記憶を失い、ジョーカードーパントメモリを破損したときめを魔国連邦へと招いた後、リムルに今回の件を全て報告した。
「────なるほどな。タイムジャッカー側も随分と厄介な戦力を持ち始めたわけか」
「そのようだ」
「それで、ときめちゃんはどうなの?」
リムルと一緒に聞いていたシズさんからの質問に答えた。
「記憶は戻ってない。だが、朱奈達がここでの生活を覚えれるように教えてる。だが、記憶が無くても、何かをしないといけないと体が覚えているみたいでな。ソワソワした様子を出しているよ」
「それだけ強い思いがあるんだな」
「あぁ。記憶を戻すのは時間が掛るだろうが少しずつ思い出していけばいいだけだ。シズさんも、ときめの事を気に掛けてくれ。俺達と同じ異世界人だからな」
「うん。任せて」
シズさんが快くOKを出してくれて助かる。
さて、気になる事に触れるとしよう……
俺はリムルの隣へと視線を向けた。
「そこの子供は誰だ?」
そこにいたのは茶髪の高校生ぐらいの少年。格好は明らかに前世の学校の制服だ。
だが、どこかで見た事があるような顔だな。
「あぁ。コイツはオーマが戻ってくる前に魔国の近くに出てきた異世界人なんだ」
「は、初めまして。お、俺は兵藤一誠って言います!宜しくお願いします!」
そう言って俺に頭を下げてくる茶髪の少年こと兵藤一誠。
それにしても兵藤一誠だと……確か昔、どこかで聴いた事があるような名前だな。
名前もそうだが、コイツから感じる気配だ。
「リムル。お前も気付いてるな?」
「あぁ。イッセーからドラゴンの気配がする事だろ?」
そう。目の前のイッセーからドラゴンの気配が出ているのだ。
しかし、兵藤一誠はその存在を感じていないようだ。
「それで……コイツはどういう経緯でこの世界に来たんだ?」
俺の質問に兵藤一誠が返答した。
どうやら彼は根っからの変態ではあるものの、初めて出来た彼女────天野夕麻────を楽しませようとデートをしていたそうだ。
しかし、二人揃ってこちらの世界へとやってきてしまったらしい。
「それにしてはもう一人がいないようだが……?」
そう訪ねると兵藤一誠が暗い表情になっていた。
「それが……その恋人はイッセー君を殺害するために近づいたらしいの」
そう説明してくれたシズさん。成る程。初めての彼女がまさかの殺害目的で近づかれたとなっては心に深い傷を受けていても可笑しくないな。
「すまない。不躾なことを聴いた」
「い、いいえ!そんな……頭を上げて下さい」
俺が頭を下げて謝罪すると彼は慌てながら許してくれた。
「それで、彼を殺害しようと近づいた女はどうしたんだ?」
俺はリムルに訪ねるとどうやら蒼影が彼等を見つけており、偶然ながらもジュラの大森林に生息するBランク魔物である地獄蛾と出会っており、彼女はその本性と種族を曝しては攻撃を行なうも、同等の実力しかなかった為か傷つきながらも天野夕麻が討伐したそうだ。
しかし、正体を見られた天野夕麻ことレイナーレは兵藤一誠を殺害しようと光の槍を放ったそうだ。
そこを蒼影が救助したようだ。
蒼影の実力なら簡単にレイナーレとやらを捕獲して牢獄に入れているそうだ。
「処分は決めたのか?」
「いや、まだ決めてないんだ」
「なら殺すか」
俺が冷徹にそう言うとリムルとシズさんと兵藤一誠が驚いていた。
「おいおい。いくらなんでもそこまでする必要は……」
「あるだろ。兵藤一誠を狙った理由がなんであれ、人の心を弄んだ上で殺すつもりなのなら生かす必要もないだろ」
「いや、だからってなぁ……」
レイナーレを殺害する事に難色を示すリムル。
シズさんもリムルと同じ思いのようだが、この世界で俺達よりも長く生きてきただけあって、生かしておく危険性も感じているようだ。
兵藤一誠も即、殺害の発言をした俺に戸惑っているようだ。
だが、このままレイナーレを殺害しては兵藤一誠の心情が収まらないだろう。
「なら、兵藤一誠にレイナーレを凌駕する実力者に育て上げた後に本人と戦わせる。その際に彼女への対応を自身で決めろ。相手を殺すも許すもお前がその場で決断するんだ」
「え?で、でも……俺にそんな力なんて……」
「ドラゴンを飼っているのにか?」
「え?ど、ドラゴン……?」
どうやら気付いてないようだな……覚醒させてみるか。
そう思い、俺は兵藤一誠に潜在能力を一時的に覚醒させる魔法"
すると兵藤一誠の左手の甲が緑色の光り輝くと左手の肘部分まで覆われた赤い竜を思わせる籠手が装着され、手の甲に緑色の宝玉が収まっていた。
「な、なんだこれ!!?」
兵藤一誠は大変驚いていた。驚愕したのはリムルやシズさんもだ。
無論、俺もそうだ。ドラゴンの力を覚醒させるということは、蒼華達のような変化でも見られるのかと思ったが、まさか籠手として出てくるとは思わなかった。
<演算者>。この籠手は何か分かるか?
【否。該当するモノはありません。しかし先日獲得した<
許可する。
<演算者>に許可した後、<図書館>に接続して調べていた。
【告。個体名:兵藤一誠の力を検索終えました。主人や個体名:リムル=テンペスト、井沢静江と同様の異世界の裏側で存在していた神を殺せる程の力を秘めた個体名:ア・ドライグ・ゴッホと呼ばれる赤き竜が封印された籠手:《
成る程。ドラゴンが封印された武器ということか。
そのドラゴンとコミュニケーションは取れるか?
【是。主人の"
わかった。
「聞えているな、兵藤一誠の魂に根付いたドラゴン」
そう訪ねると兵藤一誠の左手の甲の宝玉が点滅した。
《なんのようだ?人間》
「人間ではない。解析ぐらい徹底的に行なうべきだぞ、赤い竜」
《すまんな。それで我を
「お前が何者なのか。そして宿主である兵藤一誠に対して敵対するのか否かを知るためだ」
兵藤一誠に宿るドラゴンことア・ドライグ・ゴッホに告げた。
その後、ドライグから事情を聴いた。
異世界人の転生者・漂流者・召喚者達の故郷たる地球には天使や悪魔という異種族も裏の世界で生き続けている。その中に神すらも滅ぼせる力を秘めたドライグを含めて生きていた。
ある日。旧約聖書に存在する天使や堕天使・悪魔の三竦みが大きな対戦──────聖戦を行なっていた。
そんな中を神を殺せる力を秘めた二体のドラゴン「二天竜」赤竜帝ドライグと白龍皇アルビオンが争いながら介入してしまった。
その為、三竦みの戦いが二天竜と三大勢力の戦となり、二天竜は魂の状態にまで敗北して聖書の神によって
その後は数多くの宿主に宿りながら二天竜同士の戦いが繰り広げられて、今回は兵藤一誠に宿ったそうだ。
「つまり、兵藤一誠に二天竜の争いを求めるつもりか?」
《そうなる可能性だったが、異世界に迷い込んでしまっては叶わないだろう。今日から相棒と共にこの世界に生き残るために力を貸そう》
<演算者>。もし兵藤一誠が死んだ場合、魂に付随しているドライグはどうなると思う?
【解。予測の範囲ですが、基軸世界へと漂流した事で神器システムの影響が薄くなっている可能性があり、自然消滅する可能性があります】
そうなると、神器とやらを知る為にも兵藤一誠に頑張ってもらう必要があるか。
「わかった。元々兵藤一誠を鍛える予定だからな。お前が生存する可能性は増えるだろう。だが……お前が兵藤一誠を乗っ取るような事があれば、容赦はしない」
ドライグの魂にのみに覇気をぶつけた。
僅かながらも怯えた気配を感じる。
《赤竜帝の名にかけて誓おう》
ドライグから言葉だけとはいえ、誓いの発言を聞き出すことが出来た。
これで言質を取れた。
「それじゃあ。今日からイッセーもドライグも宜しくな!」
リムルがそう言うと兵藤一誠とドライグも快く返事した。
その後、兵藤一誠はこの国に滞在することになり、彼の知識から漫画やアニメ作の機械ロボットや乗り物の発明などを考えることにした。
久々の地球話をする事に夢中になっていると、身に覚えのある魔素が魔国へとやって来ている事に気付いた。先ず間違いなく破損するだろうなと思い裏庭に錬金術でゴムの着地地点を錬成した。
すると強大な魔素がその地へと降り立った。
最初に来訪した時とは打って変わって、ゴム状に錬成した着地地点のお陰でボヨーンと音が鳴りながらも、錬成されたゴムが大きく跳ねた。
着地地点へと降下した存在が宙に飛ばされた事に楽しくなったのか笑い声が聞えた。
「わーはっはっはっは!!何だコレ。面白いのだ!」
やって来たのは仕事と言って魔国から出ていたミリムだ。
大きな足音と共にミリムが近づいてきているのがわかる。
そう思っていると俺の執務室の扉がバァン!と壊されながらミリムが入ってきた。
「オーマ、リムル!久しぶりなのだ!」
満面の笑みを浮かべて俺に話しかけてきた。
「どうしたんだ、ミリム?」
「
ミリムは大変喜びながら教えてくれた。
「四日後の満月の夜なのだ!」
「その日は俺も参加できるのか?」
「勿論なのだ!」
俺の質問にミリムは頷いた。
どうやら参加しても問題ないようだな。
そう話していると兵藤一誠に気付いたミリムが聴いてきた。
「ところで、この人間はなんだ?ドラゴンの気配がするのだ」
そう言ってジーっとイッセーを見つめる。
突然のゴスロリ少女が現れた事に驚いているイッセー。
「あぁ。彼らは異世界人でな。彼はどうやら魂にドラゴンが武器として宿っているらしい」
「おぉ!随分と面白そうな奴なのだ!!」
異世界人であるものの人間であれば興味を持つことはないだろうが、魂にドラゴンを宿しているとなればそうなるのも仕方ないだろうな。
「まぁ。彼らは今日から魔国の住民だ。この世界で生き残るために鍛えるから同じく竜の力を秘めているからな。時間があればミリムも鍛えてみるか?」
「うむ!その時は思いっきり鍛えてやるのだ!!感謝するのだぞ!」
ミリムは満面の笑みでそう言った。
「いやいや、こんな子供に教わるって……」
「!?」
兵藤一誠がそんな事を言うからミリムの拳が兵藤一誠に振われる。
ギリギリで兵藤一誠とミリムの手の間に手を挟んで受け止めた。
すると強力な衝撃波が周囲を襲った。その衝撃を受けて兵藤一誠は吹き飛んだ。
「うわぁ!!」
兵藤一誠を受け止めたリムルが安否を確認した。
「大丈夫か、イッセー!?」
「は、はいぃぃ……」
怯えながらも大丈夫であることを告げる兵藤一誠。
「落ち着けミリム。異世界人の彼らがお前が魔王の一角である事を知らないんだ。知らない相手に殴ろうなどとするな」
「ミリム!」
「むー!コイツがアタシを子供扱いするのが悪いのだ!」
ミリムは俺とリムルから叱責されて頬を膨らませながらそう言った。
しかし、そんなミリムに彼女が黙っていない。
「ミリムさん」
まるで深海にでも潜ったかのような底冷えの圧を感じる言葉が呟かれた。
俺達が視線を向けるとそこには目が笑っておらず、満面の笑みを浮かべたシズさんがいた。ドス黒い禍々しい妖気を纏いながら……
「間違ったら謝罪するものだよ」
「え、えぇ……っと……」
「だよね?」
言い淀むミリムに更に笑顔に暗い影を纏った彼女のからの発言に、流石にこれ以上は危険と感じ取ったのかミリムが慌てて首を縦に振る。
「わ、わかった!わかったのだ!!ごめんなさいなのだ!!」
ミリムの必死な謝罪に兵藤一誠はオドオドしながらも謝罪を受け入れた。
「い、いえ……大丈夫ですので……」
ミリムが謝罪したことでシズさんも先程の威圧感が消えた。
それを確認してミリムはホッとした。
そんなミリムに俺は報告に来た事を感謝した。
「
「いや、まだ魔王の仕事途中なのだ!終わったらまた来るのだ!」
そう言ってミリムは颯爽と魔国から出て行った。
正しく嵐のような女の子だ。
ミリムの颯爽とした行動に一誠達も唖然としていた。
「相変わらずだなミリムは……」
「そうだな。明後日にはドワルゴンへと向かうわけだが……リムル。演説の原稿は出来てるのか?」
「おう。聴くか?」
「頼む」
俺はリムルの演説原稿を聴いた。
「どうだ、オーマ?」
「短すぎるし謙りすぎて情に訴えかけすぎている。0点だな」
辛辣な点数を付けられてズウゥウゥンと落ち込んでいた。
「俺とお前は国を治めてるんだぞ。国民に謙るのが統治者の役目じゃない。下手に出ずに己と民達が幸せに楽しく暮らせる国へと掴み取るなら決定づけた様に発言しないとダメだ。いいな。などという曖昧な発言は民に甘く見られるだけだ。しかも他国に演説するんだったらもってのほかの原稿だぞ」
ペラペラとダメな点を告げるとグサグサと言葉の刃が突き刺さっていくリムル。精神の<超速再生>がないからダメージは大きいな。
「リムルさん大丈夫?」
「う……うん……」
リムルはシズさんに慰められていた。
そんな彼に俺はため息をつきながらもこう言った。
「
「……わかった。サンキューな、オーマ」
リムルが感謝を告げると原稿内容を修正しに行った。
さて、俺も仕事をするとしよう。
そう思って執務室へと移動すると、つい最近にこの魔国連邦にて発展させたデジタルパソコンを起動した。
ゼアとアークを使い、異世界での技術力を越えた科学技術によって更に発展させた画面やキーボードを空中投影させる小型パソコンを魔国連邦内に多く設置した。
ベスターやペスのような技術者目線では異世界の技術は正しく未知の技術に大興奮して使用方法を徹底的に解析していたらしい。本来ならネットワークや配線など必要なのだが、電力開発は異世界での原子力発電などの技術では有害物質などの影響が出てしまうため、新しく量子電力発電を開発した。
名前からわかると思うが量子力学を用いた電力発電が可能となり、魔国連邦内では俺とリムルの執務室を除くとベスター達の実験室やゼアとアークがある領地にしかまだ発展させてない。
だが、使用可能な部分はゼアとアークとの接続・部品開発・データ整理などにしかまだ使える部分は少ない。
後々は異世界では日常として見ていたテレビなどが発展できるようにリムル達と企画を考えている所だ。
とはいえ、俺の魔王就任の決議や同盟国との関係構築などとやることが山積みな俺達からすればまだまだ先の話になるだろうが、同盟国である武装国家ドワルゴンから発注を頼まれている部品の整理は完了しており、それらの部品を魔法の財布と呼ばれる四次元ポケット風な財布からアイデアをもらって開発した「魔法ディスク」というフロッピーディスクをイメージして作製した。
このディスクに開発した部品を四次元へと一時的に収納してから別の場所へと納品する事が出来るようにした。
使用方法は空中に表示された投影画面から納品部品を指で画面上から外すような動作を行なう事でデータ状から物体化されるようにした。
このディスクの効果範囲も徹底的に調査した上で実用化する事が出来たそうだ。亡達の努力の結晶といえる。
無論、悪用されない対策もできている為、後はドワルゴンへの納品で済むだろう。
ドワルゴンへの納品数などの確認を終えた俺は白老とシズさんと共に紅丸達を鍛えていった。
タイムジャッカーの新たな戦力を考えて更に鍛練内容を厳しくすることになり、修行部屋として時間軸を操作して外界の一日が十年経過する異空間を召喚する道具────「
そんな魔導具を見てリムルと兵藤一誠が「"精神と時の部屋"じゃねぇか!!?」とツッコミされてしまった。
タイムジャッカー達の対応を考えるなら致し方ないと思うんだがな……
その結果。
この魔導具を使用した紅丸達も新たな特殊能力や"魔王の種"を獲得した事からリムルと兵藤一誠達を無理矢理連れて行き修行をさせた。
曙彌は<
ラグルドも妖鬼に進化した。
檀黎斗とときめ以外のライダーキャラは
檀黎斗は魔王種:
魔王種へと進化した事でウォズは何と宇宙の力を秘めた仮面ライダーギンガの力を秘めたギンガミライドウォッチを獲得した事で、この魔国内では指折りの実力者となった。
ジーンやベロバ達サポーターが各々専用のゲイザーの力と特殊能力を獲得した。
滅亡迅雷やアズも新たな特殊能力を有し、滅亡迅雷は同時に迅が使った事のあるザイアスラッシュライザーに似たザイア製の変身ライザーを有した。
紅丸は<
蟲型魔獣であるレギンとギシスとファーランとクェンが蟲型魔人へと進化して、レギンは<仮面ライダー剣>・ギシスは<仮面ライダーカリス>・ファーランは<仮面ライダーギャレン>・クェンは<仮面ライダーレンゲル>を獲得した。
カトツの弟であるゼギオンとゼギオンが護衛役として詰めている対象であるアピトもこの魔導具で蟲型魔人へと進化する手前にまで成長していた。もう少し成長すれば完全に進化するだろう。
シズさんも聖人へと進化して、仮面ライダーウィザードのドラゴンフォームに対魔特化の聖属性の力をドラゴンの力に注ぎ込んだ「ホーリードラゴンフォーム」を身につけた。
一般高校生男子程度の平均体力しかない兵藤一誠に関しても白老とシズさんの指導の下、格闘術に秀でた仙人に進化した。
同時に<仮面ライダー龍騎>と<
リムルも新しく<
どこから星粒子を得たのやらと呆れていたが、俺の<継承者>が皆の能力を複製継承すると同時に俺だけの特殊能力<
「にしても、<世界旅行>って異世界にも行けるみたいだぞ」
「そうなると、確実に地球に戻る事も可能というわけだな。暇が出来ればシズさんを連れて地球に一度行ってみるか?」
「そうだな。シズさんにも今の地球を見て欲しいし、ドワルゴンから帰ったら行ってみるか!」
そんな話をしながら一日が過ぎ、リムル達がドワルゴンへと向かう翌日を迎えた。
「いってらっしゃいませー」
「お気を付けて!!」
「留守を頼んだぞー」
嵐牙率いる狼車に乗ってドワルゴンへと向かったリムル達。
メンバーはリムルを初め、朱奈・紫苑・カイジン・ドワーフ三兄弟にシズさん。そして護衛としてゴブタ率いるゴブリンライダーがドワルゴンへと向かった。
次回~最高最善の魔王~