異世界に行きたかった女の子がナザリックの一人になったと思ったらやらかした 作:アルトリア・ブラック(Main)
野営されたテントにて、中には蘆屋道満が立っており、隣には何故かドラコーがいた
(…近い)
鎧が後数センチで当たるぐらいの距離にいる。
戦いの前にカルネ村での戦い…蹂躙か、それが起こるはずで、鏡を見ながらバルブロ王子がカルネ村に侵攻している様子を見ていた。
(…ん?原作と変わりないのか?)
原作の彼らの行動のままだが、この村にはルイがいる。
ルプスレギナがルイが死んでこっちも自滅する可能性がある為、ルイが前に出たら助けるようにと言って置いたが、ルイともう一人の女はエンリの言う通り、部屋から出てくることはなかった。
(…出ないのが良いと思ったか…?てっきり自分にも魔法があると思って出ると思ったが…)
しかし、そうしないというのはこちらとしては助かる。
バルブロ率いる軍隊がゴブリン軍団に蹂躙されたのを見届け、軽くルイと一緒にいる女を見てから画面を閉じる。
すると、テントの外から戦端が開かれるという話になる。
それに答えて出ようと立ち上がると蘆屋道満にいろいろなバフをかけられる。
「ありがとう」
そう言うといえいえと色んな意味で怖い顔をしていた。
王国軍の約24万5千という驚くべき大軍は右翼7万、左翼7万、中央15万5千と兵力を分けていた
「動きませんな」
帝国軍が動く気配のない様子にレエブン侯が言う。
「こちらが動くのを待っているように見えるが…」
「すでに最終勧告は終わりましたし、開戦しているんですがね」
お互い、そこから軽く話をする。
この戦いでどれだけの死者が出るか分からない。
ただ、王国の兵士たちは帝国の騎士と違い、専用騎士ではない。
失った場合の補充はかなり痛い
総指揮官を王としていても、各部隊はそれぞれの考えや派閥の意思に沿って動く。
ハッキリ言えばまとまりのない軍だ
戦士長という地位に就いているガゼフでも、あくまでも王直轄の戦士団という舞台の一つを任せられているだけに過ぎず、各貴族達に命令できるわけではない。
「生きて帰れば、そこも戦場ですかな」
「貴族とはそういうものだと聞いたが?」
「これが終わったら私は王に進言しますよ。ガゼフ殿に貴族位を差し上げてくださいと、王の剣という顔をしておきながら貴族社会に積極的に関わらない人物を、私は腹正しく思っておりまして」
冗談めかして言っているが、レエブン侯が本気で腹を立てているのが分かる。
話を逸らしつつ前を見る
しばらくすると、帝国軍が動き始める
「ガゼフ殿、ようやく動き出したようですよ」
全ての視線がその一団に集まる
ガゼフは心に鳥肌が立つようなそんな感覚になる。
正真正銘の怪物どもが現れ、帝国兵を守るように並ぶ
全身の鳥肌がブワッと走る。
「あれらは一体…帝国の秘密部隊なのですが!?ー
「そんなはずはない、あれは人間が支配し、使役できるモンスターでわはない!」
「あれは間違いなく…」
そう言おうとして元オリハルコン級冒険者達がやってくる
「レエブン侯!」
「見ましたか!?そして感じましたか!?」
「あれはなんだ!?貴方方の知っていることをすぐに教えて欲しい!!」
冒険者の一人が首から下げている聖印を握りしめる
「……確証はありませんが、奴らが乗るモンスターは恐らく伝説級の化け物、名前はソウルイーター。生きる者の魂を貪ることに貪欲なアンデット達だ。伝承では大陸中央のビーストマンの国の都市に現れ、その被害は10万…」
その言葉に全員息を呑む
「三体のソウルイーターが現れ、都市は滅びたそうです。死んだその都市は、沈黙都市と名づけられて遺棄されたようです」
重い沈黙が降りる
「…それが五百?」
レエブン侯の問いかけに返事できる者はいなかった。
そして、中央から現れた存在にハッとなる。
モモンガと名乗ったあの魔法詠唱者、その右隣には帝国軍のニンブルがおり、その逆サイドにいる男を見て同時に息を呑む
あの男は見たことがない。邪悪そうな塊のような男
明らかに強そうな者達も連れている。この戦いは負ける、そう王に進言に行こうとした際にレエブン侯にも伝わったのか急いで王の方へ向かう。
伝言でモモンガが黒き豊穣への貢をすると言ってくる。
その後に何体出て来るか分からないが子羊達はゲーティアの攻撃の邪魔にならない場所に移動させられるならすると言う。
(…なるべく、レエブン侯がいない方向を狙うか)
《いませんね》
伝言でそう言ってくる
ツアーの影も、プレイヤーの影もないのを確認し、モモンガは攻撃魔法を叩き込むとのことだった。
スキップアイテムを使い、無慈悲に七万の命を刈り取る。
その光景に騎士達は愕然とし、ニンブルも驚きと恐怖のような眼差しをしていた。
「どうした?ニンブル殿?」
「ひぅ!す。素晴らしい魔法でした!!」
ニンブルと明らかな恐怖に仄暗い優越感が胸に広がる。
「いやいや、素晴らしい魔法でした。か」
「ひっ!何かご無礼を!?」
「そんなに警戒しないでくれ、私の魔法はこれからが本番であるし、この後には友の攻撃魔法も待っているんだ」
そう機嫌よく言うモモンガ
黒い泥のようなものが兵士の死体を飲み込む
そして、黒い子羊達が5体現れる
「最高記録ではないか!おそらく5体も召喚できたのは、ゲーティアは最大幾つだったか?」
そう問いかけられテンション高いなぁと思いつつ
「そうだな、あの時は遊び半分でやったから三体しか出なかった。新記録だな」
そう言うと笑い出す
「おめでとうございますアインズ様!!」
マーレの笑顔と同時にびくついたニンブルも「お、おめでとうございます」と言う。
伝言でテンションを抑えるように言うとハイ、と素直に返事が返ってくる。
「そうだったな、友の魔法がまだだったな、子羊達は端に寄せて置こう」
そう言って骨の手で子羊達を指さすと離れた場所に移動していく
中央に放つのも良いだろうと思いつつ
「ニンブル殿」
「ひっ!はっ!」
なんかもう恐怖すぎていちいち驚きが入る。
「向こうの王を殺すのは戦いでは無しか」
そう問いかけると、恐怖で飲み込まれているのにも関わらず
「……王を狙うのは王国が空中分解しかねないかと、その被害は計り知れないものだと思います」
「そうか」
まぁ、普通に考えればそうなのだが
少しだけ気に入らない部分もある。
こういう戦争の時、偉い奴は陣取って後ろにいる、戦いたいならトップ同士殴り合いでもしろと
(まぁ、そんなこと今考える必要ないか)
「最悪な貴族を生み出したことを後悔するが良い」
両手を上空に上げると物凄い光が上空に収束する
「友の攻撃は人間には少々きついやもしれんな」
そう言ってニンブルと帝国騎士達に魔法をかける
「魔導王…一体…」
「友の攻撃は、そうだな、ユグドラシルでは世界を破壊するに特化した魔法だと言っていたな、もちろん、今回は手加減するらしいが」
「………?」
「誕生の時きたれり、其は全てを修めるもの」
あれ?スキップしないの?と伝言で聞かれるが、無視する
「さぁ、芥のように燃え尽きよ、アルス・アルマデル・サロモニス」
ゲーティアの手の遥か上に収束し、赤いビームのように王国の王がいる寸前まで飛ばす。
無論、モモンガが言っていた殺してはならない人間がいないのを確認してだ。
「っ!?」
ニンブルは息を飲み、騎士たちは震えながらその光景を見ていた。
王国の中央にいた13万の兵士達が蒸発するように消えて無くなる
「おー!最小出力での破壊力はこのようなものなのですなぁ〜」
後方にいた蘆屋道満が愉快そうに言って来る。
「むぅ…もっと凄いのを見たかったぞ」
そう言うドラコーに伝言で人間相手だからなと返しておく
「うむ、友の攻撃の後では地味かもしれないが、やってみようか、追撃の一手を開始せよ、可愛らしい子羊達」
召喚者であるモモンガの言葉を受けて、ゆっくりと黒い子羊達が動き出す。
「そうだ、三人、いや…四人ほど殺してはいけない相手がいる。それらは決して傷つけるな」
黒い子羊達が蹂躙して行くのを見てモモンガが喝采をのか、と言おうとしたので
《テンション上がりすぎです。帝国の騎士達を将棋倒しにさせたいんですか》
そう軽く止めると《ごめんなさい》とシュンという声が聞こえるような返事が返って来る。
「本来であれば、私が魔法を一つ叩き込み、友も同じくその攻撃で帝国軍が突撃するということになっていたはずだが、まぁ、その気配はないようだな」
「あちらは逃げているからな、追い打ちをかけるのも良くないのだろう。それに、これは圧倒的に帝国側の勝利だ」
ゲーティアの言葉にモモンガが「そうか」と言うが伝言では《なるほど》と言って来る。
その二ついるようなロールプレイ笑いそうになるからやめてくんない?と思うが
子羊がこちらに向けて来て歩き出しているのを見て騎士達が恐怖の声を上げる
「あぁ、アレは貴殿らを殺すつもりはない、単に迎えに来ただけだ、魔導王を」
そう言うと騎士達が疑うような雰囲気を出しながらも子羊がモモンガの前に止まる。それに乗るモモンガ
「貴方がそのアンデット軍団を率いて行くのか」
その言葉にモモンガは『いいや、お目当ての人物たちも見つけたし、これからの戦いには私が参戦しよう。もとより、君達が戦いに行けば一緒に潰してしまう可能性もあったからな』と言う
「まだ足りないのか!!あなたは悪魔か!」
ニンブルの本音が出てくる。
「勘違いするな、私はアンデットだ」
そうドヤ顔してるのが分かりつつこちらを見ながら
「もしものことがないようにマーレ、蘆屋道満。頼むぞ」
「はい!」「かしこまりましたぞ」
「ドラコーも友の護衛を頼む」
「言わずもがな」
ナザリック面々だけ空気感が違うことに少し笑いそうになる。
去って行ったモモンガを見送りつつ、ニンブルがその光景を目の当たりにして震えていた。
これは戦争ではない、そう思っているのだろうが、戦争に犠牲は付き物だ。
それに、前の前の人生じゃ形は違うがより酷い戦争なんて山のようにあった。
人が一瞬で痛み無く死ねるのは幸福だろう。
モモンガが恥ずかしいと言いつつも『死は救い』だというように
「貴殿らは戦争をしにきたのであろう?」
そうニンブルに聞くとビクッとなる。答えるべきタイミングなのだろうが相手の返事を待たず
「戦争とは人が人を殺す…まぁ、アインズの攻撃は人外だが…貴殿らは戦争をするためにこの地に来た。戦争とは人を殺すもの。王国の人間が何人死のうと貴殿らには何の関係もないだろう?身内がいるのなら蘇生魔法を使うが…」
「そう言うことではない!戦争というものは、確かに貴殿の言う通り人を殺すものだ…っ、しかし、これはあまりにも戦争の行為を逸脱している」
冷や汗を流しながら、怯えながらそういう彼の勇気さに賞賛を送りたくなる。
東雲栞里以前の頃にも彼のような恐怖に立ち向かう親友がいた。
(…人間は悪ばかりではないかもしれないが、王国は完全に滅ぼすか)
ムッと怒りそうなマーレの頭を撫でる
「これは…虐殺だ!」
「そうだな、だが、そう仕組んだのは貴殿らだろう?それで、私たちを悪にするなど少し違くはないか?」
「っ…」
ニンブルは唇を噛み締める。気を悪くするマーレと違い、今の自分は少し機嫌が良い
「こういう災厄な行為を引き起こしたくなければ、戦争というものを控えた方が良い。これからも」
そう言うとニンブルが恐怖を感じつつも意外そうな顔をしていた。
人間の中では、ジルクニフの次にニンブルは好きな分類だ。まぁ、金髪好きなんじゃね?とかつての親友に言われたことを思い出す
「私個人としては見れば人間は好きだぞ、人間を絶滅させるつもりは私にはない」
「つ、つまり、ゲーティア殿は、人間を好きだと…その上で…」
王国民を虐殺したのかと言いたいのだろう。まぁ確かに矛盾はある。
「あぁ、語弊があったな腐敗・堕落に満ちたあの国の人間が嫌いなだけだ。私はバハルス帝国に関しては買っている。せいぜい堕落しないようにな、ニンブル殿」
そう言ってテントの方へ歩いて行くと兵士達がバッと道を作ってくれる
原作にないことをしたが、別に構わないかと思いつつテントで待つことに
【ゲーティアから人間国家に関するイメージに関して】
バハルス帝国は好き、今後ハゲないように皇帝を盗撮するつもり。
リ・エスティーゼ王国に関しては腐り過ぎて嫌悪、王族に関してはまた別な…?
スレイン法国・宗教自体に嫌悪というかむしろ憎悪してる