異世界に行きたかった女の子がナザリックの一人になったと思ったらやらかした 作:アルトリア・ブラック(Main)
ワーカー達が侵入してからことは順調に進んでいた
多くのワーカーが酷い目に遭っていた
特に恐怖公のところなぞ言って欲しいと言われても行きたくはなかった
モモンガが剣の練習の為にフォーサイトを選んでいた
一方、ゲーティアはエルヤー達の行動を見ていた
実に人間らしく悍ましい感性の持ち主だ、法国出身らしいが、だからと言ってなんだ、確かに人間は身を守る物は少ない
エルヤーと一緒に転移してしまったワーカーは分かりやすく警戒しているが、そんなの関係ないのか鼻で笑いながら浜辺を歩く
エルヤーが『なんですか?この海は』とエルフ達に質問していた
そんなこと彼女らは知らんだろうがと思いつつも眺めていた。
墳墓を歩いていたらいきなり砂浜に転移させられるのは、想定外だろう、もう一人のワーカーは動揺していた
しばらくすると、海から少女が現れる
どうやらティアマトは少女形態で彼らと相対するつもりらしい。
少女だからエルヤーも舐め腐っているようだが、レベルの差を理解しているエルフたちは動揺していた
『エルヤーさん!!コイツ異形種ですよ!!!』
弓兵なのか弓を構えながら警戒していた
『そんなのは見なくてもわかりますよ、その女、ここはどこですか、私はモンスターを狩り殺して行きたいのですが…まぁ、貴女がモンスターならそれも一興でしょう』
ティアマトは何も言わず、エルヤーを見ていた
『このような子供の異形種に手を出すのは気が引けますが、行かせていただきますよ』
どこが気が引けるだ、加虐的な目をしているというのに
『武技、縮地改』
自信満々な、レベルの差が明らかにあるというのに、あの男の勝てるという顔は見物だった
東雲栞里以前のあの嫌な男の顔が一瞬チラつく、他人への暴力を快感にしているあの男の顔が
ええいという声が聞こえてくるが、ティアマトには当たらない
『多くの命を育みました。私は、命をあいしています』
そう言うとティアマトの背後の海がどす黒い泥のようなものに変わる
『な、なんだありゃあ!!』
空が暗くなっていく、ティアマトの背後から一匹のラフムが現れる
『お前ら!!強化魔法を寄越せ!!』
流石に危機感を感じたのかエルヤーも攻撃体制に入る
しかし、ティアマトは一切相手にしない
「参ったな…」
そう呟くと蘆屋道満が「ラフムも結構手加減をしておりますぞ、しかし、それでも一匹相手にするので手一杯では、ワーカーの質も落ちましたな」
今エルヤーと戦っているラフムはハムスケよりレベルはほんの僅かにだけは低い
レベルは低いが耐久力が少しある程度だ
その耐久力の差にエルヤーは苦戦しているのだろうか?
ティアマトに向ける矢も全部当たっておらず意味がなかった
『あなたはいい子供になりそう』
そう呟いたティアマトの足元から泥が溢れる
エルヤー達は飲み込まれていたが、エルフが逃げ腰になるとティアマトが笑う
『貴女達はこども、大丈夫だよ』
「ん…?ティアマトってこんな性格だったか?」
そう言うと蘆屋道満が「魔術王殿かそのように作ったではございませんか」とえ?覚えてないの?って顔をされる
「……だいぶ前の記憶だったから忘れただけだ」
これ以上会話を続けさせないために、モニターを見ると、弓兵の方のワーカーはすぐに泥に溶けて消えていた
どうやらラフムになる耐性はなかったようだ
なんでだと思ったらティアマトも意外そうな顔をしていた
「ンンンンン!!こちらはダメでしたが、エルヤーという方は変化しておりますぞ!」
その言葉にエルヤーを見ると足からどんどん醜く変化していった
『な、な、なんだぁ!!!k‘きじゅghjv』
ラフムの声に変化していく
しかし、意識はあるのか涙やら何やら穴という穴から流しながら剣を振るおうとしていた手から剣が落ちる
あれだけ誇りにしていた剣を握れない恥辱、そして、法国出身であるというそれだけの誇りしかなかったというのに化け物として変化してしまっている。
ラフム特有の叫び声でエルフ達に何か言っているのを見るに意識があるのか?と思っていると、蘆屋道満がティアマトにいつの間にか問いかけてくれていた
『私の子供になったけれど、子供にしてはうるさい…』
ティアマトがエルヤーラフムを赤ん坊を持ち上げるようにしてあやしていた
ティアマトはあんな男に対しても子供のように慈しんでいた
しかし、エルヤーラフムが暴れているのを見て『ちょっと元気すぎる』と話していた
ティアマトは三人のエルフ達の元に行くと、エルフ達はラフムになったエルヤーに暗い喜びのような色を宿していたが、ティアマトが来たことによって自分達もその結末になるのだと怯えていた
『小さな子供、かわいそうな子供、私の子供じゃないけど、愛おしい存在がここじゃないところに回せって言っていたから』
そう言うとエルフ達の足元に転移魔法が出てきて、アウラ達の元に預けられるという原作と同じ方法をとった
「しかし、あのエルヤーというラフムはどうしますかな?どうやら反抗期のようですが?」
そう言って嗤う蘆屋道満
(このまま飼い殺しにするのも良いが、帝国との駆け引きに使うのもよし、使う用途はまだあるな)
「ティアマト、そのラフムに関しては海に放り投げておけ、頃合いを見計らって出す。しばらくは海の中を彷徨わせろ」
ラフムになった上意識はある、人間に戻りたくても戻れないし、海に放り出されてもティアマトは普段海底で眠っている
つまるところ、一人で永遠に海の真ん中にいることになる
前世で流行った【バックルームの海洋恐怖症】のような永遠のような恐怖を味わって貰わなければならない、あちらよりも恐怖度は低いかもしれないが
ティアマトが海に戻って行ったのを見て甲高い声で叫んでいた、浜辺と言っても無限に広がっているように見える
少し外に出れば第八階層のあれらにも出会えるし、そう簡単にそこから抜け出すことはない
化け物になった体を必至にくねらせて何かやろうとしているが、そんなこと意味はない
ある程度、暴れているのを見て満足し、モモンガ達の方に視点を動かす
モモンガはフォーサイトと剣の稽古をしていた。
フォーサイトが生き残るため、アインズ・ウール・ゴウンの仲間がいると言うような嘘をつく
まさか信じないだろうなと思ったのだが、ゲーティアがいるため本当だと思ったのか特徴とどこで出会ったか聞いてくる
「モモンガ、その言葉は嘘だぞ、他の国にいるわけなんてない。いたら俺のような盛大なやらかしで封印されているし、上手く隠れているとしても何故一端のワーカーなどに話す?もし帰還しているなら帰ってきていてもおかしくないだろう」
そういうとモモンガも我に帰ったのか『そううだったな』と伝言で返してくる
次の瞬間、原作どおりブチギレたモモンガ
それを見た蘆屋道満が『情緒不安定?』とか言ってくる
「思っても言うな」
モモンガの格闘とフォーサイトとの戦いを眺めていた
この戦い方についてはコキュートスが後で分析してまた稽古をするらしい
ゲーティアもモモンガの稽古の相手をするのもどうかとコキュートスから言われていたが、ゲーティアがかなり手加減しなければ何かしら壊れるし、ドラコーは自制が効かない。蘆屋道満はそう戦い方ではないし、ティアマトに関しては最悪モモンガが死ぬ
彼らの戦いを見ながらモモンガは努力家だなぁと思っていた。
まぁ、かくいう自分が不真面目なのだろうが
モモンガが剣の稽古に飽き、魔法詠唱者として戦うと宣言し、探知系の魔法を阻害している指輪を外すと激しくアルシェが嘔吐していた
『何をしたの!?』
イミーナが嘔吐しているアルシェを気遣っていた
『みんな!!離れて!アイツは化け物!!!勝てるはずない!!』
モモンガから発しられる魔法の量に錯乱しながら言っていた
『ふむ、私でこうならば、友をみればどうなるんだ?その場で失神か?』
モモンガの楽しそうな声
『何を仰いますか、モモンガ様もゲーティア様も同じだけの力を持っておられますよ』
そうアルベドが言う
『そうか?あの人の方が破壊と殺戮に重点を置いているからきっと強いと思うのだがな』
フォーサイトが錯乱する中、場違いな感じでアルベドとコントみたいなことをしていた
『…ええ分かりますよ、あの指輪を外した途端、鳥肌が止まらない』
勇者が魔王を倒すなんて構図だが、レベルの差が凄すぎて勇者一行は倒せないだろう
そんなこと百も承知だが
『それでは行くか、タッチオブアンデス』
『何の魔法だ!アルシェ!!』
『知らない!!聞いたことない!』
勇者達の行動はモモンガの前では何も意味をなさず、その場で絶命する
倒れ込んだヘッケランを罵倒するイミーナ
アルシェを逃すために自分たちがこの化け物の相手をするという
「ンンンン!!盗賊にも友情があるんですなぁ!!」
愉快そうに嗤う蘆屋道満の言葉を聞きながら適当に彼らの戦いを見ていた
もう見ていても仕方ないだろうと思ったが、確かWEB版ではアルシェはシャルティアの玩具になっていたのを思い出す
その路線も良いかと思ったが、無駄に生存者を増やすのも問題だと思い適当に彼らに任せる
モモンガが玉座の方に戻ったのを見て、今回は玉座の間の方に行こうと転移する
「見事な働きだった。侵入者をこれだけの手段で倒せたのは」
「ありがとうございます」
「ところでゲーティアさんの方に回されたエルヤー?って人はどうなりました?」
その言葉に
「ラフムに変化したが、かなりの弱さでな、あれでは普通のラフムの方が強い」
「廃棄処分しないんですか?」
その言葉にしないと断言する
「どうやら人間の意識はあるようでな、確か、エルヤーとやらは法国出身と聞いたからまだ使い道はある、そもそもあの程度の雑魚は永遠にティアマトの海を彷徨って居ればいい」
悪魔のような笑みが出たのかモモンガさんがかなりひいていた
「それに次の帝国との交渉の時にも脅しの材料に使えるかもしれないし、使えなければそれはそれでいい」
「分かりました、ゲーティア様」
それから帝国の皇帝を呼び出す話になり、早々にお開きになる
自室に戻るとデミウルゴスを呼ぶと数分もかからずやってくる
「お呼びでございましょうか、ゲーティア様」
深々と臣下の礼を取ってくれる
「デミウルゴス、お前からしてみて王国と帝国はどちらの方がマシだと思う」
「国の広さ的に言えば王国の方が良いでしょう。しかし、繁栄という観点から見れば帝国の方が良いものと判断しています」
確かに王国の腐敗ぶりは凄まじい
あんな国残しておくのは無駄だし、現に法国も帝国に併合してもらおうと暗躍しているのは目に見てわかる
「帝国を味方に引き入れるとして王国には少し話しておきたい存在がいる」
あの時はやたら警戒されたし、ルイのせいで邪魔されたが、今のところ問題はない気がした
「王国の者と話をしたい、ですか」
流石のデミウルゴスもその言葉は意外だったのか首を傾げていた
「王国のアダマンタイト級冒険者、青の薔薇の一人であるイビルアイを捕まえれば評議国関連の情報も手に入ると思っている」
そう言うとそれは知らなかったのかデミウルゴスが『なんと!!』と言ってくる
「しかし、少ししか知らない程度かもしれないし、関係しているとしても何人か人を挟んで評議国のあの白金の鎧と関係があるのは確かだ、俺はあの白金だけは許すつもりはないのでな」
そう言うとデミウルゴスも『その通りでございます』と返してくる
「だがまぁ、まずは帝国との話を優先するように、イビルアイに関しては後回しでも問題ない、帝国が持ちかけることによっては否が応でも出てこざるおえないからな」
そう話すとデミウルゴスは『さすがはゲーティア様!!』と膝をつき褒めてくれる
(…まぁ、原作知識があるから言えるだけなんだけどな)
原作知識がなくてこの世界に放り出されたら死んでたかもしれないが
「ところでゲーティア様、お身体の方は問題ありませんか?」
心配そうに言われる
「ああ、具合が悪くなる頻度はわかったしな、蘆屋道満が色々駆け回ってくれたおかげだ」
そう言うと後ろにいるであろう道満がドヤ顔的な何かしたのだろう、デミウルゴスがムッとしたような顔をしていた
「とはいえ、モモンガも言っていたが、一番の功労者はデミウルゴスだと、モモンガと話して褒美をそのうち渡したい」
「褒美など!!ナザリックに仕えている者からしてみれば、至高の御方々のために尽くすのが褒美でございます!!」
そう膝をぶつけないぐらいの勢いで頭を下げられる
「これからもよろしく頼む」
そう言って、デミウルゴスからハッとお辞儀をされる
【ラフムエルヤー】
レベル20。ゴミ分類のラフムとして今後も扱われる
ティアマトは反抗期の子供としか見ておらず、自分で産んだ子どもではないので際して関しはない
言わずもがな意識はある。人間として誇らしいと思っていたら化け物に変化させられてしまった。
これからは多分色々な目に遭うが、とりあえずは独りでティアマトの領域を彷徨ってもらうことになった