異世界に行きたかった女の子がナザリックの一人になったと思ったらやらかした 作:アルトリア・ブラック(Main)
ルイの体を強奪したものの、ルイの叫び声で強制的に戻されてしまった。
宿儺ってこんな気持ちだったんだなぁと思いつつ、余計鎖が巻き付いてて『だから拘束プレイは好きじゃねぇって』と思いつつ眠気にも同時に少年を殺せば解放されるわけでもない可能性が見えて来た。
ツアーの使った魔法が位階魔法じゃない方なら厄介この上ない。
(…逆に考えれば召喚魔法は使えるんじゃないか?)
Fate本編でサーヴァントを召喚する時に使うようなやり方なら外に出れる可能性もなきにしろあらずだ
それに、イビルアイが『2ヶ月後にツアーが来る』と言っていたのを思い出して嫌な予感を感知する
評議国に連れて行かれるのは何より嫌だし、法国に見つかるのももっと避けたい。
ラスボスも楽じゃねぇーなとか思いつつも眠気に誘われてそのまま眠る
禍々しい男からルイに変わってから、自分達は一体何に手を出してしまったのか、漠然とした恐怖を感じ取る。
「…イビルアイ、この子に罪はないのは確かだわ、でも、中にいる存在は邪悪すぎるわ、でも…この子にそこまでの罪はあるのかしら…?」
「………」
あの禍々しい男の種族は分からなかった、でもどう足掻いても人間でないのは確かだし、ルイに封印されている影響か本調子でないのは確かだ。
だからと言って封印を解除するようなやり方は違う。
「あの男が悪魔なのか魔獣なのか何も分からないが、問題なのはルイがそれに引き寄せられてしまう可能性だな、悪魔ならその心に引き寄せられ、心が歪み、悍ましいものに変わる可能性も否めない。ルイの話では、話しかけて来たと言うことだ、それに全部答えるなというのも無理があるしな」
「そうね…」
自分の人生を奪われて、自分の内にとんでもない化け物を封印されたらたまったものじゃない。
かつての自分が吸血鬼になった時もすぐには受け入れられなかったように
ツアーからしてみれば苦肉の策だったらしいが、ルイ個人からしてみればそんなのは関係ない
いずれ自分が化け物になる可能性がある、そう感じたら恐怖で仕方ないだろう。
「…だが、既に精神があの男に操られている傾向にもある。第九魔法なんて存在は不確かなものだ。その魔法さえあれば封印を解除できる可能性があるとあの男は判断しているわけだ」
「そうね…」
ルイがベットの上で身じろぎする。
「ルイが冒険者になりたいって言い出したのも、魔法を知れば封印を解ける時思っているからかしら…」
ラキュースの言葉にイビルアイはルイの方を見る
ルイは自分の中からあの男を出したくてたまらないのだろう。奪われるかもしれないこれからの人生を取り戻すために
どんな悪魔の甘言にも耳を貸してしまうかもしれない。
ツアーが2ヶ月後、彼をどうするつもりかは分からない。
でも八欲王を封印した、というツアーの言葉を鑑みれば同じようにするつもりだろう。
世界としてはプレイヤーが暴れ回り蹂躙しまくる可能性があるなら一人の少年の人生を犠牲にして世界を守るとあのツアーなら言うだろう。
世界を守って来た竜王なのだから
イビルアイはラキュースがルイに感情移入しているのは確かだ、確かに少年に罪はない。だが、世界を危険に回す危険性があるなら
「……世界を壊すか、一人の少年の人生を壊すか、そう簡単に決断できる事柄じゃないのは確かだが、私はツアーの気持ちもわからなくはない」
イビルアイはルイのそばに近寄る
自分の父親がしでかした行為で世界に多大な影響を及ぼしたとあの婆から聞いた。
「……何をするの?」
「ルイの記憶を一回消す。出来れば睡眠魔法も、眠っていれば痛いこともないし、化け物になる可能性も抑えられる」
「………」
「…中のプレイヤーが目を覚ます危険性を考慮すればこんな場所ではなく、評議国に預けた方が良いだろうが、ツアーが戻って来るまでの2ヶ月間は眠っていて貰おうと思っている」
そう言って魔法をかける
ー数日後…
冒険者としての仕事を終え、メンバーに報告した後、ルイの様子を見に来たラキュース
規則正しい寝息を立てているルイのそばに歩み寄る
「……あの存在は確かに世界の脅威になりかねないわ、でも…」
ルイの人生を犠牲にする、その決断にラキュースは胸が張り裂けそうだった。
親を失ったばかりではない、化け物を内に封印されて記憶も失い、眠らされたままの彼
「…窓を開けるぐらいは構わないわよね」
そう言って空気を入れるために窓を開ける
夢物語なんてものはないと思っていたが、記憶を失ったままどこか辺境の村で平和に暮らし、内にいるあの化け物が覚醒する事なく穏やかな人生を終えてほしい、そう切に願って止まなかった。
「いけないいけない、これから沢山やる事があるのに」
リ・エスティーゼ王国内に謎の悪魔が発生しているという報告を組合から聞いた
王国の安全のため、アダマンタイト級冒険者である自分にできることは戦う事しかできない。
そう言い、武装に切り替えて外に出る
モモンガはリ・エスティーゼからゲーティアのMPの流れが微弱にすると聞き、冒険者として潜り込むことにした。
ナーベラルと万が一な事を考えてアウラも連れて来ていた。
本当はマーレの方が適任だったのだろうが、マーレの気弱なフリに引っかかって攻撃する可能性のある人間が以前いたのを確認し、アウラに変更したのだ。
セバス達は別路線からゲーティアの所在を探す事になった。
(…ゲーティアさんに伝言を送っても一切返事がないのを鑑みれば何かに封印されている可能性は大いにある)
ゲーティアは本気になればウルベルトさんの魔法を大きく超える魔法を持っている。
彼が気絶した時の状況は第一形態の時だった。最初っから本気を出せば問題なかったのだろうが、最終形態では周りに甚大な被害を与える。
エントマを責めるつもりはないが、近くにエントマやNPCがいれば間違いなく諸共殺してしまうぐらいの威力を誇っている。
(…早くゲーティアさんを見つけて二人で一緒にナザリックにいたい…)
自分一人では彼らから与えられるストレスに耐えられない。
別に彼らだって悪意がないのは確かだが、それでもゲーティアさんがいれば問題ない場面はいくつかあった気もした。
ゲーティアさんのアバターは男だが、中身の性別は女だ
女性に頼るのは少々情けない気もしたが、それでも、富裕層出身のゲーティアさんならきっと上手くやりくりできただろう。
冒険者としての仕事をしても、ゲーティアさんの気配は微塵もしなかった。
早く見つけたいと急ぐ一方、何の手立てもなく一人で進めるしかなかった。
デミウルゴスの計画は王国を悪魔達で襲撃し、ゲーティアさんの封印されている箇所を探ると言うことだった。
物などに封印されている可能性はない、そう確信していた。
ゲーティアさんほどのレベルならモノになんて封印されない、一時期ユグドラシルでそういうイベントがあったが、異形種は物には置換されない。
悪魔達が襲撃する中、アインズはヤルダバオトともつれあうように一軒の家に飛び込む。
「まず、この部屋は安全なのだな?」
ヤルダバオト、ではなくデミウルゴスが対面の椅子に座る
「大丈夫でございます。ここでの会話を盗み聞き出来る者などはおりません」
「そうか、それでは、襲撃に関して、ゲーティアさんの気配を感知出来たものはいるか?」
「いまだに発見出来ていないことに関して誠に申し訳ございません」
その言葉にため息が出そうになるが、ここでため息を吐けばデミウルゴス達は自害するとか言いかねない。
「うむ、引き続き最優先で探すぞ、この茶番もさっさと終わらそう」
「かしこまりました。アインズ様」
崩落する建物の物音にルイは目を覚ます
自分がどうしてここにいるか分からなかった、そもそも、ルイという自分の名前は思い出せるのに、どうしてこんな崩落している場所にいるのか分からなかった。
「坊や!!大丈夫か!?」
そう声をかけて来た若い夫婦の二人
「あなた!早く逃げましょう!」
「あぁ、坊や、とりあえず立てるか?」
「う、うん」
「こっちに来て!」
二人の間からやって来た女の子に手を引かれ二人の後に続く
それから数時間経って事件は解決した。
「坊や名前は?」
「……ルイ」
そう名乗ると二人はどうしようかと言った顔をしていた。
「養護施設に預けるのも良いだろうが…」
「そうした方が良いんじゃないかしら?」
二人の会話に女の子が
「あんな劣悪なところに入れるなんて可哀想だよ、一緒に村に帰ろうよ」
「しっかしな」
女の子は負けじと両親二人に食い掛かり、渋々納得していた。
「やったー!私にも弟欲しかったんだー!、よろしくね!私の名前はリン!」
「う、うん、ルイです。よろしくお願いします」
彼女を見ていると、懐かしいなと不思議と思っていた。
脳裏に繰り返される記憶、にこやかに笑うリンとは全く似ていない少女が誰かと話して笑い合う光景
「ルイくん、頭痛いの?」
「…う…ん」
「じゃあ寝ててよいよ」
そう言って頭を撫でてくれる
揺れる木馬車の中で目を閉じる
時々止まる木馬車の中で交代して、保護してくれる地点に向かうことになったらしい。
「何も思い出せないの?」
「…うん」
自分がなぜあそこにいたのかも、親という存在がいたのかも
「神官さんに見てもらうのが良いだろうけど…お金ないしなぁ」
リンと二人で話していた。
「…そうだよね、ごめんね」
そう呟くと
「じゃあさ、これから思い出をつくろうよ、もしかしたらその過程で思い出すかも知れないし」
明るく言うリンの言葉にうん、と微笑む
これから向かうのはエ・ペスペル領でそこからスレイン法国に向かう手筈になっていた。
エ・ペスペルに着いた後、1日ほど休み、スレイン法国に行くことになったのだが、避難民が大勢いたためなかなか入ることが叶わなかった。
ペスペル村でリンと遊びながら生活していた。
何事もない、何もない日々だった
いつしか記憶のことなど忘れるぐらい日々は平穏な日々が過ぎていた。
「ルイ、こっち行こう」
そう言って森の中に行くと言って歩くリンにルイは「危険だよ」と言いつつリンに着いて行く
適当に実を集めながら、村に帰ろうとすると、リンが悲鳴を上げる
「リン!!」
慌ててそちらに行くとリンが魔獣の群れに囲まれていた
咄嗟に体が動き、群れの中に入りリンを守るために庇うと背中を切りつけられる
「っルイ!!」
悲鳴を上げるリン
背中に激痛が走る、なんとかしてリンを助けないと、その思いで強く抱き締める
獣の咆哮にやられる、そう思った時心臓が跳ねる
自分の影から何かが飛び出し、獣が一斉に消える
「……え?」
一瞬で蹴散らされたことに驚き、後ろを振り返ると炎を全身に纏った怪物?のような者がいた。
その怪物が消え、光と共に自分の中に入り込んでくる
「っぐ…!」
その瞬間、脳裏に駆け巡る記憶
失った記憶、自分の中にいる化け物の存在、そして、その化け物の記憶がなだれ込んでくる
強烈な頭痛にその場にうずくまり、気絶したリンの隣に倒れ込む
【登場人物】
・ルイ
記憶も消されて自分が何者だったかも思い出せず、悪魔騒動時に助けてもらった夫婦に連れられてスレイン法国へ向かうためにエ・ペスペルに向かう一行の中へ
・ゲーティア
眠気に勝てず眠っていたらとんでもなく苦しくて目が覚めた、したらルイが死にかけててビックリしてアモン・ラー出しちゃった
アモン・ラー
魔神柱の1柱、ゲーティアの分身。イメージはFF15のイフリート
【属性】中立
【レベル】80(本来はレベル100、あくまでゲーティア換算)
(封印のせいで弱体化している)
【詳細】
あくまでゲーティアを守るために現れた。会話は一切しない
他の魔神柱と違って積極的にルイを殺そうとはしない。
・リン
人間、悪魔騒動時に出来る限り避難民を避難させていた中、ルイと出会う
呆然と立ち尽くす彼が可愛くて弟として家族に迎えたいとわがままを通して親と一緒に出かける
【今後】
オリ主メインの話になりますが、時々アインズ側の目線も入ります