和風ゲー世界の回復祈祷師~鬼畜世界で推しを助けるために治癒を極めてたら、いつの間にか周りが病んでいた~   作:鬼怒藍落

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第参拾話:会ったその日に捜索依頼

「……なんか予想の二倍は貰えたんだが」

 

 依頼主に猫を返した帰り道、俺は真神と帰路につきながらもそんな事を呟いた。

 飼い主の方は余程の愛猫家だったのか見つけたことで心底喜んでくれて……なんか元々提示していた額よりかなりの量の額を渡してくれた。

 

 悪いと思って返そうとしたけど、普通に断られて本当にありがとうございますとお菓子まで貰ってしまった。今度あの人から依頼を受けるときは割引とかした方がいいかな? と真剣に悩みながらも、ちょっとした空き地に俺達は座る。

 

「ん、旨いなこれ」

 

「確かにおにぎり美味しい」

 

 米の質が良いのか、炊き方が良いのかは分からないけど……普段食べるものよりも美味しいおにぎり、時代が時代故に具などはないけれど単純にお米が美味しいものだった。

 

「というか……これ、殆ど白米だろ」

 

 この時代……というかこの【かみかぐ】世界は、前世で言うところの平安時代と江戸時代を混ぜたような合の子の世界なのだ。

 出てくる敵である妖怪とかは平安時代基準で、料理とかは道具工芸品などは江戸時代の物が多い。それにかなり前世の日本の歴史を参考にして作られてるだけあって、白米のみとか普通に高いし、食べる機会も少ないのだ。

 

 武蔵国周辺では最近主流になっているらしいがここは信濃だし高い物は高く、庶民的な暮らしをしている俺等はあまり食べる機会が無い。

 そんなあまり食べる機会のない白米のおむすびに感謝しつつ、それを手軽に渡せる店に恐怖を覚え……今日の夜の食費に目がくらむ。

 

「とりあえず、一個残すか真神」

 

「……ん、神楽達に残さなきゃ」

 

「そうだな――じゃあ帰るか」

 

 そうして用事も無いので信濃街の少し離れた場所にある万屋の本拠に帰り、家に入ろうとしたときだった。

 

「夜見兄ちゃん!」

 

「真神もいる! ――えっと、助けて二人とも!」

 

「どうした二人とも、そんなに慌てて……」

 

「――えっと早苗姉ちゃんが友達を探しに行ったんだけど二時間帰ってこなくて!」

 

 早苗……というのは今日出会ったばかりの人物の名前。

 詳しく話を子供達に聞けば、かくれんぼして遊んでた友達が森で消えそれを一緒に遊んでいた早苗さんが探しに行くと言って森の奥にいってしまったらしい。

 

「――もうすぐ逢魔ヶ時だし、心配で……私は強いから大丈夫ですって言ってたけど、全然帰ってこなくて!」

 

「夜見兄ちゃんなら助けてくれると思ってきたんだけど――急げる!?」

 

「了解だ――えっと二人はちゃんと帰るんだぞ、俺と真神が見つけてくる」

 

 聞かされる緊急事態。

 逢魔ヶ時は妖怪達が活発に動く時間帯であり、普通だったら町の外には出てはいけない時間だ。瘴気や穢れも濃くなる時間だし、この周辺の森には人を攫う妖怪もいると聞く……そんなのを放置できる訳がなく、俺はそのまま走り出した。

 

「真神少し離れたら狼の姿に戻れるか?」

 

「うん、問題なし……とにかく急ぐ」

 

「あと匂いとか……」

 

「ばっちし、任せてあるじさっきの小袋のは覚えてる」

 

「さすが真神、頼りになるな!」

 

 今日のご飯は絶対に美味しいものを食べて貰おうと思いながらもある程度森を進んだところで真神が姿を変えたのでそれにまたがって一気に加速する。 

 本来の大きさではなく二メートルくらいのだが、俺を乗せるくらいだしこれでも問題は無いだろう。

 

「ッ――感知に反応ありだ。妖気も濃いし急ぐぞ!」

 

 そういえば真神がさらに加速して森の奥に進んでいく、そしてその先に辿り着き……俺達は人影と――巨大な蛇のような姿を見た。

 その胴は太く、頭部に口がある以外は目も鼻もなく、ちょうど柄のない(つち)のような形をしている。

 

 生物にしては大きく、凶悪な程に濃い妖気を放つそいつの名は野槌(のづち)。全身に毒を持ち呪詛のせいか見つけられただけで熱病を発すると言われている危険な妖魔。

 そいつのせいか、人影……というか早苗さんと子供達の体調は見るからに崩れていて、今にも倒れそうなくらいに荒い息を吐いていた。

 

「――しかもでかいなこいつ!」

 

 こいつの生態について知ってるのはそこまでだが、こいつは噂に聞く野槌より数倍はでかい。それだけの呪詛を纏っているだろうし、それだけ何かを喰った事になるのだが……こんな奴を放置とか出来るわけが無い。

 

 それに俺の通常のステータスでは倒せるかも怪しく……それを判断した瞬間に、俺は自然と祝詞を唱え始めた。

 

「我、禍津神楽に(こいねが)う……黄泉坂《よみさか》下りて罰を成し、祟り蝕み(のろい)を喰らおう――(うた)え、焦がれて身は虚ろ、我(もたら)すは――生命奪いし、氷河の理」

 

 この場に適しているのは火力があって、被害も少ない能力。

 支援特化の俺が敵を倒すための術をきり――俺は刀を持って野槌と対峙した。

 

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名:夜見 存在強度――氷河

 

称号:[八十禍津日の愛し子][螟ェ髯ス逾槭?闃ア蟀ソ][氷河の理を掴みし者][弐柱の月神に認められし者]

 

生命力:90

霊力:1800+400

筋力:32+70

器力:58

守力:23

速力:14

 

【霊術】

 ・身体強化

 ・回復祈祷

 ・解呪祈祷

 ・霊視

 ・結界術

 

 

御業(みわざ)

 ・『災禍の恩寵』……八十禍津日――神楽の権能を借り受ける

                 氷河の理――霊力に属性・氷を付与する。

                         冷気に対する耐性を得る

                        存在強度の変質 

                        制限時間――五分                     

         存在強度不足 

 ・『意富加牟豆美(オオカムヅミ)神饌(しんせん)』……魔障への耐性

 ・『黄泉戸喫(よもつへぐい)』……呪詛、瘴気、妖気への耐性 

・『月詠からの祝言(しゅくごん)』……夜の際身体能力の向上、暗視、睡眠への補正

 ・『螟ェ髯ス逾槭?蟇オ諢』……隧ウ邏ー荳肴?

繧ケ繝?う繧ソ繧ケ謌宣聞陬懈ュ

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