東方狐著聞集   作:稜の幻想日記

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二尾 新天地

森を無事に抜け私と永琳は森の木々よりも大きな建築物の間を歩いていた。

 

 

 

「ねえ、永琳。この建築物は何なんですか?」

 

 所でこの少女はなんで私が何か聞くたびに得意げな顔になるんですかね。 

 

 

 

「この建物群は高層ビルと言ってこのビルに数百人の住人達が住んでいるのよ」

 

 

 

 

「へぇ……高層ビルですか。ここの集落、外に比べるとかなり進展してませんか? 」

 

 

 

 少し注意したほうがいいですね。この技術の発展は明らかに普通じゃないですし。

私の勘ですが、母様の言っていた人の集まっている集落はここのことだと思いますし。

 

「ふふ、ここは集落じゃなくて都市よ。まぁ、外に比べると数百年は進んでいるでしょうね。それでも同じような不便を強いられることもあるけどね。さぁ、ここが私の家よ。あなたの部屋はどこにしましょうか」

 

 

 目の前に現れたのは高層ビルよりも大きく横に広い建物だった。 

 

でかい、そして永琳は今なんて言いました?

 

 

 

「あの、もう一度いいですか?」

 

 

 

「あなたの部屋を何処にするかって言ったのよ」

 

 

 

 ん? んん? どういう意味ですか? この言い方だと私がここに住むみたいな感じじゃないっですか!

 

 

 

「部屋は結構ですよ。旅の途中なので」

 

 

 

「いいじゃない一緒に住みましょうよ。ね?」

 

 

 

 笑顔で言ってるけど断ったらどうなっても知らないと言っているように感じますね……正直怖い。

 

 

 

「え、えーと少しの間なら」」

 

 

 

「少しの間ってどのくらいなのかしら? 一年? 五年? それとも十年?」

 

 

 

「えーと、いちね……三年で」 

 

 

 

「仕方ないわね、三年の間よろしくね。――サンネンモアレバ」

 

 

 

 また笑ってる。それと最後のほうが聞き取れなかったけど怖さが勝ってる。

 

 

 

「あの、なぜ笑っているんですか?」

 

 

 

 あ、驚いてる。もしかして無意識だったんですかね?

 

 

 

「な、何でもないわよ!……さ、部屋にくわよ。ついてきて」

 

 

 

 ~少女移動中~

 

 

 

 広い、ここは居間ですかね? でも布団があるし

 

 

 

「ここは、私の寝室よ。はい、お茶」

 

 

 

 寝室でした。あ、お茶おいしい。

 

 

 

「そうでしたか。お茶うまいですね」

 

 

 

「それはどうも。ところで貴女、妖怪でしょ?」

 

 

 

「……?! なぜ、妖怪だとわかったんですか」

 

 

 

 オカシイ――完璧に霊力を纏っていたはずなのに、なぜばれた?

 

 

 

「簡単なことよ。あなたの霊力は妖力と同じ波動だったからよ。普通、霊力は陽の向きに流れている、それなのに貴女の霊力は陰の方向に流れていたわ」

 

 

 

 何を言ってるかわかんないけど。まさか、陰陽の向きでばれるとは。

 

 

 

「もしかしたら、陰のほうに流れている人間もいるかもしれませんよ」

 

 

 

「ありえないわ。それにあの森は霊力を喰らう森、霊力のある人間があの森に入ったら……数分も立たないうちに死ぬわ」

 

 

 

「だけど、あなたはあそこにいた」

 

 

 

「簡単な話よ。霊力を消す薬で一時的に消していただけ。私の能力なら可能なのよ」

 

 

 

「そう……ですか。私の負けですね。どうぞ退治してください」

 

 

 

 まさか、こんな少女に負けるなんて悔しいですね。

 

 

 

「あなたは何を言っているの? 退治なんてしないわよ。それに陰と陽の向きを感知できる人間なんていないわ」

 

 

 

「なら、なんでわかったんですか!」

 

 

 

「あなたの飲んだお茶にちょっと盛ったのよ。それとカマかけね」

 

 

 

 薬、いつの間に盛られたんだ……。それとカマかけか、久しぶりの会話で少し浮かれていたのでしょうか。

 

 

「そうでしたか。無念です」

 

 

 

「じゃあ、次は貴女の名前を付けてあげるわ」

 

 

 

「名前ですか!?」

 

 

 

「えぇ、名前がないなんて不便でしかないでしょ? だからあなたの名前は」

 

 

 

 

 

「私の名前は……?」

 

 

 

ワクワクします! 早く聞きたい!

 

 

 

 

 

 

 

「ラグナ」

 

 

 

永林はやってやりましたと言った風な顔をで自分で注いだお茶を飲み干した。

 

 

 

「ラグナですか?」

 

 

 

私は心の中で名前を何度も呟いた。

 

 

 

 

 

「ラグナ、ラグナ。いい名前です! 永林、ありがとうござます!」

 

 

 

「いえ、いいのよ。でも喜んでもらえてよかったわ」

 

 

 

「ところで何故ラグナなのでしょうか?」

 

 

 

「そ、それは……自分で考えなさい!」

 

 

 

あ、彼女なんにも考えてませんでしたね!?

 

 

 

「さぁ! 街を案内するから外に出るわよ!」

 

 

 

「わかりました。これからよろしくお願いします!」

 

 

 

名前の事は永林の驚いた顔を見れたのでよしとしましょう。

 

 

 

 

 

つづく

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