地獄発、地獄行き   作:有森

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こんな題名ですけど別にカルバノグに入るわけじゃないです。
あと、自分のカヤさんとFOX小隊に対する解像度が酷く低いです。画像に例えると120px、動画だと8fpsになるぐらい粗いです。


灰と狐と超人と

と、いうわけで…いやまあどういうわけかわからないと思うけど。

 

「こんにちは、カヤさん」

リンさんに話を通すと、「まあまた何かしら掴んだんだろう」みたいな顔で間を取り次いでくれました。

前に座っているのは防衛室長の不知火カヤさん。

 

「えぇ、貴女とは一度お話してみたいと思っていました」

薄ら笑いを浮かべながらコーヒーを飲む彼女。

……なんというか…うん、やっぱ苦手だこの人。アコさんと似たような感じのね…。

正直あんまり関わり持つのも良手じゃない気もするんだけど、私の頭じゃ後々を考えて早めに接触するくらいのことしか思いつかなかった。

 

「それで、どういったご要件で?」

「んー、強いていえば……敵情視察兼協力の申し出ですかね」

「…敵情視察?」

ピ、と空気が揺れた。

…扉の外に気配…4人、FOX小隊だね。SRT特殊学園の3年生たち。

 

「いずれ敵対する可能性のある人の事を知っておくのは変なことじゃないでしょう?」

「…何を言っているのですか?敵対?防衛室がシャーレとですか?」

「誰もシャーレと、なんて言ってませんが。今来ているのは私だけですよ」

…思いのほか簡単にかかったな…

 

「──いえいえ、貴女はシャーレの部長として所属しているでしょう?貴女と敵対するということはシャーレと敵対するということに…」

「なりませんね。基本的にシャーレは中立機関です。学園内のいざこざを解決するためにその学園内の一部と相対することはあっても、余程の事が無い限りたかだか個人のために行政機関とやり合うような権限は待ち合わせていません。…まさか防衛室長たるカヤさんがご存知ないなんてことはないでしょう?」

……ちょっと不安になってきたんだけど。これ罠じゃないよね?うまく行きすぎな気がする。

 

「……」

「…まあ、別に脅しに来たわけじゃないのでそこは良いとしましょう。それにまあ、どちらかというとそちらは協力の申し出のついでみたいなものでしたしね」

と、話を振るとパ、とカヤさんの顔から陰りが消えた。分かっかりやすいなぁ…大丈夫?これ…

 

「ええ、それに関しては私も大いに賛成です。シャーレに所属してからの貴女の活躍はかなり知れ渡っています。何と言ってもたったの一週間であのカイザーの理事を逮捕し、一学園の存続を繋いだとまで言われていますからね。その力を───」

と、広がった視界の端で赤い光がチラついた。

その方向にあるのは…!

懐からHG(Memento-mori)を抜いて、カヤさんの言葉を遮って発砲、寸分違わず狙った通り弾丸は飛び、コンセントに刺さった変換アダプタのようなものに直撃した。

 

「──な、」

同時に入り口のドアが蹴破られるような勢いで開け放たれ、予想通りFOX小隊の人達が取り囲むように銃を向けてきた…けど並び終わる前にその間を縫って死角をついて目標のモノのところまで足を進める。

 

「盗聴器、というより録音機ですね。小型化されてはいますが集音機と蓄音機が内蔵されています」

バラ、と崩れた基盤の中から出てきた小さな機構。

…うん、まあ十中八九カイザーのだね。もしかしたらこの取引の内容を録るためにカヤさんが設置した可能性もあるけど…

 

「ろ、録音機、ですか?」

この様子だと知らない様子。

見た目はもうそっくり充電のためのアダプタにしか見えないけど、プラグの内側に録音中を示すためかの小さなランプがついていた。

正直見つけられたのは奇跡としか言いようがない。

 

「…どうやら、お仲間にもあまり信頼はされていないようですね」

べき、と機構を圧し折って席に戻る。

 

「さて、話を戻して…私に興味があったのは私の勧誘も兼ねて、とおっしゃいましたが」

警戒レベルを引き上げる。

たまたま見つけられたから良かったけど他にどんな物が仕掛けられているか分からない──だからこそ、まずは立ち位置を明確にしておかないと。

 

「あいにく、確かに協力の申し出は考えていましたがあくまでも私はシャーレ所属です、そこは何がどうあっても揺らぎません。戦力を当てにされたのか技術や手腕を見られたのか、そこは分かりませんが、貴女の行動に縛られるつもりはありません」

「…そうですか、残念ですね」

と、取り繕ったように薄ら笑いを浮かべたカヤさんの右手の中指と薬指がク、と曲がった。

同時。

 

「…ま、そうなりますよね」

周りをFOX小隊に取り囲まれる。

今度は隙の無いように、完全に厳戒態勢を敷かれている。

 

「そこまで予測して、尚あの態度を取ったというのですか」

「ええ、というか本気で戦力制圧できるとお思いですか?」

おそらく命令は怪しい動きをしたら、もしくはしようとしたら撃て、かな。体勢を少し変えようとするたびに緊張が高くなってるのを感じる。

 

「まさかとは思いますがご存知ないのですか?彼女らは──」

「FOX小隊。かつて七人囚であるワカモさんすらも確保するに至ったSRT特殊学園の精鋭中の精鋭…そして現在のカヤさんの私兵、でしょう」

ゆっくりと立つ。銃口を向けられても、別に気にしない。当たったところで痛いだけだし。

…あーそれと、最初に言ったことを訂正しないといけない。

 

「私、実は嫌いなものがあるんです」

カヤさんのことをアコさんと似たような感じと表現したけど、

 

「傲慢、尊大、自己中心的、周りのことも厭わず、他人を駒のようにしか見ない人間」

正確に言えば…

 

「…ええ、()みたいな人間です」

【ちょっぴり嫌いに足を突っ込んだ、苦手な人】というべきだったかな。

 

一歩踏み出すようにタ、と地面を踏んで前に跳び、同時に体を低く構えて相手の視線を切る。

4方向から向けられた銃口が私を捕らえようとしたけどその先には体勢を低くしたおかげでカヤさんしか見えない。

そこで生まれる一瞬の動揺。

 

「Argentum Bullet」

カヤさんの足元から跳んで再度5人の上へ躍り出る。

流石に判断が早くて何発か迎撃をもらうけど別に大した傷にもならない。

閃光と共に放たれる5発の弾丸。リロードしてなかったから5発だね…

まあ、でも4人に一発ずつと…構えようとしてたカヤさんのHGに向かって一発。ジャスト。

 

「!」

更に同時に煙幕を焚いてリロード、フル装填した状態で煙幕を晴らす。

…まあでも結局は狭い室内で少数精鋭との中距離戦、私の最も不得手とする状況は変わってない。

接近戦に持ち込もうにも4人とも絶妙に距離を取って近寄らせないし、遠距離は以ての外…最悪主力兼指揮官の七度さんにSR(Moriens)を突きつけて2、3発撃てば気を失わせるくらいはできるだろうけど……いや、もう最悪、じゃないな、正直この状況の打開策がそれくらいしか考えつかない。

この室内じゃ大してSRは使えないだろうと思われてるだろうから…そこを突くか…あーもう地味に制御がめんどくさい。

そこだけで見ればビナーとの戦闘がどれだけ楽だったことか。全力ブッパでよかったからそこら辺は楽だったなぁ…まあ流石にあんなの人に向けて撃ったら殺しちゃうからやるわけにいかないんだけど。

 

ただまあそれにしても…なんて言うんだろうな。強いんだけど思ったより強くない?いやまあ室内っていうのもあって全力出せないのかもしれないけど、この実力でワカモさんを捕まえれるのかと言われると…うーん、と言うしかない。

いちいち銃口の先にも迷いが見て取れるし、反応がたまにワンテンポ遅れてる時もある。

 

「…どうやらお互いに全力を出せないみたいですね」

「…」

うーん、返答も無し…レスポンスくらいは欲しいんだけどなぁ。

 

「別にこの場で全員制圧しても良いんですが、周りに変に勘付かれるのは防衛室としてもよろしくないでしょう。ここで一度両者手を引きませんか?」

まあ制圧をとるなら三日ほど病院で眠っててもらいますけど、と付け加えておく。

いや、割と冗談抜きでそれくらいになるんだよね。確かに強いんだけど別に殺す気でやれば隙は幾らでもあったし、仮に隙がなくても作ればいいわけで。最悪制圧弾もあるしビナー戦で消耗した口径調整された577T-rex弾*1だって補充しておいた。まあ過剰だろうってのはわかるけど、取れない手じゃない。

倒す、殺す、といった点に限れば現状ここに私ほど適役な人間は居ないはず。

 

「ッ……」

歯噛みするようにして、カヤさんは銃を下ろしてくださいと口にした。

 

「賢明な判断、助かります。仮に継戦していればもう全員倒れてるでしょう」

トス、と椅子に再度座ってカヤさんの方を向き直す。

 

「さて、ではそろそろ私からの協力の内容を申し出てもいいですか?」

「……えぇ」

警戒は解かない、と。まあ別に座るくらいしてくれてもいいんだけどね。そっちから危害を加える気がないならわざわざ自分から手を出すような真似はしないし。まあ立ち振舞に悪い大人(黒服さん)をトレスさせてるからそういう意味では警戒せざるを得ないのかもしれないけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ…!っの、この…!!」

何が起こった…!

私は防衛室内でギリギリと音が鳴るほど手を握りしめていた。

 

明日シグレ。連邦捜査部シャーレの部長であり、異才の持ち主。

知る人ぞ知る、という言い方も変ですが、一部生徒からは少し目を引いていた特殊な生徒。

荒事をあまり好まず、のらりくらりと面倒事を躱すような人だと思われていた──実際、書類上での基本的な情報はまさにそのとおりだった彼女。

その彼女に、私の姿勢であり切り札の一つであるFOX小隊を完封されてしまった。

しかも…

 

「なんなんですか、()()は…!!」

不気味、としか言いようのない雰囲気。

アレを前にすると自然と体が硬直し、同時に体が弛緩する。

相反する二つの事象…でもそうとしか言えない。緊張で全身に力が入るのと同時に、自分では体に力が入れられない。

会話のペースに飲まれ、沼のような策略に落とし込まれるような、生温いような空気。

普段ならもっとうまい交渉ができた、普段ならばもっと完璧に立ち回れた…!そのペースを嘲笑うかのように崩して、完全に相手の領域に塗り替えられた…!

 

挙げ句あんな条件…!

 

『カイザーと手を組んでいる…というより癒着しているということは知っています。まあ端的に言えば…スパイ的な役割を行ってもらいたいんです。…ええ、何か不都合な不味い事…例えばキヴォトスの掌握、なんかですかね。そんな事を実行しようとしたようであれば可及的速やかに連絡を下さい。あぁ別に止める必要はありませんよ、感づかれると拙いので。それと…FOX小隊を解放、及びシャーレへの所属へ移してもらいたいです。…こちらは別に今すぐというわけではありません。そんなすぐに移されても先生も困るでしょうし。まあ少なくとも…そうですね、一月以内としましょうか』

どこでどうやって()()を知ったのかもわからなかった…腹の底が何も読めなかった…!

私は超人なんですよ、超人足り得る人間なんですよ…!

なのに、これじゃ…!

 

『それでは、よろしくお願いしますね』

……いえ、よく考え直しなさい不知火カヤ、あれ程の情報網と戦力を持つ人間をこちらに引き入れられればFOX小隊など目ではない程の力を手に入れられるはず…

…問題は当人がなかなか堅物そうだという部分ですが…そこは何とかするしかないでしょう。

なんて言ったって私はあの女のように「超人」となる人間なのですからね!

*1
ティラノサウルスを倒すために作られた弾。当たりどころによればクジラも一撃と言われている




シグレ は ぶきみなはどう を おぼえた!

尚、主人公シグレさんが理事を捕まえただけでなく基地一つを完全に壊滅させて更に実質的な宣戦布告をしたことによりカイザー側にとっては殺したいほど憎い相手であることは知らない模様。


(現状の)主人公シグレさんの好感度Tier


高(信頼できる人)↑先生

(信頼()できない)↑他大多数の生徒たち

中(ちょっと苦手) アコ、美食研究部などの上の大多数に入らない少数の生徒たち(トリカスとかも含む)、面識のあるいつものゲマトリアの面々、ハナコ(少し苦手のベクトルは違うけど)

(嫌い寄りの苦手)↓カヤ、温泉開発部あたりの話が通じないタイプの人。

低(普通に嫌い)↓自分







































タヒね(しね)↓カイザー、ベアトリーチェ、無名の司祭

※色彩は厳密な審査の結果、非生命体判定よりランクインせず。

こんな感じです。
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