ようこそ褐色イケメン長身娘が行く実力至上主義の教室へ 作:褐色すこすこすこ太郎
「ね…凛音ちゃん。ちょっと、着いてきてくれないかな?」
5月中旬に入りそうな頃、教室で桔梗が話しかけてきた。こいつから話しかけてきたのって1か月ぶり位か?
「おう。お前のためなら何処までだって着いていってやるよ」
「っ………クソっ」
オレの言葉に顔を歪ませる桔梗。だが決して照れているのではなく、複雑な感情が混ざり合っているような顔をしていた。
オレたちはそのまま教室を出て、特別棟の三階まで来た。ここには監視カメラが無い為、誰の監視の目もなく大事な話が出来る。
「んで、何の用だ?」
「……なんで、私にもっとがっついて来ないの?」
「………?」
脈略がなさ過ぎて理解が出来ん。桔梗は何が言いたいんだ?
「だから、私が欲しいんでしょ!? ならもっとがっついて来てよ!」
「あー……そういう…」
「あんたが何時私を襲ってきてもいいように下の毛を処理したり、勝負下着履いてきたりしたのに全く手を出して来ないじゃない!!」
……唐突にそんな暴露をされても困る。こいつこんな面白キャラだったか?
「いや、オレ的にはお前が決心付くまでセフレにするのは待つつもりだったんだが…意外と乗り気だったか?」
オレがそう伝えると、桔梗の顔は見る見るうちに赤くなっていく。今更自分が言ったことの恥ずかしさが理解出来たらしい。
「いや……その………ぅ…」
言い訳をしようとしているが何も出てこない様子の桔梗。
「で、でも私、すっごく性格悪いよ?」
「関係ねぇよ。オレはお前を抱くって決めてんだ」
「じゃ、じゃあ! 私って実は中学の時にね……」
何故か逆に開き直り、自身を卑下するような言葉を吐き始めた桔梗。何なんだコイツ。
「……ってことがあったの! …はぁ……はぁ。…どう? これを聞けば私を抱く気なんて…」
「だから関係ねぇって。お前はオレに喰われるメスなんだよ」
オレは桔梗を壁まで追いやり、何時ぞやの時と同じく*1桔梗の股の下に膝を入れ、顎を指で少し上げてやる。
「桔梗。オレに何をしてほしい? オレとどうなりたい?」
「…ちゅ、ちゅー……して…ほしい」
ウルウルとした目つきで、それでいてあざとくない本心からの願い。それはオレが熱望していたものでもあり、桔梗が真に求めていたものでもある。
「んちゅっ……れろっ……ちゅるっ………ぷはっ…」
「どうだ? オレとのキスは」
「もっと……もっとして欲し…っ!?」
オレもかなり我慢の限界が来ており、これ以上は不味いと理解したオレは桔梗をお姫様抱っこで持ち上げ、全速力で寮まで帰る。休み時間なんてことは知らぬ存ぜぬだ。
ドアを開け、ベッドに桔梗を放り投げる。そして制服を脱がし、まだ熟れきっていない果実を味わう。入学から抱きたいと思っていた女に欲望を全てぶつける。
「お”お”っ…♡ お”っ………♡」
気が付けば夜中の2時。桔梗を文字通り抱き潰し、今も情けなくイキながら気絶している。
「あー…喉乾いた。腹も減ったし……ってうわ、なんもねぇ…」
冷蔵庫を開けてみれば、そこには要冷蔵の調味料と水しかなくまともに腹を満たせる環境ではないことを察した。
「……コンビニでも行くか」
オレは薄着に着替え、部屋を出る。桔梗にはメッセージを送ってあるので気が付いても安心だろう。
「らっしゃっせー」
気の入っていない挨拶をする店員を横目に入店し、適当に食欲をそそるものに視線を配る。
ロースかつ弁当、麻婆丼、ラーメン。どれも旨そうだが、オレは気になったチキンカツ弁当を手に取ってみる。
「それよりもこっちの方が美味しいですよ」
……唐突に話しかけてきた女をチラリと見る。どうやら店員ではないらしい。そしてオレは黙ったままチキンカツ弁当へと視線を戻す。
「無視しないでください。こっちのほうが美味しいですよ」
「…おう」
…オレの常識が間違ってんのか? 普通客同士でそんなこと話さねぇだろ。とは思うが、シカトし続けるのも悪いので返事はしてやる。
「私は森下藍と言います。貴方は?」
何故だか名を問われているんだが…。私も言ったんだからお前も言えみてぇな顔しやがって…。
「長曾我部凛音」
「…長いですね」
聞いといていちゃもんつけんな。
「長曾我部凛音、私は会計をしてきます。店の外で待っておきますね」
「……はぁ」
なんで待つんだよ、と言いたいところだがツッコむのも疲れた。
その後チキンカツ弁当にプラスしてサンドイッチとシーザーサラダ、美味しそうなスイーツを購入し、店を出た。すると森下は本当に待っており「遅いですよ、長曾我部凛音」なんて言われた。意味がわからん。
「それにしても、こんな時間になんでコンビニに?」
「…ちょっとあることに熱中しててな。気づいたらこんな時間だった」
「…わかりました。ひょっとしてそれは自慰行為ですね?」
は?
「……いや、違うが」
「隠さなくてもいいんですよ、長曾我部凛音。性欲は人間の三大欲求ですから」
うぜぇ。なんでこんな奴に諭されてる風になってんだ。
なんて思いながらも、寮まで並んで歩く。そして寮のエントランスまで到着し、やっとこの地獄から解放されると思っていると森下はまた話しかけてきた。
「長曾我部凛音。私の部屋に上がってください。お茶くらいなら出せますよ」
「なんで出会って数分の奴の部屋に上がらなきゃいけねぇんだ…」
「まぁそう遠慮せずに。ほらほら」
そう言いながら森下はオレの腕に抱き着いて胸を押し当ててくる。……悪くねぇじゃねぇか。*2
「……ちょっとだけだからな」
オレは存外に、チョロいのかもしれねぇ。
「もぐもぐ………美味しいですか? 長曾我部凛音」
「あぁ、旨い」
オレは森下の部屋に上がり、飯を食っている。マジでどういう状況なんだよ。
「それにしてもたくさん買っていますね。もしかして長曾我部凛音は大食いですか?」
「いや、部屋に置いておこうと思ってな。食べるもんがなんもなかったからよ」
まぁ本当は桔梗の分なんだけどな。説明するのが面倒くせぇ。
「……なぁ」
「なんですか? 長曾我部凛音。もしかして私のスリーサイズが気になっているのですか?」
「……それは別にいいんだけどよ、近くねぇか?」
森下はダイニングテーブルの向かいにあった椅子をわざわざオレの真横に持ってきてくっついて食べている。暑苦しい。
「近いですね。もしかして私のスリーサイズがk――」
「それはいい」
その後もスリーサイズについてガタガタ言っていたがほぼほぼスルーして食を進めた。
「ご馳走様でしたっと。食い終わったしそろそろ帰るわ」
「折角ですし連絡先を交換しましょう、長曾我部凛音」
こいつを喰うとめんどくさくなりそうだな、なんて思いながらも連絡先を交換するも、オレの視線は森下の胸へと移動していた。
「じゃあな、森下」
「おやすみなさい、長曾我部凛音」
そしてオレは自分の部屋へと移動し、ドアを開ける。すると少しむくれたような表情をした桔梗が立っていた。
「もう、エッチした後にすぐどっか行くの寂しいからやめてよ」
「飯なんもないんだから仕方ねぇだろ…。ほら、お前の分もあっから」
そう言ってビニール袋の中にあるサンドイッチとスイーツを渡すと機嫌は直ったみたいだった。
「…それにしてもさぁ。凛音ちゃんエッチ上手すぎない?」
「ん、そうか?」
桔梗が飯を食べている最中、オレは食後に少し一服したくなったので換気扇を回してキッチンで吸っている。
「だって私何回イかされちゃったかわかんないよ?」
「お前が感じやすいだけだろ」
なんて言いながら煙を吐くも、少しだけ嬉しい気持ちもあるにはある。別にオレだって、最初っから女遊びが上手かった訳じゃねぇからな。
「私一人でするときは普通なんだけどなー」
「へぇ。なら見せてみろよ」
「えっ?」
桔梗にとっては起きて直ぐなのかもしれないが、オレは森下の胸押し付けられてクッソムラムラしてんだよ。
「えっと……普通人間って一日に何十回もエッチできなくて…」
「何回イったかわからねぇ位イけるなら大丈夫だ」
見苦しい言い訳をする桔梗を逃さず、ベッドへと移動させる。
「ほら、オレが上手いのかお前が感じやすいのかハッキリさせるためにも、シな」
「わ、わかった…」
オレの言うことにNOと言わなくなってきている。いい傾向だ。
桔梗は自分の秘部を責め続け、顔を赤らめ情けなく絶頂する。
「朝までお互いマーキングすんぞ、桔梗」
「う、うんっ♡」
その後朝まで媾うこととなり、登校した際に佐枝からのジトっとした目をくらうことになった。生徒に嫉妬する変態教師め。
▽▽▽
「勉強会?」
桔梗と夜通しセックスしたためかなり眠い中、昼休みに話しかけてきたのは当の本人である桔梗。どうやら赤点組で尚勉強をしようとしない須藤、池、山内への救済目的で勉強会を開くらしい。
「一回失敗しちゃったんだけどね。堀北のせいで」
「正直でよろしい」
桔梗は周りに聞こえない程度の声で呪詛を吐き散らす。そんな中、教室のドアが開きとある人物が声を上げた。
「長曾我部凛音、私と寝ましょう」
森下ェ……。
「長曾我部凛音、私とね――」
「わかったから。着いていくから勘弁してくれ」
教室はざわざわと騒がしくなる。それに桔梗の顔が般若のような表情へと変わっていっている。
「また後でな、桔梗」
耳元でそう言ってやれば、桔梗は顔を真っ赤にする。昨日の夜の事思い出してんな。
「着いてきてください、長曾我部凛音」
オレは手を握られ、森下に着いていく。こいつの手柔らけぇな……。
「ここです」
「……いやここ、ベンチじゃねぇか」
連れてこられたのは少し歩いたところにあるベンチ。ここで寝たら身体バッキバキになるんじゃねぇの?
「寝ましょう。早く横になってください、長曾我部凛音」
「は、はぁ…」
一先ずベンチに横になってみる。硬ぇ…。
「失礼します」
オレの上に覆い被さるようにして寝転んできた森下。オレの胸を枕替わりにしてんじゃねぇ。
「おお…これは」
っていうかこれ落ちそうで怖え。オレみたいにタッパある奴が寝ていいサイズのベンチじゃねぇから太もも辺りからが乗れてねぇんだよ。
「ふぁ…ねむ……」
「寝ていいですよ。私も寝ますので」
とはいえ横になれば睡魔が襲ってくる。オレは重い瞼を閉じ、意識を落とす。
「ふふ、かわいいですよ、長曾我部凛音」
完全に意識を落とし切る前、そんな言葉が聞こえた気がした。
今回は桔梗&森下回でした。