転生したら、仮面ライダーになった件   作:森雄

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長鼻族(テング)の里

俺が魔王に就任してから二日後。

 

俺は帰ってきたリムル達と会議室へと集めては魔王達の宴(ワルプルギス)での決定を告げた。

 

「ーーーーーーということで俺の名称は"最高最善の魔王(オーマジオウ)"となり、支配領域はこのジュラの大森林全域になった」

『えっ!?』

 

俺の報告を聞いて大変驚いている幹部達。

リムルやウォズなどは理解出来ていない。勿論、俺もその一人だ。

 

「全域となると・・・川の向こう側もですよね?」

 

そう訪ねてきたリグルドに肯定の返事を返した。

あまりに奇妙な態度を取る幹部達に話を聴くと、どうやら元々ジュラの大森林は暴風竜ヴェルドラの力強い魔素という加護によって守れていたものが、暴風竜が消えてから新たな魔王が誕生したとなれば、ジュラの大森林全域に住まう魔物達が魔王オーマに服従。又は力を見極める為に謁見しに来るのだ。

 

挨拶無き者は叛意ありと受け取られても仕方ないこと。

そう受け取って種族を滅ぼされては堪ったものではない。嘗てのひ弱なゴブリンであったリグルド達のような種族存亡の危機に陥る。

そんな事は種族の長からすれば避けたい出来事だ。

 

そして魔物は弱肉強食を強く意識している。

 

強者ならまだしも、弱者ならばその地位を奪い取ろうと考えている魔物もいるそうだ。

 

「そういう点では牛頭族(ゴズ)馬頭族(メズ)はその分類に当たると思います」

 

そう言ってきたのは屍馬だった。

 

「そうだな。唯でさえ一〇〇年間も抗争してるし、なんなら相手を滅ぼす為に魔王の力を利用することも厭わないだろうな」

 

屍馬の発言に牛千呂は同意した。

 

「そうなると俺と屍馬がそれぞれの故郷に戻って説得するしかないか」

「そうした方がオーマ様にご不快させずに済むな」

 

どうやら屍馬と牛千呂はお互いの故郷へと向かう事を告げてきたので、二人に許可をした。

 

牛頭族(ゴズ)馬頭族(メズ)の故郷には牛千呂達に任せる。他に懸念事項はあるか?」

 

牛頭族(ゴズ)馬頭族(メズ)以外に問題がある種族がないかを訪ねてみると白老が挙手した。

 

「白老。心当たりがあるのか?」

「はいですじゃ。クシャ山脈の頂に"山の神"と称される長鼻族(テング)がおります。彼の者達は戦闘種族で里に干渉される事を許してないのです」

 

そうなると牛頭族(ゴズ)馬頭族(メズ)よりも厄介な状況になるかもしれないのか。

 

そう思って思考加速しながら地球の本棚へと入り込んだ。

 

その本棚の中には銀河を思わせる様な光景を持つ白い異空間。

その異空間から大量の本棚が現れた。

 

「さぁ、検索を始めよう!検索内容:長鼻族(テング)

 

検索の内容を言葉で入力すると英語で天狗を意味する文字が浮き上がり、本棚が勝手に動いた。

動く本棚から検索内容に当てはまる本が一冊本棚から出てきては、本棚がどこかへと消えていった。

 

本を開いて長鼻族(テング)に関する情報を知る事が出来た。

 

どうやら長鼻族(テング)は嘗ての嵐牙のような狼に、世へと顕現した天使族(エンジェル)が憑依した種族だとわかった。

天使族は最上位である熾天使(セラフ)以外は意志そのものが存在せず、魔素量は高低差に関しては種族的に竜種の次に高い。

 

そんな天使が狼に憑依したことで、長鼻族(テング)という意思を持った天使の力を持つ狼になった。

 

天使特有の膨大な魔素量と狼の嗅覚を有する人型の魔物・・・・長鼻族(テング)はまさしく高ランク級の魔物である。

 

現在の長鼻族(テング)の長の名は楓という名持ちの魔物であり、娘として紅葉という長鼻族(テング)がいる。

長鼻族(テング)は魔王フレイと魔導王朝サリオンとの間で三竦みの緊張状態にある事が分かった。

 

魔王フレイは魔導王朝サリオンの神樹による高層都市を欲している。その為に長鼻族(テング)を支配下に置いて侵略を行なおうとしていた。

しかし、長鼻族(テング)は魔王フレイからの干渉を許さず、抗争はないものの圧力を掛けている。

 

そして弱った二勢力を狙う魔導王朝サリオン側。

 

この三竦みは現在進行形で緊張状態にあるようだ。

 

三竦みの現状を知る事が出来た。

それなら此方が取るべき行動はある程度決まった。

 

「白老の言った長鼻族(テング)の里に起きている事が分かった」

 

俺は検索を終えて得た情報を伝えた。

 

「魔王フレイとサリオンとの三竦みの状態になってるのか・・・」

「あぁ。それならこちらが提示する事はこれが良いだろう」

 

そう言って錬金術で内容を記載した巻物を錬成した。

 

それを全員に<思念伝達>で共有した。

 

「成る程。確かにこれなら平和的であり、魔王フレイ側がこちらに文句を言ってくる事も出来ないでしょうな」

「でも、魔導王朝サリオンはどうなるのでしょうか?」

「サリオンとはドワルゴンと同じ様に協定を結ぶようにすればいい」

「ですが、それでは魔王間の不可侵条約を無視する事になるのでは?」

「フレイがサリオンを狙っている理由は、サリオンが神樹による高層都市である事だ。天翼国フルブロジアでサリオンの高層都市を超える建築物を提案し、興味を抱いてもらえればいい」

「そうだな。興味を持たれたらサリオン側も魔王フレイや長鼻族(テング)に興味はなくなって、ドワルゴンと同じ様に交易を結ぶ事が出来るかもしれないな!」

 

リムルを初めとした幹部達もこの提案に賛成的である事から、各々が役目を担うことにした。

 

まず最初に長鼻族(テング)の里があるクシャ山脈へと向かうメンバーとして曙彌と紅丸と白老を初めとした者達を編成した。

次に魔王フレイの領地に使者を使わせる必要があったため、滅と迅を初めとした使節団が長鼻族(テング)の里との交渉が成功しだい向かう事となった。

勿論、その際には俺からフレイへと連絡を入れておくけどな。

 

そしてサリオンとの条約を結ぶためにドワルゴンと似た契約内容に加えて仮面ライダーゼロワン世界の技術で作りだした技術を取引内容とし、魔導王朝サリオンからは人造人間などの技術提供を申し込む。

条約が結ばれればドワルゴンとブルムンドとの四国で世界規模の流通革命を起こす為に、リムルや一誠が以前から愚痴を溢していた流通の乗り物である電車の開発を行なう事を提案する事になった。

 

その時はカイジンを初め、ペスにベスター達も参加させて開発を行なうつもりだ。

 

電車の開発には幾つかの問題がある。

その中でも一番の問題は、ジュラ・テンペスト連邦国と魔導王朝サリオンとの線路がない。それどころか道すらないのだ。

だが、こちらにメリットがあるようにリムルと然密な打ち合わせを行なった。

 

二日後の朝には曙彌達が出立する事になった。

 

そして二日後。

曙彌達は長鼻族(テング)の里へと、牛千呂を初めとした旅団が牛頭族(ゴズ)の里へ、屍馬率いる旅団が馬頭族(メズ)の里へと出立した。俺達は三組を見送った。

 

曙彌達は十数日掛けて長鼻族(テング)の里へとやってきた。

 

曙彌達の目の前には石柱によって出来た門が見えた。

 

「ここか」

長鼻族(テング)の里がこの石柱にあるのか?」

「この石柱は里への扉ですじゃ」

「待たれよ!」

 

門たる石柱へと進もうとする曙彌達を呼び止める声が響く。

石柱の上に天使の翼を生やした狼の仮面を目元に付けた男が現れた。

 

「(武の心得があるな)」

 

曙彌達は一瞬で相手が武を携えている事をすぐさま把握した。

 

「何ようで参った?」

「我らは魔王オーマ様の代理人として参った」

「魔王オーマ。聞いた事がないが・・・?」

「つい先日に魔王の一柱として選ばれ、ジュラの大森林を支配領域とされたジュラ・テンペスト連邦国の盟主の一人だ。知らぬ者が多いだろう。だが複数の魔王達からの賛成を得ている。これが証拠だ」

 

曙彌が証拠として見せたのは巻物が一巻だった。

その巻物が開かれるとそこにはオーマを魔王として賛成した魔王ギィを初めとした魔王達数名の魔力で書かれていた。

巻物に書かれた魔王達の魔力文字がその魔力の正体を立体映像の如く発生した。

 

ギィを初めとした数名の魔王達の映像を見て、長鼻族(テング)の男はどうするべきかと思っているとどうやら誰からか思念を受け取ったようで曙彌と紅丸。そして白老のみを里へと受け入れた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

三人が長鼻族(テング)の案内の元で石柱へと入ると、彼等の目には和風的な紅葉が咲き誇る里だった。

 

「これは・・」

「隠れ里は異空間にあったのか」

「初めて見ましたな」

 

三人とも隠れ里である長鼻族(テング)の里を見て各々の感想を述べた。

 

「こちらに」

 

長鼻族(テング)の男によって案内されると出迎えたのは男と同じ仮面を付けた数名の長鼻族(テング)と二人の白髪の女性と毛先に向かって白髪から紅葉色へと変色した髪色を持つ少女がいた。

恐らくこの二人は母娘(おやこ)であろう。

 

「久しいのぅ剣鬼殿」

「お主もな、

 

白老と楓と呼ばれた女性はまるで顔見知りのようであった。

三人は楓の居間へと案内された。

 

「ご無沙汰しております。楓殿」

「元気そうじゃのぅ、やんちゃ小僧。今や里長となったと聞いたぞ」

「いえ。大鬼族(オーガ)の里が無くなった今、私は里長ではない。今は魔王オーマを主君として仕える者だ」

 

曙彌と楓の二人もどうやら顔見知りのようだった。

 

「親父と白老は知り合いなのか?」

「あぁ。まだ俺が子であった頃だが、楓殿は白老の祖父である荒木白夜に弟子入りしていてな。大鬼族(オーガ)の里にいた期間があったのだ」

「懐かしいのぅ。剣鬼殿に何度も挑んだが終ぞ勝った事はなかった」

 

まるで懐かしむように呟く楓。

 

「いつしか儂は剣の腕前だけでなく、それを振るう剣鬼・・・いや白老殿にも惚れ込んでしまってな。里を発とうというその前に、大きな楓の木の下で思いを伝えたのじゃ」

「はぁ・・」

 

昔話をしている楓に困惑しながら聞いている紅丸。

白老も懐かしむ様な表情を浮かべていた。

 

「で、たちまちのうちにこの娘・・・・紅葉を孕んでおった」

『・・・・・はぁあっ!!!?』

 

楓から告げられた真実に、三人は今日一番の驚愕に襲われた。

 

「待ってくれ!つまり紅葉殿は白老の・・・」

「そう。馬鹿娘は白老殿と儂の娘じゃ」

 

そう言いながら隣に座る15歳ほどの少女こと紅葉の頭を撫でた。

曙彌達は誰もが驚いていた。

 

「おい、白老!お前は知っていたのか!!?」

「い、いえ・・儂も初耳です」

 

紅丸にそう問い詰められて白老は困惑している。

そんな白老を見て、楓は口元に振り袖の袖部分を当ててクスクスと笑みを浮かべる。

 

「さて、曙彌殿。此度の要件を聴かせて貰おうか」

「!そ、そうであった・・・では、魔王オーマ様の要件を伝える」

 

曙彌は楓から話を振られた事で漸く本日の要件を伝えた。

 

内容は魔国にて考えたとおり、魔王オーマの傘下に入ること。

 

その条件として、長鼻族(テング)の里に対するジュラ・テンペスト連邦国からの無干渉と魔王フレイと魔導王朝サリオンからの干渉を魔王オーマが防ぐことを告げた。

魔王間では不可侵条約が存在しており、ジュラの大森林が魔王オーマの支配領域であり、クシャ山脈はジュラの大森林の領域内に境に存在しており、魔王間ではオーマの支配領域に入るのだ。

 

これによって魔王フレイ側からの長鼻族(テング)の里への干渉は不可侵条約違反に当たるため、フレイも違反による賠償をするよりも手を引くことを選ぶだろう。

 

次に魔導王朝サリオンとは武装国家ドワルゴンと同じく協定を結ぶ為にも長鼻族(テング)が魔王オーマの傘下となり、魔国が魔導王朝サリオンと協定を結ぶことでサリオン側も天使の力を持つ長鼻族(テング)を相手にする必要性を無くなるだけでなく、魔国の最先端技術を得られるならば敵対行為を取ろうとはしない。

 

協定を結ぶに値する取引先相手である確立は8割以上もある。

しかし、サリオンと魔王フレイと長鼻族(テング)の三竦みの状況を無くす必要がある為、長鼻族(テング)を傘下に収めたい事を曙彌は伝えた。

 

傘下に入るのならば、長鼻族(テング)の里への不干渉を初めとした長鼻族(テング)側の要望を受け入れる事を契約書を出してきた。

 

その内容を読んだ楓や読み聴いていた紅葉を初めとした長鼻族(テング)は驚愕していた。

 

「成る程。魔王オーマの考えは理解した。里への不干渉といい、魔王フレイからの干渉を防いでくれるというならば、そちら側からの提案にも可能な限り呑もう。その上で我ら長鼻族(テング)も魔王オーマに従属してもいいと考えておる」

「では・・「ただし」?」

 

曙彌の言葉を防いで紅丸へと指先を向けた。

 

「その紅丸とやらは小僧の息子じゃな?」

「そうですが・・それが一体・・・」

「其方の息子が儂と白老殿娘の伴侶となることが条件じゃ」

 

楓がそう言った事で丁度、お茶を飲んでいた紅丸が咽せてしまう。

 

「ちょっと、お母様!」

 

娘の紅葉も突然の楓の提案に驚き抗議するも、顔に手を当てられて止められた。

 

「お前さんはどうじゃ?」

「ほっほっほ。若は子供の頃から鍛えておるし、問題はないのぅ。長は如何ですじゃ?」

「そうだな。大鬼族(オーガ)長鼻族(テング)の次期里長同士が許嫁になるのはよいことだ」

 

白老と曙彌も楓の申し出に関して受け入れていた。

そんな三人に紅丸が告げた。

 

「ちょっ・・っと待て!俺にも立場があるんだぞ!!そう簡単に娶れるものか!」

「なんですと?若はワシの娘が気に食わぬとでも?」

 

白老は怒りの灯った瞳で紅丸を睨み付ける。

 

「そんなことは言ってないだろうが!そもそも産まれた事さえ知らなかったくせに、何を父親面しているんだ!?」

「知ってしまったからにはワシにも責任があるというものですじゃ!」

 

娘がいるということで父親として自覚と責任を持った白老は、紅丸からの批難に物怖じしなかった。

そんな白老を見て、慌てていた紅葉がこう呟いた。

 

「あの・・お父様なのですか?」

「そうじゃ。お主の父、白老じゃよ」

 

紅葉は白老の名を聞くと涙を流しながら抱き付いた。

父娘の会話が弾んでいくと、どうやら紅葉が紅丸の実力を知りたいといって二人で軽い模擬戦を行なわれた。

 

結果は紅丸の勝利。

 

紅丸を初め、魔国連邦の戦闘員達は時間の流れが異なる異空間の中で修行を続けている。

その結果。魔王種を手に入れていないだけで魔王種級の実力者となっている魔物は数多いのだ。

 

だが、紅葉の実力・・・というよりも技術力という点において、彼女は紅丸達に届かず敗北した結果となった。

 

「紅葉。お前さんも魔国連邦に向かってはどうかえ?」

 

楓からの申し出に困惑する紅葉。

 

「え?でも・・・」

「魔国にはお前の父、白老殿がいる。魔王オーマの傘下に入ることで、里も今まで以上に平和となろう。白老殿。先程見たとおり、この娘は技量はまだまだです。私の兄弟子として、私の旦那様として娘を鍛えて下さいませんか?」

「勿論じゃ。紅葉よ。ワシの修行は手厳しいぞ」

「はい!」

 

白老は娘を鍛える事を了承し、娘の紅葉も乗り気だった。

 

「じゃが、それを乗越え。見事、若の心を射止めて見せよ!」

「はい!!」

「おい、白老!」

 

周囲から固めようとする白老に抗議する紅丸だったが、曙彌と楓が話を進めていき、紅丸の紅葉の許嫁という話の返事以外は今日この日に決定された。

結果から言って、長鼻族(テング)が魔王オーマの傘下となり、魔王オーマからの要望を可能な限り受け入れる。魔王オーマは長鼻族(テング)の里への干渉をしないことが確約された。

 

ジュラ・テンペスト連邦国へと帰国した曙彌達から今件の報告を聞いて、確約できた事への歓喜と、紅丸に起きた事にリムルと共に酒のつまみとして楽しんだ。

酒に酔ってモテる紅丸に対しての愚痴を溢すリムルだったが、シズさんや紫苑を筆頭にモテている男が何を言っているのかと思ってしまった。

 

曙彌達が帰国してから数日後に、牛頭族(ゴズ)馬頭族(メズ)の里へと帰郷していた牛千呂と屍馬達も戻ってきた。

結果的に言って、実力で従わせたと同時に里長としての地位についてしまう事になったそうだ。

 

「お前達の内容もたいがいだな」

「紅丸に関しては許嫁ができるらしいじゃないか」

「一番受けましたね」

「お前らなぁ!!」

 

牛千呂と屍馬がクツクツと笑顔になっていると、紅丸が二人に怒りを向けていた。

 

「喧嘩なら後にしろ。今から重要な事を伝える」

「重要なこと・・ですか?」

「あぁ」

 

俺がそう言うとリムルとシズさんに視線を向けた。

二人が頷くとリムルが説明をした。

 

「ーーーーーーという訳で、シズさんの教え子がいるイングラシア王国に行こうと思う。ドワルゴンとは違い魔物を受け入れてくれるとは限らないからな。今回は人間に化けてコッソリ潜入するつもりだ。シズさんもいるし、オーマからも許可を貰ってるし、オーマも<転生者>で人間に種族転生した分身を送ってくれる。護衛としてウォズや嵐牙や爪刃を連れていく。連絡係として蒼影の分身体も一緒に行動してもらうつもりだ」

「・・・お話しはわかりました。ですが、リムル様とオーマ様が旅立たれるというのは・・・」

「左様じゃな。万が一のことがあればジュラの大同盟も根底から崩壊するやも知れぬ」

「安心しろ。案内役も頼んでいる」

「案内役ですか?」

 

誰のことかと思っていると、言伝を頼んでいたゴブタが戻ってきた。

 

「リムル様!オーマ様!」

「戻ったか。どうだった?」

「大船に乗ったつもりで任せてくれ!!っだそうっす!」

「引き受けてくれたか」

 

ゴブタに頼んで、<影移動>で嘗てシズさんと冒険していた冒険者エレン達に案内役を頼んだのだ。ゴブタの話では了承してくれたようだ。

 

「ねぇパパ!」

「うん?どうしたシンシア」

 

スライム姿のリムル、シンシア親子が話をし始めた。

 

「私もイングラシア王国に行ってみたいです!」

「俺も!」

 

そう挙手してまで行きたいと言ってきたキラとシンシア。

 

「お前達もか!?」

「はい!」

 

シンシアが触手とも言える角をピコンと動かしては満面の笑顔(スライム姿だが・・)で肯定した。

 

「シンシアとキラも種族転生できるようになったとはいえ、二人も追加するのは・・・」

「ダメですか?」

「俺達も行きたいのですが・・・」

 

行けない事への失意の眼差しに、俺とリムルはいたたまれなさに覆われてしまったので、やむを得ず了承した。

 

「リムル様!それなら私も護衛に・・」

「お前は種族転生できないだろ」

「うぅ・・・」

 

紫苑も付いていこうとしてきたが、種族転生できない紫苑を連れていくことなどできない。

俺やリムルが種族転生させて連れて行く事も出来るが、ハッキリ言って暴走しがちな子供のような無邪気さを持つ紫苑が口を滑らせてジュラ・テンペスト連邦国の盟主である事を呟く危険性がある。

それを考えるとまだシンシアとキラを子供であると言うだけで済ませられるから紫苑には魔国にいてもらう。

 

無論、暴走の危険性があるのは他にもいるが嵐牙と爪刃は召喚獣という説明で済むが、紅丸達に関してはそうはいかない。

そう考えると、人間として召喚獣として同行できる者のみを厳選するほうがいい。

 

そう考えれば、俺とリムルとシズさんとウォズとキラとシンシア。そして召喚獣として嵐牙と爪刃が適任だ。

 

そう結論づけた俺達はエレン達がやってきたらすぐさま出発する事になった。

丁度、近くにやってきていたエレン達が数十分後にやってきたのですぐさま分身体の俺がリムル達を連れて出立した。

 

「じゃあオーマ。後は頼んだぞ!」

「あぁ。分身体を通じてお前達のことを把握してるから、気にせずイングラシアに行ってこい。頼んだぞ分身体」

「あぁ、任せてくれ」

 

分身体が了承すると、俺達はリムル達を見送った。

 

『いってらっしゃーい!』

 

国民達もリムル達を笑顔で見送った。

 




次回~五人の子供達~
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