俺は友達を作りたい   作:アッシュクフォルダー

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第十六話 軽トラでドライブ

平田直志の父親、平田元は、一年前に運転免許証を取得したが、

家計が苦しい為、車を買ったことは無いというか、

優柔不断な父親は、車を買う気は無いらしい。

しかも、そもそも、金は無い。

 

今回は、父の友達から、中古の軽トラを7万で譲り受けて、

購入して、それに乗って、

人生で初めてとなる、ドライブに出かける事になった。

 

「直志。父さん、初めて車を運転するんだ…」

 

「えっ?そうなの?免許、去年取ったのに?」

 

その、軽トラには初心者マークが貼られていた。

 

「これまで父さん、車を運転したことは一度も無いんだ…

46年間生きていて、抵抗感があったんだ。

優柔不断のせいで」

 

「まぁ…車の運転って、案外、大変って聞くしな…」

 

「それで、直志。どこに行きたい?」

 

「父さんの事だから、近場の商店街にしようよ」

 

「そうだな」

 

こうして、軽トラを運転して、僅か5分で商店街の、

コインパーキングに辿り着いたが…

 

「…バックが出来ない!でも、父さん頑張るよ!

直志。降りて、軽トラがぶつからない様に、誘導して欲しい!」

 

「わかった!父さん!」

 

こうして、どうにか止めた。

 

1時間100円のコインパーキングに止めた。

 

八百屋で買い物をした。

 

「直志。今日は何がいいんだ?」

 

「野菜が安いな…」

 

どの野菜も、100円から400円までで売られていた。

大きさや種類にもよるが…

 

「直志、あの軽トラ、中古車販売店に売るつもりだから」

 

「わかった」

 

「今度は、電車かバスかタクシーで行きたいな…

もう、車の運転はしたくない」

 

「その方が良いと思うよ。

俺も車は運転するつもりも無ければ、免許も取りたくないし」

 

直志も父親に似て、優柔不断だ。

 

八百屋で、野菜を思わず大量に買って、

軽トラに積んで、平田家に帰った。

 

「よし、父さんが茹で野菜を作ってやる!」

 

「おーっ!今日はごちそうだ!」

 

「今日は収入が良いんだ。

普段は月給、8万だが、今月から9万になったんだ!」

 

なお、軽トラは貯金で購入した。

 

「直志。たくさん、野菜を食べて欲しい」

 

「ありがとう!父さん!」

 

「直志。友達は出来たか?」

 

「うん!いっぱい出来たよ!」

 

「女の子の友達はいるか?」

 

「うん!恋人じゃないけど、よつばちゃんって子と、

仲良くしているんだ!」

 

「それは良かった。父さんも嬉しいよ。

父さんも直志に負けないように、

早いところ、安定とした職を探すよ」

 

と、父はバイトの募集広告を、いつも通りに読んでいた。

 

直志の父、元は夜間定時制高校、4年制の公立高校を、

4年の1学期に起こした、暴力事件で中退を余儀なくされたようだ。

 

その後、直志が産まれる前から、

バイトとパートに明け暮れる日々を送っていた。

 

妻とは30歳の時に結婚するが、

その妻は直志を産んだ直後に亡くなってしまうのだった。

 

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