3年が経ち、烏として大人になった。番?見つかりませんでしたよ。下手に智慧をつけると脳内ヤることしか考えてない同族にちょっと引いてしまった。獣の性欲、恐るべし。
…いいもん、人化してから異種族恋愛とかそっちで良いもん………。というかただケツ穴をくっつけて液体流して終わりという前世と比べると味気なさ過ぎるヤり方なのだ。
まあ今年から大天狗…笹百合に弟子として出される予定であったため実質嫁入りみたいなものでだろうと親兄弟は考えてたようで、「孫の顔が見たいなー」という結婚ハラスメントは起きなかった。
この3年で私の人化した外見は幼女から童女にアップグレートした。具体的には10~11歳くらい。ミホヨ的にはグレーシュやクラーラくらいの見た目だ。原神のロリってちょっと子供過ぎる気がするのよね。霧が立ち込めており相変わらず自分がどんな顔をしているのか、水の反射でも分からない。
弟子入りするということで、布切れみたいなものから少しめかした服を着た状態で送り出された。邑のみんながわざわざ人間向けの服を烏の状態で着させるのは少しファンタジーっぽさを感じた。
ところで、最近大型の鳥型魔獣を見たと邑の伝令烏が伝えていた。私は一度も出会ったことがない。…この頃だったか、ルーと鶴見の滅亡。正直あの顛末は村人達の自業自得なのでスルーで…カマ少年っぽい子に果物を貰ったってのは内緒だ。彼の年齢から考えてもルーはまだ生まれていない。なので雷鳥さんプロデュースの大量虐殺は10年以上後ということになる。それまでは命が大量に散ることは無さそうなので心置きなく修行に専念出来るわけだ。…といっても私如きが村人の雷鳥に対する誤解を解けるとは思えんが。
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とうとう迫った旅立ちの日。暫く会えなくなる…個体によっては今生の別れとなるだろうから盛大な宴が開かれた。うちの種は寿命が鳥類にしては長く、20~30年程だ。少なくとも寿命差で親兄弟と離れ離れになることはまだ無い。しかし、親元を離れることが実感すると胸がキュっと締められる感覚に襲われた。
前がどうだったかは殆ど憶えていない。だけど二度と顔を合わせ、声も聞けなくなると思うと淋しくなる。これからそういったことを多く体験するのだろうか。特に、人間と関わることになるのであれば。
鴉の行列が、カンナ山の頂へと足を運ぶ。
みんなが空中から、山頂に生えている木から私を見つめる。
高台から飛び降り、速度をつける。
落下の途中で鴉の姿に戻って翼を広げ、背後に鳴り響くかんらからからという合奏のような声。それを受け、私は鳴神島へと向かったのであった。戦争中であることから何かしらの襲撃があるかもと危惧したが、海風と日差しが当たるだけの旅路であった。
鳴神島の小高い山、3000年後には鳴神大社が建立される場所に、桜の樹の下で5人の男女が集って酒盛りをしている。男女、と括ったが男性は一人のみ。白髪の狐耳、角の生えた黒髪、紫色のふくらはぎまで届く三つ編みを提げた双子は全て女性だ。
「しっかしあの笹百合が弟子を取るたぁ面白うこともあるんやねぇ」
「言ってろ。生まれて間もない赤子があのような自我を得ている様を見てみろ、お前らも同じ行動を取るぞ。」
「良いじゃない。私は賛成よ?今度の集会で顔を見せて頂戴。」
「どうかしました、影?」
妖3体が談笑し、それを楽しそうに聞いている雷電眞。少々不器用な自身の妹が遠くを見つめていることに気がついた。
「……何か、来ます。」
うわぁああああああああああああああああああああああああああああ!速い速い速い速い速い速い速い速い速いぃいいいいい!
カンナ山から体で受けた落下の揚力を妖力に変換し、ロケットブースターの要領でぶっ飛んでいる。疾駆けの術、璃月だと觔斗雲と呼ばれるだろう術を習得した私は、鳴神島に文字通りマッハのスピードで飛んでいる。海辺や海上で踊り場を組んでいるヒルチャールもいたが彼らが私に気がつくことは無かった。
初めての鳴神への遠出には休憩も合わせて5,6時間かかっていたが、飛び始めて10分、既にヤシオリ島上空に居る。しかし問題が一つある。自力で止まれない。正直音速で飛ぶことなんて初めてだし「ここで降りよう」と思った瞬間に、既に目的地を通り過ぎている。
一度小島で止まろうと思ったら思いっきり通り過ぎて海にダイレクトタックルしかけた時は死ぬかと思った。スカイダイビングをした人間が海に落ちた場合コンクリの上に落ちた衝撃力と変わらない。それよりも更に速い速度で水面に突っ込んだら…?鳥肌が立った。
……ええい!このまま鳴神島まで一直線じゃい!どうせ上位存在(大天狗、雷電姉妹、狐お姉さん(白)、鬼かわ美少女etc.)居るし誰か止めてくれるでしょ。
そろそろ鳴神島が見えてくる海域だけど、あれ?急に雲行きが…
ピィイイイイイ!え撃ってきた!?なんで?!私ただマッハで飛んでいるか弱い雛鳥…ぁあああああ!やらかしたぁ!?
笹百合師匠には私の存在を伝えているが他の強大勢力…それこそ鳴神島を統括している雷電姉妹には一切知らない筈。いや、万が一耳に入っていたとしても3歳の子供がマッハで飛ぶことは当然知らないだろう。
第二の人生、ここで幕引きになるものかと思ったときだった。
「全く、鴉騒がせな童よのぉ。こっちじゃ。」
突如雷鳴がピタリと止まった。次に雲が段々と晴れてゆく中、自分の速度が緩やかに減速していき、彼が翼をはためかせて迎えに来てくれた。
「だ、大天狗様ぁ~……」
セーフ!なんとかなった!笹百合が飛んできた方向を見ると、何かをブツブツと唱えている狐耳のお姉さんに、爆笑して徳利に直接口を付けて何かを飲んでいる角の生えたお姉さん。そして…私が巣の中から見た雷電顔の姉妹が、片方は笑顔で、もう片方は目を丸くしてでこちらを見ていた。
狐斎宮公認美少女の御輿千代ちゃんですが、鬼って古典を含めたどの創作物でも酒好きなので悪酔いするタイプにしました。どうして故人に至って可愛くするんですミホヨさん?今のところ姫子先生みたいにプレイアブルキャラをお亡くなりにさせてないのでいいんですけども。ところで帰終さんはいつ実装されます?鍾離先生とのいちゃいちゃ見たいよね???(回想PVにやられた被害者の妄言)