前世がレッドのイーブイ先輩 作:ちゃっぱ
「やっぱり歩くの面倒くさがって洞窟に行かなきゃよかったよぉ……近道なんてしなきゃよかったんだ……!」
「にゃあ」
イーブイ先輩を頭の上に乗せたまま、しょうがなく学園へ向けて歩いてたら、なんかヤバいへルガー族に襲われた。
イーブイ先輩がニャオハに指示してなんとかなったけど、これでいいのかと不安になる。
「うわーん! やっぱり私、イーブイ先輩がいないと生きていけない……!」
「……」
いつもの真顔で見つめ返してきたイーブイ先輩の目から伝わるのは呆れたという感情のみ。
イーブイ先輩バトルは好きだけど自分でバトルするというより他のポケモンに指示出ししてやる方が好きみたいだけどね。
イーブイ先輩、バトルに出たことないし。
ぶっちゃけていえば、私とイーブイ先輩が入れ替わった方がちょうど良かったかもしれない。
私がイーブイになるならバトルに出ず、愛玩動物として飼われるのが最高なんだけどね。
まあそれはどうでもよくて────。
「ぎゃおす」
「……なんか私に似てる気がする」
「にゃ?」
サンドイッチ好きな所と、一人で生きていけない所が私にそっくりだ。
それにバトルが苦手なところも似てる。
とりあえず助けたけど誰かのポケモンかな。モンスターボールに入れられないし。
「ああー! やっと見つけたよ、アオイ!」
「げっ……ネモ……」
「バトルしようよぉ!」
「嫌です! というか、今はそれどころじゃないし!」
「えっ?」
語尾にハートでもつけてるんじゃないかと思えてくるほど甘い声を出す戦闘狂に私はイーブイ先輩を盾にする。
頭の上から抱えられた状態でネモの前に出されたイーブイ先輩は嫌そうな目をしてたけど、これイーブイ先輩のせいだから。私のせいじゃないから!
────まああの後いろいろあって、ペパーとかいう人に会って戦闘になっちゃったんだけどね。
イーブイ先輩が約束を守ってくれて今回のバトルは私に譲ってくれた。
でも私はイーブイ先輩のようにバトル好きではない。
素人同然の私の指示にニャオハが応えてくれたけど、負けてしまった。
でも、ペパーの気が変わったのかな。ものすごく懐いたコライドンとかいうポケモンを見て私にボールを押し付けてくる。
そのままどこかへ行ったペパーにボールを返すことも出来ず、イーブイ先輩を見た。
イーブイ先輩は眠そうな顔して欠伸してた。
「まさかアオイが負けるだなんてね。本気で戦わなかったの?」
「本気で戦ったよ。これが私の実力なの! じゃあ私はこれで!」
「あっ、待ってよアオイ! もう一回バトルしよ!」
コライドンが乗せてくれたのでそのままネモから逃げる。
「……学校でも会いそうだなぁ。どうしよう」
戦闘狂なんてどこぞのチャンピオンタイムな人だけでいいのに、なんでこう絡んでくるんだろうか。
「とにかく平穏な学園生活! もう二度とネモに会わない! そんでイーブイ先輩に頼んでバトルしない! 私はイーブイ先輩のように最強じゃないんだから!」
「……」