魔王種へと進化した影響でアナザーギーツ・レーザーブーストフォームに似た姿へと変貌した
そんな魔王ゲルド相手に仮面ライダービルド・スパークリングと仮面ライダーゼロワン・シャイニングホッパーに変身させた分身と共に闘っていたが、ディケイドウォッチ越しで一時的にギーツの中間フォームで対応していた本体は、<大願者>による魔王ゲルドの願いが精神に流れ込んできた。
分身2体と同時ライダーキックと魔王ゲルドの攻撃が引き分けで終わり、変身と分身が解除されてしまったオーマは、魔王ゲルドの願いに苦悩していた。
そんなオーマに対して魔王ゲルドは腕に青白い炎を噴かしながら、首切り包丁を振り下ろした。
「オーマ!?」
「オーマ君!」
『オーマ様!?』
誰もがオーマが敗れると思った時だった。
[確認しました。個体名:オーマ=テンペストが"魔王の種"と"勇者の卵"を獲得・・・・成功しました。<魔王覇道>と<勇者王道>が個体名:オーマ=テンペストに定着を確認。<魔王覇道>と<勇者王道>の常時発動を開始します。
これにより、種族の進化を開始・・・成功しました。種族:
突如、オーマの身体が一瞬輝いたと同時に世界の言葉が鳴り響く。
すると、魔王ゲルドの動きがまるで録画したテレビの映像を巻き戻すかのようにオーマから離れた。
「!?」
「なんだ……今の……」
オーマから距離を置かれた魔王ゲルドも、オーマが敗れると思ってみていたリムル達も、突然の出来事に何が起きたのか理解出来ていなかった。
【告。個体名:オーマ=テンペストによる時間の遡行です】
「は?……時間が巻き戻った?」
リムルは<大賢者>からの報告に困惑していた。
しかし、<大賢者>と同じくこの事象の正体を知ったある男が嬉々とした表情を浮かべながら言った。
「見事だ。我が魔王!これぞオーマジオウの力……!」
そんは発言をするウォズにリムルは凄い威圧感で彼を睨んだ。
「ウォズ、お前の差し金か?」
「いや……」
リムルがウォズを問い詰めようとした時だった。
倒れていたオーマが立ち上がった。
「俺自身の意志だ」
そして、彼の右手にはあるウォッチが掴まれていた。
今までのジオウライドウォッチと違い、2つのウォッチが連結した様な新たなジオウライドウォッチだった。
そのウォッチを見たウォズは更に嬉々としていた。
「それは……」
オーマはウォッチを起動させた。
ジオウ
側面のダイヤル「スプリットリューザー」を動かすと、ピクトウィンドウがスライドされ、金のD'9サイドと銀のD'3サイドに分割された。
「表と裏」
一体化された二つのウォッチを分離した。
ジオウ! ジオウ!
「過去と未来。二つの世界を統べるウォッチだ」
オーマは二つのウォッチをジクウドライバーへとセットした。
すると、オーマの後ろに二つの時計の文字盤が現れた。
一つは時計回りに、一つは反時計回りに回転していた。
「変身!」
ジクウドライバーを回すと回転していた時計の文字盤が回転していた向きから逆回転して、それぞれが2時と10時を指した時計になると、左右の時計の文字盤が引かれ合って、左右の12時を刺す長針が二つあり、2つの短針がそれぞれ2時と10時を指した時計の文字盤ができた。
時計の文字盤の中央に「ライダー」の文字ができると勝手に飛び出していき、オーマの姿も今までのジオウやレジェンドアーマーとは完全に異なる姿へと変身した。
ライダータイム!
仮面ライダー!ライダー!
ジオウ・ジオウ・ジオウ
Ⅱの名の通りジオウの姿が進化していた。
まるで、ジオウに王としての装備が一つになったような姿だった。
オーマが変身し終えると、彼から放出された膨大な魔素量と存在感が、まるで地震を思わせるようにこの一帯の時空を轟かせた。
【告。特殊能力<魔王覇道>の魔王覇気と<勇者王道>の勇者覇気が完全開放されました】
魔素量と存在感は嘗て、武装国家ドラルゴンの店で一度リムルとカイジン達が見た幻影ではあったが、その時よりもまだ霞があるものの鮮明な姿として、リムル達の目に映り込んでいた。
その姿は正しく、真の王者へと至ったジオウであった。
それは同時に、オーマが真の王者の片鱗に至ったことを意味していた。
『!?』
オーマの存在感と魔素量が、ヴェルドラには届かないが、この世界の強者達に激震を齎した。
北方:氷の大地
「!!」
赤いロングヘアーに胸筋と脇腹を露出させた長袖の服を着た男が南方面へと視線を向いた。
「ギィ」
そんな男をギィと呼ぶ長い白髪と深海色の瞳を持つ美少女がいた。
「今のは……」
「あぁ。仙人と魔王種に進化したんだろうが、この気配はアイツに似てやがる」
「場所がジュラの大森林のほうだったわね。ヴェルドラちゃんが消失してから現れるなんて……」
「ヴェルドラの消失と関係がありそうだな。早く会いたいか?ヴェルザード」
「えぇ。本当にあの人なら、早く会いたいわね」
そう言葉を告げる二人の表情はまるで古き友や、愛する者の復活を喜んでいるような表情だった。
南方:天翼国フルブロジア
「むむ!?」
「どうしたのミリム?」
ミリムと呼んだのは華麗に紅茶を口にする金色が混じった鳩のような翼を有し、魅力的な身体を持つ銀髪ショートヘアーの女性だった。
「なにやらジュラの大森林のほうで強い奴が現れたのだ!?見に行きたいのだ!フレイ、一緒に行くのだ!!」
見た目通りに駄々をこねるミリムに女性ーーーーフレイは溜め息を付いた。
「ミリム。ジュラの大森林は不可侵条約を立てているのよ。会いには行けないわよ」
「むぅ~」
頬を膨らませるミリム。
彼女は感じていた。自分が求めている存在であり、自分達と同等の存在になりゆくことを……
西方:神聖法皇国ルベリオス
黒髪黒目の麗人が東側に視線を向けていた。
「……」
ただただ黙って見つめている麗人の背後から白と緑を基調とした服を着用し、同じ色の帽子を被った青年が近づいた。
「感じるかい?」
「……これが貴方が言っていた最悪の存在の誕生なのかしら?」
「いいや、まだ生まれたてに似た状態だね。だが、危険な目は早めに潰しておくべきだろうね。我が救世主」
救世主と呼ばれた聖騎士風の装備を着用した麗人の右手には、赤と黒でできたウォッチが握られていた。
東方:ナスカ・ナムリウム・ウルメリア東方連合統一帝国(通称:東の帝国)
「どういうことだ?」
王を思わせる服装をした金髪の青年が西方へと視線を向けていた。
青年と共に中国服のような服装をした蒼色の髪の女性が隣に立っていた。
「まだ仙人や魔王種ぐらいでしょうけど、この存在感はいったいなにかしら?」
「本当に……何者だろうな」
ジュラの大森林から四方にある各々の大地に住まう強者達が、オーマの存在感を感じ取っており、各々が警戒・疑問・興味・歓喜といった感情に染まっていた。
────────────────────────
そんな強者達の感情をことの発端者であることすら気づかず、知る筈もない俺は一歩一歩と魔王ゲルドへと歩み寄る。
「善も悪も、光も闇も、全て受け入れる。その力で俺は…………未来を切り開く!!」
二つの覇気と共に放たれた俺の言葉に、魔王ゲルドの特殊能力の影響下にいるはずの豚頭軍は戦慄していた。
「オーマ君……」
「オーマ…お前…」
魔王ゲルドは恐れながらも俺へと一歩を前進しようとした時だった。
一人の青年が、魔王ゲルドの歩みを止めた。
「王の凱旋である!」
ウォズだ。
ウォズは両手を広げて、宣伝するかのように、この場にいる全員に告げた。
「祝え!全ライダーを凌駕し、時空を超え、過去と未来をしらしめす時の王者!その名も仮面ライダージオウ
祝福できたことに満足がいったのか、とても嬉々とした表情で告げ終えるウォズ。
「あの祝い事は必要なのか?」
そう呟く紅丸。
そんな彼と同じ心境な者達は頷いていた。
「新鮮だな」
ウォズの祝い事にもう慣れてしまった俺は、幾度も聞いた似通った祝電内容とは違う内容に新鮮さを感じていた。
「それでは、我が魔王。存分に戦われよ」
王の出陣を促す家臣の如き態度と発言を行なうウォズ。
そんなウォズに俺は了承した。
「あぁ」
前進する俺に魔王ゲルドは超加速による超高速移動で俺に近づき、殴りに来た。
しかし、余裕綽々と魔王ゲルドの拳を掴んだ俺は左手に<魔王覇道>の権能:魔王加護と<勇者王道>の権能:魔物天敵、そして新たに追加された<仮面ライダージオウ>の権能:
「グッ……!?」
強烈な打撃に苦しい声が漏れる魔王ゲルド。
そんな魔王ゲルドにお構い無しに次々と打撃を繰り広げていた。
更に<勇者王道>の魔物天敵は魔物にとって一番の弱点属性を自動的に攻撃に付与されている。
アナザーライダーの長所が消された上に、魔物の弱点属性が付与された攻撃を何度も受けて堪らなくなった魔王ゲルドはご自慢の超高速で距離を取るが、俺はジオウの仮面をもした武器であり、ジオウの能力に追随する形で強化され、常に最強に成長し続ける剣「サイキョーギレード」を出した。
「なんだ、あの武器?」
「顔だよね?」
サイキョーギレードを見て疑問に思っているリムルとシズさん。
そんな二人の言葉は無視して超高速移動で動き続ける魔王ゲルドの動きを読みサイキョーギレードの鋒を突き立てた。
すると、超高速移動で近づいてきた魔王ゲルドが勝手にダメージを負った。
魔王ゲルドは何度も何度も超高速移動で移動しては強力な一撃を打ち込もうとするが、その度に何度も何度もサイキョーギレードを振った俺の攻撃にダメージを与える所か、受ける側として変わっていた。
そして俺はライダーフェイス状態のサイキョーギレードで必殺技を発動しながら、ある剣技を行なった。
「朧心命流──────朧・刻限斬」
ライダー斬り
ピンク色の光を纏うサイキョーギレードの刀身。
そんなサイキョーギレードを振うが、魔王ゲルドに当たる事はなく、空を切るだけだった。
攻撃が外れたと思った魔王ゲルドが俺に近づき腐食が加わったブーストマークⅡのブーストフォームを超える一撃が打ち込まれようとした時だった。
ゴーンという音と共に周囲に移動していた魔王ゲルドの胴体に強い斬撃の痕が残り、魔王ゲルドは豚頭軍の元にまで吹き飛ばされた。
「なんと……相手の動きを先読みして、斬撃を未来に残す朧・刻限斬を用いるとは、流石ですな。オーマ様」
朧流を収めている白老は俺が使っている朧心命流について称讃していた。
朧・刻限斬は白老の言っていた通り、相手の動きを先読みして置いた斬撃を未来で発揮させる剣術。
例えるなら剣の達人が相手を斬るが、現在では斬られた感覚や現象は起きないが、その数秒後に出血や損傷などのダメージを起こすといった達人の領域を実現させた技だ。
ゴーンとなったのも、まるで学校や職場などの開始の刻限を意味する鐘の音のような事から、刻限斬と呼ばれるようになった。
話が脱線したな。俺の攻撃を受けて吹き飛ばされた魔王ゲルドが立ち上がった。
次の行動を知るために新たな力を行使した。
頭部の時計の長針センサー「バリオンプレセデンス」が回転した。
「視えているぞ、お前の未来が……!」
すると俺にだけ魔王ゲルドの先の未来が視えた。
いわゆる未来予知だ。
魔王ゲルドはブーストマークⅡによる拳状のエネルギー弾4発に、混沌喰が付与された攻撃を自身の周りに展開して、突撃と一緒に攻撃を行なってくる未来だった。
だから、俺はサイキョーギレードで自身の前に円を描いた。
「朧心命流──────朧・刻時
魔王ゲルドが未来予知した通りに自身の周りに混沌喰が付与された拳状のエネルギー弾が4つ現れた。すると、そのエネルギー弾が現れた途端に、相手の攻めをいなしては受け流されたかのようにゲルドの攻撃が自身へといなされた。
これを見ているリムル達は俺が手にした新たな力だけでなく、それを応用した技術に驚愕していた。
「なにが起きたの?」
「まさか、本当に未来を見てるのか!?」
「魔王ゲルドの攻撃が出た途端、エネルギーが魔王ゲルドにぶつかったのはなんだ!?」
「時空間操作を応用して相手の攻撃を受け流しながら、相手にぶつけさせるとは、流石だ。我が魔王」
朧・刻時捌はジオウの力を得てから俺が身につけた相手の攻撃を受け流し、自身にダメージを与える剣術だ。
<仮面ライダージオウ>の権能:時空間操作でゲルドの周りの時空に干渉し、エネルギー弾が出てきた時間帯に剣術でいなして魔王ゲルド自身に攻撃が当たる様に剣撃を残していた。
続いて未来予知でレーザーブーストフォームとしてのベクトル操作で俺を縛り付けようとする未来だった。
だから同じくピンク色の斬撃を飛ばして、こちらに向けてきた右手を弾いた。
その隙に俺はジオウのフェイスを動かした。
すると「ライダー」部分が「ジオウサイキョウー」になった。
ジオウサイキョウー
「朧心命流奥義──────
覇王斬り
一瞬で八つの斬撃を行う朧心命流奥義「八重桜・八華閃」を<仮面ライダージオウ>の時空間操作で十二方向から八つずつ斬撃を放つ剣術として昇華させたこの技「覇王八重桜・時刻八華閃」を、魔王ゲルドへと放った。
十二方向から放たれた合計96の七色に輝く時計の盤方の斬撃が魔王ゲルドにダメージを与えたのだった。
そのダメージに火花を散らしながら後ろめりに倒れ伏す魔王ゲルド。
どうにかして立ち上がろうと懸命に力を入れるが、ダメージが大きすぎて、立ち上がるのに一苦労している。そんな魔王ゲルドを倒すために、ジカンギレードを権限させた。
ジカンギレードにサイキョーギレードを合体させて、サイキョーギレードにあったジオウのフェイス「ギレードキャリバー」をジカンギレードのライドウォッチ装填スロットに装填した。
これがジカンギレードとサイキョーギレードが合体して生まれる武器、サイキョージカンギレードを両手で掴んだ。
サイキョー!フィニッシュタイム!
刀身にエネルギーが溜まり続けると、鋒を天に向けた。
すると、ジオウサイキョウと書かれた長大な光の刃が出現し、鋒に時計の文字盤が周り続ける。
キングギリギリスラッシュ!!
縦に一閃すると長大な光の刃が魔王ゲルドを斬りつけて、大きな爆発が生じた。
爆煙からアナザーギーツライドウォッチが出てきて砕け散った。
「流石だ。我が魔王」
無事にアナザーギーツを倒した事を意味するアナザーライドウォッチが砕けた事を確認したことで、ウォズは俺に近づいて称讃した。
「進化したアナザーギーツを倒すとは……」
「アナザーギーツはな」
俺が含みのある発言をしたことで、ウォズ含む他の皆も訝しんだ。
「どういう意味だい?我が魔王」
ウォズが代表として訪ねてきたので、俺はアナザーギーツこと、魔王ゲルドが倒れた方へと指さす。
指さされた方へと視線を向けるウォズ達は煙が晴れたことで、ある物体を視認した。
「なに!?」
「そんな……!?」
そこにいたのは、両腕を無くし、瀕死になり重傷を負っているものの、未だにこちらに敵意を向ける魔王ゲルドだった。
「まさか、まだ生きていようとは驚いたね」
ウォズも魔王ゲルドの生存に驚いていた。
「オーマ。後は俺に任せてくれないか?」
そう言って俺の隣に移動してきたリムルが提案してきた。
「……わかった」
俺は了承すると同時に変身を解除した。
リムルが魔王ゲルドへと近づき、その姿をスライム状態にして全身を絡みつけた。
魔王ゲルドは腐食によってリムルを倒そうとするが、リムルはスライムボディの接触部から捕食していく。互いに再生系の特別能力を行なうが、その回復力と捕食速度と腐食速度の対決が行なわれた。
数分の間に魔王ゲルド姿が肉塊が削られていっては骨の部分まで浮き出しになり始めていき、朝日が出てきた時だった。
魔王ゲルドの姿は完全に消え去った。
大きな液状化したスライムの姿から人型へと戻ったリムル。
その姿は身長が以前よりも少々大きくなっていた。
「俺達の勝ちだ。安らかに眠るがいい」
そう告げる事は魔王ゲルドの死を意味し、俺達の勝利を意味する。
俺達と蜥蜴人族は歓喜の声を、豚頭族軍勢は長を失った悲鳴を上げる中、フードを被った豚頭将軍がフードに隠れながらも涙の雫を流していた。
「……王よ。やっと……解放されたのですね……」
魔王ゲルドを討伐したことで、曙彌達が助けたトレイニーが俺達の前に現れた。
「お二人とも流石です。見事約束を果たして下さいましたね」
「身体は大丈夫なのか?」
「えぇ。曙彌殿達が
樹妖精トレイニーの姿を見たガビルが集めたゴブリン達は驚愕していた。
「森の管理者の権限において、事態の収束に向けた話し合いを行ないます。日時は明日早朝。場所はここより少し南西、森よりの広場。参加を希望する種族は一族の意見をまとめ代表を選んでおくように。以上です」
戦争が終われば、後は後処理を終わらせるだけだが、話し合いの議長は恐らくだが……
「それから異論はないと思いますが……議長はリムル=テンペスト。ならびにオーマ=テンペストとします!」
やはりか……
森の管理者としての権限を乱用して面倒事を俺達に押し付けてきたな。
後でリムルと打ち合わせをしないとな……
漸く20話目に到達しました。
ジオウⅡを20話目に投稿しようと思って頑張りました。
次章からは魔王と竜の建国譚の話も加わりますので、楽しみにして下さい!
次回~ジュラの森大同盟~