この俺、平田直志はクラスメイトの高田康介に誘われ、
東雲彰人と青柳冬弥が歌を歌うため、
そのイベントを観に行くことになった。
多くの声援が聴こえてきた。
(BAD DOGSだ! 今日は楽しんでってくれ!)
「彰人がいる」
「そりゃ、そうだ」
「隣にいる、冬弥はB組の奴だったな…」
「神山高校は生徒が多いから、
誰が誰なのかは、ちっとも把握できねー」
「そりゃ、まだ、一年だからな。俺等」
「あぁ」
彰人と冬弥が歌い終えて、彰人と冬弥の次に歌うのは…
俺と康介、彰人と同じクラスにいる、星川真凛の姿だった。
「星川まで歌っていたのか」
「そー言えば、同じクラスだったな。
クラス表を一瞬見た時、星川真凛って書いてあったし、
俺の次だったな、出席番号が」
星川真凛が歌の活動をしているのは、彰人から知らされてはいたが、
神山高校に入学して同じクラスになるとはな…
三人が歌い終えて、俺と康介の前に現れた。
「よぉ、康介。それに直志まで来ていたのか」
「康介に誘われてな」
「みんな、彰人のクラスメイトだったな。
俺は青柳冬弥だ。B組に所属している。よろしく頼む」
「俺は平田直志」
「高田康介だ」
「僕は星川真凛だよ」
と、みんなで自己紹介をした。
「にしても、真凛が神山高校に進学するって聞いた時、
ビックリしたぜ」
「僕も彰人君と競い合って高めていきたいからね」
「真凛は、そー言えば、役者になると聞いているが、
歌はどうするんだ?」
「止めないよ」
「それなら、よかったぜ。流石は俺と冬弥のライバルだ」
と、彰人と真凛は、握手を交わした。
平田家にて。
なお、平屋で一つの部屋と風呂とトイレと、
台所しかない。屋上があり、二層式洗濯機と物干し竿がある。
「直志。遅かったじゃないか」
「ごめん!父さん!友達が遊びに誘ってくれて」
「それは、よかった。
お父さんも嬉しいよ。男で一つで直志を育てたからな」
「父さん、俺、初めて友達が出来そうだよ」
「それは良かった。お父さんも嬉しいよ。
息子の幸せは、お父さんの幸せでもあるんだ」
「ありがとう。父さん。俺も嬉しい気持ちだよ」
「お父さんも頑張るよ。アルバイトを何度もしているけど、
上手く行かなくてな…」
「大丈夫だよ。父さん。俺、神山高校に通えて幸せだから」
直志の父は、46歳。平田元という名前である。
職を転々としており、
安定とした職に就けず、収入も通常のサラリーマン以下である。
結婚をして、息子の直志が産まれるが、
妻は出産直後に他界してしまい、今に至るのだ。