一騎→
仮面ライダーゼロワンの変身の英語文字は大文字・小文字含めます。
魔王ミリムがジュラ・テンペスト連邦国に滞在した夕方頃。
「うまーっ!!このカレーという食べ物はめちゃくちゃ美味いのだ!!」
食堂にて魔王ミリムはゴブイチが調理したカレーをとても喜びながらぱくぱくと食事をしていた。
「おかわりなのだ!」
「僕も!」
「私もお願いします!」
「はい」
ミリム・キラ・シンシヤがおかわりを告げた。
朱奈と紫苑は空の皿を受け取っては米とカレーを盛り付けてはミリムに渡した。
「こんな美味しいもの、ハチミツ振りなのだ」
「今朝の話じゃねーか」
ミリムがハチミツの入ったビンを両手で大事そうに持ちながらも食事を喜んでいた。
しかし、美味なる食事をしたのがついさっきのハチミツが対象になっている事に呆れてしまう。
そんな中、紫苑が目敏くミリムが興味を持ったハチミツに関して話題を振った。甘党好きな紅丸までもが興味を示したことで、リムルは少ないながらもハチミツを小皿に盛ってシズさん・紅丸・朱奈・紫苑・蒼影(なぜかミリムも)が一口掬っては舐めていた。
ハチミツが甘い菓子になることを伝えるとなにやら女性陣でスイーツ同盟が出来たようだった。
そんな四人に対して俺は豚頭族の食糧問題解決のために創世した食料の宝庫といっていい所で発見した食材を使ってワッフルを調理していた。
「今日のデザートだ。食べてみてくれ」
「おぉ!!ワッフルじゃないか!」
前世から知っているデザートの名前を言いながら眼を光らせるリムルはその両手にナイフとフォークを携える。
ハチミツをシロップ代わりにし、ホイップクリームをかけたはちみつワッフルを提供した。
ワッフルを見た事がない紅丸達や同じ異世界人であるシズさんも知らない為、変わった形状をしたデザートをしていることしか感じていなかった。
「あの、オーマ様……この食事はなんですか?」
「あぁ。ワッフルというスイーツの一種だ」
スイーツと聞いたスイーツ同盟5人と甘党好きな紅丸が反応した。
ミリムがいる席に座る者達に提供したが、蒼影以外はご満悦していた。蒼影はそれほど甘い物に興味はないようだな。
それから、スイーツ同盟には少々注意をいれておくか……
「一つ言っておくが、スイーツは一日一食までだぞ」
そう言うとスイーツ同盟は文句を言ってくるが、肥満になる事を伝えると、残念がりながらも一日一食にした。
────────────────────────
ミリムが住み着いてから数日。ガゼルはドワルゴンへと帰国して、ベスターとペスはガビル率いる開発部に転属させて回復薬と量産型仮面ライダーの変身ベルトに関する調査・開発を任せた。
幹部達との会議でミリムの世話役に俺とリムルが選ばれた事で、朝から朱奈が率いる服屋で女物の服を選ばせる事にした。
楽しく選り好みしているミリムを朱奈に頼んで、その間に俺とリムルはそれぞれ諸事情を行なうことにした。
イズとアズからの書類を相手に記入している間に、この国に客人がやってきたようだった。
リグルドが客人の近くにいるな。
客人の実力は既に紅丸達よりは魔素量が多いが、実力的にはシズさんや、仮面ライダーとして戦ってきたウォズ達のような歴戦の覇者にとってはそれほど強い存在ではないな。
そう思いながらも空間転移して客人の元へとやって来た。
そこにいたのは獣人が四人いた。
「俺は魔王カリオンの部下だ。ここは良い街だな。魔王カリオン様が支配するに相応しい、そうは思わんか?」
「ご冗談を……」
そうリグルドが言った直後に炎を纏った客人のリーダー格がリグルドを殴りつけようとしていたが、俺がその手を止めた。
「!?」
「オーマ様!」
突如として現れた俺の存在にリーダー格とリグルドは驚愕した。
「ふむ。魔王カリオンとやらは随分と人材不足と言えるな」
「なんだと?」
魔王カリオンとやらの部下であるコイツの行動を見ての発言をしたが、その発言が気にくわなかったらしく此方を睨み付けてくるが、一切恐怖どころか萎縮することもないただのガキ大将程度の眼光だ。
「事実であろう。藪から棒に無能魔王の支配が相応しいなどと喚く猫を使者に選んだのだ。節穴どころか無能しか集まっていないのか、獣人そのものが烏合の衆でしかないかだ」
「貴様……カリオン様を愚弄するか!」
「事実は愚弄とは言わん」
「貴様ァ……!」
主を愚弄されて許せなくなったのか俺に攻撃を仕掛けてくるが掴んでいた手の握力を強めると、簡単に砕けたのか、猫の腕がバキッと鈍い音がなり、鈍い痛みが伝わったのか魔力の籠った片手で攻撃をしようとしたリーダー格の攻撃所作が途中で止まる。
そんな猫を軽く腕を動かすだけで地に叩き付けてやり、猫の頭部を踏みつけてやった。
「弱肉強食が魔物の世の常ならば、お前は弱者であり、発言の自由はない。分を弁えろ。下郎」
恐らく他から見れば俺の瞳はDQNを見るかのように冷たい眼差しをしているだろう。
なにやら発言をしようとするが少々妖気と覇気を出しながら踏みつけてやると、猫は身動きできず、他の獣人は俺を恐れを成しながらも、リーダー格を心配する他の獣人族。
「蒼影はリムルに報告。参緑は応接室に幹部を集めろ」
「「御意!」」
蒼影と参緑にそう伝えると猫の首を強く握り掴んで応接室へと向かった。
「……で、君達は何をしに来たんだ?」
「スライムと下位魔人風情に答える義理はないね」
「かませ猫がなにを喚き散らしている」
強者ぶりながらも俺に簡単に制圧されたフォビオとかいう猫にそう告げると目に見えて苛立ちを見せる。
「おい。フォビオとやら、スライムと下位魔人風情と言ったな。ワタシの友達を見下す様な発言を許さ──────」
「ミリム。話しに割って入るなら晩飯抜きだぞ」
そう言われたミリムはシュンとしてソファーに鎮座した。
「さて、言葉に気をつけて要件を言え。貴様の態度次第で友好関係になるか否かが決まる。例え武力行使で脅迫しようとも、無能な主と共に獣王国の滅亡という結末は変わらんぞ」
「カリオン様がお前達に負けるといいたいのか……」
「あぁ。確実に俺が勝つ」
そう言うと、フォビオはギリッ!と歯軋りした
「貴様!何様のつもりだ!!?」
ガタンと立ち上がりながら食い付いてくるフォビオ。
そんなフォビオに対して曙彌達は警戒を強める。
「見て分からないのか?」
腕を組み見下す様にしながら告げる。
「俺様だ!世界中の全生物の頂天に立っている。祖父が言っていた」
右手の人差し指を天に掲げる。
「俺は全ての時代を統べ、世界を
傲岸不遜な言動に隣にいるリムルや後ろに控えたシズさんまでもがドン引きしている。
(まさかの俺様系だったのか!?オーマは!)
(そういえば……かなり王様気質で話すことがあったよね……)
二人は今間までの俺の言動から俺様系だった事に驚いてるようだ。
前職の生業もあって、この話し方はプライベートと若い頃以外には使っていないからな。そうなるのも無理はないだろう。
そう思っているとリムルがコホンと咳き込んでからこう言った。
「魔王カリオンに伝えてくれ。日を改めて連絡をくれれば交渉には応じる。と」
「それ以外の行動を取れば獣王国と共に滅ぼすだけだ」
俺がリムルの後に言った発言に対してリムルが驚いていたが、フォビオは無言で立ち上がり部屋から出て行こうとする時に、俺に視線を向けてきた。
「……きっと後悔させてやる」
ギリッと歯軋りをしながらドスドスと部下を連れて出て行った。
その後、ミリムから話を聴きだした。どうやら傀儡の魔王を生み出すためにゲルミュッドを使って豚頭帝を利用する計画をしていたそうだ。
しかし、その計画が豚頭帝が死んだ事によって廃止になったが、新たな魔王を作り出すことに関しては新勢力である俺達を傘下とする競争を行なっているらしい。
だからこそ、ミリムやカリオン配下がやってきたそうだ。
「……これって、俺達が魔王の計画を邪魔したってことだよな」
「ですね……」
「想定以上の事態ですね」
「他の魔王も此処へ干渉してくるでしょうね」
「大変なことです。トレイニー様にも相談せねばなりませんな」
そう悩んでいるリムル達だが、問題など無いだろうに……
「ミリム。魔王になることは出来るのか?」
そう訪ねるとミリムが目を輝かせて、颯爽と俺の目の前に移動してきた。
「魔王に興味があるのか、オーマ?」
どうしたんだ?
「豚頭帝の件でジュラの大森林を国として発達させるつもりだったからな。魔王になればジュラの大森林を支配地になるからな。愚者でなければ、侵略行為を行なおうとはしないだろうっと思ってな。それで……魔王になることは出来るのか?」
「可能なのだ!だが、推薦した魔王と賛同者が2人以上必要なのだ」
多数決というわけか。
十人も魔王がいれば賛否が半分ずつに分れることもあるだろうし、ミリム以外に他の魔王に会う必要があるか……
「認知させるには実力を示せばいいのか?」
「うむ!オーマとリムルのように種を手にした魔王がいるのだ。オーマとリムルも魔王としての実力があるのだ!魔王になれるのだ!」
是が非でも魔王にしたいといわんばかりな誘いをしてくるミリムに少々疑問を抱きつつも、魔王の称号を得る方法はわかった。
「それに、二人とも仮面ライダーならカリオン達と同等の実力があるのだ!」
「?そこでなんで仮面ライダーがでるんだ?」
リムルはミリムが仮面ライダーの力を持っている事と魔王の称号を得られる程の実力を秘めている事の因果関係がわからなかったらしく、そう訪ねた。
「ギィが言ってたのだ。仮面ライダーは"魔王の種"と"勇者の卵"の両方を持っているのと同じぐらいの特別で強力な力を秘めているらしいのだ」
種と卵を両方持つほどの特別製か。俺はその両方を持ちながらも仮面ライダーの力を持っているわけだが……かなりに特異な存在のようだ。
「成る程。まぁ、ミリム以外の魔王に認知して貰う必要もあるから、今すぐ魔王になるのは少々無理そうだな」
「そんな事ないのだ。今すぐワタシと一緒に会いに行くのだ!」
「随分と図々しい行為だな」
(俺様系のオーマがいうか!?)
今すぐにでも俺とリムルを魔王に推薦するために他の魔王達に認知させようと一緒に向かおうとしていたが、建国からそれ程、時間が経っていないことから国の経営が一段落してからにすると言った。
ミリムは不満げだったが、納得してくれた。
その後は発展してきた国の経済をよりよく回せる事が出来る様に、現在の幹部の中から更に役職を与えた者もいた。
────────────────────────
翌日。ミリムが美味い料理に餌付けされている最中、ジュラ・テンペスト連邦国の西側から二つの国がこの国へと向かってきていた。
まさか、その二国から出てきた者達が同じタイミングで遭遇する事になるとは誰も思いもしなかった。
その一つは紅丸を含む6人が街へとやってくる前にシズさんと行動を共にしていたエレン達3人だった。
その中にもう一人見知らぬ人物がやってきていた。その人物の正体は小国ブルムンド王国の
自由組合支部長フューズを含めたエレン一行は現在魔物に追われていた。
その魔物はA級難易度を持つ
「なんでこんな目にいいいいいっ」
「お前が
逃亡しながらもフューズに叱りつけられるカバル。そんな四人が
しかし、そんな中でもう一つの一団がカバル達に加勢した。
その一団はファルムス王国と呼ばれるジュラの大森林の一部が接している大国だ。
そんな大国の中でジュラの大森林に誰よりも接している領土を治める伯爵が手配した荒くれ者で組織された辺境調査団だった。
その団長であるヨウムと呼ばれる荒くれ者が手を貸した。
しかし、例え人数を増やそうともAランクの魔物を相手に勝てる要素には至らなかった。
だが、辺境調査団から一人だけ、
「よし!いいぞ、ミツルギ!」
「あぁ。もっと行くぞ!」
斬り落としたのは左側の髪を刈り上げた30代ほどの容姿をしており、端から見れば美青年にも見える人物だった。
そんな彼をヨウムがミツルギと呼んだ。
(ミツルギ?聞き覚えのない呼び方だな)
助けて貰った事に感謝は感じながらも、
しかし、そんなフューズの思考など知る術もないヨウム達が
「ふぅ……流石だな、ミツルギ!助かったぜ!」
「当然だ!」
ミツルギと呼ばれた青年は誇らしげに余裕綽々と剣を掲げていた。
勝利の美酒という活気に溢れていた辺境調査団だったが、
その3体を視認したその場にいた者達が、先程の活気が嘘のように消え去ってしまった。
「嘘だろ……」
「もう……終わりだ」
絶望に満ちた声が呟かれた時だった。
「あれ?カバルさんじゃないっすか」
増えた
カバルがそこに視線を向けると、そこにいたのは
「え?ゴブタ君?」
知り合いがいた事に驚愕するカバルと、鬼人と狼に騎乗したゴブリンがいる事に驚くフューズ達。
「毎回、魔物に追われてるッスけど、そんなに戦いが好きなんスか?」
そう訪ねるゴブタにラグルドが注意した。
「ゴブタ、対象を討伐する事に集中しなよ」
「は、はいッス!」
迅に注意されたゴブタは何やら小刀を取りだした。
「ゴブタとゴブエモンは両側の
「はいッス!」
「わかりました!」
迅から指示されたゴブタとゴブエモンは部下を率いて
そして、当の迅は既に腰に滅亡迅雷フォースライザーを装備しており、フライングファルコンプログライズキーを起動した。
WING
「変身!」
FORCE RISE
FLYING FALCON!
Break down.
「えぇ!?」
「あの人も仮面ライダーに変身したでやんす!」
「嘘だろ!?」
カバル達三人はシズさんの一件でオーマしか変身していなかった為、他に変身できる者がいる事に驚愕していた。
そして、それは仮面ライダーの情報を知るフューズは初めて仮面ライダーを目にした瞬間だった。
ゴブタ率いる
討伐を完了した事で変身を解除した迅にフューズが話しかける。
「すまない。君はこの近くにある魔物の街の住民か?」
「そうだけど?」
フューズの質問に返答した迅にフューズは自分達を街に案内して欲しいと頼み込んだ。
迅はゼアとアークを通じて俺達に確認を取ってから街へと案内した。
案内されたフューズ達と応接室で対面した俺達は早速要件を訪ねた。
「突然の訪問を失礼する。私はフューズと申す者。ブルムンド王国の自由組合支部長をしております。私の目的は二つ。一つはギルドの英雄を助けてくれた事への感謝を。一つは豚頭帝討伐した新たな魔物が脅威となるか否かです」
要件を伝えた後、フューズはシズさんの件を感謝してきた。当のシズさんはエレン達と会話を弾んでいるが、どうやらフューズとも知り合いだったららしい。
その後は豚頭帝を討伐した魔物に関してだったが、ガゼルと同じ理由である事をリムルが呟き、同時に盟約を買わした事を伝えると訝しんでいたが、ベスターとペスが現れて証言したことで盟約に関しては信じて貰えたようだ。
「それで。そっちの者達は何ようだ?」
フューズ達を助けたというヨウム達に話を振った。すると魔法使いである眼鏡の男ことロンメルが内容を話してくれた。
彼等はファルムス王国の調査団であり、豚頭帝を調査しろという目的だったらしいが、領主は強欲で寄せ集めの集団に真面な装備も揃えもせず、契約魔法とやらで強制的に従わせながら、ロンメルを目付役として送り出したらしい。
「そして、調査の途中でこちらにいる異世界人の
ロンメルが右側に偉そうに座る異世界人こと
「異世界人なのか?」
「そうだ。俺は
「つまらない奴だ」
「なに?」
俺の言葉が聞えたミツルギは眉毛をピクリと動かしながら俺を睨んできた。
「ただ相手を葬るだけしか振れないのなら、二流の剣だ」
「俺の剣が二流だといいたいのか?」
「そう聞えなかったか?」
そう告げた瞬間だった。
ミツルギの腰に携えられていた剣が抜かれて俺の首を落とそうと、一閃が放たれる。
しかし、すぐさまミツルギの斜め背後にいた高齢女性が掌に音の元素魔法を展開しては発動していた。
独特な音が鳴り響いた事で、ミツルギの剣の柄に触れていた手を止めては、音を鳴らした高齢女性に視線を向けていた。
「婆や。何のつもりだ?」
「お許し下さい坊ちゃま。お止めしなければ、坊ちゃまが殺されておりました」
「なにっ!?」
婆やと呼ぶほどにこのミツルギという異世界人は一般家庭よりは裕福な家庭で生活していたのだろう。
しかし、先見の明は確かなようだ。
「その通りだ。よく見て見ろ」
そう告げるとミツルギが掴んでいた剣へと視線を向けるも、そこにはなにもなかった。
代わりに、ミツルギの首元に鋒が向けられていた。
その光景に驚愕・困惑するミツルギ達。
ミツルギの実力を知っているヨウム達は勿論のことだが、そのミツルギの剣技をその目で見たフューズ達ですら驚愕の余りに目を大きく見開いていた。
ガゼル相手にしたのと同じ様に無刀取りで回収した上で突き付けている。
あまりに経験のない出来事を経験したためか、ミツルギは大変困惑していたが俺の行動を理解したらしくその理由を口に出した。
「まさか……無刀取りを使えるのか」
「そういうことだ」
「馬鹿な……俺の剣速を見抜くことなど……」
「お前は自分の技と腕に頼るあまり、世界を見ようとしなかった」
俺は人差し指を天へと指した。
「祖父が言っていた。自分の溺れる者は、何れ闇に堕ちるってな」
「その方の仰る通りです、坊ちゃま。世界を知って、初めて人は世界を理解するのですよ」
そう告げられてミツルギはそっと目を閉じてから長考すると答えが決まったのか、発言した。
「……婆やの言うとおりだな。高貴な振る舞いには高貴な振る舞いで返せっだな」
「その通りです。坊ちゃま」
「お前……名前は?」
「オーマ=テンペスト。全ての時代を統べ、世界を
俺がそう名乗るとなにやらエレンがシズさんとコソコソ話をしていた。
「オーマさんって俺様系だったの?」
「そうみたい」
丸聞こえだぞ二人とも……
「頼みがある。お前達の元で学ばせてくれ」
ミツルギがそう頼んできたので、俺とリムルは話し合った結果、許可を出した。
その後はヨウムを英雄とする話がでてきた。豚頭帝を討伐した英雄として担ぎ上げる事にしようとしていたが、ハッキリ言ってこの場で俺達が手伝ったことよりも共闘した事にする事を提案した。
その証拠としてヨウムに仮面ライダーの力を覚醒させることを条件とした。仮面ライダーの力を与える事が出来る事を知ったフューズが何度目かの驚愕・困惑を起こしているが、気にせずそう提案した理由はファルムス王国を初めとした国家が俺達の国の技術欲しさの動きを出す前に、こちらにも自国を護る程の強力な戦力がある事を意味するために、仮面ライダーの力を与える事が出来る者が盟主となっている事を世間に示すべきだとリムルを説得した。
この提案にウォズやイズも賛成しており、リムルも自国を舐められての行動を取ってくる可能性を<大賢者>から聴かされてか納得してくれた。元々人間と仲良くなりたい考えを持っているリムルからすれば人間が魔物を倒したことよりも、人間と魔物が協力したという前代未聞の前例がある事が必要だ。
事実、武装国家ドワルゴンがジュラ・テンペスト連邦国と盟約を交わしたことも前代未聞の前例だ。前例とは良きにしろ悪しきにしろ左右されることだからな。後に他国との協定を結ぶ際にも前例が有無が関わってくることもあるのだ。
今のうちに魔物との前例を作っておくべきだ。
そう紅丸達に伝えると納得したようだ。紫苑とミリムは少々理解出来ているかわからないが……
フューズがこの計画に乗り気でブルムンド王国からも手伝わせて欲しいという打診を受けたので受け入れた。後はヨウムの返事だったが、彼等の来訪日の夕方頃の街を見渡せる丘にいた。
「──────心は決まったか?」
「……俺は、調査団の頭だ。野郎どもを守ってやらなきゃならねぇ。どっかの余所の国で自由組合に入りゃ……食うのには困らねえだろう。30人もいりゃ大きな討伐依頼も受けられるしな……俺には俺のビジョンがあったんだ。なのに英雄になれだぁ?話しがデカすぎて胡散臭いことこの上ねぇよ」
そう俺達の突飛な策に対する不満をぶち当てるヨウム。
大きな溜め息をついた後、彼は立ち上がって俺達にその顔を見せた。その表情には決断した覚悟が染まっていた。
「……決めたぜ。あんたらはあの伯爵とは違う。仲間に慕われるヤツの言葉には力がある。俺はアンタらを信用することにした。英雄でもなんでもなってやろうじゃねえか」
「あぁ。引き受けてくれて嬉しいよ」
人化したリムルが差し伸べた手を握りしめるヨウムを初めとする調査団は英雄と呼べる実力者へと鍛え上げながら、その武装を整えたりしていた。
次回~