直志と彰人が、一緒に公園で話し合いをしていた。
「この前は、散々だっただろ?」
「まぁ、変な場所に吸い込まれるし、MEIKOさんが4人もいるなんて…
ドッペルゲンガーでも観ているのか?
錯覚か?それとも、俺が若年性認知症になったのか?」
「おいおい、考えすぎだろ…」
すると、声がした。
「あっ、直志!彰人!」
「お前は…」
「えっと…浦崎大輝さん?」
「フルネームかよ…」
「にしても、久しぶりだな。大輝。
サッカー部での見舞い以来か?」
「俺のことを覚えてくれているなんて…」
「そりゃ、俺等、中学時代、三年間同じクラスだったからな!」
「嬉しいよ。俺なんかを覚えてくれて」
「あの時は、助っ人として来てくれて、ありがとう。
それと、直志。友達出来たか?」
「彰人や真凛やよつばがいる!」
「高校に上がって、ちゃんと友達が出来たんだね」
「俺の一生の宝物だ!」
「言い過ぎだろ…そりゃ…にしても、その後、どうしたんだ?」
「実はサッカーを辞めて…」
「えっ?」
「リハビリもしたましたけど、普通に走るのも困難になって…」
「そうか…」
「あっ、でも、今は大丈夫です。日常生活も何とか送れていますから。
それに、やりたいこともあるから」
「やりたいことか…」
「えっと…これです!」
と、大輝が取り出したのは、漫画だった。
しかも、鉛筆で手書きの。
「去年から、書き始めて、修行中って感じですけどね…」
「一年で、こんなのが描けるのか…?」
「俺には真似が出来ない」
「最初は見よう見まねが目立ってきましたけど、
今は、かなり真剣にやっています。
毎日、持ち込み用の原稿を描いていて…」
「そういや、大輝の兄貴も漫画を描いていたな。
最近、調子はどうだ?」
「えっと、実は今、一緒に描いていて…」
「マジかよ…」
「一緒に?」
「兄弟揃って…!?」
「俺がサッカーできなくなった後、兄貴が誘ってくれたんです。
それで、今は兄貴が原作で、俺が作画をやっています」
「担当も付くようになって、デビューも上手くいけばと、
言ったところです」
「スゲェな…そりゃ、よかった」
「はい。ただ…」
「何かあったのか!?」
「あっ、いえ、何でも無いです…
それより、兄貴も用事で、都内にいるんで、
彰人も直志も会いに行くか?
兄貴も二人に会いたがっていて…喜ぶと思います」
「あぁ、大丈夫だが…」
「じゃあ、連絡してみます!」
「あれっ?彰人に直志?」
「俊輝さん。久しぶりだな」
「兄貴!もう用事!もう終わったのか?」
「大輝…」
「あっ、偶然、二人に出会ったんだ!
兄貴にも会ってもらいたかったんだ…」
「…」
「あー悪い。あまり、長居が出来ない。
この後、別の用件で…」
「あ、そっか…」
「二人共、済まなかった。待ってくれたみたいだが…」
「気にすんな…」
「俺も会えて嬉しい」
「ありがとう。じゃあ、また」
「またな」
「すみません…なんか…」
「俺は会えただけで幸運だ…!」
「じゃあ、漫画が完成したら、見せるね!じゃあ、また!」
彰人は何か感じていた。直志も何か思った。
不穏な気配がすると…!