イフリートに肉体を乗っ取られ、アナザーウィザードへと変貌を遂げてしまった
そんな彼女を助け出すために立ち上がった俺とリムル。そして冒険者のエレン達。
ジオウウィザードアーマーとなった俺がアナザーウィザードの相手をしていた。
「行くぞリムル!」
「あぁ!」
そう言って俺達は向かった。
リムルは嵐牙に乗って移動していき、俺はジカンギレードを取りだして疾走する。
そんな俺達にアナザーウィザードが片手を上に向けた。
すると、周囲に炎の礫が現れた。そして上げた手を下ろすと礫が襲い掛かってきた。
俺達は左右に分かれて攻撃を回避していく。
銃形態のジカンギレードでイフリートにエネルギー弾を放った。
リムルも嵐牙に回避に専念させて水刃を放った。
しかし、俺達の攻撃が通用しなかった。
<演算者>。戦闘は俺がやるから、シズさんを助ける方法を全力で演算してくれ。
【了】
変身した際に転換された三つの能力の権能を一瞬で
『オーマ!精霊種には爪や水刃みたいな物理攻撃が通じないみたいだ!』
『わかった。なら魔法を使うだけだ』
そうリムルからの<思念伝達>に応じながらも、魔力を魔動力で発動させて魔法陣から魔法を行使した。
"
大量の蒼色の真水が空中に巨大ボールのように現れた。
現れた真水から回転力が加わった水の鞭が襲い来るイフリートの炎の礫を一瞬で消していく。
『オーマ!水を使うな!!水蒸気爆発でこの一帯が吹き飛んじまう!?』
アナザーウィザードの身体から溢れるように出ている炎に水を掛けようと思ったが、リムルの忠告で礫だけに当てて消火させた。
水蒸気爆発が起きる程の熱量か。確かに凄まじいが、対策がないわけじゃない。
「次はこれだ!」
右手を翳すと掌から赤色の魔法陣が出てきた。するとオレンジ色に輝く地球儀ほどの大きさを持つ火の玉が現れた
"
その火の玉がアナザーウィザードを襲う。
「お、おい。オーマ!?なんで火を……」
リムルの質問に答える前にリムル達と街に届かないように周囲に結界魔法を掛けた。
すると、火の玉がアナザーウィザードに衝突すると強力な爆風がこの場所に広がった。
結界さえも吹き飛ばしそうな程の爆風に結界がビリビリと反動を受けていた。
そして爆風が止むと炎が消えたアナザーウィザードがいた。
そのアナザーウィザードに新たな水魔法を行使した。
"
レイピアほどの細い剣の刀身のような形を持つ水の砲弾がアナザーウィザードに衝突すると、胴体に突き刺さった。
「嘘だろ!?」
「なにが起きたんだ?」
リムルと曙彌達は水魔法が通じた事に驚愕していた。
しかし、地球知識をすぐさま引き出す事の出来るイズ達、
「爆風消火を応用したのです」
「爆風……」
「消火?」
知らない単語を耳にした異世界で生まれた者達。
「爆風消火とは強烈な爆風で火を吹き飛ばし、周囲を破壊する事で破壊消火することです」
そうイズが解説した。
そして滅と迅とアズが告げる。
「アナザーウィザードはイフリートの炎が溢れ出ていた」
「その炎に火魔法を衝突させて消火させたんだ」
「炎が消えれば、水魔法が通用するとオーマ様は考えて、次に水魔法を行使したわけですよ」
イフリートによる炎がアナザーライダー化しても溢れ出ている事は誰もが見て分かることだ。
故に強力な火魔法をアナザーウィザードに衝突させて炎を消した。
そして"深水圧剣砲"を放ちアナザーウィザードの腹部に突き刺さった。爆風消火を行なったのは、水魔法を実行した際に水蒸気爆発が起きる可能性を消す為の保険だ。
腹部に水魔法が突き刺さったアナザーウィザードは又も炎を溢れ出させて蒸発させると、周囲にアナザーウィザードが増幅した。
「<分身>を持っているのか」
救助した直後にシズさんの延命処置を行なう必要があるなら、魔力はできるだけ残しておきたい身としては、<分身>は厄介だな。
そう思っていると、視界にリムルが入った。
そうか。
「リムル!」
俺はリムルに水魔法を行使した。
俺の考えを<大賢者>で読み取ったのか、リムルは<捕食者>で水魔法を捕食してくれた。
「いけるか?」
「あぁ。任せろ!」
そう言って無数の"深水圧剣砲"の魔法陣がリムルの周囲に出てきた。
"
<演算者>を用いずに行使した俺の"深水圧剣砲"を、リムルは<大賢者>を使って改良した広範囲に無数の"深水圧剣砲"を放てる魔法を作り上げた。
"深水圧剣散砲弾"によって分身体のアナザーウィザードが次々に出てくる水の剣によって刺されていき、その姿が消えていった。
【告。個体名:
あぁ、頼む。
【了。最初に個体目:井沢静江のアナザーライダー化を解除してください。アナザーライダー化を解除した直後に個体名:リムルにイフリートのみを捕食させます】
イフリートをシズさんから分離させるのか?
【是。イフリートを分離した後は……──────────】
俺は<演算者>がゼアとアークと共に編み出した救出法を聴いた。成る程。それなら助けられるな。
【是。個体名:リムル=テンペストの<大賢者>に共有しますか?】
頼む!
【了。<大賢者>との個体名:井沢静江の救出法を共有が完了しました】
ありがとう。
「オーマ!」
「行けるかリムル?」
「あぁ!」
リムルに再度確認した後でアナザーウィザードに向かおうとしたが、俺とリムルの足下に魔法陣が描かれた。
"
魔法陣から出てきた膨大な火柱が俺達を包む。
だが、<自然影響耐性>で無効化している俺と、<熱変動耐性>で無効化しているリムルには通用しない。
俺は火柱で見えていない間に必殺技の準備をした。
フィニッシュタイム!
ウィザード
二つのウォッチのボタンを押してからベルトを回転させた。
そしてリムルが<粘鋼糸>でアナザーウィザードを縛り付けた。
そんなアナザーウィザードへと火柱から出て行ってアナザーウィザードの背後へと移動した。
そして、魔法陣が纏われた脚でキックを当てた。
ストライクタイムブレーク!
すると、アナザーウィザードは火花を散らしながらもリムルの方へと飛んでいきながら、爆発した。
爆発したアナザーウィザードからアナザーウォッチが飛び出して粉々に砕かれた。
そして、爆発した際の煙からイフリートが現れた。
そんなイフリートにぽよっと跳ねて目の前にまでやってきたリムルが特殊能力<捕食者>を発動した。
「シズさんを帰してもらうぜ」
広がったスライムボディがイフリートを飲み干していき、元の丸まるっとした姿へと戻ると、シズさんが前のめりに倒れるが、リムルのスライムボディが受け止めた。
「スライムさん、オーマ君……ありがとう」
────────────────────────
アナザーウィザードを倒し、リムルがイフリートを捕食したことで、漸くシズさんを救出活動に入れるが、彼女からイフリートを分離してから一週間が過ぎている。
「それでオーマ……イフリートを取り除いたはいいけど、シズさんを本当に救えるんだよな?」
「あぁ。今、イズ達に起動していない機械人間を持ってきてもらっている」
「どのように助ける気だい?我が魔王」
リムルとウォズの質問に俺は<演算者>によって示された解決方法を語った。
「──────……成る程。それなら確かにシズさんを助けることができるな!」
「あぁ。後はシズさんの意識が戻ることだけだ」
「…………スライムさん。オーマ君」
そう小さくもハッキリと声が聞えた。
「シズさん!?気がついたのか」
「ずっと傍にいてくれたの……?」
「あ、ああ。……良かった。もう目を覚まさないんじゃないかと思った」
そうたわいなく会話をしているリムルとシズさん。
そんなシズさんがこちらに視線を向けてきた。
「話は聞こえてたよ。でも……私はもう十分生きたから。助けてくれなくて大丈夫だよ」
「本当にそうか?」
「え?」
目を覚ましたシズさんは自分を助けなくて良いと告げるも、俺はそれが本心とは思えなかった。
「シズさんが寝ている間、リムルからシズさんの話を聞いた。自分を召喚した人物に言うことがあるなら、自分の口で言え。況してや召喚した人物に対して用があっただけじゃないはずだ」
「…………」
俺にそう言われてシズさんは沈黙した。やはり、ドワーフ王国の占いで見たシズさんの周りにいた子供達。
恐らくあの子達も大きく関係しているんだろう。
「……実は、俺とリムルはシズさんの名前と容姿だけは知っていた」
「え?」
「ドワーフ王国のある占いで、貴女と貴女の周りに子供達がいる映像が流れたんだ。子供達は貴女と離れることを嫌がっている様子だった。そしてその事に罪悪感を持っている様子を見せるシズさんを考えるなら、自身を召喚した相手に何かを聞き出すためだ」
俺は確信めいた意志で彼女を見ている。
「貴女にとって子供達がどのような存在なのか知らないが、哀しむ子供達を宥めてでも旅に出なければならなかった理由を持つ貴女が諦めることは許されない。だからこそ、俺達は貴女を救い出す。子供達に関することは貴女の手で解決することではないのですか?」
そう言うと、シズさんは目を大きく開かれた。
「……そうだね。お願いできるかな?」
「あぁ、俺達に任せろ。始めるぞリムル」
「おう!」
俺とリムルは<演算者>と<大賢者>を駆使して、シズさんの救出作業に入った。
数分後。
数本の華を携えて見舞いにやってきたエレン達がシズさんのいるリムルの家へと歩いていた。
「──────シズさん。大丈夫かな……」
「心配いらねーってリムルの旦那とオーマの旦那がついてんだからよ」
「そうでやすよ。旦那がくれた回復薬。すげー効き目だったじゃないすか」
そう言ってリムルの家へと向かう。
「おや、これはお三方。お揃いで」
そう彼女達の後ろから話しかけてきたのはリグルドと未起動状態の機械人間を抱えている亡とAIに興味を示した翠色の髪を左肩に掛ける様に伸ばしている鬼人────
「皆様もお見舞いですか?」
「ええ。リグルドさん達もっすか」
「はい。シズ殿の着替えをお持ちしたところです」
「イズさん達の持ってきてるのはなに?」
エレンはイズ達が持ってきたモノについて訪ねた。
「これはシズエ様を助けるために必要な道具をお持ちしたところです」
「シズさんを?」
「そんな人形を使ってどうするんだ?」
「入ればわかります」
そう言ってイズはリムルの家へと入った。
「リムル様、オーマ様。失礼しま────────────」
その時に彼等が見たのはラフな服装を着た水色の髪を持つ10歳前後の女の子と、女の子の周りを浮遊するとても小さな機械でできたドラゴン。そしてそんな一人と一匹と一緒にいるオーマだった。
「え……なに!?」
「え、誰!?」
「え!??」
困惑するエレン達。
しかし、リグルド達はちゃんと女の子の正体に気付いていた。
「リムル様、そのお姿は……」
「え!?」
『えええ!?』
目玉が飛び出そうになるほどの驚愕に襲われたエレン達。
「この子が……リムルの旦那!?」
困惑するエレン達を落ち着かせた俺達は、リムルが人の姿を手にしたことを告げた。
「本当にリムルの旦那なのか?」
「間違いありません!」
「見くびるな!姿が変わろうと見間違えると思うか!」
人化したリムルを信じられないのか、再度尋ねるカバルにリグルドと影から現れた嵐牙が怒りの籠った言葉が告げられる。
「いや、なんというか……」
「小さいシズさんって感じで……」
二人を怒らせた事にカバルとギドは焦るも、シズさんが小さくなったような容姿と体型をもつリムルを見てそう思ってしまうのは致し方ないだろう。
「……シズさんを食べたの?イフリートを食べたみたいに……」
カバルとギドと違い、エレンは複雑な表情を浮かべながら俺達に尋ねてきた。
「肉体だけな」
「え?」
リムルの変わった返答に困惑するエレン。
そんな彼女を無視してイズ達に近づいた。
「イズ、亡、緑咲。用意は出来たか?」
「はい。オーマ様」
亡と緑咲が持ってきた未起動の機械人間が置かれた。
「リムル。シズさんを転生させる。準備してくれ」
「あぁ」
了承したリムルを見て、俺は手に持つヒューマギアプログライズキーを起動させた。
HERO
起動していない機械人間の耳元にあるヒューマギアモジュールにヒューマギアプログライズキーを当てた。
すると、起動していなかった機械人間の目が光った。
そして、機械まみれの姿から一変して、その姿は人間染みた姿へとなっていった。
「うそ……」
「マジか!?」
「どうなってるんでやすか!?」
人間の姿になった新たな機械人間の姿に驚愕するエレン達。三人は人間の姿となった機械人間の容姿を見て、その名を呼ぶ。
「「「シズさん……!」」」
エレン達がシズさんの姿をした機械人間はピクリとも動いていない。
なぜ、ヒューマギアプログライズキーを当てた事でシズさんの姿になったのか?
ここからは<演算者>によって示された解決方法を語ろう。
まず最初に、アナザーライダー化を解き、イフリートをシズさんから分離させた。
これは、シズさんに憑依しているイフリートを離す為に必要な作業だ。
しかし、これではシズさんはヴァティスが言っていた通り、一ヶ月も保たずに死ぬことになる。そうならないようにするには、シズさんの魔素を安定させるイフリートの代わりとなる存在の憑依と、新たな肉体と弱りきった魂を正常な状態にする必要がある。
二回目の項目は<
そして、肉体という器しか残っていないシズさんの身体をリムルが捕食することで、リムルは人の姿を手にした。
これで、リムルは獲得寸前だった特殊能力<仮面ライダークローズ>と<
だからこそ、先程からリムルの周りに飛んでいる機械的な小さいドラゴンことクローズドラゴンが飛んでいるのが証拠だ。
<仮面ライダークローズ>は少量とはいえ、ドラゴンの因子がある。
そして、ドラゴンの因子を持つ俺とリムルとの間に魂の回廊を繋げることで、ドラゴンの因子をシズさんに刻めることになった。
同時に仮面ライダー系の能力を獲得する方法も語っておこう。
仮面ライダー系の能力を手にするには、「
しかし、仮面ライダー系能力を持たぬ者には戦士粒子を保有していない。
戦士粒子を保有する方法は、転生前に仮面ライダー系能力を獲得すること。又は仮面ライダー系能力の所有者との間に魂の回廊が繋がっていること。
だが、転生前に獲得した者と違って、魂の回廊が繋がったという間接的な保有方法の場合は、戦士粒子を70~90%保有することになる。
最後には個々人の意志力によって一番相性の良い仮面ライダーの能力を獲得することで、保有率100%となる。
これで、仮面ライダー系能力と戦士粒子を獲得することになる。
仮面ライダー系能力の中にドラゴンの因子を持つ能力もある。ただし、シズさんのように魔素を制御する力を持つ仮面ライダーは、先程までアナザーライダーとして変身させられていたウィザードの力だった。
しかし、この時に一番厄介な事案が起きていた。
それはアナザーライダーと化した者が仮面ライダーに倒された時、アナザーライダーのモチーフとなる仮面ライダーの力の変身権限を失う。
つまり、シズさんは仮面ライダーウィザードに変身できる権限を失ったのだ。
その権限を復活させるには、彼女自身にドラゴン因子・戦士粒子の獲得。そして<演算者>と<大賢者>を通して<継承者>によって、シズさんに仮面ライダーウィザード含む三つの特殊能力を獲得させる必要がある。
しかし、ドラゴン因子や戦士粒子を保有させるには弱り切ったシズさんの肉体と精神では耐えられない為、先に彼女が耐えられるほどの器を用意した。
それが、起動していない
機械人間にシズさんの魂を転生させることで肉体を持たせ、精神はヒューマギアモジュールでゼアとアークに接続させて一時的に安定化させた。
そして必要な能力を転生したシズさんに与えることで、シズさんは先程まで俺が使っていた<仮面ライダーウィザード>・<
それが<演算者>が解明した救出方法だ。
そして、その方法は……
【告。個体名:井沢静江は特殊能力<仮面ライダーウィザード>・<
成功した。
「<転生者>発動!」
そして、最後に機械人間から人間へと転生させた。
耳元にあるヒューマギアモジュールが消えて、シズさんは種族が機械人間から人間へと転生が完了した。
シズさんは九死に一生を得た。
閉じられていた瞼が開かれた。シズさんは自分の身体を確認していた。
「すごい!……以前よりも力が漲ってる感じがする」
「処置は完了した」
「これで、シズさんはこれからも生きられる」
そう俺とリムルが告げると、エレンがシズさんに抱き付いた。
「エレン?」
「…………たぁ」
「?」
声が小さすぎたのか、抱き付かれているシズさんですら聞えなかったようだ。
「よ゙がっだぁ゙~~~~っ!!!」
エレンは大泣きしながらも喜んでいた。
心の底から心配してくれていた事を知ったシズさんは静かにエレンの背を撫でながらも落ち着かせていた。
エレンだけじゃなく、カバルやギドも嬉しいのか彼等も目尻に涙を浮かべながら喜んでいた。
少しの間、彼女達の歓喜を邪魔しないよう見守っていた。
そして、数分後。喜び終えたエレン達は自分達の道具を装備した。
シズさんは装備を纏うことはしなかった。
「本当に良いのか?シズさん」
「うん。助けてもらったのに、何もしないのは嫌だから、ここで恩を返させてほしいの」
「わかった」
リムルとシズさんがそう話していた。恩を返す為にシズさんはこの町での生活を行なう事になった。
二人がそう話している間、俺はカバル達と話していた。
「────さてと。じゃ、そろそろお暇するかね」
「帰るのか?」
「ああ。ギルマスにこの森の調査結果と……それにシズさんのことも報告しなきゃならんからな」
ギルマスか……
「ギルドがあるのか?」
「おうよ。自由組合つってな。殆どの冒険者が所属してるんだ。もちろん。ここのことは悪いようには報告しないぜ」
「リムルさん達のこと、ギルマスに伝えとくね」
「旦那達も、なにか困ったことがあれば頼るといいでやすよ」
「あぁ、そうさせてもらうよ。気をつけて帰るといい」
そう言ってカバル達を見送ろうとした時だった。
カバルが何かを思い出した。
「あっ、と最後にもう一つ」
カバルはエレン達に視線を送る。
するとエレンとギドも何かわかったのか頷いた。
三人は同時にシズさんへと頭を下げた。
「「「シズさん。ありがとうございました!!」」」
突然のシズさんへの感謝にシズさんは勿論、見ている俺やリムル達も驚いていた。
「俺、あなたに心配されないようなリーダーになります!」
「あなたと冒険できたこと、生涯の宝にしやす!」
カバルとギドが感謝を告げると、エレンはシズさんに抱き付いた。
「ありがとう……シズさんをお姉ちゃんみたいって思ってました」
涙を流しながらにそう告げるエレン。
「……ありがとう」
エレンの頭をぽんぽんと撫でながらもシズさんは涙目で告げた。
「わたしも……ありがとう、みんな」
最後のつもりだったシズさんにとって、エレン達は本当に最高の旅仲間だ。
俺がそう思っていると、リムルがある発言をした。
「ところで、お前らの装備ボロッボロだな」
「そういえばそうだな」
「「「ひどっ」」」
「あはは……」
俺はゼアを通してカイジンと武器の作成を行なっている機械人間____武器職人鍛冶と鬼人に進化して武器職人だけでなく、<仮面ライダースラッシュ>としても行動している黒歌に頼み、エレン達の装備を造って貰うように伝えた。
俺に頼まれて造った装備を受け取ったエレン達は喜び、同時に創作者がドワーフの伝説の鍛冶氏のカイジンとガルムによるものだとしって更に大喜びしていた。
いい土産を渡せたようだな。
大はしゃぎした後で、三人は街から出て行った。
「騒がしいヤツらだったな」
「本当にな」
「あはは……」
そう会話をしていた俺とリムル。
その内容を聞いて苦笑するシズさん。
俺達はエレン達の姿が見えなくなると、街内へと戻った。
俺は自分の仕事を再開していった。
────────────────────────
俺達がシズさんを助けた頃。この街へと歩んでくる六人の魔物が近づいている事を、この時は誰も知らなかった。
次回~大鬼の再会~