ホルン吹きの少女 作:衝角
あがた祭りの季節が近い。
朱莉は京阪宇治駅に貼り出されていたポスターでそのことを改めて気付かされた。
「そうか、今年もこの季節がやってきたんだね」
毎年6月5日から6日の未明にかけて行われるその祭りは梵天渡御と呼ばれる神事が暗闇の中で行われることから「暗夜の奇祭」と称されることも多い。
とはいえ、朱莉たち高校生にはその神事はあまり関係はない。祭りの日になると、県神社のある参道や宇治川一帯に屋台が並び多くの人がお祭りを楽しみにやってくる。
だいたい10万人ぐらいの人手があるため、混雑を懸念して交通規制や学校が早く終わる。吹奏楽部もまたこの日ばかりは早く終わらせるはずだ。
そうなると、時間に余裕があるわけで。
「葉月ちゃんはどうするのかなぁ……」
最近になって親しくなった同級生の顔を朱莉は思い浮かべる。
自分と同じ人を好きになった女の子。
最初は久美子と同じパートの同級生という認識でしかなかった。けれども休日練で彼女に手解きをしている間に色々知った。
いわゆる彼女がクラスのムードメーカーであること。中学時代はテニス部をやっていて体育会系と文化系の女子の違いに少し悩んでたこと。まだ楽器初心者であり、同じパートの久美子と緑輝に引け目を感じていること。
そして、自分に女の子としての魅力がないと思い込んでること。
確かに自分と比べると葉月に女の子としての華はないかもしれない。
けれど、人好きのする性格と運動部から文化系である吹奏楽部(文化系の中ではかなり体育会系寄りだが)に入ろうと決めた決断力。わざわざ自分に秀一のことが好きだと知らせてくる愚直さはとても朱莉自身の及ぶところではなかった。
(あまり考えたことはないけどね。もし、秀一がわたしと久美子以外に女の子と付き合うなら、秀一の手を引いて歩いてくれるような娘だと思う。ついあいつに甘えてしまうわたしや久美子みたいな女の子ではなくて、そんな強い女の子の方が秀一には合ってるような気がする)
ふと、葉月に手を取られて共に歩く秀一の姿が脳裏をよぎる。それが思ったよりもしっくりきてしまって朱莉は苦笑いを浮かべてしまった。
朝練が終わり、教室に秀一と同じクラスで数少ない吹部の男子である瀧川ちかおが入ってくる。
朱莉のクラスには自身以外に秀一、瀧川とパーカスの井上順菜と堺万紗子が吹部印象として在籍しており、最近はそれがそのまま緩やかなグループになって過ごすことが増えていた。それ自体は賑やかでいいことなのだが、その中の誰か1人に話を持ちかけようと思うとタイミングに手間取る。
奇しくも朱莉もまた葉月と同じ苦労を味わっていた。
「ねえ、秀一。ちょっといい?」
「ん? ああ、朱莉。どうかしたのか」
朱莉が秀一に声をかけたのはその日の6時間目の授業が終わった直後だった。休み時間に話すとちかおや順菜がうるさいので、授業終わりを狙い澄ましたのである。教室もすでに半分くらいの生徒が部活のため出払っており閑散としていた。
「うん。ちょっとね。5日のあがた祭りに一緒に行こうってだけ」
「そういえば、そんな時期だったなー。練習が厳しすぎて忘れてたわ」
「それでさ、秀一の時間が空くなら一緒に見て回らない? 多分5日は練習早く終わると思うし」
朱莉がそう言うと、彼は少しだけ悩むような素振りを見せる。
……去年まではそんな姿は見せなかった。今年もいつも通り朱莉と久美子と秀一の3人で回るつもりだった朱莉は少し戸惑ってしまう。
「……いや、今年は行かない。去年より練習きついから素直に休みたい」
「……そうなんだ。わかったよ」
秀一がそういうなら無理強いはしない。朱莉はあっさりと食い下がった。
ただ1つだけ。
(新しく買った浴衣、どうしようかな……。せっかく買ったんだから無駄にはしたくないんだけど……)
秀一に見せるために買った浴衣をどうするかの問題が残るのだった。
1
部活に入ってから朱莉はどこか上の空だった。
自分では隠しているつもりだったが、思ったより秀一に断られたショックが大きかったらしい。
「穂村さん、音の出し終わりの処理が甘いです。だらっと垂れるように吹くのではなく、すっきりとまっすぐ余韻を残すようなイメージで」
「はい、すいません」
「では、もう一度」
それは音色にも表れていて珍しく滝のダメ出しを食らってしまう。やはり、分かる人には分かるらしい。
滝に分かるということは滝よりは朱莉に親しく、それでいて部員の中でも耳が肥えている麗奈にも分かるということに他ならない。朱莉はパート練が終わった後に麗奈に屋上に呼び出されていた。
半端な演奏をしてしまったことに対して詰められると朱莉は身構えたが、麗奈の物言いは案外柔らかで「まず、座りなよ」と言ってくる。変に優しいなと朱莉は訝しんだが、素直に屋上の縁に座った。
「今日の演奏、らしくなかったね、朱莉。なんかあった?」
「あがた祭り、秀一を誘ったら今年は行かないって断られた」
「ああ、道理で。朱莉が乱れるとしたら塚本絡みだとは思ってたけど。……へえ、朱莉は断られたんだ」
何か含みがあるように麗奈は朱莉を見回す。
クラスや吹部員前の堂々とした振る舞いからはあんまり考えにくいが、彼女自身もまた女子高生相応の好奇心はある。身近な朱莉の恋愛事情ともなれば、食指を伸ばす対象に十分だった。
「やな言い方。で、麗奈はなんか知ってるの? 麗奈、秀一には全然興味はないくせに」
「塚本が誰とあがた祭り行くかは知ってるけど?」
「どうせ、久美子でしょ? わたしに嘘ついてまで行く相手なんて久美子しかいないし」
いじけたように言う朱莉に対して麗奈は首を横に振った。
「違う。低音の加藤。加藤が塚本を誘ってるところを見たよ。誘った後にすれ違った時に嬉しそうな顔してたから多分断られてないと思う」
「葉月ちゃんかー。考えてない訳じゃなかったけど、正直みくびってたかも」
思わず、朱莉は天を仰ぐ。
加藤葉月。思った以上にやり手の女だった。どうやって秀一の横に滑り込んだのか朱莉にはわからないが、その手腕は彼女の想像の上をいっていた。
「……まあでも良かったよ。秀一が勝負を賭けにきたわけじゃなくて」
正直なところ、誘いを断られた時点で朱莉は覚悟はしていたのだ。
秀一は久美子を選んだのではないかと。だが、実際はそういう訳ではなさそうで安堵した。
ただ、そんな朱莉の姿を麗奈は黙って見ているだけだった。
「さて、秀一が行かないならわたしは誰と行こうかな。やっぱり久美子と2人かな?」
「黄前さんも行けないと思う。アタシと回るし」
「麗奈が久美子と行くんだ、珍しい。それならわたしと久美子と3人で行く?」
「それも面白そうだけど、またの機会にね。アタシ、黄前さんのこと少し気になってたから今回は2人で話してみたい。アタシ自身の理由もあるけど、朱莉の特別でもあるからいつか話してみたいと思ってた。だって絶対面白そうじゃない? 儚げな顔してずっと熱を溜め込んでた朱莉の特別だよ? 黄前さんにもきっと何かあるはず」
話していくうちに夢中になっていく麗奈を見て朱莉は若干引いた。
麗奈がなぜ久美子に執着するのかは分からないし、そもそも麗奈と久美子があがた祭りに一緒に行く経緯すら謎だ。
こうなってしまっては朱莉は麗奈に目をつけられてしまった久美子の行末を案じることしかできなかった。
そのまま麗奈と何曲かデュエットしたあたりで、最終下校時間になる。
楽器を返した朱莉が正門を通り過ぎると、ホルンパートの1年生2人……美千代とララが待っていた。
「ギリギリまで練習してるのは流石だね、朱莉ちゃん」
「美千代とララちゃんこそかなり遅くまで残ってるじゃん。で、何か用事?」
ホルンパートは基本的に仲がいい。
沢田と加橋、岸部の間には学年の隔たりをあまり感じさせられないし、森本やララもよく上級生と帰っているのを見かける。だから2人で校門近くにいることは珍しいのだ。ただ朱莉が単独行動が多くてちょっと浮いてるだけとも言うが。
「朱莉ちゃんもあがた祭り行こ? 親睦を深めるためにもホルンパート全員で行こうって沢田先輩も言ってたんだー」
「そっか。じゃあわたしも行くよ。その日、これといって予定もないからさ」
「やった。これで全員参加だ!」
手を叩いて喜ぶララ。
これで、ホルンパートは全員でお祭りに行くことが決まる。
……ただ、去年と違って秀一や久美子が隣にいないことに朱莉は少しだけ寂しさを覚えるのだった。
2
「今日の練習はこれまでにしましょうか。今日はあがた祭りが行われます。存分に楽しまれるのは良いですが、あまり羽目を外しすぎないようにお願いしますね」
あがた祭り当日になった。
滝の言葉を背に吹奏楽部員たちも帰り支度を始める。
ホルンパートは一時解散し、京阪宇治駅に再集合する手筈になっていた。
「せっかくだから着ていこうか」
朱莉もまた家に帰って、買ったばかりの浴衣に袖を通す。
橙色を基本色にして、紺色の帯に白い牡丹。ついでに木蓮を模した鼈甲の簪。
色合いも牡丹の紋様もかなり派手で人によっては完全に浴衣に印象を食われてしまいそうな浴衣だが、朱莉はそれを完全に従えていた。
いつもはおさげにしている薄い金髪も、今日は結い上げられて白いうなじを露わにしている。
普段の幼さは鳴りを顰め、豪奢でありながらも上品なその姿は、きっとすれ違っただけで周囲の人の目を奪いとるだろう。今の朱莉はそれだけの存在感があった。
朱莉の家から坂を下るとすぐに宇治川が見えてくる。あじろぎの道にも浴衣姿の老若男女がのんびりと歩いていた。かなりの人出があって慣れた道でも人が邪魔でうまく進めない。
そうなると必然、人混みの間を縫おうと朱莉は視線を彷徨わせる。
(まだ秀一たちはいないよね。確か葉月ちゃんちは黄檗の近くだったから、この時間にいるわけもない)
頭では分かっているものの、朱莉の視線は一番この艶姿を見せたかった相手を探してしまう。実に今更だった。
苦労して京阪宇治駅にたどり着くと、ホルンパート全員がすでに集まっていた。流石は『やるときはやる! 遊ぶときは全力で遊ぶ!』をモットーに掲げているだけのことはあってパート全員が浴衣を着用していた。
「すいません、先輩方。人混みがすごくて遅れてしまいました」
「全然気にしてないし、いいよ。それにしても本当に人やばいよね」
「それな」
謝る朱莉を対してからからと沢田と加橋が笑って許す。
こういうところの鷹揚さは北中時代のホルンの上級生にはなくて、朱莉は目を丸くする。
(やっぱりあの先輩たちがおかしかったのかな。……もし、沢田先輩たちが北中にいてくれたなら。いや、これももう過ぎたことだ)
それからは6人で屋台を回り始める。
沢田と加橋は射的にのめり込み、岸部はひたすらに焼きそばばかり食べている。森本とララと朱莉は屋台ごとに唐揚げやたこ焼きをそれぞれ買ってきて食べ比べをするといった品評会じみたことをするなど、思い思いに好きなことをやっていた。
やってることはバラバラなのに、ゆるく繋がれている。そんな関係性は比較的閉じた緊密的な付き合い方ばかりしてきた朱莉に新鮮に映った。
「やっぱり女子だけで回るのもいいけど、男の子と2人きりで回って見たかったなー。まぁあたし、今年は受験だからもう無理なんだけどさ」
沢田が頭の後ろで手を組みながらそんなことをつぶやく。すると、ララが目を輝かせながら「ララも来年は男の子と回ってみたいですねー」と返す。
「実際、吹部には出会いはないですからね。男子がいないこともないけど、正直そんな対象として見れない……」
「ですです。いや、かっこいい人はかっこいいすけど、トロンボーンの野口先輩とか。でも、そういう人って早く彼女作って身を固めちゃうんですよねー」
「わかるよ、森本。あたしも一年の頃はちょっとヒデリ狙ってたもん。まぁね、府大会終わってすぐぐらいに田浦と付き合ってたからあっさり終わったけど」
岸部が茫洋とした口調で話に乗っかる。表情筋が貧弱な彼女だが、やはり女子高生らしく恋バナに興味があるようだった。そこから話は完全に恋バナの方に切り替わり、沢田の初恋が初手であっさりカミングアウトされる事態に。
「みんな、恋したいって言うけど私はそんないいもんじゃないと思うけどなあ。がっつり来られるとちょっとだるいし。少しでも肌見せると色気付いて『キスしていい?』とか聞いてくるし」
「部外でちゃっかり彼氏作ってた裏切り者は黙っといてくんない? 持つものに持たざるものの苦しみがわかるわけないし、自虐風自慢にしか聞こえねんだわ」
「うわ、思ったより樹里の妬みがひどい」
あっさり加橋がのけものにされ、話はどんどんグダっていく。
(うーん、このままだとわたしと秀一と久美子も話題に出されそうだなぁ。ララちゃんと森本はわたし達3人が幼馴染だと知ってるわけだし。普段ならなんでもないように話せるけど、今日はちょっと無理だ)
嫌な予感を覚えた朱莉は気づかれないように二、三歩グループの後ろを歩き始める。すると、視界の端に秀一と葉月の姿が見えた。
どうやら今いる平等院の表参道から離れてあじろぎの道の方へ向かおうとしているらしい。あの辺りは屋台からも離れていて人はいるけど暗いし比較的静かで、2人きりで話すのにはもってこいだった。
後ろ髪を引かれる気持ちはあるが、今日はホルンパートの付き合いがある。すぐに見てないふりをして歩き出す。
(後で秀一に聞いてみるかな)
秀一には聞きたいことがある。
自分に嘘をついてまで他の誰かと祭りに行こうとしたこと。葉月をどう思っているのか、色々と。
でも、それは今じゃない。
今は高校になって出来た繋がりを大事にしよう。
朱莉は前を向いてまた歩き出した。
3
9時を回ると高校生たちは帰途につく者が多くなる。
ホルンパートのメンバーも黄檗など電車で何駅か離れた場所に住んでいるため、解散という流れになった。
京阪宇治駅で見送りに行った後、あじろぎの道を使って家に帰る。
「あれ、秀一?」
帰り道の途中、川沿いのベンチの近くで秀一は立っていた。一瞬朱莉が疑問符を浮かべたのは纏う雰囲気が普段と変わっていたから。
川面を眺めながら、何かを考えてるようなそんな顔。時折、苦虫を噛み潰したかのように口元が歪む。
「どうしたの、そんなところで黄昏ちゃって」
「……朱莉」
秀一はばつの悪そうな顔をしていた。朱莉に嘘をついて祭りに出てきているという負い目があるのだろう。ただ気まずそうにみじろぎすることぐらいしか彼にはできなかった。
「なんかすごい久しぶりな気がするね。今日はお祭りだから会えるかなと思ってたけど会えて良かったよ。……まあ本当に来てるとは思わなかったけど」
敢えて明るく振る舞ってくる朱莉が秀一にはかえって不気味だった。楽しそうな笑みで、それでいて言動から毒が滲み出ている。朱莉の機嫌が良くないことは鈍い秀一にもすぐにわかった。
「……嘘、ついてたよね。あがた祭り行かないって言ってたのに」
「……そうだな、悪い」
「それと、葉月ちゃんの気持ちは分かってた?」
「もしかしたらとは、思ってた。……告白までされるとは思わなかったけど」
秀一は力なく言う。
その様子があまりに見ていられなくて沸々と何かが込み上げてくる感覚を朱莉は感じた。秀一に対して感じたことのない初めての感情に戸惑う。それが怒りだと気づくのに時間がかかった。
気づいたのは、朱莉が思わず彼の頬を平手で打ち抜いた瞬間。
ばちんという音が夜の闇に響いて、朱莉はようやく自分が秀一に怒りを抱いていたことを知る。
「……っ! 何すんだよ!」
遅ればせながら、抗議する秀一を朱莉は睨みつける。
少しばかり期待していた自分が朱莉は恥ずかしくなる。秀一はそんな気が利いたことができる人間じゃないのは分かってる。
それでも、少しだけでも、切実な恋をしていた女の子にまともに意識を向けられなかったのか。その胸中を慮ってくれなかったのか。
半ば八つ当たり気味だし、自分にその資格があるのかわからないけど朱莉は秀一に向かって叫んだ。
「少しでも気づいてるんだったら、付き合うつもりがないのなら、期待なんてさせないでよっ。葉月ちゃんがどれだけ悩んでたか知ってる? そんな思いを向けられた先の秀一がこんな中途半端だったら、葉月ちゃんがかわいそう」
秀一は何も言い返してこない。ただ俯いているだけだった。
「告白する側って怖いんだよ。明日から友達でいれなくなっちゃうかもしれないのに、それでも『あなたが欲しい』って覚悟を決めて好きな人の前に立ってるの。わたしはね、嘘をつかれたことより、半端な気持ちで向き合って葉月ちゃんの覚悟を踏み躙ったことが許せない」
朱莉の瞳が怒りに揺れているのを秀一は見た。
本気で怒っている朱莉を見るのは初めてで秀一は気圧されてしまう。
今までのような沈黙や言い訳が許されるような甘い相手ではもうなかった。
動揺を抑えつつ、なんとか秀一は言葉を紡ごうとする。
「……そうだな、確かに俺は中途半端だった。覚悟は決めてたつもりだった。でも違う、ほんとうは逃げてたんだろうなぁ。お前にも雑な嘘ついて終わらせてたし。……言われてみりゃ怒られても仕方ないな」
秀一は自嘲気味に笑ってから、朱莉を見た。
「悪い朱莉。迷惑をかけた。もう一度出直すわ。今度こそちゃんとやりたい」
そう言って秀一は尻を軽くはたいて立ち上がる。こんなところで気分を沈めている暇はない。明日も練習だし、答えを出さないといけない問題もある。
「じゃあな、朱莉。また明日」
「そうだね、また明日」
そのまま彼は家の方へ歩いて行き、朱莉はひとりごちる。
「最初からそうしてくれたらいいんだよ。だったらわたしも幾分か楽だったのに。……葉月ちゃん、終われない恋ってこんなに苦しいんだね」
結末なんて十中八九見えている。
けれど、朱莉はそれで終われなかった。従兄妹とはいえ血が繋がって家族同然に育ってきた相手に向けるには適切な感情ではないこともわかってる。
それでも、もしかしたらがある限りは手を伸ばす。
それは希望であると同時に計り知れない苦行だった。