地獄発、地獄行き   作:有森

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中身がとても薄い。難産回。


便利屋68Ⅱ

キヴォトスの生徒の中には、いわゆる必殺技と呼べる攻撃を持っている人がいる。

EXスキルなんていう言い方もされるけど、要するに神秘を用いた特殊技だ。

例えばヒナさんは神秘を纏わせた強力な紫紺の弾丸を前方に乱射するし、ホシノさんは盾で体を守りながらショットガンを連射しつつ突っ込む、というような感じ。

 

そして、私にもそのEXスキルは存在している。

本来は先生…というよりシッテムの箱と接続することで使える技だけど、一度使ったことがあればそれを同じ感覚で再現するくらいは可能。その威力は…まあ相当な力量とだけ。

 

そして、便利屋68の人達の動きを止めるために一瞬とはいえ神秘を使った直後。

使った神秘は使用をやめればすぐに無くなるわけじゃなくて、しばらくの間自分の体に残留する。だから…

 

「…想定の数倍威力出たな…」

ちょっと火力が高すぎた。

完全に伸びちゃってるし…まあ、怪我はしてないみたいだから良かったけど。一発撃った時点で「あ、威力がやばい」って気づいて直撃を避けるようにもう一発撃って軌道を変えれたのが良かったかな。

あと…これ、いくらなんでも神秘量が()()()()

神秘そのものは質量も実体もないエネルギーの塊みたいなものだから、神秘を持ってない人や物に関してはすり抜けるみたいに何の影響も起きないんだけど、同じく神秘を持っている相手にとっては使ってる最中はその分の重圧がかかる…のは良いんだけど、二年間ほとんどずっと溜めてきてたのもあって総合量がとんでもなくなってる。これは…割と簡単に人が飛ぶレベルの勢いだったよ。

これ、あんまり長時間使うと私の体の方に損害が出る可能性あるな…事実さっき使った瞬間ヘイローが突っ張るみたいな感覚あったし。

ヘイローには神経は通ってないはずなんだけどね…なんというか、感覚で。

と…

 

「“シグレ!!”」

あ、先生だ。

そっちの方を見ると…あっ、ホシノさんを始め何か傭兵の人たちも含めてすっごい疲弊してる…うん、私のせいだねすみません。ほんとに。ここまでなるとは思わなかったんです。

 

一度謝っておいてから、便利屋68の四人を抱えてアビドス校舎へと運び込むことにした。

セリカさんがちょっとムッとしてたけど、「話し合わなきゃいけないことがあるから」と説得して。

あと、学校のチャイムが鳴ると傭兵たちは「あ、定時だ」とか「日当だとここまでだね」とか言いながらぞろぞろ帰っていった。現金だなぁ…。

 

「……で、ここに運び込まれた、と…」

一番早く目を覚ましたのはやはりと言うべきかアルさんで。

事情を聞いて小さく一つため息をついた。

 

「まあシグレさん相手に気絶で済んだならまだいい方かしらね」

「少し思ったんですが、私皆さんからどんな風に見られてるんですか?」

心外なんですが。

まあそこからカヨコさん、ハルカさんが起きて最後に目を覚ましたのは、ムツキさんだった。

…ムツキさんは初弾を向けてた関係上弾が命中する一歩手前まで行ってたから、多分ダメージが大きかったんだよね…

 

「…で、聞きたいことって?」

全員が(というか主にハルカさんが)ある程度落ち着いてからカヨコさんが話を切り出した。

 

「依頼主の情報を」

「それはできないわ」

即答。まあそうだよね…

 

「へぇー、この状況でも口を割らないかぁ」

「ん、どうする?指を折る?それとも爪を剥ぐ?」

やめてください。ホシノさんも乗らないで、シロコさんはそのまま五歩下がって。

二人を宥めてから話を戻す。

 

「なら言い方を変えましょう。これまでの貸しを全てこれで精算して下さい…これならどうでしょうか」

「う、っ…」

「あの量の傭兵を雇うのにどうせまたほぼ全財産使ったんでしょう。…その分のお話はしないといけませんが、今回の補助と以前までの貸しの分くらいは返していただけると」

それを言われるとキツイ…とアルさんは唸る。

うーん、我ながらあまり絵面が良くない。

ロープでぐるぐるにされてる四人の前で尋問(仮)をしてる人とかほぼほぼ悪党サイドの人間じゃん。

 

「…はぁ───あんまり多くは知らないわよ」

「それで構いません。最悪依頼主の名前だけでも問題ないので」

「あはは♪シグレちゃんにここまで言われちゃったら断れないよねぇー」

恩だけは売ってるからね。

まあ打算で動いてたわけじゃないけど精算ってことで。

 

「とは言っても、私たちもそんなに詳しくは知らないのよ。…依頼主はカイザーって所の理事だってことくらいなのよ」

「カイザーの、」

「理事…!?」

「……」

やっぱりか。

まあその辺に変な差異がなくて助かった。あと依頼主のことをちゃんと聞くように、っていう話も聞いてくれてるみたいだし。

 

「…なるほど、カイザー…それなら…」

これは叩けばボロが出そうだ。

まああくまでも解決は先生に任せるとして…横からちょっかいをかけるくらいはしようか。

 

その後、こちらに手は出さないという風な約束を結んでおいて四人は帰した。でもそれはそれ、これはこれでアルさんは後でモモトークから呼ぶ。

…まあでも…

 

「“…さて、こっちで話を聞いても良いかな”」

まずはこっちの対応をしないといけなそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

アルさんたちを解放したあと、先生やホシノさんに詰め寄られた。

まあ、さっきまで襲撃してきてた人達と仲…良くは見えなかったかもだけど、まあそれなりの関係があるってことを見せちゃったしね。

 

とは言ってもそこまで太い繋がりがあるかと言われると返答に困る。

ゲヘナに行った時に知り合って、それなりの仲になってご飯を奢ったりしてたのが4、5回くらいある程度のもの。

それから、便利屋68を立ち上げてからは金欠が加速してたから見かければゲヘナ内の護衛と言う名目で仕事をあげたりまたご飯奢ったりお金の使い方について小一時間位講習会開いたり…こう上げてみると結構色々やってるなぁ。

……いやまあ便利屋68を立ち上げるにあたって色々相談されたりもしたけど。我ながらよく受けたなと思う。

 

え、馴れ初め?

うーん、確か、昔…というか二年くらい前に用事があってゲヘナに行ってたんだよねぇ。その時に…確か温泉開発部だったと思うけど、そのいざこざにアルさんが巻き込まれてて、それに手を貸して温泉開発部を壊滅させてた所に当時まだただの風紀委員だったヒナさん──あ、今のゲヘナの風紀委員長。もっと言えば現ゲヘナ最強の人。に見つかりまして、温泉開発部と手を組んでると思われたみたいで真っ向から交戦する羽目になったんだよね。

で…確か決着はつかずに何とか話を聞いてもらえて、謝罪を受け取って温泉開発部の人達を引き渡した所でアルさんにすっごい尊敬の目で見られた…うん、今でも思い出せるや、ものすごいキラキラした目で見られたんだよね…

そこからモモトークを交換してそれなりの関係を保ったまま今まで来てる感じだね。

 

そんな感じのことを話しておいた。

 

「“……シグレ、いや今言う事じゃないかもしれないけどさ…行動範囲広くない?”」

…言われてみれば。ミレニアムに本籍置いてるのにすごいアクティブなことしてる感じになってるね…アビドスに行ったりゲヘナに行ったりトリニティにも行ってるし、もっと言えばほとんどの主要学園には行ってるんだよね…ほら、差異探しの時に。

 

「まあ、調べ物とか色々やることがあったので」

それから一旦話を戻して、アルさん達についての情報共有に戻った。

私は聞くべきことを聞かれ尽くした後早めにシャーレに帰った。書類が増える一方になるしね。

そろそろ先生の机に書類を置けるスペースが無くなってきてる旨を伝えたら目が死んでた。

うーん、こればっかりはどうしようもないんで…




今更ですけど主人公イメージ立ち絵&プロフです。画力とスペースが若干足りなくてイメージ通りにうまく出力できなかったのと、そもそも銃に詳しくないんであやふやな感じになってますが、目を瞑っていただけると助かります。
あと字が掠れてる上に単純に汚ない。

【挿絵表示】


年齢  17歳(()()合わせると20歳)
誕生日 12月20日
身長  148cm
趣味  散歩 食べ歩き
イメージCV 高橋李依さん
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