12月30日。年末年始の時期になっていた。
今日も俺は、よつばや彰人と遊んでいた。
「おい!真凛がいないぞ!」
「そーいや、冬休みは撮影がって、
遊べれねぇって言っていたし」
「真凛は役者だったな…ハードなスケジュールを、
こなしているって言うしな…」
「そんなに、過酷なのか!?」
「よつばには、わかんねぇと思うけどな」
「よつばをバカにしているのか?」
「さぁな」
「まぁまぁ…」
と、俺がこの場をなだめようとしていたその時だった。
「おーい!よつばちゃーん!」
「えむ!陽菜!」
「よつばには、友達が多いな…」
「おう!」
「会えたな」
「お、おう…」
「直志と陽菜は、お熱いですな~ひゅーひゅー」
「茶化すなよ…よつば…」
「あついってどういうことだ?」
「知らなくても良いから」
「そうなのか?」
「うん」
と、陽菜は(お熱い関係)の意味を、よく知らない様だ。
「ねぇねぇ、みんな、何していたの?」
「よつばはな、彰人と直志と遊んでいたぞ!」
「コイツ等、みんな、よつばの友達なのか?」
「おう!みんな、よつばの友達だぞ!」
「陽菜ちゃんはね、直志くんとお付き合いしているの!」
「あぁ。恋というのは、本当に盲目になってしまうのか?」
「何て言うか…そうとは限らないし…」
「そうなのか?」
「おう…って、彰人がいねぇ!
どこ行きやがった!」
と、彰人がいつの間にかいなくなり、
恐らく、自らこの場から離れただろうと、思った。
「ねぇねぇ、陽菜ちゃんと直志くんって、付き合っているから、
あたしもよつばちゃんも、応援しないと!」
「おっ!直志と陽菜は、それぞれ何が好きなんだ?」
「好きな事か…何て言うか…やりたいことが無いから…
無趣味ってところか…」
「陽菜ちゃんは?」
「私か…これと言って色々あり過ぎて、何とも思えないな」
「陽菜ちゃんはね、すっごく数学が出来てね、
難しい数式や理系問題をスラスラ~って解いちゃうんだ!」
「天才だぞ?よつば達の頭脳的存在!」
「そこまで自慢する事では無い。
私が欲しいのは、ヒトの感情と性格、気持ちだ」
「えらい、複雑だな…」
平田直志は家に帰り、父と一緒に大晦日の一時を過ごしていた。
「男で一つで、ロクに働けれずに済まなかったな…」
「ううん。大丈夫だよ。気にしなくて。
俺は神山高校でいっぱい友達が出来たから、
それで俺は幸せだから」
「そうか。直志が幸せなら、お父さんが悩むことが無いな」
「父さん…」
「父さんも、頑張って働いて見せるさ。
仕事も長続きが無く転々とさせて、本当に済まなかった…」
直志の父は、体力や身体こそ丈夫だが、
片頭痛や体調不良に悩まされている。
それも、食生活や普段の生活に問題があった様だ。
なお、一週間前に運転免許証を返納した模様。
「久々に、直志。おじいちゃんとおばあちゃんに、
会いに行くか?」
「幸之助おじいちゃんと、ミエおばあちゃんか…
家も近いし、会いに行こうよ!父さん!」
「そうだな」
と、直志は祖父母に会いに行くことを心待ちにしながら、
父と共に年を越すのだった。