雨上がる頃に星空を   作:ミスブルー

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電車の悪夢

森宮学校のホールは和風のような飾りをメインに彩られている。

室内はBGMが流れており雅な和風な曲が流れていた。

なの達が取ってきた笹の葉が一際目立っており短冊がいくつも結ばれている。

 

なのは既にカメラを向けていた。

撮っているファインダーに俺の姿が写ったのか俺を見つけるとやって来た。

 

「あっ…穹!やっと来た!」

 

「なのが早すぎなんだ。今どんな感じだ?」

 

「卒業生の子達に短冊イベントから始まってるね。同窓会の受付けは御影って子がやってるの」

 

「ありがとうなの。行ってみる」

 

俺は受付にいた黒い着物を着てる女の子に話しかける。

「こんにちは。俺は穹だ」

 

「おぉ…お前様が穹か。妾は霊峰御影と言う」

 

「また霊峰?」

 

「既にお前様は三人程会っているようじゃな。妾のことは御影と呼んでくれれば良い。夕七殿を探しに来たか?」

 

「そうだ。どこにいるかな?」

 

「ホールの短冊を配っているか或いは料理を取りに行っておるかもしれぬ」

 

「ありがとう」

 

「時にお前様、あのピンクの娘はお前の友達か?」

 

「え?なののことか?友達、仲間、家族みたいな感じだな」

 

「ほぅ家族とな。良い関係じゃ。しかしあの娘…妾を見た瞬間妾をぬいぐるみのようにもふりおってな…よく言っておいてくれ。何か三途の川を見かけたぞとな…」

 

「ぁぁ…機会があったら言うよ」

 

夕七を探してるとホムラが受付から入ってくるのを見かけた。

 

「あ…穹」

 

「よっ。来てくれてありがとう」

 

「うん…おしゃれしてきたつもりだけど…どうかな…?」

 

両手を軽く持ち上げて袖下の長い和柄の衣服が見える。

黒の短いプリーツのレーススカートだ。

スカートをよく見ると柄が入っていた。

足元は膝丈まである黒い靴下とカランコロンと下駄が鳴った。

ほんとにおしゃれしてくるとは。

なのやるなぁ。

 

「あ、あんまりみないで…」

 

「ご…ごめん。でも似合うよ」

 

「うん、ありがとう」

 

「なぁ…写真撮っていいか?」

 

「え…?…。いいけど…」

 

俺はスマホを取り出し俺とホムラが写るように撮ろうとする。

 

「え…一緒に?」

 

「もちろん。ほらホムラ。もっと寄ってくれ」

 

「えと…その…わかった…こう?……近い…」

 

そんな声が俺の耳元を聞こえたがどことなく嬉しそうだった。

写真を撮り終えて俺は気になっていたことを聞いた。

 

「そういえばホムラもみんなも和風が多いけど七夕とかに合わせたとかなのか?」

 

「うーん…私は…それもあるけど今回主催が東の国の人達が主体で行ってるからだと思うよ…」

 

「東の国?」

 

「…異世界東の国。この世界…地球、森宮のある場所に異世界に繋がる場所があるの…。そこからずっと東に行くと和って感じの人達が住んでてね。それが東の国って呼ばれてて…22人の姫巫女って言う戦姫と…一人の魔女王が統治してるんだって」

 

「へぇ…もしかしてその22人は霊峰だったりするのか」

 

「うん…よくわかったね。今回は…その三人が…運営してるみたいなんだ」

 

 

黒百合、夕七、御影。

既に三人に出会っている。

 

みんな癖のある人達だ。

 

「ホムラや、こっちに来とくれ。参加しとる者らにりすとばんどを付けるのじゃ」

 

御影が声を掛けてきた。

 

「あ…はい。…わかりました。じゃあ穹。行ってくるね」

 

「うん、いってらっしゃい」

 

俺はその後、夕七を見つけることが出来た。

食事を車台に乗せていて忙しそうにしていた。

 

「穹さんごめんなさい。人が足りなくて」

 

「気にしなくていい。何か手伝おうか?」

 

「穹さんはホールにいてほしいんです。こちらの資料を渡しておきますね~。プログラムになります」

 

「ありがとう」

 

「進行はこのままで大丈夫だと思います。ただ短冊は本来…私が配ったりするんですがご覧の通り食事の人が来なくて…」

 

だから私が代わりにここにいるんです~…と既に疲れた顔をしていた。

 

「分かった。リストバンドを付けてる卒業生の人に短冊とか行事に参加してもらえばいいってことだな」

 

「え?そうです!よくわかりましたね」

 

「結構いろんなことやってるからな」

 

「さすが開拓者さんですね。お願いしてもいいですか」

 

「もちろん。任せてくれ」

 

俺はそう言ってホールに戻った。

せっかくだからなのにも手伝ってもらおう。

ホールに戻った俺はなのにも話し手伝ってくれることになった。

ぷち同窓会という割には結構な規模と人数だと感じた。

 

何人か短冊行事に参加してもらい一人ホールを歩いてるとホムラを見つけた。

 

「ホムラ」

 

「穹…忙しい?」

 

「忙しいけど楽しいよ」

 

「良かった…」

 

「ホムラは?」

 

「楽しいよ。…さっき魔女さんがいたの。かっこよかったから声を掛けてた」

 

「話せたのか?」

 

「うん…いい人だった。…彼氏さんも騎士みたいな格好しててね。錬金術師さんなんだ」

 

「その二人も卒業生?」

 

「ううん…その人達は違うよ。…在校生。あの人達…私よりずっと忙しいしすごい魔法使いだから…もう行っちゃった」

 

「それは残念。俺も見てみたかった。そうだ、ホムラは短冊書いたか?」

 

「短冊…まだ書いてない。…いいの?」

 

「いいぞ」

 

「ありがとう…書く場所に行かないとね」

 

俺とホムラはテーブルと椅子がある場所にやって来る。

ホムラは椅子に座りペンを取る。

 

「7月7日だけど雨のち曇りなんだって」

 

書きながら俺を見上げた。

 

「そうなんだ。もしかして晴れ…――」

 

俺はホムラを見下ろす形になり目を少し反らした。

 

「??どうしたの…?」

 

俺はその場にあったゴミ箱の蓋を開けた。

 

賢者よ。

 

俺の前に姿を現さん。

 

中を覗き深淵を覗く。

 

よし落ち着いた。

 

「そ…穹…?」

 

ホムラが引いていた。

 

俺はゴミ箱の蓋を閉めて向き直る。

 

「もしかしたら晴れるかもな」

 

「う…?うん…?そうだね…?」

 

「一応7月7日はまだ俺達ここにいるはずだからホムラもせっかくだから起きてないか?」

 

「私?……。うーん…。…」

 

ホムラはそう言って短冊に目を落としてペンのフタを開けた。

影を落としている時の表情だ。

 

「星空見たいか?」

 

俺が言うとホムラが俺を見た。

 

「見たいけど…」

 

ホムラは窓を見た。

 

外は今日も雨だった。

 

「何があったか…話してくれないか」

 

「…………」

ホムラは無言になるが口を開いた。

 

「もしかしたら謝ることになっちゃうかもしれない…」

 

「何があってもホムラは悪くない」

 

「ほんとに…?私を甘やかしても後悔しないでね…?」

 

ホムラは一つ呼吸をして吐いて口を開く。

 

「私ね。…最近、毎晩…夢を見るの。怖い…夢を…」

 

「夢?」

 

「うん…夢。でも一人じゃない。私以外にも人が駅にいるの。知り合いもいるんだ…。それで電車が来るの。電車が来て…みんなそれに乗るんだ…乗らないといけない。乗らないなんてできないんだ」

 

「変な夢だな」

 

「うん…。そして電車に乗った私達は空いてる座席に座るの。…そして…電車に乗った順番に乗った人達は…猿みたいな化け物に……殺されるんだ…」

 

「…殺される?」

 

「次は…私……私の番…」

 

「……ホムラ…」

 

 

 

 

 

「あ、いました穹さん~」

 

夕七が俺を呼んだ。

 

「夕七。食事は大丈夫か?」

 

「おかげで助かりましたよ。あ、ホムラさんですね。同窓会楽しめてますか~」

 

「うん。…ありがとう」

 

「いえいえ。穹さん穹さん。壇上に立って挨拶をお願いします~」

 

「あぁうん。分かった」

 

俺はホムラを見た。

 

「大事な役だよ…。いってらっしゃい穹。ありがとう」

 

「…分かった。行ってくる」

 

 

俺は壇上立ち挨拶を始める。

なのの姿が見えて写真を撮っていた。

まずは梅雨の話から入り七夕の話を簡単にする。

 

その後、俺は星穹列車がどんな開拓をしてきたのかを話した。

 

「―――生命体はなぜ眠るのか、そう言われた時、そして人はなぜ眠ることを選ぶのか。それはいつか夢から覚めるためだと。

そして俺達の旅は続く。みんなの旅もこれからも続くんだ」

 

挨拶を終える拍手が起こる。

その後、食事が運び込まれる。

壇上から降りるとなのがやって来た。

 

「大成功じゃん!」

 

なのは俺の肩を叩く。

 

ヴェルトもいてこっちに歩いてきた。

 

「あれ!?ヨウおじちゃん!」

 

「ヴェルト。来てくれてたのか」

 

「あぁ。こういう学内イベントは生徒だけじゃないってことさ。教員側も引率として付いてるんだ。

今回はなのかや穹がいたからな。

一緒にどうだ?と言われて俺も二人を見守ることにしたんだ」

 

「どうだった?」

 

「見事な演説だったと言っておこう」

 

「ありがとうヴェルト」

 

「どういたしまして。二人共、あとはここから自由行動でいいそうだ。何か気になることがあったら思い残すことなく過ごすんだぞ。気になることがあったら相談してくれ。

後悔しないように。俺達星穹列車組は仲間で家族だからな」

 

そう言ってヴェルトはホールのスタッフルームに戻っていった。

 

「やっぱりヨウおじちゃん一番楽しんでたりするかもね。

ほんとは壇上の挨拶とかやってみたかったりしてね」

 

「そうだな。ヴェルトの話しも聞いてみたいかも」

 

「あ、わかる!」

 

なのと話し「そういえば!」と言った。

 

「さっき一緒にいた女の子!ホムラって子。あっちにいたよ」

 

そう話してくれた。

 

「ありがとう。行ってくるよ」

 

「いってらっしゃい穹」

 

なのの言葉に思わず驚いた。

ホムラが言った言葉の"記憶"と重なって振り返るとなのはそこにはもういなかった。

 

「ホムラ」

 

「穹…。挨拶…おつかれさま」

 

「ありがとう。どうだった?」

 

「思わず…聞き入っちゃった…すごく良かったよ」

 

「それは良かった」

 

ホムラはお皿を片手に果物を口に運んでいた。

 

「…食べた?」

 

「俺はこれからだよ」

 

俺もお皿を持ってきて食事を取る。

ビュッフェ形式は悪くない。

 

俺はホムラから話の続きを聞けないままでいた。

 

『猿みたいな化け物に殺されるんだ』

 

「ホムラそういえばさっき」

 

「穹、これ…美味しいよ」

 

「あぁ…ありがとう」

 

そしてホムラはもう話すつもりが無いようだった。

 

『次は私…私の番…』

 

 

俺はホムラが今楽しんでくれることを選ぶべきかもしれない。

辛い選択を取ったんだとしても。

後悔しないように。

 

「そうだホムラ」

 

「なに…?」

 

「それ食べ終わったらここの出し物を全部遊ぼうか」

 

「え…?はい?」

 

そうして俺とホムラはホールにある出し物を回ることなった。

 

射的もあれば輪投げといった祭り定番のもの。

サメ掬い挙げなんてあった。

景品はないのにサメを掬うだけ。

囲碁や将棋といったボードゲームもあった。

ホムラに影を落とさせない。

 

そう思った。

 

ホムラは笑っていた。

 

 

本当に笑ってくれていたかは分からないけど楽しそうにしていた。

 

ピノコニーに来て俺と思い出を共有してくれたホタルがしてくれたように。

 

同窓会ももうすぐ終わりが近くなっていた。

俺とホムラは壇上近くの最前列にまでやってきた。

 

「最後はここだ」

 

「もしかして…最後の挨拶?」

 

「正解だ」

 

俺は再び壇上に立つと拍手が起こる。

同窓会の終わりを告げる言葉と挨拶を告げてお開きとなった。

 

帰りはホールの玄関までスタッフが見送る。

 

外は雨だ。

 

「ありがとう…穹」

 

「どういたしまして。傘は俺の貸そうか?」

 

「あるよ大丈夫。車もあるし…あと…きっとやっぱりごめんね…」

 

「なんで謝る?」

 

「ううん…私…すごく楽しかった…」

 

「それならよかった」

 

「うん…。――いつか夢から覚めるため…」

 

「うん?」

 

「ううん。…ごめんね。ありがとう」

 

俺は安心させるように言った。

 

「大丈夫だ。どういたしまして」

 

ホムラは丁寧にお辞儀をして去っていった。

 

後ろからなのが俺の背中をつついた。

 

「大丈夫?」

 

「俺は大丈夫だ」

 

「ならいいんだけど何かあったら頼ってよ」

 

「ありがとう」

 

同窓会は大成功だった。

教員達も生徒も達成感があった。

 

この時までは楽しかったんだ。

 

 

 

 

その晩、俺は夢を見た。

 

 

 

 

 

「ここは…駅か?」

 

そして電車がやって来て止まった。

あぁ電車に乗らないと。

 

そんなことを考えて俺は電車に乗る。

俺は座る。

隣にはホムラがいた。

 

「!!!」

 

口が開かない。

ホムラは今日会った格好のままだった。

別の車両から悲鳴が上がった。

何があったんだ?

俺は首を動かそうとするが動かせない。

席を立とうとするも立てない。

どうしてだ。

目を動かしホムラを見る。

ホムラの瞳には大粒の涙が浮かんでいた。

何で泣いてるんだ。

 

ここはどこなんだ?。

何が起きてるのか俺には理解が出来なかった。

 

頭にホムラの言葉が過った。

 

『毎晩…夢を見るの…怖い夢を』

 

夢…ここはやっぱり夢なのか。

俺はホムラを見る。

怯えたようにホムラの目が揺れていた。

 

 

ホムラ!

 

 

口が動かないから目で呼ぶ。

俺はホムラを見続ける。

ホムラは俺の視線に気付いた。

揺れた瞳が俺の視線と合った。

 

ずっと見続けられることに違和感を覚えたのだろう。

涙は止んでいた。

ホムラもまた目で何かを伝えるように俺を見続ける。

 

『猿みたいな化け物に殺されるんだ』

 

頭にまたホムラの言葉が過った。

 

ホムラは目を閉じた。

 

謝るように。

そして俺を見た。

 

ホムラは何かを俺に伝えたのだ。

 

そしてホムラは眠るように目を閉じる。

 

『次は私の番』

 

そう言っていたのを思い出す。

 

 

『次は~活け作り。活け作りー』

 

アナウンスが鳴った。

 

前方車両に繋がる扉が開くと服を着た猿の人形が何体も歩いてきた。

その手に持つのは包丁のような刃物だった。

 

 

包丁を構える。

 

俺は制止の言葉を叫ぶ。

 

口が動かない。

 

そして包丁をホムラの腹に突き立てホムラは目を見開き悲鳴を挙げた。

 

血が飛び俺の衣服にかかる。

俺は怒りの声を挙げたが声が出ない。

隣にいるのに俺は何も出来ないでいた。

猿の人形達は包丁を次々とホムラの部位を刺したり切ったりを繰り返しその度に悲鳴が上がる。

四肢を切られ最後は首を切断され彼女の首が床に落ちた。

 

俺は恐怖ではなく怒りを強く感じた。

 

『お客さんずっと怒ってますねー怖くないんですかー』

 

怖い?

 

友達を目の前で殺されたんだ。

 

何でそんな奴を怖がる必要があるんだ。

 

お前だけは絶対に許さない。

 

動け…動け。

動いてくれ俺の身体!

 

 

やがて指がピクリと動き始めた。

猿のような人形が距離を取った。

 

視界が暗くなってきた。

真っ暗になる直前。

前方車両の扉が開いた。

 

「次来たときはお客さんの番ですからね?」

 

その言葉を最後に俺はそのまま飛び起きると自室のベッドにいた。

 

…酷くはっきりとした夢で身体が疲れていた。

 

夜中の3時を指していた。

カーテンをゆっくり開けると雨が降っていた。

 

思わずスマホを見てホムラにメッセージを送るが返事はない。

朝まで待つしかなかった。

 

 

 

日が昇るも外は雨だ。

 

俺は丹恒の部屋を訪れた。

 

「穹、お前…寝れていないのか」

 

扉を開けた俺を見て分かったらしい。

 

「丹恒…ニュース…やっているか…?」

 

「いやまだだ。昨日もあったんだ。

もしかしたら今日もあるかもしれないな。

…何か分かったのか?」

 

「俺の友達が夢に殺されたかもしれない…」

 

「なんだと…?夢…。まずは入れ」

 

「ありがとう…」

 

しばらくしてからなのがやってきた。

俺を見て驚いた顔をした。

 

「頼ってって言ったじゃん!顔青っ!」

 

怒られた。

 

「ごめん」

 

「三月、確証がないことに頼ったところでどうすることもできないだろう…」

 

「う、ごめん穹」

 

「ううん。いいよ」

 

「それで…メッセージとかも送ったんだよね?」

 

「送ったよ」

 

「ホムラって子だよね…無事だといいんだけど…」

 

「それは恐らく今日分かるだろう、始まった」

 

ニュースが流れて俺達はしばらく見ていると

 

『速報です。女性の変死体が自宅で発見されました。

死亡した時間は恐らく夜中で、この女性は魔法使いとのことであり眠ったまま亡くなったようだということです。

死因は心不全とのことで調査を急いでいるとのことです』

 

テレビに顔は出なかったが間違いなくホムラだ。

俺は拳をテーブルに叩き付けた。

 

「穹、確認だがホムラという女性が亡くなったのは間違いないんだな?」

 

「間違いない。ホムラは猿みたいな怪物に殺されたんだ…俺もいたのに」

 

「夢に?なるほど。ピノコニーでは夢で殺されたとしても死ぬことはなかったがこの世界では…少なくともこの一連を起こした犯人は夢で殺せることが出来るようだ」

 

「丹恒、それどういうことなの?」

 

「つまりだな」

 

「丹恒待ってくれ」

 

「どうした」

 

「まずは謝らせてくれ。

ホムラは夢にいた時、他にも誰かいたみたいなんだ。

俺は昨日同窓会の時、その話を聞いたんだ。

ホムラは次は私の番だって言った。

まるで殺されることがわかってるみたいに。

でもホムラは昨日まで誰にも言って来なかったんだ。

そして昨夜、俺もホムラと夢にいた。

俺はどうしてか動くことが出来なかったんだ…。声も出せなかった。

それでホムラは殺されてしまった。

ホムラが殺された時、俺も夢が終わると思った時―――」

 

「次はお前の番、とでも言われたのか」

 

「…そうだ」

 

ここまで話してなのも理解したらしい。

 

「え?!じゃあ今日夜寝たら穹死ぬってことじゃん!!なにそれ!」

 

「明日か明後日には俺か三月ということだな」

 

「えええ?!」

 

「話すことで鎖を数珠繋ぎで繋ぐように自分の領域に誘い込む怪物と推測できる」

 

「丹恒!なんでそんな冷静なの!?」

 

「分析してるんだ。必ずどこかに抜け道はある。

穹、今日は寝るな。少なくとも寝なければ死ぬことはない。そしてお前が寝た時、この悪夢を終わらせる時だ」

 

「…わかった」

 

「ああぁもうそういうことなら分かったよ!ウチも覚悟決める!」

 

「なの、丹恒…ありがとう」

 

「どういたしまして!」

 

「構わない。俺達は共に宇宙を旅する仲間だからな。だがヴェルトさんや姫子さんにはまだ伏せておこう。話すだけでも危険なんだ」

 

「分かった。まずはどうしたらいいのかな?」

 

「誰かに話しても大丈夫な人はいるだろうか」

 

「力の強い魔法使いとか?」

 

俺となのが話す中、丹恒が口を開く。

 

「1人だけいる。

霊峰黒百合、彼女を探そう。もしかしたら学校にいるはずだ」

 

「あっ!それならウチ、連絡先交換したよ!」

 

「「なに?」」

 

俺と丹恒の声が重なった。

 




怪談が始まります
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