地獄発、地獄行き   作:有森

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なんかいっぱいの誤字報告ありがとうございます。
おかしいな…ちゃんと毎話確認してるはずなのに…これもう無から誤字生まれてません?


前哨戦

次々と溢れ出てくるオートマタ兵を撃ち抜き壊し、残骸を積み上げる。

 

「何だこいつッたった一人だろう!さっさと制あ…」

「指示、出してるだけ?」

地面を踏みしめて副指揮官的な立ち位置であろうオートマタの方に肉薄、回し蹴りで頭を蹴り飛ばす。

ここはちゃんとした地面があるから随分と戦いやすい。ここのところずっと戦闘は砂で足元が不安定なままやってたからねぇ…

 

ワラワラと囲むように迫ってきたオートマタだが、一箇所に集中攻撃を仕掛けられていとも簡単に瓦解、穴が空いたところから虫が食うように穴を広げていけば連携もすぐに崩れる。

 

…この程度か。むしろこんなのでビナーをなんとか止められてるのなら私なら全然問題なさそうだな。

なんて考えてると一基のゴリアテと二台の戦車が出てきた。

 

「…虎の子か」

近くに落ちているオートマタ兵の残骸を引っ掴んで戦車に向かって放擲、それと同時に足を強く曲げて体勢を低く、体をバネのように弾き飛ばす。

戦車の砲身よりもかなり低くした体を狙い撃つ術は少なく、砲身の撃てない間合いに入ったところで跳躍、神秘を籠めた昇掌で砲身を叩き折る。すっかり短くなった砲身の中に神秘を籠めた弾丸を叩き込んで再起不能状態にしておくのも忘れない。

と、

 

「おっ、と」

砲撃音。

ゴリアテから放たれるガトリングを戦車だったものを盾に躱しながら、戦車の砲撃をそこら辺にあったオートマタ兵を投げて相殺する。

…あいや、相殺できてないや。流石に砲撃のほうが強いか。

 

残骸の裏でHG(Memento-mori)からSR(Moriens)に持ち替えて周囲を警戒、周りに何もいないことを確認して戦車の下…キャタピラの間からまずは単発が痛い戦車のキャタピラを撃ってベルトを損壊させ、更に駆動部を撃ち抜いて固定砲台に格下げさせる。

ゴリアテ一基なら別になんとでもなるからまずは戦車を適当に処理しておこう。

SR(Moriens)を構えたまま残骸の裏から飛び出て戦車に直行、砲身がこっちを向いているのを確認して右に左に前に跳んで狙いを定まらせないように立ち回りながら近付く。

またゴリアテの斉射が始まったけどむしろ好都合、そのGLの弾を戦車にも流して同士討ちを狙う。

…まあ流石にそこら辺はわかってるのか、近づけば斉射が止んで直接近づいてきたけどもう遅い。

神秘を使()()に回す。まだ未完成の技術だけど、できるところまで…!

 

周囲に撒き散らす神秘を減らし、体の中で完結させてロスを最小限に留める。

私がこのあと戦わなきゃいけないのはビナーだ、そこで神秘を使わないなんて真似はできない…だけど前みたいに無駄に撒き散らしてたらすぐに酸欠が起こる。

だからここで試運転といこう。

 

「ッ、ァあ!」

そのまま車体に掌底打ちを叩き入れると、戦車が衝撃波で貫通した。

これが擬似的な貫通属性…?なんて頭の悪そうなことを考えながらゴリアテに向く。

 

跳んで肉薄、ガトリングの斉射を避けつつ真正面に躍り出る。そこから振り回される金属腕を蹴って後ろに回り込み、比較的細い腕部分と足…というかキャタピラ部分の接続部に向かって神秘を籠めた弾丸を撃ち込む。

属性相性の関係上威力は確かに減衰はしてるんだろうけど、ここまで過剰攻撃となればもはや誤差、あっという間に大破状態となったゴリアテは崩れ落ちた。

 

「…あ、これ以上は無理だ」

と、咄嗟に神秘を正常に戻す。なんというか…神秘を抑え込むのに本能的に限界を感じた。だいたい…現状2、3分くらいが限界って感じかな。まあそれが知れたならそれなりの収穫。

 

で、周りを見渡すと…おお、死屍累々。

殲滅完了、っと。さて…

 

「わざわざ壊さないでおいてあげたんだから感謝してよね?」

最初に話していたリーダー格のオートマタの方を向く。

うわ、なんかオイルみたいなの漏れてるんだけど。

 

「で、今になってわざわざ攻めてきたのはどうして?」

「な、何を言って…」

「んー…理解できてないみたいだしそのゲームボーイみたいな容量の頭でも理解できるように噛み砕いて二択で話してあげよう。今回の襲撃の理由に小鳥遊ホシノさんは関係してるか否か。Yes or No、どっち?」

「な、なぜそんなことを」

「はいドーン」

神秘を籠めた弾丸で右腕部分を撃ち抜くと、簡単に吹き飛んだ。

 

「聞いてるのはこっち。質問に答えて?」

「ぐ、っ…い、イエスだ!」

あら簡単にゲロった。

 

「なら二つ目。命令を出したのはPMC理事である、Yes or No、どっち?」

「い、イエス!」

ふんふん、なるほど…

 

「じゃあ最後。襲撃理由は小鳥遊ホシノさんが学校を辞めたことによって生徒会役員がいなくなり、アビドスは学園としての機能を失ったと判断されるから今のうちにさっさと占領しようとした、Yes or No?」

「な、何故、それを」

「ドーン」

次は左足を撃ち飛ばす。

 

「があ、ァァッ!?」

「というか今更だけどオートマタでも痛覚ってあるんだ。でも一回痛みを与えたくらいじゃ学習しなかったかぁ。人間と同等の知能なら一回やればわかると思ったけど…やっぱり鼠とおんなじ感じか」

「い、イエス!イエスだ!その通りだ!」

よしよし。それでよろしい。

 

「なるほどね…ちなみにだけどそのうちカイザーにはヴァルキューレと連邦生徒会から捜査が入るからね。別にホシノさんはアビドスを辞めてないし、そもそもこの間役割を引き継いで廃校対策委員会が生徒会と同じ立ち位置に回ったからね…無事に帰れても次送られるのは鉄格子の中じゃない?あ、もう無事じゃないか」

「な、ば、馬鹿な!そんな事があるわけが」

「ドーン」

面倒くさくなって頭を打ち抜く。

まあ聞きたいことは聞けたし良いや。どうせ市街地の方の主導者はPMC理事(アイツ)でしょ。なら先生の方からも伝えられるだろうし──後は気兼ねなくやれることをやるだけ。

 

「…お、第二陣?」

そんなことで時間を食ったからか、さらにもう一塊のオートマタの群れが攻め入ってきた。

 

「面倒だなぁ…わざわざ生かさないといけない人員はもういないし、よし、」

コートの中で内ポケットの一つに手を入れて紐を引っ張り出す。

 

「こうしよう!」

ソレを大きく振りかぶると出てきたのは、紐に多数繋げられた手榴弾のようなモノ。

 

振り抜いたソレを勢いよく引き戻すと、紐に付けられたピンが次々抜けて…甲高い音を撒き散らした。

スタングレネードほど大きな音量じゃない…けど、そこら辺にいたオートマタたちがバタバタと倒れ始めた。

 

小型EMP弾*1だ。効果範囲も十数メートルにまで抑えられてる。

 

この類の武器も結構多く取り揃えてるからね。ただの手榴弾も然り、スタングレネードも然り、そして悪い大人たちから貰った()()()()()()()()()()()()()()()()()も然り。

まあ持ち運べる量には限りがあるから分けて持ち歩いてるけど、自室にいっぱいある。

 

「あとは消化試合……ん?」

と、かなり減ったオートマタの群れが何やらワタワタとしだして、撤退し始めた。

あー、皆が向こうの首魁をやったかな。来るもの拒まず去るもの追わず…いや違うね。来てる奴片っ端から倒してたしめっちゃ拒んでた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただい…うわっ!?何これ!?」

オートマタの大群がいなくなれば別にやることもないから適当にそこら辺に散らばってるオートマタの瓦礫を集めてペシペシと外に掃き出してると皆が帰ってきた。

 

 

「あ、お疲れ様です」

「あ、うんお疲れさま…じゃなくて!?これ、この量シグレさんが一人でやったの!?」

「そうですけど」

暇になったので残骸を撤去中です、と付け加えるとなんともいえないような顔をされた。

 

「なんというか…すごいね」

ユメさんも若干顔がひきつってる。

そんなやばいかな…と思って横を見ると私の身長をちょっと超えるくらいの山が二つと、まだまだ散らばってる残骸。

うーん、これはやばいね。

と、ふと気づいた。

 

「先生はどこ行ったんですか?」

「あー、何か用事があるとのことでして、途中から別行動をしていたんです」

なるほどね。

アヤネさんの言葉に頷いて、とりあえず撤去は中断して対策委員会の教室へ戻った。

そこでそれぞれ情報を共有していると先生も戻ってきて、改めてホシノさんを助けに行く計画を纏めて今日はとりあえずお開き、明日行動に移そうということになった。

 

さて、じゃあ私は…三人ほどに連絡を通さないといけないかな。少し早めに動こうか────

*1
電磁波爆弾。強力な電磁波を撒き散らして電子基板を破壊する。戦争とかで実際に使われるやつは数百メートルから下手すれば数キロまで影響が及ぶ。人体には無害。




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