出そうになるのを堪えながら私は帰途についた。





そうです。HIPHOP好きの方なら分かると思いますがモデルはあの曲です。聴いたことない方は無料で聴けるんで一度聴いてみてください。HIPHOP 禁断の で出てくると思います

参考までに。喜多ちゃんは結束バンドに

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