俺とスライム、そしてヴェルドラが友達になった。
「それで、この封印はどうするんだ?」
ヴェルドラの<無限牢獄>を解除する方法を尋ねた。
訪ねられて二人とも思考し続けている。
<演算者>はどう思う?
【解。<継承者>の権能:戦士継承によって平成・令和の仮面ライダー全ての能力を継承している。そこから新たなライドウォッチ作成が可能】
その中に可能性があるものはあるか?
そう訪ねると一つ提案があった。
【告。仮面ライダーファルシオンの無銘剣虚無を召喚し使用することを提案】
「試してみるとするか」
しかし、召喚はどうするんだ?
【告。イメージをすれば召喚可能】
イメージっていわれても現物を知らないぞ。
【否。<仮面ライダージオウ>の権能:平成戦士・令和戦士にはライダーシリーズの記憶があり、ライダーの名前をイメージするだけで、そのライダーの記憶を一瞬で流れるように接続済み】
つまり名前だけイメージすれば能力や武器も理解出来るわけか。
そうとわかった瞬間、すぐさま名前をイメージした。
すると、仮面ライダーファルシオンの全てが一瞬で脳内に流れ込んできた。
「学習完了」
『ん?』
『どうした?』
ヴェルドラとスライムが此方に視線を向けると、俺が右手を向けた。
すると空間が歪みオレンジ色の炎が集っていき、一つの剣が具現化した。
「これが無銘剣虚無」
『えぇ!?』
『見慣れぬ剣を出したな』
スライムはどこからか取りだしてきた事に驚き、ヴェルドラが無銘剣虚無に興味津々だった。
俺はヴェルドラを封印している淡い色彩で覆われている空間に向けて剣を力強く振った。
すると、ヴェルドラを封印している結界に縦一閃に切り込みができた。
『うぉ!?』
『なんと!?』
切り込みから膨大な流れが感じる。
恐らく封印に使われている魔素量が切り込みから流れているんだろう。
『まさか<無限牢獄>に切り込みを入れるとは……』
『あと何度か切り込めば脱出できるんじゃないか!!?』
ヴェルドラとスライムが大はしゃぎになってそう言うが、俺はある部分に気付いた。
無銘剣虚無で切り込んだ部分が修復していった。
「修復したな」
『修復の速さからして、何度斬りつけても脱出までは無理そうだな』
<演算者>、これ以上の結果を出せる方法はあるか?
【解。仮面ライダージオウ・ファルシオンフォームに変身して必殺技を行使すれば、先程以上の成果が出せる。しかし、同時に個体名:ヴェルドラにも影響を及ぼす可能性有】
影響って……具体的には?
【解。個体名:ヴェルドラの消滅】
「絶対なし!」
俺が大声で<演算者>の返答を拒否した。
その声が聞こえたのか、ビクリと驚くヴェルドラとスライム。
『ど、どうしたんだ?』
「実は……」
俺は<演算者>の返答を二人に告げた。
『それは流石に止めておくべきだろ』
そう言うスライム。
『むぅ……流石に消滅は勘弁だが、必殺技とやらでなければどうだ?』
そうか。何も返信しても必殺技を使わなかったらいいのか。
そう思い俺はジオウの名前をイメージした。
すると、俺の腰にデジタルの家時計を思わせるベルトが、両手には色は違うが時計の盤型のウォッチが二つ現れた。
頭の中に流れた情報から、ベルトは「ジクウドライバー」。
ウォッチは「ライドウォッチ」といい、右手に握られるのはジオウに変身する為のウォッチである「ジオウライドウォッチ」。
そして、左手にあるのが、ファルシオンの力をアーマーとして身に纏う事が出来る「ファルシオンライドウォッチ」だった。
俺は変身することにした。
未完成な顔の状態であるジオウの盤を完成させて、ウォッチのボタンを押した。
ジオウ
ジクウドライバーのD’9サイドにジオウウォッチを装填して、ドライバーの中央部についていたボタンを押した。
ベルトが右下に傾いた。
同時に俺の背後にアナログの時計が出てきて反時計回りに動く針と時計回りに動く盤が現れた。
『うおっ!?なんか出た!?』
スライムは俺の後ろに出てきたモノに驚いている。
ヴェルドラに関しては少々ワクワクしながら見ていた。
俺は頭の中に流れた情報通りにあの人の変身ポーズを取り叫んだ。
「変身!」
D’9サイドを左手で回すように触れた。
するとドライバーが勝手に一周した。
ライダータイム 仮面ライダージオウ!
背後の時計が十時十分になるように回転し、盤にマゼンタ色の「ライダー」の文字が描かれた。
そして、俺の方はというと、幾つもの時計のベルトが体の周りに現れては、俺の姿を変えた。
その姿は以前俺が夢で見たあのオーマジオウと面影を漂わせる姿だったが、俺は間違いなく、仮面ライダージオウに変身した。
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来をしろしめす時の王者。その名も仮面ライダージオウ!まさに生誕の瞬間である」
そう言う声が聞こえたので、声のする方へと俺達が視線を向けると、そこにはカーキ色の美青年が一冊の本を手にしながら、そこに立っていた。
「あなたは……!?」
『誰!?』
『我でも気づけなんだぞ!?』
スライムとヴェルドラはその青年が突如現れたことに驚いているが、俺はそれ以上に彼のことで驚いていた。
「あなたはソウゴさんと一緒にいた……」
「おや、我が魔王は平行同位体の私と会ったことがあるようだね」
平行同位体?
【解。平行世界に存在する同一個体のこと】
成る程。
「それで、どうしてここに?」
「我が魔王の初変身の瞬間を祝うのは、家臣として当然の事だよ」
当然と言い切ってしまう美青年──────ウォズに内心で呆れてしまった。
「それでは、我が魔王。存分にお力を振ってみたまえ」
少々上からの物言いだが、俺もジオウの力を行使する事にした。
左手に持つ橙色と黒色のウォッチの盤の表面を顔になるようにしてスイッチを押した。
ファルシオン
D'3サイドにファルシオンウォッチを装填してサイドドライバーに着いてるスイッチを押して一回転させた。
アーマータイム 抜刀 ファルシオン
巨大な本が現れたと思いきや、本が不死鳥を思わせるアーマーへと変化してジオウに身に纏った。
『また変わった!?』
スライムは新しく変化した事に驚いていた。
「祝え!全ライダーの力を受け継ぎ、時空を超え、過去と未来をしろしめす時の王者。その名も仮面ライダージオウ・ファルシオンアーマー」
二回目の祝言に呆れながらも聴いていた。
そして俺は無銘剣虚無の柄を力強く握りしめて構えた。
無銘剣虚無の刀身が橙色と黒色のエネルギーが纏う。そして振り下ろした。
二色のエネルギー刃が<無限牢獄>を斬った。
しかし、変身前よりも少々大きな切断面しかできておらず、やはりすぐさま修復してしまった。
「どうやら、今の魔王では対処できないようだね」
『ううむ。ではどうする?』
振り出しに戻ってしまうという結果に終わってしまったため、封印の解除方法をまた考え直すことにした。
そんな時だった。スライムから提案がされた。
『それなら、俺の胃袋に入らないか?』
「「は?」」
その言葉を聞いて呆気にとられる俺とウォズ。
そして、ヴェルドラは「ククク……クハハ……クハハハハハハッ!!」
笑いの三段活用している。
『面白い。ぜひやってくれ。お前に我の全てを委ねる!』
『おいおい。そんなに簡単に信じていいのか?』
そう訪ねるスライムに「無論だ」と答えるヴェルドラ。
『ここで、お前達の帰りをさみしく待つよりも共に<無限牢獄>を破る方が面白そうだ!』
「なら、俺も協力しよう。俺の<演算者>は解析と演算処理能力に長けている。<無限牢獄>の解析には役立てると思うぞ」
『ふむ。ならばお前達に名をやろう。お前達も我ら共通の名を考えよ。同格ということを魂に刻むのだ』
共通の名か。ヴェルドラと関係のある名の方が良いだろうな……
暴風……ストームか、テンペストだが、ストームは名前としては発音が余り良くない。
そうなると選択肢は一択か……
『決まったか?』
そう聴いてくるスライムに俺は決まったと答えた。
それで二人で同時にその名を告げる。
『「テンペスト」』
それを聴くとヴェルドラは大変喜んだ。
『素晴らしい響きだ!今日から我はヴェルドラ=テンペストだ。そしてスライムには"リムル"の名を、そして新たな魔物であるお前には"オーマ"の名を授ける。リムル=テンペストとオーマ=テンペストと名乗るがよい!!』
名付けをされた事で、魂になにかが刻まれたような感覚を覚えた。
『さっさと<無限牢獄>から脱出して来いよヴェルドラ』
『任せておけ!そんなに待たせず相まみえようぞ』
そう言うヴェルドラにリムルが特殊能力<
【告。<継承者>により個体名:リムル=テンペストの<大賢者>と<捕食者>を獲得。<大賢者>を<演算者>と統合が完了。これにより、個体名:リムル=テンペストの<大賢者>と
あぁ。初めてくれ。
そう了承した途端、<演算者>は解析を初めてくれた。
「それじゃあ、洞窟の外に向かうとしよう」
『そうだな』
「私もお供します。我が魔王」
この後、俺達は洞窟外へと向かうのだった。
しかし、この時の俺達は何も知らずにいた。
暴風竜ヴェルドラの存在が消滅した事に、世界が激震が走っていることを…………
次回~ゴブリン村~