エルデンクエスト   作:凍り灯

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四章 抱泪
あの紅鏡を追う


 

 

 

 

 

「待て、何だお前は」

「それは…"灯"か?」

「二度と、近づくな。近づいたのならば、円卓の非戦など最早関係ない」

「ここで殺す。そして穢し尽くすぞ。その色が、一片たりとも消えて無くなるまで」

「反吐が出る」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「メリディアン様…少し、よろしいでしょうか」

「ローデリカ…どうした?」

 

二つ目の大ルーンの簒奪(さんだつ)。星砕きのラダーンを打倒してから、妙に長く感じるも、意外とそこまで時は流れていないのだなと感じながら円卓で装備を見直していたメリディアン。

 

ブライヴの呪いからの解放。

ラニが望んだ災いの影の排除。

 

ぎゅっと凝縮された出来事、そしてその解決により肩の荷が少し降りたことで多少の疲れも出てくるものだ。

そんな、ヒューグと話終えたメリディアンに、ローデリカが話しかける。

 

「あ、いえ…その」

 

だが、多少では済まないような妙に疲れ切った、加えて明らかに気落ちしている雰囲気を出すメリディアンに、ローデリカは少し戸惑った。

その様子に、あぁ…と自分の出してしまった気配に気がついた彼は(かぶり)を振った。困ったような笑顔は、男性とは思えない麗しい顔がさらに美しさを引き立てているようで、ついつい目を引かれてしまう。

 

「気にしないでくれ、身から出た錆さ」

「十中八九────」

 

カン、と。槌が振り下ろされる音。

ヒューグがその小気味良いリズムの合間を縫ってメリディアンに小言を飛ばす。

 

「────そいつ自身のせいでないことを気にしておるわ」

「メリディアン様ですものね…」

「私のここでの扱いも、定まって来たな…」

 

カン。と、間を挟んで。

 

「その…少し前に、円卓を挟んだあちら側の奥に、誰かがやってきたようなのです…そして、この離れた場所からでも聞こえてるのです。呪いを恐れ、嘆き、泣き叫ぶ霊たちの声が。そして、おぞましい狂った呪詛が」

 

叫ぶ霊体は(おびただ)しく多く、その声が途絶えることも無い。

ローデリカはその呪詛に、怯えるよりも先に、憐れみが沸いた。それは調霊師としての、成長でもあるのだろう。

 

「想像も出来ないのです。一体どれだけの人に、どれほどの事が行われたのか…あの、"継ぎ"の所業でさえも、こんなことにはならないでしょう」

 

ただ苦しませるためだけに行われたような所業。

ゴドリックすらも(かす)むような悪意に満ちた者によるそれは、丁寧に丁寧に、どの霊にも平等に与えられた苦痛だった。

そんな所業を行ったであろう者が、数多の霊の叫びの中でただ動かず、そこにいる。

 

ローデリカとてわかる。

メリディアンとはきっと、相容れない存在であろうと。

 

「出過ぎたことを言うようなのですが、近づくべきではないと────」

 

そこで、視線を上げ、メリディアンの顔を見ればこれまた微妙な困り顔を晒しているではないか。

 

「………さっき追い返されてな」

「そうでしたか…」

 

カン。

気まずい空気を、槌が叩いて助長する。

まるで責付(せつ)かれたかのような気がして、彼は吐露(とろ)した。

 

「────黄金の瑕疵(かし)だ」

 

カン。

 

「黄金樹は、黄金律とは、永遠を(うた)った律であったが、結局は永遠ではなかった。完全も永遠も、口当たりの良い甘言(かんげん)でしかなかった。人々はその不完全さの()()を炙り出し、虐げ、殺し、自らは完全だと言い張った。"見よ、これがどうして我らと同じに見えるのだ"と」

「…」

 

どこか、遠くを見るようなメリディアンの呟きを、ローデリカも、そしてヒューグも黙って聞き続ける。

メリナたちの前では見せない、彼の中で抱き続けていた、かつての疑問。ケイリッドの地で死に、そして思い出した、王都で過ごしてきた時の記憶。

 

最初は坩堝の騎士たち。

かのゴッドフレイと共に神々の戦いを戦い抜けた英傑すらも、穢れと見放された。最後に彼らと交わした言葉を、()()()()()()()()()()()()

次に忌み子たち。

産まれすらなかったことにされ、誰一人(あざけ)りすら口に出来なかった絶望の生誕。メリディアンは、その存在すら長い間知ることがなかった。

 

これらを見て、疑問を抱かないなど、どうして出来ようか。盲目に生きることは確かに楽なのだろう。真っ直ぐに、真っ直ぐに、汚れた純真の中で突き進むことはきっと強さでもあるのだろう。

けれども、メリディアンは、いや名も無き男は疑問を抱いた。

 

母もまた…そしてマリカ様もまた、彼に気付いて欲しかったのかもしれない。

我らの黄金のなんと醜いものかと。

 

ゆえにこのサーコートは託された。そういうことなのかもしれない。その時の記憶はいまだ、霧深く(かす)んだまま。

 

その黄金が生んでしまった存在の一人が、メリディアンを嫌った"糞喰い"でもある。その場で殺しに来なかっただけ、彼は理性的だったろう。

 

カン。

 

「────すまない」

 

槌の音が、止む。

 

「私は何も、あの黄金の都で、できなかった。ただ、見て知った振りをして、結局は何も考えずに生きていただけだった。何を言われても、私はそれに返す言葉など、ない。彼の言葉は、あまりに────」

 

カンッ!

 

「…!」

「…」

 

…カン。と、音は続ける。

 

「本当にあんたは、母親そっくりだ。そのどうしようもなさも含めてな」

「…」

「わかっているのだろう、この地で、まともな奴などおらん。あの"糞喰い"などまさにその最たる例だろう。儂も、この円卓の導き手たるギデオンも…そして二本指もな」

「………そうだな…その通りだ、ヒューグ殿」

 

目を(つむ)り、薄く笑うメリディアン。

彼とて知った上で、使命に生きている。自分の過去がどうあれ、なんであれ、彼はもうやるべきことを決めている。()()()()()()()()()()()()()

それでもつい溢れた弱音を、ヒューグは気にも留めないのだ。どころか、こちらに気を遣ってくれる始末。

 

自分がとんだ(ろく)でなしだということなど、とうにわかり切ったことなんだ。

 

そうやってただ一つの使命のために、メリディアンは全てを捧げている。それを邪魔するというのならば、言葉すら交わしてくれないというのならば、彼は退(しりぞ)けるだろう。

 

母と同じ道を、辿るつもりはない。どんな理由であろうとも、仲間の、親しい者たちの犠牲など許容などしない。だが…────

 

「ローデリカも、すまない。情けないところを見せてしまった」

「…いえ、お気になさらないで下さい。私に出来ることは、あまりないですから」

 

メリディアンは揺らいだ心を素早くいつも通りに戻していく。ちょうどマイペースに、崩れた身体のまま寝転がる腐った野犬の霊体を撫でまわすことで。

おお、やはりアニマルセラピーは偉大なり。ふわふわというよりぐずぐずとしか肌触りだとしても…?

 

…そう言えば、メリディアンは遺灰を使い霊体を呼び出すことは出来るとはいえ、それをすることは滅多にない。

ただローデリカこそが持ち主に相応しいと思っているのか、拾ってきた"子"を彼女に預けるのだ。

そのせいでほら、今では霊で溢れてしまっているではないか。

 

糞喰いに(まと)わりつく霊たちに怯えているものの、それでもローデリカを守らんと、何体かは薄っすらと彼女の周りに集まっている。

その数体…特攻野郎たちがうおー!と両腕をあげているが、いや、それは、大丈夫なのか…?

 

そんなやや騒がしい霊たちの中で、ローデリカは思う。

…もしやメリディアンは、ブライヴやアレキサンダーなど、肩を並べる仲間がいなかったなら、これらの霊と共に戦ったのだろうか?と。

 

霊に対する慈愛、敬意…きっとヒューグや彼の言う"母"のおかげなのだろうか、戦いを共にする存在であるという以上の感情が見え隠れしていた。

…いや、だからこそ、共に戦わずに、ローデリカに託してゆくのかもしれない。

 

ローデリカは気が付く。

この霊たちも、私も、同じなのかもしれないと。

 

「…最近、やっと私にも調霊のお仕事が分かってきました。霊なる不死性が、"律"の元でどのようにあり、そして彼らが何を願い、惹かれるのか」

 

希望などないと思っていた黄金の地で、律の元で。どこにも還れなんだ。この世界に留まってしまった霊魂たち。環樹という黄金樹のシステムが、しかし完全ではなかった証。本当に還れていたのならば、英傑の"遺灰"などあるはずもない。

見つけてもらえなければただ虚しく、世界を眺めるしかない魂。私と同じように、見つけられ、(すく)い上げられた命たちよ。

 

だから願いの元に()ぶしかないのだ。その喚ぶ声に、彼は応えた。

応えた者にこそ、霊は惹かれやすいのだ。単純だけれど、結局、そんなものだ。

 

「ヒューグ様は仰いました、もう私は見習いではないと────改めて、調霊師のローデリカ、どうか、よろしくお願いします」

 

カン、と。

満足げな快音が、その様を見届け鳴り響き続けた。

言葉以上にわかりやすいのは、メリディアンだけでもないようだ。それを茶化すようなことを、誰もしないのだけれど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死の匂い。

それも、1人だけじゃない。

褪せ人は死ねば祝福に戻る。つまり、普通の死に方ではない"死"だ。

椅子に深く腰掛けた、魔術師。死に生きるものを救いたいと願った、彼。

 

(むしば)む苦痛に皺を寄せながらも、どこか安らかな顔。口元は、小さな笑みを(たずさ)えていた。手元には、握りしめて折れてしまった、手紙を指に挟んだまま。

 

手紙は、震える文字で(つづ)られていた。

 

(かたわら)には、紅い宝石が埋め込まれた繊細な意匠をもつ彼の刺剣が、剣本体の意匠に比べると控えめな色合いの鞘に収まったまま壁に立てかけられている。

 

"ご自由に"

 

一言だけ、添え書きを残して。

 

手に取り、刃を抜く。

手入れの癖から、彼もまたヒューグに頼んでいたことは容易に想像できた。まるで新品のように、その刃は白い光と彼の紅い左目を反射する。刃の輝きに乗った、まるで太陽にも見える、自分の眼。思わず、眩しさに目を細める。

この剣はもう自分には無用の長物なのだと、彼はそう言っていたのを思い出す。

 

であれば、このように最早使わない得物をわざわざ磨いたのは彼の几帳面さゆえか、それとも…

 

「…ロジェール殿…?」

 

彼の呼ぶ声に、応えが返ってくることはない。

 

 

 

────その時が来た。

静かに息絶えた魔術師(ロジェール)。殺された原理主義者(D)。円卓を去った黒布の乙女(フィア)。そして乙女と彼との間で交わされた誰も知らぬ別れの言葉。

 

死に生きる者たちを救わんとする彼女が、再び彼と再会する時は、まだ先の話だ。

 

 

 

 

 

"ひとつ、伝え忘れていました"

"Dには弟がいたようです"

"永遠の都、ノクローンの傍ら"

"水道橋で、ずっと眠っているのだと"

"そして彼は、その先で"

 

"かの死王子に見えたのだと"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また長く待たせてしまった、すまない。

 

…ありがとう。

 

少し、休んでいこうか。

ブライヴも、イジー殿ともう少し話したいだろう。私たちが戻れば、もう容易に二人が会うことは出来なくなるかもしれないからな。

 

この剣か?

しばらく、ここに置いておこうと思ったんだ。そうだな、"友人"の、形見さ。

 

…メリナ、確かに今の言い方は私が悪かったが、君はもっと遠慮なく聞いていいんだぞ?私も私で、このはぐらかすような喋り方を直さないとな…

 

────ん?私の話、か?

そうだな、確かに、ラダーン様との戦いで命を落とした時に、思い出したことはある。

 

………。

 

メリナ、古い話をしよう。

最初の王、ゴッドフレイ。

 

彼と共に戦った、戦士の、騎士たちの話だ。

 

 

 

 

 

 

 

────────────

 

 

 

 

 

────────

 

 

 

 

 

────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「放てぇぇぃッ!!!!」

 

容易に人体を貫く大矢が敵軍へ殺到する。

それを魔術によって強化された掻楯(矢盾)が受け止めた。実に見事なもので、あれほどの質量をもった大矢はほとんどの被害を出さずに受け止められている。

 

設置型の盾は悠々と、そこに描かれた"交差した杖と剣の紋章"を怪しく、青く光らせているばかりである。その佇まい、まるで護りを得意とする黄金の騎士たちに対する、(あざけり)のようですらあった。

 

「────第二射、放て」

「第二射ッ!!!!放てぇぇい!!!!」

 

"鳥の遠見"と呼ばれる魔術道具によって俯瞰視点から戦場を見下ろす騎士鎧の男が、間髪入れずに部隊長に指示を出した。

空気を震わせる声が再び、大弓の弦を震わす指揮となり戦場を駆け巡る。

 

続いての第三射の大矢すらも矢盾は受けきって見せたが、ついに耐え切れずに砕かれるものが増え始めた。

そうなれば向こうもそのまま黙っているわけもなく、新しい盾と交換し、またこれが繰り返される。

 

「第四射────待てっ、白兵戦用意ッ!!!!!!」

 

とは、ならなかった。

 

その盾を入れ替える僅かな隙を狙い、"大獅子"が走る。

これは比喩だ。

…部隊への伝達も済んでないこの状況で、あまりに思い切りよく飛び出す存在など一人しかいない。

 

遠見を見ながら指示を出していた騎士。周りと比べればシンプルな意匠、しかし機動力を優先して軽量化を施された鎧を纏った騎士が立ち上がり、走る"大獅子"を見て、今度は先ほど声を張り上げていた騎士以上の大声で空気を変える。

 

 

()()()()。暗に、それを告げたのだ。

 

 

いつもの先駆けだ。()()がいなくなってからと言うものの、我先にと前へ出ていってしまう。こちらの言い分も聞きやしない。だというのに早くこの背に続けと、彼が背負った"セローシュ"が手招きする始末。

 

「私も王に続く!任せたぞ!!」

「はッ!!ご武運をッッ!!!」

 

 

 

 

────第一次リエーニエ戦役

 

 

 

 

女王マリカによる宣戦布告。

それはメリディアンの子である"彼"もまた例外なく戦場へと駆り立てた。

 

 

"黄金樹は、すべてを律する。選ぶがよい"

"我らの律の一部となるか?それとも律の外にあり…"

"何の力も持たぬ、辺境の傍流(ぼうりゅう)となるか"

 

 

儚げに見送る母と別れ、いつも通り口数少なく送り出してくれるマリケスに手を振り、王都の"友"に背を叩かれ、ここにいる。

…全く、待ち望んだ父親になるのだから、私のことなど放っておけばよいというのに…

 

────ローデイル軍。王都の黄金の騎士たちはアルター高原を降り、リエーニエへ。

そこを統べる王家、カーリア王家へと戦いを挑んだ。

リエーニエ、リムグレイブ、ケイリッド…狭間の地の南半分を占める広大な世界への戦い。しかし黄金の勢力は衰えを知らず、神たる伴侶である"ゴッドフレイ"の快進撃は辺境にまで鳴り響く。

 

 

…まだ、多くを覚えているとは言い難い。

 

顔も、声も、覚えていないというのに、交わした言葉はまるで文章に(つづ)ったかのように理解している。

擦り切れた本を(めく)る、まだ本当に自分のものなのか実感の湧かない記憶たち。

それでもはっきりと声を思い出せるのは、あの御仁。

 

ゴッドフレイ。

 

戦場を幾度も共にした。

あの大斧。背負った獅子。トロルたちよりもずっと大きく重く見える巨木のような。

それでも…私にとっては…

 

 

「ゴッドフレイ。お見事でした」

「不満が顔に出ているぞ。"大槍"はどうだ」

「練度は申し分ありません。しかし、かの部隊は被害が大きいです」

「魔術師を甘く見るからよ。これで浮ついた足も地に着くだろう」

「全てが彼らのせいとは言えません。貴方の戦いについていける者は、決して多くはないのです」

「だがお前はついてこれる」

「…」

「まだ引きずっているのか」

「それは貴方の方ではないかと、私から言えることはそれだけです」

「手厳しいが、互いの主張は真実か。確かに、兵は"オルドビス"のようにはいかんだろう」

「…そして、だからと言って貴方が手を緩めるのも違うと、わかっています」

「     よ」

「はい、ゴッドフレイ」

「やつらは戻らん、もう二度と。戦場でお前がその程度の情に流されるとは思っておらん」

「はい」

「だがお前の揺らぎを、理解している者もいるだろう。一握りとて無駄な思考を、軍に割かせるな」

「はい…」

 

ゴッドフレイはこんな私を見て、それでも笑うこともなく、ただ告げる。

その、揺らぎのない声で。

 

「────しかしそんなお前だからこそ、命を預ける者も多い」

 

「だから、お前はお前のままでいればよい」

 

「…!」

「話は終わりか?」

「いえ、食事の準備が出来たことを伝えに来たのです」

「それを早く言わんか」

 

────その背を、いつだって見ていた。追っていた。

…父のようにすら思っていた。

 

圧倒的な力。象徴。

憧れたのが私だけじゃないのは当然のことだ。この時まだ産まれていないラダーン様もまた、そうだったのだから。

 

 

そしてこの戦いで、かの英雄が生まれたという。

 

 

"ラダゴン"

 

 

何故か、私は彼の名前を、姿を、まだ欠片も思い出せないんだ。

 

…長話が過ぎたかな。

そうだな、この話は、アレキサンダーも大好物だろう。皆で、また一緒に話そうか。

 

 

 

 

 









四章の始まりです。
サブタイトルの紅鏡は"こうきょう"と読みます。
太陽の異称であり、紅く輝く円い鏡という意味があります。

さて残り11話のストックがあり、今回含めた12話を一つの「章」としようとしたのですが、ちょっと区切りの分かり易さを優先して二つの章に分けようと思います。その関係で五章はかなり短めになってしまいますが、ご了承ください。

その五章終了以降、またしばらく消えるかもしれないことが予想されます…そこは本当に申し訳ありません。
こちらとしても出来れば短めに、且つ素早く終わらせたかったのですが、この広大な世界を表現するには足りないわけで…
ただ、更新再開した時には完結まで終わらせるつもりではあります。(できれば本当にそうしたい…!)

こんな自己満足の拙い作品ですが、これからも応援していただけると嬉しいです。



■メリディアン
ヒューグとローデリカは叔父と姪みたいなノリで接している所がある。
そういう無意識下の関係だからか、つい口が滑ってしまう話もあるものだ。

呼ばれれば応える。だが、それは必ずしも、自分が誰かを呼んだ時に応えてくれることには繋がらない。だって彼の名前を、誰も知らないのだから。


■メリナ
そういった弱音を、あまり聞かせたくないのだろうと察している。
だからせめて、少しでもその落ち込んだ気分を紛らわすためにも、話をするしかない。
隣にいる存在が眩しい程に、己の存在に疑問を覚える。それは誰が悪いわけでもなく、だからこそ彼女は黄金樹の麓により強く求めるのだ。己の記憶を、役割を。


■ローデリカ
調霊師としての素質は確かであり、その才を開花させている。
しかし自分を救った恩師たちの役に立てることがあまりなくて困っているようだ。
ただメリディアン的には、ヒューグやローデリカが円卓にいることは心の安らぎにもなっているので、思ってる以上に支えになっているのかも。


■ヒューグ
カンカンカン。
リズムは言葉よりも雄弁だ。


■糞喰い
かつて見出した導きにも似た、しかし絶対的に相容れることはない()の光を見た。
似ているからこそ、その嫌悪は、憎悪は、人一倍彼を駆り立てる。


□ゴッドフレイ
坩堝は穢れとなった。
だが■■■■■はここにいる。只人の形をしていたからという理由だけで。
酷く思い悩んでいるようだが些事よ。
いずれ諸相は再び、ここに集うのだから。



- 忌み鎧 -

角を切られた忌み子を模した、異形の胴鎧
太陽のメダルは、かつて彼が見た導きであり
その先でいつか見える、輪の似姿であるという


- しろがね壺 -

とくと見よ。お前たちの血の穢れたるを
こんなものが、まともな生命に流れるものか


- 坩堝鱗のタリスマン -

それは、生命の原初たる坩堝の名残である
部分的な先祖返りであり、古くは神聖視されたが
文明の後には穢れとして扱われた


- 緋色種子のタリスマン -

かつて黄金樹は、永遠にして完全であった
故にその種子は、存在しないとされていた


- "剣の碑"より抜粋 -

第一次リエーニエ戦役
赤髪のラダゴン、英雄となる


- ロジェールの刺剣 -

繊細な装飾の施された上質の刺剣
使いこなすためには、高い技量が必要だが
連撃に優れ、それは流れるように華麗である


- 魔術剣士の尖り帽 -

異端の魔術師を示す尖り帽
ロジェールは、生涯飄々(ひょうひょう)と振る舞った
怒りも、悲しみも、後悔も、恐怖も
ずっと共にあっただろうに

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