異世界に行きたかった女の子がナザリックの一人になったと思ったらやらかした   作:アルトリア・ブラック(Main)

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ワーカー編に入りたいのですが、その前に主人公とナザリック面々の日常を書きます。

まだ序盤ですからね??




第9話『ナザリックでの生活』

 

頭痛がある程度治ってからモモンガさんと話すべく円卓の間に行く

 

今更だが、円卓の間にはモモンガと己しか入れないようナザリックの面々には伝えている

 

モモンガ曰く守護者たちやPOPする者たちにも聞かれたくないことがあるからと言っていたが、モモンガにとって唯一支配者としての体勢を取らなくて良いのはここだけだと思っているようで、円卓の間に入ると安心しきったようにだらける

 

「ゲーティアさん、あれから体調どうですか?」

 

そう聞かれ、頭痛もその他の体調不良もないと伝えると安心していたが

 

「何かがあったら遅いので、具合悪くなったらすぐに言うか帰ってきてくださいよ」

 

「心配かけてすまなかった」

 

そう言うとモモンガは骨の手を振りながら

 

「そんなに謝らないでくださいよ」

 

それから蘆屋道満の分析の下、自分にかかっている呪いがレベルが低い者に対しては即死させるような類の魔法だとわかり、せっかく動いているメイドを見れないことにガッカリしながらも、触れなければ問題ないのではというお墨付きをもらったため、用があれば近寄らないことを言って来させようかなか変な感覚になっていた

 

「せっかくですから、ナザリックの面々に挨拶したり様子みたりしたらどうですか?帰ってきてからゆっくり見れてないじゃないですか」

 

「良いのか?」

 

「全然いいですよ!俺一人で見て問題なくてもゲーティアさんから見て違和感あったら教えて欲しいですし」

 

モモンガはとにかく嬉しそうな声が響く

 

「では、ゆっくりとでもみるか」

 

「それとアルベドやデミウルゴスの提案も一緒に聞いてくださいよ、俺からしてみれば何言ってるかわかんないことばっかり言ってて…」

 

「基本、ナザリックのためを思っていると思えばいいんじゃないか?」

 

「……そうですけど、高度すぎて会話が…」

 

軽く談笑し、会議はお開きになる

 

 

 

 

 

 

 

それからゲーティアは玉座の間には余程の要件がない限り行かないことになった

 

まぁ、途中で呪いが発動したらたまったものではないし、情けないので見せたくないのもあり、そういう風になった

 

同じことをまた話すのは面倒なので、ゲーティアは守護者たちとモモンガの会話を遠距離からモニターで眺めていることになった

 

今後の国を建てるにあたり、ゲーティア様を呪った存在も仕方なく出てくる可能性があると言う話だった

 

(ここは、原作通りなんだな…)

 

どんなにイレギュラーな存在があっても原作の流れはきちんと踏んでいる

 

建国にあたって、ワーカーたちを招き入れる話になった。

 

アインズは不満そうにしていたが、ふとゲーティアは違和感があると言うことに気づく

 

自分がいると言うことによりモモンガはアインズ・ウール・ゴウンとは名乗っていない

 

つまるところモモンガ魔道国みたいなダサい名前になりかねないのだ

 

ふとそう思い、ある程度守護者たちの会話が終わったのを確認し

 

「その建国に際の名前を決めているのか?」

 

その言葉にデミウルゴスは守護者たちから案を出しましょうとなる

 

ある程度話を聞き

 

「アインズ・ウール・ゴウン魔導国としてモモンガが王で良いと思うがな」

 

そういうとモモンガが伝言越しで『ハッッ!!?』と驚き反論してくるが

 

「私はこの通り情けない状態だからな、王はギルド長たるモモンガが良いと思う。もちろん、不満がある者もいるだろうが、二人の王が並び立つ政権など不安要素が多いし、失敗例はたくさん見てきた。出来るならば一人の王のもと圧政を敷くのが良いだろう」

 

怒涛のように、モモンガに口を挟ませないように話すとデミウルゴスが『なるほど』と納得するが

 

『ゲーティア様のご意見に異を唱えるようで誠に恐縮なのですが』

 

アルベドが意見を挟んでくる

 

『蘆屋道満やドラコーたちは納得しないと思われますが』

 

そう言われ隣に立っている蘆屋道満を見ると「拙僧は何でもいいですぞ」と言われる

 

ドラコーとティアマトに関しては確かに反感を持ちそうだが、自分がやるなということはやらないと思っているので

 

「蘆屋道満は問題ないが、ドラコーとティアマトに関しては私直下として文句は言わせん」

 

そういうと納得したのかアルベドは畏まりましたと言っているのに対し、モモンガは伝言内で物凄く荒ぶっていたが

 

やらかしたことを踏まえて話すと本当に渋々納得してくれる

 

ワーカー達を招き入れるに当たって、どの領域・階層にぶち込むかという話になる

 

無論、モモンガの言っている通り、恐怖公の所やニューロニストのところに入れるという話になる

 

「…確かに恐怖公のところは最適だが、もっとワーカーを入れたいな」

 

そう呟くとモモンガが「増やすんですか?」と不満そうにしていたが

 

「ティアマトの領域に入れる」

 

「…普通の人間なら即死だが…」

 

そう言われてまぁ確かにとなる

 

ティアマトの為に用意した領域は大海原のような光景で巨大なティアマトが過ごしやすいように作った

 

そのせいで、入ったら即水死というひどい状況になる

 

(バックルームみたいな感じになるか…)

 

「この世界の人間からラフムが作れるか、それも試してみたいというのもあった」

 

【ラフム】

 

原作での大半のラフム達はティアマトから生み落とされたものだが、個体のいくつかはウルクの人々を捕らえ、それらを染色体レベルでリデザインした現人類の再利用品であるとFate原作ではあったはずだ。

 

プレイヤー達のトラウマ、気付いても倒さなければならない敵になる存在

 

つまるところ、今回の計画において現地人はラフムに変貌できるだけの素質があるかというのを確かめたかった。

 

「ンンンンン!!人間の再利用、素晴らしいですねぇ」

 

隣に立っていた道満が興奮気味に言う

 

その言葉にアルベド達も至高の四十一人の意見に反論はしないのかデミウルゴスがワーカーを増やす話になった

 

 

 

 

 

 

ワーカーを招き入れる数ヶ月前…

 

セバスは悪魔騒動後に加入したツアレニーニャ・ベイロンの紹介をゲーティアにしていいかモモンガに意見を求めると「知らないだろうし、挨拶はしておくべきだろうな」と了承をもらう

 

ゲーティアのいる自室は第七階層であり、人間であるツアレにはキツイかと思い、専用のアイテムを主人から借り、ゲーティアの居城に向かうと廊下で蘆屋道満と遭遇する

 

「ンンンンン!これはこれはセバス殿!お久しぶりですな!!」

 

対面から現れた道満にビクつくツアレ

 

「蘆屋道満様もお元気そうで何よりです」

 

「ンンンン〜?拙僧に様付けはいらないですぞ、拙僧はセバス殿と違いレベルは低レベルですから」

 

そう言われるものの、セバスにしてみればレベルが低いなどは関係なく、彼に対しては不思議と様付けしたほうがいいと思ってしまう

 

「しかし、私にはこれが慣れているので」

 

そう返すとそうですかと返される

 

「ところでゲーティア様はおられますか?悪魔騒動の際に加入したツアレのことを紹介していなかったので」

 

そう言うと蘆屋道満がヒョイっと後ろを見る

 

相変わらず巨体なだけあってセバスを少し見下ろすぐらいの大きさである

 

「人間の女性ですか!拙僧も初めましてですな」

 

そう言われ、確かに悪魔騒動後から蘆屋道満はツアレとは会ったことがなかった。

 

「は、初めまして、メイドとして働いてます。ツアレニーニャ・ベイロンと申します」

 

そう挨拶するツアレ

 

道満の巨体さもあってか、かなり動揺していた

 

「ふむふむ」

 

マジマジとツアレを見る蘆屋道満

 

「どうされましたか?」

 

そう聞くと蘆屋道満は嗤いながら

 

「ンンンンン!オドオドした態度は取らぬ方がよろしいかと思いますぞ」

 

珍しくアドバイスしてくる蘆屋道満に驚くと

 

「魔術王殿は自分が不幸のどん底だと嘆いている者は嫌い故、あまりにもそういう態度を出せば殺されると思った方が良いと思いますぞ」

 

アドバイスしているが、同時に脅すような言葉も入れてくる蘆屋道満にハァとなりそうになるが、確かに至高の御方の前に出る時にそのような態度はしてはならないだろう。

 

ナザリックで生み出された者はそんな態度は取らない

 

「拙僧はこれにて、宝物殿に取りに行かねばならないものがあるので」

 

そう言って胡散臭い笑顔で歩いて行く蘆屋道満にペコリと挨拶するツアレ

 

しばらく歩くと部屋の前にドラコーがおり、殺気を露わにしたような瞳でツアレを見てくる

 

ドラコーは階層守護者の中でも苦手な者がおり、かくゆうセバスも苦手な分類であった

 

性質が真逆であることもあるが何より、破壊を好む彼女との会話はあまり成立した覚えがなかった

 

こういうとき、あまり仲は良くないがデミウルゴスが彼女と上手く話しているのを見て素直に感心してしまう。

 

「む?貴様らが来るのは珍しいな、何の用だ?」

 

蘆屋道満から聞かされていないのか怪訝な表情を向けられる

 

蘆屋道満の性格の悪さに少しだけ苛つきながらも先程と同じような説明をしようとすると

 

「ナザリック地下大墳墓至高の御方のお一人であられるゲーティア様にご挨拶に参りました!ツアレニーニャ・ベイロンと申します!」

 

セバスでさえ彼女の殺気にはたじろいでしまうことがあるというのに、ツアレは勇気を出して深々とドラコーに挨拶していた

 

ドラコーはマジマジと彼女を見て

 

「うむ、人間の新入りか!元気そうで良い!ゲーティア、セバスとメイドの一人が来たぞー」

 

至高の御方を呼び捨てにする彼女に少し不敬だと思ったが、ゲーティア様に創られた者達は皆そう呼んでいるため、いくら直させようとしても、それは至高の御方がそう造られたから文句は言うなと言われては何もいえない

 

それと同時にツアレの成長に感動しながらもドラコーが入って良いぞと言ったので入室する

 

執務室の椅子に座っているゲーティアの目の鋭さに後ろにいたツアレは息を呑む

 

「社交辞令はいらん、何の用だ」

 

「先日の王都の襲撃の際にナザリックに加入したメイドです」

 

そう言うとツアレは深呼吸をして

 

「ナザリックのメイドとして働かせて頂きます!ツアレニーニャ・ベイロンと申します」

 

ドラコーに挨拶した以上に頭を深々と下げる彼女

 

「そうか、セバスに助けられここで働きたいと」

 

「はい!!」

 

「モモンガが了承した手前、追い出すこともしないし、セバスの下で働くなら問題は何もない」

 

ゲーティアの視線がツアレではなくセバスの方を向く

 

あまりにも凄い殺気に冷や汗が流れる

 

「どうして救った」

 

「助けを求められ、私の独断で助けました。その際にはナザリックに多大な迷惑をかけました」

 

ゲーティアはセバスを見てため息をつく

 

至高の御方の行動一つ一つにビクリとなるのを何とか抑える

 

「(やらかした私がどうこう言える筋合いもないけど)もう終わったことであるし、解決したことではあるからな、無駄にプレッシャーをかけて悪かった」

 

まさかの謝罪をされ大慌てで「そのようなことはありません!全ては勝手なことをした私が悪いのです」と言うと、先ほどまでの殺気が無くなる

 

「お前のそういう丁寧なところは創造主そっくりだ、まぁ、あっちの方がもっと砕けていたが」

 

瞳が穏やかになっていた

 

創造主と何があったのかわからないが、良い思い出でもあるのだろうか

 

それを聞きたくもあるが、そんなワガママは通らない

 

「ツアレ、言っておくがデミウルゴスと蘆屋道満にだけは絡むなよ」

 

そう気遣う御方の言葉にツアレは深々と頭を下げる

 

 

 

退出した二人を見送り、たっち・みーと口論したのを思い出す

 

たっち・みーとは現実社会で一度会った事があった。あまりにも好青年ぶりに嫉妬も何もしなかったが、あの頃は現実世界なんてものより早く異世界転生したいけどあまりにもその時期が遠かったために、適当にいろんな勉強をした。君主論とかは富裕層なら誰でも教わるような問題で退屈だったが

 

そんな中、ゲーティアが女であることに腰抜かすぐらい驚いていた彼を思い出す

 

確かに東雲栞里の時の話し方とゲーティアの時の話し方はまるで違ったが、あそこまで驚かなくてもいだろうにと思った

 

たっちはゲームでこそ困った人間や異形種がいたら助けるのは当たり前と言っていたが、それは、現実世界ではあまりにも警察官として本来助けるべき存在を助けられないことへの憤りからゲームでは、せめてゲームの世界だけでは救いたいという行動から取っていた

 

しかし、そんな彼がゲームを辞めたのは早かった、現実世界で家族と幸せに生きていたのだろう

 

「東雲さんも親御さんの会社を継げばいいんじゃないですか?」

 

東雲家は割と大きく結構な覇権を握っていた

 

しかし、そんなことどうでもよかった

 

「私、貧困層の人たちが夢見るような会社作りたいって言ったら父親に馬鹿にされたんですよ、それからどうでも良くなって」

 

本当は世界の何もかもに絶望していた

 

人間であることが嫌でたまらなかった

 

虫でいることはもっと嫌だったが

 

「たっちさんも捨てて家族を取るのと同じですよ、私にはまだユグドラシルがありますから」

 

そう言って席を立とうとすると

 

「東雲さんは何から逃げているんですか?この世界じゃなくて…」

 

「たっちさん、この世界って詰んでますよね、富裕層の人は見ませんけどこの世界っていつか滅びるんじゃないですか?1984年の世界にそっくりで、そんな世界に生きている意味も価値もないですよ」

 

「東雲さん」

 

そう止めてくる彼ににこりと笑い

 

「生きている人間なんて悍ましいものばかりですよ」

 

そういうとたっちは

 

「貴女が見ないように目を瞑ってしまっているからじゃないんですか、私にはわかりませんけど…」

 

「わからないなら口に出さないでください…私は少なくとも人間になんて生まれたくなかった」

 

「あなたのご両親は貴女を本当に愛しているのに…」

 

悲しげに言う彼に笑いながら

 

「愛ってなんですか」

 

そう笑いながら席を立つ

 

 

 

 

 

ふと意識がナザリックの光景に戻る

 

「………愛、か」

 

Fateのゲーティアは人類愛であり、ビーストだった

 

しかし、今の自分は上手く演じられているのかと言われれば間違いなく演じきれていない

 

(元々、人類なんて嫌いだって言ってたヤツに人類愛のビーストなんて似合わないんだよな…)

 

苦笑いしながら椅子に深く腰をかける

 

自分が人類愛なんて演じるどころかただのケモノとして誰かに打倒されるのも良いかもしれない

 

(いやいや何考えてんだ、自殺したからって今自殺志願者になってどうするんだ)

 

ハァと深いため息をつく

 

視界がグラグラしてきたので、何とか立ち上がりベッドへ行くとそのままぶっ倒れる

 

東雲栞里の時はやめなさいと言ってくれる人間はいた。でもその前の人生はいなかった

 

邪魔だどけごみなんて罵倒なんてされたなと苦笑いしながら布団をかけずに伸びていると

 

ひんやりとした手が触れてくる

 

「愛おしい存在、こころが疲れてる」

 

本来いないはずの人物の声が聞こえてくる

 

しかし、あまりにも声が小さいし、何より手も小さいが力が強い

 

「おやすみなさい、お疲れさま、愛おしい存在、母はここにいるから」

 

そう言われひんやりとした空気で布団をかけてくれるが「あ、濡れた、乾かさないと」と声が聞こえたあたりで意識が遠のく

 

「おやすみ、愛おしい存在、しあわせな夢を」




【ゲーティアの設定】
アバター制作時に人類愛という考えがよくわからずとりあえずは人類愛というのを調べてそういうロールプレイをしていたが、東雲栞里以前からそういうのは理解できていなかった。やや思考が人類愛というより人類悪という考えに偏っているのはルイが関係しているのもある。
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