一尾 出会い
~暗い森~
お久しぶりです! 名無しの狐になった種族妖獣の狐です。
あの地獄のような(言葉遣いから食事洗濯その他諸々)修行が終わり。ようやく解放されたと思ったら今度は独り立ちと言われ住処を追い出された私は、旅をすることにしました。
「しっかし何もないな」
母様に行く当てもないので何処か良い場所を聞いたところ人間が大きな住処を作って集まっている場所があると言っていいたのでそこに向かっていたのですが私が見かけた人間たちは穴倉に住んでいたり、藁を編んで作ったと思われる家屋が集まっている集落くらいでした。
そんな所から少々の食料を頂きながら東へ西へと行ったり来たりしているのでした。
「うん? 何だこの音は……あぶね!?」
突如、風切り音共に矢のようなものが目の前を通過する。
誰かに狙われてる? もしかしてこないだの生き残り?!左側から飛んできたので左側にいるんですか? あ! 女の子が襲われてる! 助けないと。
◇
まったく今日はついてないわね。 薬草は切れるし、探しに来た森で妖怪に襲われるし。
はぁ……困ったわね。今の手持ちで仕留めきれるかしら?
「さて、どうしようかしら。あら? こんな所に人……ではないわね」
◇
「しゃがんで!!」
狐の声が暗い森に響く。その声に反応するように襲われていた少女は伏せた。
よし! しゃがみましたね! そして、女の子を襲う悪い奴はこれでもくらえ!
「やぁ!」
気の抜けた声と共に霊力弾が気の抜けたようにふわふわと少女を襲っていた妖怪に着弾した。
「ぐらあああああ!」
うるさい断末魔ですね。さてさて、女の子は無事ですかね。
◇
本人は隠してるつもりみたいだけどかなり生きている妖怪ね。見た目によらずとんでもない威力の霊力弾そして驚いた事に、妖力を霊力に変えていることね。普通、妖怪が霊力を扱うことなんてできるわけがない。
ましてや妖力に変換なんてもってのほかだ。そうね、せっかくだし実験の材料になってもらおうかしら? まぁ、名前を聞くのが先ね。
「助けてくれてありがとう。貴女の名前を教えてもらえるかしら?」
これから数十年一緒に居続けるパートナーに笑顔で言った。
◇
ふぅ~何とか間に合った。しかしこの少女はこんなところで何をしていたんだろうか。――とりあえず名前を聞いておきますか。
「あ」
「助けてくれてありがとう。貴女名前は?」
私の第一声がかき消されちゃった。しかも、あちらさんから聞いてきますか。
「え~と私は名無しの狐と言います。貴女は? 青赤の変な服の子?」
そうなんですよ。この少女、青と赤の変な服を着てるんですよ! 今まで見てきた人間たちは一色の服に身を包んでいたんですけども。こんな奇怪な服ははじめてみましたよ
「そんな名前のわけないでしょ。私の名は永琳。
これが私と永林の長い付き合いの初めの出会いでした。
つづく