平田直志が暇そうに、公園で歩いていると、
東雲彰人と出会った。
「彰人くん!」
「直志、奇遇だな」
「何しているの?」
「ジョギングだ」
「そっか」
「オメーは?」
「暇だから、散歩しに行っている」
「直志って本当に暇な奴なんだな…」
「まぁ…否定はできないけどね…」
「自販機はあったか?」
「あっちにあるよ?」
と、俺は彰人にオール100円で売られている、
自販機に案内した。
「安くて助かるぜ」
「自販機を探し出すのが、趣味でね。
一番安いので、40円だった!」
「マジかよ…事実上の飲み放題じゃねーか…
んなに、いらねーけどな」
「あぁ、だな」
彰人は浮かない顔をして、こう呟いた。
「小さな犬でも、走ったら迫力あるな…」
「俺、犬は少し苦手で…」
「俺もだ。さっさと、ドリンクを買うか」
「あぁ」
と、俺と彰人は、100円の水を一つずつ買った。
しかし…
「直志。ディスクを拾って欲しい」
「えっ?」
「落ちているから」
「俺だって、怖いし…」
結局、俺が犬用のディスクを拾っては、
遠くに飼い主の方に投げた!
「マジか。ジャンプして取り上がった」
「ホントだ」
どうにかなったようだ。
飼い主から、お礼を言われた。
犬が鳴いた。
しかし、俺と直志は、少し怯えつつも、飼い主に応対した。
飼い主は、練習として、ディスクで遊んでいるらしい。
どうやら、大会が行われるらしいが…?
「げ、元気な犬ですね…」
「あぁ、そうだな」
その飼い主は、俺等と同い年くらいの男の人だった。
犬は俺と直志の方を見ていた。
「えっ?な、なでなで?」
「してもらいたいみたいだ…」
飼い主は犬が苦手であることを察したようだ。
その為、また会う事になった。
「はぁ…騒がしいな…」
「俺もだ」
「直志。俺のタイムを計って欲しい。
もし、良かったらだけどな」
「わかった計ろう。100m走?50m走?」
「どっちもだ」
「わかった」
俺は彰人の為に、ジョギングのタイムを計るのだった。
スマートフォンのタイマーで
「何秒だった?」
「100mは11秒。50mは8秒だったよ」
「わかった。ありがとな。直志」
「どういたしまして」
直志は思い出した。
いつも、犬と出会うたびに何故か、吠えられて、
襲われることが非常に多く、それが原因で犬に対する、
苦手意識が高まってしまった。
猫の方がマシだが、猫もどちらかというと、苦手らしい。
平田家にて
「直志。友達と遊んだのか?」
「あぁ!俺!初めての友達と遊んだ!
東雲彰人くんって言ってね!俺、スゲー嬉しい!」
「お父さんも嬉しいよ」
親子で嬉しさを共有した。