【コミカライズ】探索者イリアスは人見知り   作:差六

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第二十一話「蛇の狩り方」

 とりあえずカチンコチンに凍らせてみたものの、もしかしたらこの程度じゃ死なないかもしれない。近づいて確かめようとすると、大慌てのアリスが僕の手を掴んで止めて来た。

 

「イリアスくん、危ないです!」

「平気平気。凍ってるし」

「でも、もし動き出したら」

「その時は殴るから大丈夫」

 

 二度三度拳を振るう素振りをすると、アリスは渋い顔で引き下がる。その代わり繋がれた手に、ぎゅっと力が籠るの感じた。

 

 緊張に体を硬くするアリスとともに、ゴルゴンの氷像に歩み寄る。ひんやりとしていて気持ちがいい。試しに触ってみても、動く様子も気配もない。舌をチロチロと伸ばした間抜け面で固まっている。ちゃんと死んでいるようだ。

 

 生物兵器を名乗ってこれか。拍子抜けしつつ、もしかしたら僕の記憶違いの可能性もあるから、空いている手で指差してアリスに聞いてみる。

 

「でっかいヘビ。これってゴルゴンだよね?」

「……はい。恐らくは幼体です」

「ゴルゴンって言えば石化と、あとなんだっけ?」

「多産多殺。ゴルゴンの最も凶悪な特徴だと言われています」

 

 それから眉間と手に力を込めながら、アリスがヘビの解説をしてくれた。

 

 ゴルゴンは大きなヘビの下半身から人の女性体が生えている、バジリスクと同じ生物兵器の一種。自身の紫色の髪から卵を作り、多くの幼体を生み出すらしい。その幼体は周囲を食らい、やがて親と同じく産卵出来るまで成長し、自身も多くの子を作る。その繰り返しでどんどん数を増やし、出現した地域を物量で蹂躙するそうだ。なんだかヘビっていうよりネズミっぽい。

 

 知識を語っている内にアリスも落ち着いたのか、顔色は戻り強張っていた体も緩んで来た。その様子に僕も一安心だ。ほっと胸を撫で下ろし、そのまま提案する。

 

「とりあえず帰ろっか。お店やってないかもだし」

 

 頷くアリスと手を繋いだまま、買い物を中止して僕達は一度家に帰ることにした。

 

 

 

「なんだお前ら、いつもの寄り道はどうした。今日はえらく早いな」

「ただいまー、なんか街中にヘビ出たから帰って来たー」

「は?」

「実は」

 

 僕の適当な報告を補うよう、アリスがオウルに説明する。全て聞き終えたオウルは深く眉間に皺を寄せた。

 

「いきなり街中にゴルゴンが出現した、か。そりゃまた、随分と物騒な話だ」

「はい。まさか、野生の魔物が街で暴れるなんて」

「いや、ゴルゴンに限れば野生はありえねぇな。確実に手引きした奴がいる」

「なんで?」

「あれは生物として元から破綻してる。野生で生きられるような設計はされてないはずだ」

「……人為的なものであるのなら、一体誰が」

「想像もつかねぇな。精々頭がおかしいんだろうってことくらいか」

「おかしいんだ」

「この街をぶっ壊そうってのは、ある意味じゃ人類社会に喧嘩売るようなもんだ。相当イカれてるか、それともよほどの事情があるかの二択になる」

「へー」

「………………ではやはり、狙いは」

 

 オウルの話に耳を傾けつつ、意識は街で暴れ回っているゴルゴンの方に向く。特に街の中心、迷宮協会の『門』辺りで大暴れしている一番大きなものに。一緒に結構な人が頑張っているのも感じるけれど、どうにもその戦果は薄そう。というより、こっちはちょっとずつ小さく、少なくなっている。

 

「どうした、また何かあったか?」

「なんか苦戦してるみたいだから、ちょっと手伝ってくるね」

「お前がわざわざ行くほどか?」

「卵の方は大丈夫そうだけど、大元は全然って感じ。このままだと誰か死にそう」

「だらしねぇな」

 

 肩を竦めるだけのオウルと違い、アリスはいつかと同じ光を宿して僕を見つめた。そしてそれを声にも混ぜ、もう一度僕の手を掴む。

 

「イリアスくん」

「大丈夫。約束、信じて?」

「…………はい。でも一つ、一つだけ聞かせてください」

 

 アリスは両手で僕の手を握り直し、真剣な目で僕を見つめて続ける。

 

「イリアスくんは、どうして行くんですか?」

「……うーん、ゴミ拾いとかと同じ、かな」

 

 予想外の返答だったのか、アリスはぱちくりと瞬きを繰り返す。

 

「ほら、ゴミ落ちてるのに気づいて、でもそれ無視するってなんとなくもぞもぞしない?」

「それは、なんとなく分かりますけれど。それとこれとは」

「同じだよ。ちょっとの手間で出来るのにやらないの、なんとなく気持ち悪いってこと」

「……」

 

 納得出来ないのか理解出来ないのか、苦い顔をしたアリスが、じぃっと僕の瞳の中を覗き込む。これ以上上手い説明のしようが無いから、僕もそれに合わせる。二人してにらめっこを続けていると、オウルが大きくわざとらしく咳払いをしてから僕の頭に手を乗せた。

 

「あー、遊んでていいのか?」

「そうだ、そろそろ行かなきゃ。誰か頭から食べられちゃうかも」

「おう、さっさと行ってこい」

「……どうか、御無事で」

 

 二人に見送られながら、僕はちょっとした悩みとともに家から駆けだす。『竜骸』は血も涙もない化物って設定を今日まで貫いている。今回はどういう名目で助けに入ればいいんだろう。

 

 

 

 

 

 迷宮協会『門』に、男の怒号が響く。

 

「おい、後何人残ってる!!」

「十三、いや、十二人だ! 石になったのを今動かしてる!」

「チッ、これ以上減ったら持たねぇぞ! 『魔導士』、気合入れて防壁張れ!!」

「分かってますよ! 一旦下がってください!!」

 

 怒鳴り合う彼らは街の警備隊と、迷宮協会に雇われている元探索者、俗に傭兵と呼ばれている者達だ。そして彼らが立ち向かう魔物、美しい女の上半身とヘビの下半身を持つ化物の名前はゴルゴン、その成体である。

 

 街中に出現するはずの無いこの怪物が出現したのは、およそ三十分前のこと。突然の襲来に『門』を利用していた探索者は反応も出来ず石となり、立ち向かった警備隊や傭兵の多くも既にその毒牙によって倒れている。今も戦う彼らは一握りの強者、もしくは悪運の持ち主だった。

 

「『フォース、フィールド』!」

 

 『魔導士』の作りあげた力場がゴルゴンの呪詛を弾く。これまでに幾度となく見たその光景に、ゴルゴンは苛立たし気な歯ぎしりをし、『魔導士』を激情のまま睨みつける。恐怖に惑い震えるその背中を思い切り叩きながら、『戦士』の男は跳ねのけるような大声で鎧の青年に指示を出した。

 

「おら壁、給料分は働けッ!」

「あれじゃあ足りねぇですよ!」

「生き残ったら考えてやる!!」

 

 ニヤリと笑みを返し、指示を出された青年は力場から盾を片手に飛び出す、十数歩ほど離れてから、彼はなるべく音を立てて盾を叩きながら、ゴルゴンに向け『挑発』をした。

 

「おらクソヘビ、『こっちを見ろッ』!!」

 

 修練により練り上げられた『挑発』は、理性を持つ生物であっても引き寄せる。ゴルゴンもその例外ではなく、狙い通りぐるりと体を捻り、視線を男へ移し替えた。向けられた呪詛により、じりじりと防壁の効力が削られていくのを感じながらも、その笑みは崩れない。自身の身の丈に匹敵する大きさの拳をぶつけられてもなお、彼は一歩も引かなかった。

 

 その勇姿に固唾を飲みこんでから、『魔導士』は生き残りに大声を掛けた。

 

「今の隙に上半身、出来れば頭を狙ってください、特に髪を!!」

「出来ればだ! 自信ねぇのは当てることだけ意識しろ!!」

 

 『魔導士』の焦りが伝播しないよう、傭兵の『戦士』が塗り重ねるよう助言を繋ぐ。そしてその助言通り、彼らは各々の持てるスキルをゴルゴンへ向けて放った。男の言葉が功を成し、ほぼ全てが無事ゴルゴンの体へ直撃する。

 

 さて、イリアスの評価は辛口だったが、実際のところ迷宮協会の傭兵は元探索者の中でも相当な上澄みである。協会職員程ではないがその門は狭く、相応の実績と実力、人格が求められている。今この場に残る者達も、長年一級ギルドで多くの仕事を勤めあげた者ばかりだ。

 

 では何故、その彼らがいてここまで苦戦しているのかと言えば、答えは単純だ。

 

「歯が立たないってのは、こういうことか……!」

 

 端的に言えば、迷宮外における彼らの職務は人を想定しているからだ。街中で暴れる人間を止めるのに大層な武器は必要なく、自然と取り回しのよいものが好まれる。そしてその程度ではゴルゴンに傷をつけることは非常に困難であり、この場にいる近接クラスの多くは有効な手段を持っていない。

 

  そのためゴルゴンに有効打を与えられるのは、『魔導士』ただ一人という状況。加えて皮肉にも、彼らの善性も苦戦する要因の一つだった。

 

「……魔力溜まりました、撃てます!」

「ッ!? いや、まだ撃つな! あれは」

「あぁまた産卵だ! 動けるかお前ら!」

 

 『魔導士』がスキルを発動させようとした瞬間、ゴルゴンの髪が蠢きだす。それは彼らがこの短時間で繰り返し見た兆候、ゴルゴンによる出産の前兆。そしてこれが生半可な攻撃では止められないことを、彼らは一度目の産卵でよく学んでいた。

 

 だからこそ『魔導士』のスキルを待機させ、ゴルゴンが髪から卵を作り出すのを、息を整え、力を蓄えて待つ。止められないのであれば、作られた直後に叩き壊す。それが彼らの選択だった。

 

「俺はもういける、やれる奴は合わせろ!」

「い、いけないのは!?」

「死ぬ気でやれ!!」

「ひっでぇ!」

 

 無理矢理捻り出した笑みに顔を引きつらせつつ、力を振り絞り、全員が卵へ向けてスキルを解き放つ。

 

「『ジャベリン』!」

「『空破』!!」

 

 魔槍がいくつもの卵を砕き、取りこぼしは飛ぶ斬撃が切り裂く。他の卵も同様、誰かしらが懸命に放ったスキルにより全て壊されていく。産卵には何よりも、母体への攻撃や自身の防御より最優先に対応する。これが彼らの苦戦する、そして未だ街への被害がほとんど出ていない最大の理由だった。

 

「なっ」

 

 だが今回彼らが必死に砕いたその卵には、何も入っていなかった。

 

「そんな、囮!?」

 

 悲鳴に似た声にゴルゴンは口を大きく歪める。それから見せつけるように今一度髪を轟かせ、これまでで最も多くの、数十個もの卵を産みだしていく。全力で卵を破壊したばかりの傭兵と警備隊に、再びそれらへ対処する力はまだ戻っていない。

 

「く、ば、『バレットっ』!」

 

 『魔導士』がなんとか絞り出した魔弾も、殻に弾かれ虚しく消える。己の無力さに力無く手を下ろすその姿を眺めたゴルゴンは口元の歪みをますます深め、とうとう醜い笑い声まで上げる。

 

『ハハハハハハハハハハハハ!』

 

 その嘲笑に呼応するよう、産み落とされた卵達が次々と浮かび始める。ゴルゴンの出現直後に彼らが見た、止められなかった光景、デルファ全域への拡散。最悪の事態を想像し、誰もが奥歯を噛み締める。苦し紛れにスキルを放つ者もいた。どれ一つとして効力は無かった。

 

 ゴルゴンは力の限り抗う彼らを嘲笑い、見せつけるように卵をふわりふわりとと浮かべていく。スキルや武器、彼らの抵抗が届かなくなる高さまでゆっくり上昇させてから、自身を見上げる絶望の表情を見回し堪能する。それから満足げに笑みを浮かべ、街に向けて数十個の卵を盛大に射出した。

 

「『ジャベリンレイン』」

 

 そして上空で、全ての卵が降り注ぐ魔槍に射貫かれた。

 

『……ハ?』

 

 勢い、殻、命。持ちうる全てを潰された卵は槍に貫かれたまま、『門』周辺の壁へ無残にも縫い付けられる。砕かれた殻の隙間から、血と粘液が入り混じりながら滴り落ちる。傭兵に警備隊、ゴルゴンすら声を失った場に、その音はよく響いた。同時に、場違いなほど涼やかな声がする。

 

「緊急依頼の内容を確認いたします」

 

 声の主、迷宮協会の職員エリーは、化物を伴って『門』出入口に悠然と立っていた。彼女は傍らの『竜骸』へ届けるよう、右手に持った書類に目を通し、その一部を読み上げる。

 

「討伐対象は迷宮協会に出現したゴルゴン。報酬は言い値で払うと、上長より言質と誓約書及び契約書、血判を取りました。討伐終了後に全てお渡しいたします」

「状態はどうする」

「出来る限り損傷は少なく。体液が『門』に異常を起こす可能性があります」

「善処はする」

 

 『竜骸』が返事をするやいなや、ゴルゴンの体表が尻尾から凍り付き始める。ゴルゴンが困惑に体を捩り動くも、氷の浸食は止まらない。そのまま上半身、首、顔を呑み込み、その強大な巨体をただの氷像へと変化させていく。

 

 冷気と沈黙に冷えた空気の中、急展開に取り残されていた傭兵と警備隊は、ようやく目の前の惨状に声を漏らした。

 

「……やった、のか?」

「これが、あの、『竜骸』」

 

 あっけに取られていた彼らが安堵と驚嘆から武器を下ろそうとした瞬間、ぴきりと何かにひびの入る音がした。それは少しずつ大きくなり、やがて地響きをも引き起こす。

 

『ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“ア“ッ!!』

 

 そして、世界を呪う叫び声とともに氷が砕ける。虚空へ雄叫びを上げるゴルゴンに傷は見えず、怒りのまま振われる尾の動きに陰りは無い。つまり、『竜骸』による氷結はまったく効いていなかった。

 

 憎悪に満ちた眼差しで周囲を見回すゴルゴンは、恐怖と動揺を隠せていない警備隊の様子に醜悪な笑みを浮かべる。だがそれも、離れた場所に平然と佇む『竜骸』を見つけるまでだった。彼を視界に入れたゴルゴンは瞳を見開き、憎しみにギラギラと輝かせる。

 

 あれだ、あいつだ、自分を凍らせたのは、許せない、潰す、消す、殺す。ゴルゴンの思考など実際には誰にも分からない。しかし現実に、ゴルゴンは近くにいた警備隊を無視し、最も遠く離れていた『竜骸』の元へ殺意を持って突撃する。

 

 そんな世にも恐ろしい形相で迫りくるゴルゴンを前にしても、『竜骸』に焦った様子はまるで無かった。それを横目で見たエリーも同様、静かな面持ちのままだ。そのまま平時とまったく変わらない口調で、『竜骸』は一見意味不明な質問をエリーに向ける。

 

「縦と横、どちらがいい」

「……? では、横で」

「分かった」

 

 自分をまるで気に留めない会話に、言葉を持たない筈のゴルゴンは更に怒りを燃やす。より深く醜く恐ろしく、この世の元とは思えないほど顔と声が歪んて行く。直視されていない、呪詛を向けられていないのにも関わらず、膝が震え動けなくなる者もいるほどだった。

 

 その顔に向け、『竜骸』は無造作に風の弾丸を放つ。不可視の魔弾はゴルゴンの突撃をたやすく止め、勢いよく顔をかちあげた。石化をもたらすゴルゴンの瞳が太陽を映し出す。しかし太陽は当然石になどならず、今日も生命を、魂を持たない生物兵器すらも明るく照らす。それがゴルゴンの見た最後の光景だった。

 

 着弾を確認した『竜骸』は、無防備に晒されたゴルゴンの首元目掛け踏み込み、音もなく跳躍した。そして手刀に炎を纏わせ、すれ違いざま横一線に振り切る。刹那にも満たない一瞬の一撃。この場にいる誰一人として、それを知覚することは叶わなかった。

 

「…………?」

「え、首、飛び、えっ?」

 

 故に認識出来るのは『竜骸』の着地ともたらした結果、ゴルゴンの死のみ。常識と理解を超えた現状を前に、死線を乗り越えたにもかかわらず、警備隊は喜びも安堵も感じられていない。ゴルゴンの体が崩れ落ちても、落ちて来た首を『竜骸』が片手で受け止めても、全員が全員、その光景を呆然と眺めるだけだった。

 

「終わりだ」

 

 手に持つゴルゴンの瞼を閉ざして首を下ろし、小さな、それでいて何故か腹の底に響く声を『竜骸』が漏らす。それでもなお、一人を除いて身動ぎ一つしない。ただその一人の例外、エリーだけはそれを聞いてすぐに、そして悠々と『竜骸』の元へ歩み寄る。そのまま横に並び、ゴルゴンの死体を見上げた。

 

「これは」

「焼き切った。体液は出ていない」

「……なるほど。お気遣いありがとうございます」

「ああ」

「ゴルゴンの討伐を確認いたしました。お疲れ様です、報酬をお受け取りください」

 

 『竜骸』は中身を確認することなく、差し出された封筒を懐に入れる。それを思わず、ついまじまじと見つめてしまったエリーに、『竜骸』から視線が返って来る。彼女は誤魔化すよう咳払いをしてから再度『竜骸』に声をかけた。

 

「『竜骸』様、石化された方の治療は」

「三時間は持つ」

「……本当に、ありがとうございます。それでは治療班の手配を急ぎます」

 

 深々と頭を下げた後、エリーは急ぎ足で協会施設へと駆け戻って行った。




次回「夢の終わり」です。

フォースフィールド
 『魔導士』を始めとする術系クラスの持つ、力場を形成するスキル。スキル等敵対者の超常現象による影響を軽減する。一度力場に入れば、抜け出た後も一定時間効力は持続する。

空破
 近接クラスの持つスキル。いわゆる飛ぶ斬撃。極めることで実際の斬撃と同等の威力を出せるようになる。

ジャベリン
 貫通力に長けた魔力の槍を放つ術系上級スキル。威力、燃費、扱いやすさの三拍子揃ったスキルであり、長年多くの術者に愛用されている。

バレット
 魔力の弾丸を放つ術系基本スキル。クラスを持たない成人男性が全力でトンカチを振るうのと大体同じ威力。

ジャベリンレイン
 上記スキルをアレンジした魔力制御練習用魔法。力加減を間違えると槍が膨張したり爆発したりするため、制御の技量が目に見えて分かる。今日は調子が良かったらしい。

ゴルゴン
 バジリスク同様、かつてとある魔女が作りあげた生物兵器。美しい女性の上半身と強大なヘビの下半身を持つ。石化の目や巨体による膂力も脅威ではあるが、最も恐ろしいのはその繁殖能力。髪を数本束ねることで卵を作る特殊な単為生殖により、一度の産卵で数十個もの卵を生み出す。更に産卵の頻度も凄まじく、過去には数分に一度行う個体も確認されている。
 また大きな特徴として、幼体と異なり消化器官を持たないことも挙げられる。成体のゴルゴンはひたすら周囲に被害をもたらし、卵を産み続け、やがてエネルギーを失い干からびて死ぬ。そのため討伐に失敗した地域にはゴルゴンのミイラしか残らない。
 ちなみに一説によると、顔は製作者の魔女が大嫌いだった女性を元にしているそうだ。
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