いよいよ、神山高校の芸術祭当日。
1年C組は、リアル桃太郎という、コントをすることになった。
(それでは、次は1年C組より、コント演劇、リアル桃太郎です!)
と、俺達のステージが始まった!
(遡る事、数十年前。
おじいさんとおばあさんは、
桃太郎という捨て子を拾い、我が子同然のように、
育てていました。
しかし、おじいさんとおばあさんは、
親戚中に金をだまし取られて、
借金を背負い、ヤクザにチンピラに絡まれていました)
(あのさぁ、じいさん、ばあさん。
こっちもボランティアじゃないから、
払ってくれないとさ~困るんですよ?)
と、今日も、おじいさんとおばあさんの住む、
アパートに借金取りが、毎日のように来ていました。
(ごめんなさい!こっちは、家賃も払えない状態で…)
(だから!もう、お金は!)
(もう、頭に来た!出すとこ、出してやる!)
と、借金取りのヤクザは、遂にブチ切れました!
すると、桃太郎が、おじいさんとおばあさんのためにと思い、
その借金取りを、ボコボコにしました!
(おらっ!僕の育て親の、おじいさんとおばあさんに、
二度と、金をせびらない!たからない!ゆすらない!
事を誓え!)
(ちくしょう!こうなったら!親父!)
(俺らの事務所で好き勝手やってくれたみたいだな?
俺らヤクザは、金を搾り取るだけ、搾り取って、
干からびてから、捨てるような、ただの奴隷に過ぎねぇぞ!)
(この外道が!成敗してやる!)
と、桃太郎とヤクザの組長の一騎打ち!
非情な死闘の末、桃太郎が勝利を抑えた!
(おじいさん。おばあさん。
僕はやりました!悪名高い、道仁誠組を倒したぞ!)
と、桃太郎はヤクザから奪われた金を、見事に取り返し、
その後、桃太郎とおじいさんとおばあさんは、
一生、幸せに暮らしたとさ。
(今、思ったけど、何だこれ?)
これが、平田直志の感想だった。
その後も、模擬店の輪投げコーナーも、
それなりに盛況していた。
俺は、彰人と一緒に、模擬店を周っていた。
「彰人が俺を誘うなんて、珍しいな」
「よつばは、他の連中と行くから、
どうにか、よつばじゃない相手で良かったけどな」
「そっか」
射的にダーツ、すごろくと…
文化祭は食べ物関連の屋台が全てだったが、
芸術祭は遊び関連の屋台が全てだった。
「文化祭とは違った、盛り上がりだな」
「あぁ。新鮮な体験だよ。
俺、中学の時、修学旅行以外の行事、全部休んでいたからな…」
「マジかよ…」
「あぁ。人と関わるのが怖くても、全日制に行けたのは、
嬉しい限りだけどな」
こうして、神山高校の芸術祭は、大盛況に終わった。