異世界に行きたかった女の子がナザリックの一人になったと思ったらやらかした   作:アルトリア・ブラック(Main)

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異世界転生物は書きやすいけど、何かをモデルにして書くと色々悩む


第7話『リザードマン』

 

ナザリック地下大墳墓にて……

 

ゲーティアが帰還したという話題はナザリックの面々を大喜びさせた

 

と、同時にゲーティアの封印解除のために慎重に事を運ぶことになった

 

この世界の地図についてアルベドに説明しながらゲーティアが襲撃された相手についての話になる

 

「ゲーティアさんの話では相手は白金の鎧を着た者だと聞いた。恐らくは評議国の評議員の可能性があると踏んでいる」

 

モモンガの言葉にアルベドは殺意を滲ませながらもいかようにして倒せるかという話になる

 

「ゲーティアさんや彼のNPCが全力で行けば問題ないと言ってはいるが、念には念を入れなければならないし、彼の封印を完全解除する手段が見つかるまではここにいてもらわなければならないな」

 

ゲーティアさん曰く、スキル活用や攻撃に関しては一切問題ないといことだった(どこで試したか聞いたらティアマトの海でやったらしい)

 

帰ってきたゲーティアさんが恥ずかしい物を見たと言ったような目だったのでゲーティアさんにとってもティアマトはやりすぎたのだろう

 

(というか俺でさえ見てて恥ずかしいのに男のガワであれ作れるゲーティアさんも大概じゃない…?)

 

「モモンガ様?」

 

そもそもゲーティアさんのNPCもとい本人も破壊と殺戮に特化しすぎていて、もし、他のギルドに入られていたらゾッとするという話をぷにっともえさんが話していたのを思い出す

 

「すまない。とりあえず、今回の作戦にはゲーティアさんは同行させない方がいいと思うのだが、アルベドはどう思う?」

 

ゲーティアは行きたいと言っていたが

 

「ゲーティア様が行かれたいと仰るのであれば、私どもは最大限の警戒をもって準備いたしますが」

 

「ふむ…」

 

ゲーティアさんも『おとなしくするし、迷惑になりそうなら避難するから行かせて』と言われた

 

そばにいたドラコーがすっっごい睨んでいたのを思い出す

 

「……では、最大限の警戒をもって行こう。迷惑をかけるな」

 

「とんでもございません。至高の御方々のお言葉こそ優先すべき事です」

 

そう深々と頭を下げられては治り始めた胃がまた痛くなり始める

 

 

 

 

 

 

ログハウスのような素朴な作りで出来た一室にてコキュートスは座っていた

 

椅子には幾人もの者達が座しており、囲むテーブルの上には丸められた無数の羊皮紙、魔法を込めた巻物があった。

 

「これが最後になりますが、転移系の魔法でございます」

 

そう若干声が高い蘆屋道満がテーブルの上に、またひとつ巻物を置く

 

創造主が帰ってきてからやたら機嫌が良くなっている蘆屋道満にほんの少しだけ羨ましさを感じていた

 

自らを創り出された創造主がご帰還されたら自分も喜んで至高の御方のそばにいるというのに

 

ふとそう考えていた思考を振り払う

 

今回の作戦はモモンガ様からの命令でリザードマン達を殲滅させることになっている

 

「ンンンンン!!!巻物もそんなにたくさんあるわけではないのでお気をつけてお使いくださいねェ」

 

「ソウシヨウ」

 

ヤケに機嫌が良いが、顔を見る余裕は今はない。

 

目の前の巻物と戦いに備えて意識をそちらに向けていた

 

モモンガ様からの命令は四つある

 

1、決してコキュートスが表に出ないこと、無論、自らのシモベもそれと同じだ。

 

2、指揮官として与えられたエルダーリッチは温存しろ

 

3、出来る限り、自らの判断で動け

 

4、目付け役として派遣する蘆屋道満の力は借りないこと

 

蘆屋道満のスキルは現地にいなくても離れたところから魔法を付与することができる。しかも、それは即死系魔法も含まれている

 

(シカシ1と同ジヨウナ内容ダナ……)

 

それに違和感を覚えつつも立っている蘆屋道満に

 

「座ワルカ?」

 

そう聞くと「ンンンンンンン!!立っておりますとも」と相変わらず機嫌良く答える

 

「ソウカ」

 

デミウルゴスは彼のことを『頭は良いが嘘がつけないところは勿体無い』と話していたのを思い出す。

 

デミウルゴスは苦手ではないが、コキュートスからしてみれば彼のことはだいぶ苦手だった。

 

同じ至高の御方々に創られた者として苦手意識は持たない方が良いのだが

 

「進軍」

 

そう指示を出す

 

 

 

 

 

 

同時刻、ゲーティアは玉座の間からコキュートスの戦いを見ていた

 

「……ふむ」

 

そう呟くモモンガ

 

リザードマン達の戦いは勇者系の漫画のような展開に少し飽きてはいた

 

アニメで見たことをもう一度見るのは好きだが、何十回も見た光景は変わらなかった

 

指揮を飛ばしているコキュートスの方を見ると蘆屋道満がニコニコしながらコキュートスの方を見ている

 

(顔に出過ぎじゃないか…?)

 

道満ではなく原作通りエントマでも良かったのだが、エントマにモモンガが謹慎もプラスしたことから蘆屋道満が派遣されることになった

 

「…もう少し表情を隠せるように創るべきだったな…」

 

そう呟くとモモンガは「ん?」と聞いてくる

 

アルベドは「何かございましたか?」と聞いてくる

 

「…いや、先程から道満がニコニコ嗤っていてな…コキュートスが道満を苦手に思っていてくれて助かった」

 

「ああ…なるほど」

 

モモンガが納得してくる

 

デミウルゴスが相手だったら蘆屋道満の表情で大体判断ついてしまうだろう

 

今回の戦いはどうやっても負けると

 

兵の増強をモモンガに進言しづらいなら蘆屋道満を通してゲーティアに進言するべきだったのだ。

 

本調子ではないと気を遣ってくれているのならそれはそれで違うし、相談されれば頑丈さが多少ないティアマトのラフムを貸し出すことも考えていたのだ。

 

「彼、後方支援でこそ良いんじゃないですか?オレオールみたいに」

 

「あそこまで優秀ではないし…なにしろ、性格がな…」

 

「…この話はおいておきましょうか」

 

謎の空気感になり、お互い黙って見ているとそろそろ戦いは最終局面を迎えそうだった。

 

「……流石に表情は引き締めろは伝えておく」

 

そう言って伝言で蘆屋道満を叱る

 

 

 

 

リザードマン達の戦いは想定を遥かに超えていた

 

アンデットは偽りの生命力を全て失うまでは動き続けるのだ。低位のアンデットにありがちな首を刎ねるなどの即死条件が満たされたりしない限りは…

 

個としての強さは現在リザードマンが勝っている。それは認めなくてはならない、しかし、それがいつまで続くかは限らない

 

コキュートスはリザードマン達の評価を一段上げ、一息に潰せる存在ではないと判断する。

 

「一旦ここで兵を退かせて様子を見ますかな?」

 

急に機嫌が普通に戻った蘆屋道満にん?となりつつ戦いに集中する

 

それから部下達の意見を聞き、コキュートスは伝言のスクロールを手に持つ。

 

チラリと蘆屋道満の方を見るが彼はどうでも良さそうにしており、扇子で口元を隠しながら鏡の方を見ていた

 

 

戦いを見続けながらある可能性が沸き起こる

 

負ける

 

コキュートスはそれを理解する。

 

与えられた軍勢の中に知性を持つアンデットがいないこと、それが敗因であり、最初から懸念の一つではあった。しかし、ここまで弱いというのは想定外だった。

 

このまま素直に至高の御方々に負けましたと報告して良いのかそう思った時、伝言のスクロールはデミウルゴスにつなげる

 

現状のことを伝え返事を待っていると

 

『ふむ、アインズ様は本当に勝利をお望みなのかね?』

 

「何?ソレハドウイウ意味ダ?」

 

『アインズ様がなぜ、そんな下等なシモベで軍を構成したということさ、それに近くにはプレアデスではなく蘆屋道満がいるのだろう?』

 

そう言われ隣を見ると相変わらず画面を見ている蘆屋道満がいた

 

『こう言っては何だが、彼はあまり嘘は得意ではないし、単なる目付け役ならプレアデスでも良かったと思うのだ。それではなく彼ならば、少なからずゲーティア様のご意志も絡んでいるということだ』

 

「何ダト…?」

 

確かに今回の作戦にゲーティア様の名前はなかった。ないことに疑問を感じたことはなかった

 

ゲーティア様は本調子ではないから今回の作戦には名がなかっただけだと思っていた。しかし、こうしてゲーティア様のNPCがいるとなれば話は別だ

 

何か試されていたのだろう。

 

『君が至高の御方々のご命令をただ遂行するのではなく、もし、君が情報収集していれば、村を落とす兵力がそれだけでは足りないことを知ったかもしれない。そうすれば前もってモモンガ様に意見をのべれていたのかもしれない。それに始まる前も蘆屋道満はずっと嗤っていたのだろう?』

 

「アア」

 

『まあ、それから察するに戦いが始まった今、モモンガ様に意見を言えずとも、蘆屋道満からゲーティア様に兵の増強を頼むことはできただろうね、まぁ何というか試されていたということだね』

 

「確カニソウダッタ」

 

蘆屋道満の力を借りてはいけないという命令はあったが、助言を求めてはならないとはなかった。

 

「私ノ考エガ及バナカッタ」

 

そういうとデミウルゴスは『急な用事が入った、武運を祈るよ』と言って伝言がきられる

 

ふと鏡を見て

 

「指揮官タル、エルダーリッチ二命令ヲ下ス。リザードマン二力ヲ見セロ」

 

 

 

 

数時間後、戦いは終わり、リザードマンの勝利に終わった

 

蘆屋道満はモモンガからの伝言を受け、コキュートスに帰還するように言う

 

モモンガは負けるかもしれないし、勝つかもしれないと言っていたが、ゲーティアはハッキリと負けると断言した

 

確かに今回の軍勢では勝てるような構成ではなかったし、負ける気配は大いにあった。

 

しかし、自分の創造主とギルド長の意見が違ったこと、ゲーティアの言葉の方が合っていたことに少しだけ優越感に浸りながらも先にナザリックに帰還する

 

(ンン??)

 

第七階層にあるゲーティアの自室、ゲーティア自身の種族も合間ってか他の至高の御方々のいるフロアとは違うところに自室を設けている

 

「失礼しますぞ、魔術王殿」

 

そう言って入室すると、ゲーティアが机におり、頭を押さえていた

 

入室してきた道満に気づかないとは相当だと思い、近づき声をかけると

 

「どうされましたかな?魔術王殿」

 

そう改めて声をかけると気づいたのか

 

「少し頭が痛かっただけだ、気にするな」

 

そう言って立とうとしている右手をガッと掴む

 

他の守護者ならそうできないが、ゲーティアのNPCだけはいちいち許可を求めるような行為はしないと設定されていた

 

まぁ、その設定が大方不評なのだが

 

その拍子に道満にも毒ダメージが掛かる

 

これは結構なスキルだ、と判断しゲーティアを無理やり座らせる

 

「呪いですな、これは」

 

レベル80の自分には結構なダメージなのだが、100レベルのゲーティアには頭痛程度しか来ていないのだろうか

 

「大したことはない、モモンガに呼ばれたからいk…」

 

「その封印がどの程度周りに害を与えるか解らない故にお部屋にいてください」

 

ニッコリと笑いながら断らせないぞと言うような表情で言えば渋々納得してくれる

 

「モモンガ殿には私の方から言っておくので絶対に外に出ないように!!」

 

「…………ハイ」

 

ゲーティアをベッドにポイッとし、ドラコーを呼ぶと激しい音と共に扉をぶち壊しかねない勢いで入室してくる

 

他の守護者が見たら激怒するレベルの行為の入り方だが、会議が始まる前にモモンガがいる場所に向けて転移する

 

「ん?どうした?何かあったか?」

 

そう聞いてくるモモンガと怪訝な表情をするアルベド、こう言っちゃ何だが、自分は結構アルベド姉妹には嫌われている気がする

 

「魔術王殿が体調不良故に今回の会議には参加しませぬ」

 

そう言うと明らかに空気感が変わる

 

「ゲーティアさんに何かあったのか?」

 

アンデットの王らしい威圧感たっぷりの雰囲気におお凄いと場違いにも思いながら

 

「おそらく封印に関しての呪いが何かしら作用したようで、体調が芳しくないとか、此度の会議にはそれもあって不参加を申し入れたくきました」

 

そういうとモモンガもわかってたのか「ああ、わかった、他の守護者にも混乱はさせぬように伝えておく」と言われ軽く頭を下げてその場から立ち去る




【第七階層、ゲーティアの居城】
デミウルゴスの城がある所から少し離れた場所に位置している
ドラコーのいる地点に近い
第九階層にないのはゲーティアの種族のことも相まってそこに位置している。メイドは入れない変わりにデミウルゴスの配下の者もいるが


【封印魔法】
オリジナル始原の魔法。
対プレイヤーに編み出した魔法。ツアーでも初めて使ったレベルであり、本来ならレベル50かやや上あたりプレイヤーを物に封印する魔法だった
あの場ではものはなく、子供しかいなかったため、ルイに封印した
仮に解放されたとしても永続ダメージを与え死に至らしめる魔法なのだがレベル100相手には頭痛や攻撃力減少程度のダメージしか与えられない

レベル100→体調不良、攻撃力やや低下
レベル80→毒ダメージ、防御力やや低下
レベル50以上70未満→永続ダメージからの死
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