「ピヨオオ!」
ポッポが鳴いている。
のどかな風景が続いている。
僕はオーキド博士のところにポケモンを貰いに行っている途中だ。
基本的に10歳になったらポケモンを博士からもらい旅に出るというのが田舎の常識になっている。家庭環境もあるだろうが一番は子供のうちに大切な思い出を残して欲しいからという思いらしい。(母さんが言ってた)
10歳の、それもまだ社会を知らないガキンチョ達がいきなり旅って大丈夫かと思うがポケモンリーグがポケモンセンターの回復、宿泊の無償化、トレーナーカードを見せれば食事の料金が格安になるという子供のお財布に優しくなっている。
ポケモンリーグはそれで元が取れるのかと言ったらがっぽり儲けてる。
子供が成長しやすい状況があることでジムを突破して、そのままリーグに出場してテレビに写されてリーグもチャレンジャーたちもウハウハっていう仕組みになっている。
視聴率はカントー地方で90%の人達が見ている。そう、90%だ。カントー地方の殆どの人はみてる。それだけ大規模なリーグなのだ。それだけ見られればスポンサーも桁違いに多い。僕も目標はリーグに行くことだからな。夢は大きくってやつだ。長い道のりだけど。
話をしていたらあの有名なオーキド研究所に着いた。
いつも思うがのどかな風景の中に似合わないバカでかい研究所だ。
じゃあ入るか
「オーキド博士はいらっしゃいますかー!!!」
「おお!旅に出る子かい?すぐに呼んでくるから待っててくれ」
オーキド博士の助手がオーキド博士を呼んできてくれた。
ドタドタドタ……
「お、おお!カイドウ君じゃないか!久しぶりじゃのう!」
「久しぶりです、オーキド博士」
オーキド博士は小さい頃に会ったことがある。その時は研究所の中を特別に見させてもらった。一番すごかったのはギャラドスだ。あの大迫力は忘れられないね。
「博士!今日から旅に出るんです!」
「おお!もうカイドウ君もそんな年か…。初めて会った時が昨日のように感じるのう…。と、ここに来たってことは、ポケモンを貰いに来たってことじゃな。あ……いや待てよ、うーむ」
「どうかしましたか?」
「いやあカイドウ君。それがじゃな。ポケモン、今はいないんじゃよ」
「えーっと。来てないとは…」
「えっとじゃな。新米のトレーナーたちにいつも渡しているポケモンは
"ヒトカゲ” "ゼニガメ” "フシギダネ” 御三家というポケモン達じゃ。じゃが最近はトレーナーになる子も少なくなってきたからのう。ポケモンも長い間ここに居させるのも可哀想じゃし、育ててる所とも最近連絡してないんじゃよ。3日前だったら3匹いたんじゃが、ちょうど三人やってきてともに旅に出てったわい。今からポケモンの育て屋さんに連絡すると来るのに2週間ぐらいかかると思うんじゃが流石に……」
「待てませんね」
「じゃろう?でも今研究所にいるポケモンもジムバッジを持っていなきゃ懐かないレベルのポケモンしかいないんじゃ。だから自分でポケモンを捕まえない限り2週間待つことになってしまうんじゃ。本当に申し訳ない」
「いやいや、博士のせいじゃありませんよ。じゃあ気長に待ちます。二週間の間、旅の準備してます。」
「ハイパーボールといいきずぐすりを渡しておくぞ。二週間も待たせてしまうんじゃ。それぐらいはさせてくれ」
「あ、ありがとうございます〜」
「あとカイドウ君のトレーナーカードも発行しておくぞ」
「ありがとうございます!あと博士、釣竿って持ってますか?」
「ポケモン用と魚用どっちとも持っているぞ。お古になってしまうが、今は使ってないから上げるわい」
「いいんですか?ではありがたく頂きます」
釣竿を貰えるなんてラッキーだな!これで魚釣りができる!
「よし、カードを発行しておいたぞお。これでカイドウ君も正式なポケモントレーナーだ。おめでとう。そしてポケモンに関しては申し訳ない。ワシの落ち度だった」
「大丈夫ですよ博士。いっぱい良いもの貰ったので」
「そう言ってもらえると助かるわい…。ポケモンが来たらすぐに伝えるから旅の準備はしておくんじゃよ!」
「はい!たのしみにしてまーす!!」
こうして僕は二週間待たされる代わりに良いものをたくさん貰ったのだった。
………暇だなあ。
◇◆◇◆◇
「カイドウ〜!!どうしたの?もう帰ってきたの?」
「カイドウどうしたの?まさかもうやんなっちゃった?」
「いや実は……」
あの後僕は家にのんびりしながら帰り、のこのこと帰ってきた僕を見つけた母さんと姉さんが何があったのかと問い詰めてきて事情を説明していた。
「なるほどねえ。てことは、カイドウがあと二週間もいるってこと!やったわ!」
「お母さんったら…。でもよかった。なんかあったのかと思ったわよ」
「何もないよ姉さん。でも釣竿とか色々貰ったんだ!」
「あら?!いいじゃない!オーキド博士に貰ったの?大切にしなさいね」
「勿論!」
「さあ、じゃあ早く家に上がって手洗いうがいしなさい!ご飯そろそろできるから!」
「「はーい」」
こうして、ご飯を食べ終わった後風呂に入って布団についた僕はのんびりと二週間をどう過ごして行こうかと考えながら気持ちいい眠りに着いたのだった。
翌日、黒いポケモンと生身でバトった。