前世がレッドのイーブイ先輩 作:ちゃっぱ
出番はないだけで居ないとは言ってないぜ。
追記
本文いっぱい修正しました!
発端は集められた全校生徒の前で校長が宣言したこと。
「それでは皆さん、宝探しを始めてください!」
そんな言葉で開始された宝探しという名の、課外実習。なんともタイミングが悪いなぁって思ったんだ。
私は外が好きじゃない。旅だってそうだ。のんびりお昼寝でもしてぐうたら生活していたい。
「……そうだ!」
つまり校長が言いたいのは自分の好きなことをやり遂げて、自分だけの宝を見つけようってことなんだろう。
なら私のやることは一つしかない。部屋でのんびりすること。そしてお昼寝だ!
そう思っていた私の行動を遮ったのは、ペパーだった。
「いくぞ、アオイ!」
「ふぇ!? 待ってよペパー!? 私、今から部屋に帰るんだけど!!」
「いいからちょっと付き合え!」
「ふぇぇ!?」
「あっ、アオイー! バトルしようよ!」
「うわネモ!? やだよ! 私は昼寝するんだからね!」
「昼寝なんかより試合の方が楽しいよ!」
「俺の方が用事は先!」
「どっちもやだってば!」
「────サンドイッチ作ってやるから!!」
決め手はサンドイッチでした。
イーブイ先輩には本当にお世話になりまして……。
まあ、そういうわけでいつの間にかストーカーが2人に増えていた。
何故なのかって言われたら、無理やりペパーに連れ出されてマフィティフの回復の旅路に付き合わされたから。
その際、何か言いたいことあったみたいだけど全部イーブイ先輩がいたからどうにかなってたし、旅の最後にといってきたペパーからの試合の申し込みも断った。
それで旅も終わったからと昼寝してたのにいつの間に部屋の合鍵を作ってたのか、ペパーが出入りするようになった。ただそれだけ。
「また寝てるのかアオイ!!? 相変わらずの寝坊助ちゃんだな!!」
「うぅ~……ペパー……私に構わないでよぉ……寝させてよぉ……」
「もう夕方だぞ! いい加減起きろ!」
「イーブイせんぱいは何もいってないもん……ホップみたいにお世話しなくていいからぁ……」
「だぁぁ! サンドイッチ作ってやるから!」
お布団でスヤスヤとしていた私に、美味しそうなサンドイッチを見せつけてくる。
それに目が冴えてお布団から飛び出した。
「さんどいっち!」
「……ご飯のことになると途端に三歳児になるよなアオイは」
仕方がないなというかのように、ペパーがご飯の準備をしてくれる。
部屋の中を見渡すとイーブイ先輩はいなかった。ニャオハもだ。
どうやらお外に散歩しに行ってるみたい。
二匹とは違ってコライドンのボールはあるし、私と同じように昼寝好きで寝てるけど。
手渡されたサンドイッチは少し辛みの効いたチキンサンドだった。
それをパクリとがぶりつくと、ペパーが小さくため息を吐く。
「もう引きこもりするなよ」
「ひ、引きこもりじゃないし! お昼寝とかお部屋で出来る好きなことをやってただけだし!」
「……まあ、さっきお前のポケモンとすれ違ったけど、ニャオハからマスカーニャに進化してるからちゃんとポケモンを鍛えてるってことなんだろうけどな。部屋にずっといると身体に悪いぞ」
「えっ、旅の時はあんなにニャローテにならなかったニャオハが最終進化……いつの間に……」
「ん?」
「あっ、ううん。何でもないの! それより何でペパーがこっちに?」
「本当はアオイに頼みたいことがあったんだけどな……それはまた後でにする。それよりアオイ、校長に呼び出しされてるぜ」
「げっ!?」
呼び出し────それは、ガラル地方で体験した嫌なものだ。
決勝戦を棄権したことでローズに目をつけられ、またダンデにストーカーされと面倒な記憶しかない。
でもきっと、ここで逃げたらより面倒なことになる。
「い、イーブイ先輩が帰ってきてから校長に会ってくるよ」
「駄目だ。今から行くぞ」
「イーブイ先輩がいないと無理だってば!」
「いいから早く行くぞー! どうせアオイのことだ。このままダラダラして約束は守れませんでしたとか言うつもりなんだろ。面倒くさがりちゃんだからな!」
「ちょっと!?」
ペパーが私を肩に担いできた。しかも無理やりである。抵抗してるのに全く意味がない。
何この筋肉、ポケモンの擬人化か!?
「くそぅこの怪力! ペパーのゴリランダー!」
「ゴリランダー?」
騒いでる私なんて気にせずペパーは廊下の外へ────呼び出された方へ向かうため、連れていかれる。
このまま校長に呼び出されたのが試験の追試で、赤点の補習としてバトルになったらどうしよう。
イーブイ先輩いないと駄目だ。バトル学の授業で留年する!
「……」
「あっ、イーブイ先輩! よかったぁ!!」
「おっ、いいとこにいたな。校長がアオイを呼び出してるんだ。エントランスホールまでアオイのこと頼むぜ」
「……ぶい」
「にゃあーん」
「ふぁ!? 待って何でニャオハ……じゃないマスカーニャに背負われてんの!? ちょっとマスカーニャ! 私は一応きみのご主人なんだけど!!?」
「フシャ」
「また鼻で笑ったぁ!!?」
「じゃあ頼んだぞー!」
「ちょっ……ペパー! ほんと許さないからね! 後でサンドイッチたくさんご馳走しなきゃ許さないんだからね!!」
そうして、部屋へ戻る隙すら与えられずに向かった先で────何故かそこには校長じゃなくてブライアという見知らぬ先生がいた。
どうやらこの学園の先生じゃないらしい。
なんかやることあってパルデア地方に来てて、ついでにと私のことを頼まれたとか。
「オモダカさんに頼まれてね。君にキタカミの里の村おこしをしてもらいたい」
「何で!?」
「チャンピオンが認める実力者だから特別にっていっていたよ」
「私は弱いんですけど!?」
「ああ、君にはキタカミで擬似的なバトルフロンティアのオーナーになってもらうってオモダカさんから」
「オモダカさんって方ぁ! 私は何かやらかしましたかぁ!!?」
「というわけでこれから飛ぶぞ」
「何で!!?」
ちょっと待って私の意思決定はないの!?
イーブイ先輩が好き勝手出来そうだけど、私は何も出来ないからね!!?
ローズ「誰が逃がすと言いましたか?」
オモダカ「逃がしませんよ」
ちなみに保護者には連絡済みです。逃がすつもりはない。
そしてお母さんも大歓迎。
母「あらあら、うちの子ってばいっっっっつも家にいてイーブイに甘えてばかりでね。小さい頃なんてイーブイがアオイの世話をしてたぐらいなのよ。多分イーブイはアオイのこと人間とは思わず赤ちゃんメッソンとでも思ってたかもしれないわね。ご飯も大好物のサンドイッチに出会うまでは食べることすら面倒で寝てばかりでね。無理に起こすとグズって泣いちゃうし。イーブイの方がご主人って思えるぐらいポケモンとトレーナーの関係が逆転してたわぁ。ガラルでも決勝戦放り投げて逃げて……逃げ癖がついちゃったのかしらね。だから寮へ放り込んでイーブイに任せてたのよ。心配してたんだけどチャンピオンからわざわざアオイに頼み事なんて! ええ、是非ともうちの子をよろしくお願いします!」
というわけで外堀は埋まってます。そこらへんはまた次回から!