ようこそ褐色イケメン長身娘が行く実力至上主義の教室へ 作:褐色すこすこすこ太郎
一つ目としては私はまだ学生の身で、進路についてかなり悩んでいること。二つ目は色々あって筆がポッキリ折れていたこと。主な理由はこの二つです。
とりあえずこれからは月に1.2回ほど投稿するつもりなので、更新が来ていたらたまに見に来てやってください。感想とかくれるとアホみたいに喜んで筆が進みます。
「落ち着きましたか? 長曾我部さん」
「あぁ…悪いな。ちょっと取り乱した」
オレと坂柳と真澄は今ケヤキモールの中にあるカフェに来ている。っていうか、
「それで、一体どうしたんでしょう? 私は貴方の母親ではありませんが…」
「そうだな。オレも気が動転してただけだ。……死んだ母さんにあまりにもそっくりだったからよ」
空気が凍る。そんな表現がピッタリだろう。別に気まずくしたかった訳じゃねぇんだが…。なんて思いながらアイスコーヒーを飲む。
「凛音…あんた―――」
「そうだったのですね。これは不躾なことを聞いてしまいました、申し訳ありません」
「いや、いい。話したのはオレだ」
なんか、話しづれぇ。見た目が完全に母さんなのに口調はお姫様みたいだって言うのもあるが、普通に気を遣われてる感覚がある。
「私に似た女性…それに長曾我部さんの親、ということは年齢的にも……」
「何言ってんだ? 気難しい顔して」
「いっつも気難しい顔してるよ、坂柳は」
そんな軽口をたたくと物理的に足を杖で叩かれる真澄。なんだかんだこいつら仲いいんだな。
「長曾我部さん。貴女のお母様のことを何度も思い出させるようで申し訳ないのですが、貴方のお母様のお名前を伺ってもよろしいでしょうか」
「? …渚だよ、渚。さんずいに曲者の者だ」
オレが首を傾げながらそう言うと、何かを悟ったような顔をして固まる坂柳。
「…ごめんなさい真澄さん。今日はもう帰ってもらっても大丈夫です」
「…あっそ。また今度説明してね、凛音」
「おう。またな、真澄」
そんな会話の後に真澄はカフェを後にし、坂柳と二人になる。
「長曾我部さん…少し、着いてきてほしいところがあります。決して貴女に不都合なことにはなりません。ですので着いてきては貰えませんか?」
「あ、ああ…わかったが、急にどうした?」
妙に焦っているような、そんな仕草を見せる坂柳。
「じゃあまぁ、オレらも出るか」
「ええ。それではこちらへ」
オレは坂柳に連れられ、と言ってもオレがエスコートしているのだが坂柳にナビをしてもらっている。
「ここです。少し待っていてください」
そして数回ノックした後、坂柳はその部屋へと入っていった。
▽▽▽
「入ってきてください、長曾我部さん」
数分後、坂柳は部屋の中からオレを呼ぶ。その声で長曾我部さんって呼ばれるの慣れねぇな…。
「…理事長、だったか?」
「そうだよ、覚えていてくれてありがとう」
部屋の入ると、そこにはこの学校の理事長と坂柳の二人しかいなかった。同じ苗字だし、多分親子かなんかだろ。
「んで、なんの用だよ?」
「…そうだね、本題に入ろうか。有栖」
「はい、お父様。長曾我部さん……私と貴女は―――血縁関係にあります」
…は? なんの冗談だよ。
「冗談ではありません。正確に言えば、貴女のお母様は私のお母様の妹である可能性が非常に高いです」
「ちょっと待て、頭が痛くなってきた。後サラっと心読むな」
だが実際、そう考えれば母さんと瓜二つな容姿をしていることに筋は通る。
「信じられないかもしれないけれど、本当の事だよ。これがその証拠になると思う」
そう言って理事長は一枚の写真を取り出す。華々しく着飾った花嫁と、横にいる理事長。この花嫁が坂柳の母親…ということか。そして理事長の反対側にいるのは、オレの母だった。
こいつらは嘘を言っていない。この証拠と、こいつらの"目"を見ればわかる。
つまり坂柳はオレの従妹で、理事長は叔父、ということになる。
「実はね、私は新入生の事情をある程度調べているんだ。だから君の事情も勿論把握しているよ。でもまさか渚さんが君の母親で、あんなことになっていたとは……ごめんね」
「お父様、さっきも言っていましたが長曾我部さんの事情とは一体…?」
「娘に君の事を教えてもいいかな、凛音さん。きっと悪いようにはならないから安心してほしい」
「わかった。ならオレから話してやるよ。調べ切れてない部分もあると思うしな」
その後は坂柳に対してオレの過去を説明した。あの男と母が駆け落ちしたところから、あの日のことまで全部を。
「……そう、だったのですね。長曾我部――いや、凛音さん。私は貴女の行動を責めるつもりも、褒めるつもりもありません。だだ―――」
『凛音ちゃん、人を傷つけちゃダメよ。人を傷つけた分、自分に帰ってくるわ』
母さん、オレは…感情のままに人を傷つけた。だからきっと、これからも報いがオレへと帰ってくるのだろう。それから逃げるつもりも、隠れるつもりもない。
それがオレの、
「―――今はただ、私に抱きしめられていてください」
そう言って坂柳はオレを抱きしめてくる。見た目だけだ。中身は真逆と言ってもいい。口調も違うし、笑顔もなんか違う。
けど、何故かオレは安心した。安心させられた。まるで母親に抱かれた子どものように。
▽▽▽
「腰痛い……何回エッチしてもこの痛みは慣れない気がする…」
「ははっ。苦痛に顔を歪ませてるお前もかわいいぜ?」
なんて言うと、真澄はオレの腹にパンチを入れてくる。だが拳の威力はオレの腹筋に負け、諦めたように腹筋をさわさわと触っている。
あの後帰って速攻真澄を呼んだ。理由は単純にムラムラしてたからだ。有栖と何度もハグしてムラムラしねぇわけねぇだろ。いい匂いしたし。
そして真澄に対してオレと有栖が親戚であることを明かした。過去については話してねぇが、過去を隠したいわけじゃねぇ。言っても変に気遣われそうだし、聞いてきたら答えるくらいでいいだろ…と思ってのことだ。
「あんたの腹筋ホントエロい。好き」
「オレより先にオレの腹筋に告白すんのかよ。まぁオレもお前の身体好きだけどな」
「そ…。隙ありっ」
唐突にそんなことを言いだすと、真澄はオレの乳首にしゃぶりついてくる。ちょっ、急に吸うな。
「んっ♡」
くっそ、変な声でちまったじゃねぇかよ。
「なにそれ……エッロ…」
「…てめぇ、死ぬまで犯すぞ」
「ごっごめんって。もう腰痛いから勘弁して」
別に真澄に無理させたい訳じゃないのでオレはグッと堪える。その代わりと言ってはなんだが、深めなキスを何度も何度もしてイチャイチャしながら眠りについた。
「ん……もう朝か…」
朝目が覚めると、日差しと共に下半身から快感が襲ってくる。
ぺろぺろ、じゅるじゅる。そんなオノマトペがオレの股から聞こえる。
「何シてんだ……」
「何って……ナニ?」
真顔でそんなことを抜かす真澄。朝フェラならぬ朝クンニってか。
「でも凛音、こういうの好きでしょ?」
「………」
ああ、オレのことよくわかってるな。悔しいほどに。
「凛音ってこれまでどれくらいの女と遊んできたの?」
「…残念ながらそんなに多くはねぇよ。中学3年の夏まで親が厳しかったのもあってそういう遊びは完全に禁止。とはいえ部活なんかやってもつまんねぇだけだからクッソ暇だったぜ。まぁそのおかげで"コイツ"に出会ったんだけどな」
オレは机の上に置いている缶ピースをカツカツと爪で叩き、初めて吸った時の事を思い出す。
そん時は大分軽いのを吸ってたんだが、なんかキツイの吸うのがかっこいいと思ったんだろうな。そんな単純な理由で買ったはいいものの、まともに吸えるまで1か月はかかった。ホント今考えるとアホだな。
そんでそのまま吸い続けると、気づいた時には軽いの吸っても空気しか感じなくなった。見事にヤニカスへと進化した訳だ。
「へぇ…かなり意外。もう子どもの頃からぐっちゃぐちゃに爛れた性活してたのかと」
「セイの発音おかしいだろ。明らかに意識して言ってんな」
オレは朝の一服をしたくなったのでキッチンへと移動し、換気扇を回しながらタバコの先端に火をつける。
「具体的には何人くらい?」
「んー…30前後」
「いや多いじゃん…」
ワンナイトとかもあるし、何回もヤったのなんて精々15人位だ。とは言え"アイツ"と出会ってからはそういうのは全部やめたけどな。
「そういやさー…これ見てよ」
「ん…? …なんだこれ」
真澄が端末の画面を見せてくるので覗いてみると、そこにはこの学校のネット掲示板のページが開かれていた。
「近づいたらヤバそうランキング、生まれてくる性別を間違えたランキング、イケメンランキング一位の三冠だってさ、凛音」
「近づいたらヤバそうってのとイケメンってのはまだわかるが、なんだ生まれてくる性別を間違えたランキングって…他にそんなやついんのか?」
「二位はあんたのクラスの沖谷だって。どんな奴?」
沖谷………沖谷…………。
「あ、知らないのね。あんたそういうとこ分かり易いわよね」
どうやらオレは顔に出ていたようだ。…沖谷……月曜になったらちょっと確認してみるか。
「話は変わるけどよ、真澄のクラスに居る森下ってどんな奴だ? 最近周りをウロチョロされていい加減どうにかしてぇ」
「森下……よくわかんない。普段はボーっとしてたり、休み時間になると消えてたり誰かと仲良くしてるところも見ないし」
ああ、あいつは根っこから変人なのか。いや逆に人のショーツ盗んでしゃぶってる奴がまともなわけなかった。
そんなことを考えながら、タバコの火を消す。もう灰皿溜まってきたな……。
「森下も喰うの?」
「うーん……あいつ次第?」
「なんで疑問形?」
こうして時は過ぎていく。傍らで起こっている事件など知らずに。