異世界に行きたかった女の子がナザリックの一人になったと思ったらやらかした   作:アルトリア・ブラック(Main)

9 / 21
多分ネタが続くまで書きたいのと、パソコンで打っているので投稿は早いですが、誤字なんやらが多いかもしれないです


第8話『干渉』

ー評議国最奥ー

 

ふと馴染みのある気配を感じ、顔を上げるとそこにはリグリットがおり、たわいもない話をしつつ、吸血鬼のことそしてプレイヤーについての話になる

 

「100年の揺り返し、今回は世界に協力する者ではなかったか」

 

「ああ、アレは間違いなく悪だろうね、この世界を蹂躙するという明らかな殺意があった」

 

蟲の化物は逃してしまったが、プレイヤーを封印することはできた

 

しかし、そのプレイヤーを封印した少年が王国での悪魔騒動の中行方を眩ませてしまったと言う

 

「その子供を見たという証言はいくつか見られたが、その子供の近くには霊体化した存在が見えたという話があるが、まあ本当のことからは分からないがの」

 

リグリットの言葉にツアーは仮に少年からプレイヤーが出ている場合は弱体化している今を狙って叩いた方がいいだろうが、プレイヤーは余程の馬鹿でなければ表に出てこない、狡猾で慎重なタイプであれば面倒この上ない。

 

かといって八欲王のように巨大な力が寄ってたかって攻撃されるのは最も避けたい行為だが

 

「レベル60以上なら弱体化している程度でそのうち身動きは取れなくなるだろう。そこを叩けば問題ないんだが、ギルドでの転移の場合は相当厄介なことになる」

 

「弱っている状態では表に出てこんからのう」

 

そうなのだ、ギルドでの転移の厄介さはそこにある。

 

プレイヤーが弱体化して戦えないとなればNPCが当然出てくる

 

レベルがそう高くない者なら問題ないのだが、一番恐ろしいのはNPCがレベル100であること

 

そうなればツアー単独では倒せない可能性が大いに高いし、八欲王との戦いに参加していない竜王たちで何とか倒せるかと言われれば、自信を持って勝てるとも言えない

 

そして最も考えたくないのは…

 

「プレイヤーのレベルが100だった場合じゃな」

 

リグリットの言葉通りプレイヤーのレベルが100ならばあの魔法も継続ダメージにしかならないし、そのダメージで死ぬ時期なんて異形種ならなおのことわからない

 

ふと、あの時のプレイヤーを思い出す。

 

悪意の塊、残忍・悪辣・暴虐が具現化したような存在だった。見ただけで感じとったあのプレイヤーは絶対にこの世界に災厄をもたらすと

 

この世界を呪うようなあの瞳、人間だけではない、異形種や他の種族でさえも呪うあの男の瞳

 

「…勝てないのならせめて封印という形で持っていきたいと思っているんだけどね…」

 

「主からしてみて、そのプレイヤーはそれほどに危険だったか?」

 

「この世界を憎む、災厄をもたらすことを喜ぶ男にしか見えなかったよ」

 

そう言ったツアーにリグリットは珍しく息を呑む

 

 

 

 

 

どれだけ助けを求めても誰も救いの手を差し伸べない

 

本来なら愛を向けてくれるはずの存在は敵意に変わり最悪な言葉を彼女に浴びせた

 

あんたなんて生まれてこなければよかった。

 

そう吐き捨てられ、父親からはいろんな暴行を受けている彼女

 

助けてと求めても誰も少女の言葉は聞き入れない。

 

その場で注意をしても結局は変わらない

 

少女は笑うことも涙を流すことも忘れた、ただ、その場にあった感情をその通りに済ませればいいだけと生きながらにしてロボットのように過ごす少女

 

自分を庇護してくれる存在で唯一血の繋がった存在の子供を宿し、いろんな声は彼女を責めた

 

誰も彼も助けてくれなかったというのに、都合の良い餌が見つかれば容赦なく叩く、そんな彼らを少女は見ていた

 

いろんな感情を彼女へ向けた、そこに愛情なんてものはなかった

 

捨てられた彼女はやがて世界を見捨てるようになった

 

 

 

何か悪い夢を見たかもしれない。夢というのは何の脈絡もない

 

寝る前にやったこととトラウマが重なり、複雑に重なり合った結果が夢だと思っていた

 

カルネ村に移住して数ヶ月、あれからは何もなく生活できていた

 

危険なことも何もない平和な生活

 

ゲーティアの気配はまるでしない代わりに得られる平和

 

ここにいる限り何も危険に脅かされることはなかった

 

それでも、最近よく見る夢は後味の悪いものばかりだった

 

良い歳をした大人がこぞってリンより小さい子供を痛ぶる光景

 

しばらくすると、戸がノックされる

 

「あ、ハイ」

 

そう言って起き上がるとそこにいたのはリンで、彼女は森にでも出たのか、まぁまぁ汚れていた

 

その隣にいるゴブリンの背中には猪の死骸があった

 

「おはよう、ルイ」

 

「うん、おはよう……え?狩りに行ってたの?」

 

そう聞くとゴブリンがため息をつきながら

 

「リンは俺たちより早くに獣を見つけて鉈だけで狩りに行ったんだよ、危険だからやめろって言ったのによ」

 

「ロニスさんの方が強いのは分かってるけど、お世話になってばっかりじゃ申し訳ないじゃん」

 

底なしに明るいリンにロニスと呼ばれたゴブリンは『怪我して余計世話になったらどうするんだよ』と怒られていた。

 

「ほら、ルイも行こっ」

 

そう言って手を引っ張られる

 

「う、うん」

 

早めに中央に着き、エンリが『ちょっと待ってね!』と言っていた。

 

「僕も何か手伝いますよ」

 

「そんな、すぐ終わるよ」

 

そうエンリに言われるものの、何かできる事はないか少し顔に出たのかエンリは苦笑いしながら

 

「じゃあ、そこにあるジャガイモ潰してくれる?」

 

「!はい!」

 

そう言われ、その台に行く

 

潰してスープにするのも味気ないかなと思っていると、脳裏に何か過ぎる

 

小さな手が刀のような小さな刃物を持ってルイと同じように立っている光景が

 

ふとその刃物が手元にあったら良いな、と頭の中でイメージすると

 

ルイの手が光り、そこに想像した刃物が出て来る。

 

ついでに脳裏に過った光景に着々と料理を作っていると…

 

「ルイくん…何作ってるの?」

 

「え?」

 

「いや…無から何か出てきたから…」

 

気づくと手元には見てこともない黄色のスープがあった。

 

「……何作ったんだろ、僕…」

 

そう言いつつ目の前のスープの色はあまりよろしくないが、匂いだけはすごく美味しそうな匂いだった

 

「ルイくん、ちょっと味見するね?」

 

そう言ってエンリがスプーンで掬って飲むと

 

「っ!美味しいよ!!!これ!」

 

エンリの表情が今までにないぐらい嬉しそうな顔をしていた。

 

「え?何これ、なんでこんな美味しいの?ジャガイモしかなかったよね?」

 

そう独り言を話す中

 

「エンリ?どうしたの?」

 

入ってきたンフィーレアに『これ飲んでみて!美味しいよ!』とほんの少しだけ進めていた

 

味見したンフィーレアは『おいしっ!!!』と叫ぶように言ってくれる。

 

「ルイくん!ジャガイモ一つでどうやって作ったの?!」

 

興奮気味に聞かれ、イメージして作ったら出来たと言ったらンフィーレアの方がふむと考え

 

「道具作成に、具材を増やす魔法…もしかして、ルイくん魔法詠唱者の素質があるんじゃないかな?」

 

そう言われてもゲーティアが出て行ってから魔法のそれに触れたことがなかった。

 

「イメージして作ってみたらできた」

 

イメージしてできたの?と驚かれる

 

「お姉ちゃん〜まだ〜?」

 

ネムの声にエンリがハッとなる

 

「とりあえず魔法に関してはンフィーレアに聞いてみてね」

 

エンリがドタバタとそちらに行ったのを見送りつつ、残りの料理に手をかける

 

どうしてこんなことが急に出来たかわからない

 

夢の中でほんの少しだけ見た光景をイメージしたらその通りできるなんて想定外だった

 

もし、魔法ができるようになったらこの村で必要とされたら、この村でずっと生活できるだろうか

 

そう考えてホッとすると同時に脳裏には悲しみで押し潰された彼女の光景がちらつく

 

 

 

 

 

 

願った幸福は手に入らなかった

 

幸せになりたいという子供一つの願いを叶えない世界

 

私を幸せにしてくれなかった世界に未練なんてなかった

 

異世界転生出来たらいいな、異世界転移するにはどうしたらいいか現実から目を背け続けた

 

東雲栞里以前の記憶しか脳裏に残らなかった

 

東雲栞里として生きた時代は朧げとしか言えないぐらいの記憶しか残らなかった

 

人はどうして差別するのだろうか

 

差別しなければ生きていけないのだろうか

 

人はどうして人間に優劣を付けたがる?

 

同じ人間に同じだけの価値だけしかないというのに

 

『栞里はゲームにハマりすぎよ、貴女の生きている世界はそこじゃないのに』

 

東雲栞里の母親がそう言ったのを思い出す

 

お前には関係ない、私をオーバーロードの世界に産んでくれたのは感謝している。

 

でも、富裕層であるが故にあの女も貧困層として生まれた者を見下した

 

皆同じ価値なのに何故優劣を付けたがる

 

同じ人間に不価値も価値もないというのに

 

人間などという無駄に知識を与えたばかりに全ての生物を廃絶するような存在に価値はない

 

今のこの世界の人間も腐っているが、あの世界に比べて人間は減少しているからまだ価値はある。

 

「どうしたのだ?ゲーティア、まだ頭が痛むか?」

 

そう声をかけたきた存在にハッとなる

 

そばにいたのはドラコーで心配そうに見ていた

 

彼女を作ったのは完全に趣味だった

 

ドラコーとしてイメージして作ったは良いが、少しネロ成分も入ってしまい、月の勝利者や藤丸立香を見るような眼差しで見ていた

 

「…結構痛いが光源を見なけれ何とかなるレベルだな…」

 

「そうか!なら灯りを消すのだ」

 

トタタタと走っていくドラコーを見る

 

蘆屋道満にベッドにぽいっとされ頭があまりにも痛くて布団をかけずにそこで伸びていたら確かドラコーが突入して入ってきて布団をかけてくれたような感じだった

 

「どうだ?まだ痛むか?」

 

心配そうに少しだけベッドに乗ってきいてくる

 

右腕がビリビリと痛かった

 

その痛みと同時に頭も痛くて黙っているとドラコーは『ほら横になっておくじゃ!!何かあったらこちらでやるから』と面倒見てくれる

 

こんな風に作った記憶はなかったがお言葉に甘えてベッドに潜り込む

 

(…やらかした上に面倒見られるなんてなんか恥ずかしいような何というか……異世界転移して無双したかったのになぁ…モモンガさんに迷惑をかけてるし…)

 

「ほれ考えずに寝る」

 

治癒魔法をかけたのか少しだけ頭痛が和らぐ

 

 

 

 

数分して治癒魔法が効いたのか寝始めたゲーティアを見つつ右腕の鎖がビリビリとゲーティアを苦しめているのには殺意しか湧かなかった

 

どこのどいつがこんなことをした。最後までナザリックに残ってくれた存在を誰が苦しめる権利などある

 

殺意に支配されていると扉をノックされる気配を感じる

 

「落ち着いておりますかな?」

 

そう小声で声をかけてきたのは蘆屋道満で入室してくる

 

「やっと落ち着いたのだ!集団で入ってくるでない!」

 

小声で怒っているドラコーに蘆屋道満は『心配で見にきてくださったのですぞ』と言われる

 

後ろにはモモンガがおり、黙ってゲーティアの方を見ていた

 

眠っているのを見て安心したのか一度外に出るモモンガと悲しげな表情をするアルベド

 

ドラコーの近くにやってくる蘆屋道満、足音が全くしない足取りには素直に感心するが、蘆屋道満は天幕の中で眠っているゲーティアを見ると

 

「ふむ、永続ダメージに関してはさして効いておらぬようですが、体調不良に関しては何とかせねばなりませぬな」

 

蘆屋道満の話では永続ダメージの中に攻撃力減少するようなスキルがついていると言われたが、ゲーティアがかつてティアマトの海で行った実験では全然問題なかった。

 

元から破壊力が凄まじかっただけにほんの少しだけ減少したところで何の弊害もないだろうが、状態異常だけは何とかしたかった

 

「話は外でしてくれぬか?せっかく休んでおるのに」

 

そう言われ、蘆屋道満はそうしようと言って外に出ていく

 

ゲーティアを呪った者は確か白金の鎧と言っていた、デミウルゴスの調査では評議国にいるという話だった

 

(ティアマトと相談しすぐにでも滅ぼしたい)

 

ゲーティアの話ではレベル100以上かもしれなから気をつけろと言われていたが、己とティアマトが全力でワールドアイテムで固めていけば容易く倒せると思っていた

 

しかし、ゲーティアはやるなと言われていたため、行き場のない怒りが胸を支配する。

 

暴れなくては気が済まない

 

 

 

 

 

 

 

 

モモンガは蘆屋道満とアルベドと共に執務室に向かう

 

デミウルゴスにも話しておくべきだと判断し、デミウルゴスも至急呼ぶとすぐさま戻ってくる

 

「ゲーティアさんの体調不良についてだが、どうやら封印の影響とのことだ、道満が大方調べてくれたからわかるが」

 

せっかくナザリックに最後まで残ってくれた友人が呪いに苦しめられている、その言葉だけではらわたが煮えくりかえりそうだったが、それ以前にティアマトやドラコーの怒りが凄まじいのである程度は落ち着いた

 

執務室の中央にモモンガが座り、前のソファにはアルベドとデミウルゴスが並んで座り対面には蘆屋道満がいた。

 

封印魔法の話題を出せば二人は明らかに殺意が部屋を圧迫する。メイドには一度席を外してもらった

 

「拙僧がその鎖に触れたところ、毒ダメージが永続的にかかるようになっておりまして」

 

その言葉にえっとなる

 

「ゲーティアさんにはそのダメージが行っているのか?」

 

そんなことになれば問題だ、すぐにでも呪いをかけている張本人を探さなければならない、国のこととか言っている暇ではない

 

そう思っていると

 

「しかしながら拙僧が触ったところそのダメージでしたが、ドラコーが触れたところ頭がほんの少し痛くなっただけで問題はないと言われましたな、拙僧の見立て的にはレベルが拙僧より低い者には大きなダメージを与える代物のようですが、レベル100となれば体調不良など状態異常が引き起こるものかと思われますぞ」

 

蘆屋道満の真面目さに二人は話を真剣に聞き、アルベドは『寝込んでいらっしゃるとお聞きになったのだけど本当にそれだけなの?』と聞かれ

 

「今のところは、ですな、何しろまだ寝込んでおられるのでその他にどのような異常が出ているか判断できぬので」

 

蘆屋道満の淡々と話す言葉にモモンガは「そうか、ナザリックの治癒魔法が使えるものは派遣させたいが…」と悩むと

 

「やめておいた方が良いと思われますぞ、プレアデスの者、一般メイドも近づけない方がよろしいかと、出来るならデミウルゴス殿の部下の中でもレベルが低い者は特に」

 

そういうと「わかったとも」と返す

 

「そういう道満、お前は大丈夫なのか?」

 

そう聞かれ蘆屋道満はモモンガを見る

 

「拙僧はいくら呪われても問題ありますまい、それに反動が来れば来るほど呪った人間をいかにして死なさず生きたまま苦しませ続けるか考えられるでしょう」

 

殺意漲った目にモモンガは引きそうになる

 

「…わかった、お前もくれぐれも気をつけてくれ、色んな意味でお前が死んだらゲーティアさんも悲しむからな」

 

「言っておきますがティアマトの相手は嫌ですぞ」

 

「………先に言うんだな」

 

そう言いつつ蘆屋道満が立ち上がる

 

「拙僧はとりあえず、呪いが少しでも和らげるものはないか探して参ります」

 

「何かあれば遠慮なく言うように」

 

「では」

 

そう言って転移の魔法でいなくなる

 

 




【ルイの能力】
・夢共有
ゲーティアの作ったNPCあるいはゲーティアのかつての思い出を部分的に見れる能力。一度内側に入れた関係か、ルイがレベルを上げてツアーと協力すればゲーティアを操ることも不可能ではない……?

・投影
上記の記憶から見た物から参考に作れる。要は包丁や扇風機も夢で見てイメージ出来るなら作れる。
原作衛宮士郎以上にやばいかもしれない


【現状ツアー】
ナザリックから絶対殺すマンと敵視されている。
ツアーとの戦いになったらドラコーとティアマトが全力を出すかもしれない。巻き込まれた国からして見ればたまったものではないが

【現状の状況】
悪魔騒動→リザードマン編となっています
個人的には『墳墓の潜入者たち』が好きなのでそれは書きたい。


【提案というかもう一人NPCについて】
実はもう一人登場させようと思っているNPCがいましたが、ティアマトやドラコーと蘆屋道満などキャラが渋滞していることもあり、登場を見送っていますし、原作のタブラさんでさえ三人なので三人だけにしようと思いましたが、王国編になればこのキャラは登場させたいなと思っていました。でもこれ以上出すとナザリック面々が薄れるので悩んでいます。
少なくとも円卓の騎士や光属性のキャラではないです。私が他に書いているオバロ転移パロには登場?しない悪属性のキャラを出そうかなと思っていました。
個人的な話、ティアマトじゃなくてキアラさんかカーマ出そうと思ったけど制御がもっと出来なくなると思ったので出しませんでした……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。