再転生した元神は転スラの世界へ   作:さすらいの旅人

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思わず衝動で書いてしまいました。


いきなりの異世界転移

(何だ、一体何が起きた?)

 

 大森林の中に一人の青年がいる。

 

 彼の名は司波隆誠。十師族(じゅっしぞく)の一つ、四葉家に連なる者。彼は以前まで四葉家の分家から爪弾き扱いされ、更に異母弟妹からも蛇蝎の如く嫌われていた。しかし、とある事情によって今は立場が大きく変わり、次期四葉家当主補佐の地位を得ている。全ての分家は勿論のこと、立場が上である筈の次期当主の異母妹も屈服するように服従の姿勢を見せている。いきなりの立場逆転劇と思われるかもしれないが、それを語るのには長くなる為、敢えて割愛させてもらう。

 

 隆誠は一般の大学に通っており、今は夏休み真っ只中だった。それを利用して遠出と言う修行の旅に出るのが彼の恒例行事となっており、愛車のバイクを利用して日本各地を回っている。

 

 何時もの通りに一般道路を走行中の際、異変が起きた。整備されている筈の道路から一変して、全く手入れのされていない丸出しの土や雑草が生い茂った道だけでなく、周囲にはたくさんの木々が無造作に並んでいる。

 

(ふむ……此処は明らかに俺が知ってる世界じゃないな)

 

 走行していたバイクを一旦停止させ、周囲を見渡している隆誠は今の状況を冷静に受け止めていた。

 

 普通の一般人であれば突然の出来事に混乱してもおかしくない。しかし彼は普通の人間とは大きく異なり、前世(むかし)の頃に『兵藤隆誠』、更には前々世(おおむかし)に『聖書の神』としての経験(きおく)を継承している事で、自分は異なる世界に迷い込んだのだろうと結論する。

 

(元の世界へ戻りたいところだが、今の俺では『次元の狭間』を開く事は出来ないからなぁ……)

 

 司波隆誠となってる今の彼では、多少弱体化しても神の能力(ちから)を扱えるのだが、『次元の狭間』を開く事は出来なくなっていた。

 

 何とか元の世界を戻る事を考えている中、少々離れた所から大きな足音が鳴り響き、段々と近付いてきている。

 

「おお……!」

 

 隆誠の前に姿を現わしたのは、今までに見た事のない異質な存在だった。

 

 見た目は蜘蛛と蟹が合わさった巨大な化物(ばけもの)。鋼よりも硬質そうな外骨格をしており、足の一本一本が研ぎ澄まされた刃のように鋭い。まるで伸縮自在の槍みたいで、簡単に対象を貫ける威力がありそうだ。

 

 その化物は完全に隆誠を獲物として見ている。例えバイクを使って逃げようとしたところで、木を足場にして縦横無尽に追いかけようとするだろう。

 

 自分を見て恐怖していると判断したのか、化物は即座に襲い掛かろうと動き出す。

 

「やっぱりそう来たか……」

 

 バイクに乗りながらも迎撃しようとする隆誠は、焦る様子を見せる事無くハンドルを握ってる片手を放した直後、パチンッと指を鳴らした。

 

『~~~~~~~~~~~~!!』

 

 化物は大きな悲鳴を上げた。外骨格や間接には、槍と形容すべき黄金の光が大量に突き刺さっている為に。

 

 隆誠が使ったのは、『聖書の神』の頃から使っている『光の力』であり、それを剣や槍に象って放つと言う一種の技。人間が受けたら簡単に貫く事が出来る殺傷性が高い一撃なので今まで使わなかったが、目の前にいる異形の存在が襲い掛かってくるのであれば話は別になる。

 

 光の槍に突き刺さっていた化物は、文字通り虫の息となってピクピクとしか動いていない。

 

「ふむ。久しぶりに使ったが、まぁこんなところか」

 

 隆誠はそう言いながら、再度パチンッと鳴らした瞬間――化物に突き刺さっていた光の槍は制御が失ったかのように破裂し、大きな連鎖爆発が起きる。

 

 僅か数秒に満たないのだが、それでも相当な爆発音が森林周囲に響かせていた。

 

 

 

 

 

 

「うんうん、家がどんどん造られて良いねぇ」

 

 ジュラの大森林にある一つの集落は町に発展しようと、多くの家が建設されている。

 

 その発起人となったのが一匹のスライム――リムル・テンペスト。その者は前世でごく普通のサラリーマンをしていた一般人だったが、通り魔に遭遇して刺殺され、異世界に転生してスライムとなった。

 

 彼は前世の記憶があると同時に、死んだ事でユニークスキル『大賢者(エイチアルモノ)』を獲得した。その規格外(チート)同然なスキルによって、更に多くのスキルを獲得し、最弱のスライムとは言えない反則並みの力を持つ存在となった。

 

 リムルはゴブリンの集落を一つの町として作ろうとしている。前世の知識を最大限に活用し、嘗て住んでいた日本と同じ生活レベルにする為に。

 

 詳細は省くが、今いる集落にはゴブリンだけでなく、嵐牙狼(テンペストウルフ)鬼人族(キジン)猪人族(ハイオーク)などの種族が住んでいる。彼等はリムルから名前を授かり、その恩義に報いろうと配下になり、役割を与えられ従事している。

 

 建設は主にハイオークが行っており、今も着々と進み、数ヵ月も経てば立派な街へと変貌するとリムルは確信している。

 

 忙しくても平穏な時間だと眺めている中、突如遠くから大きな爆発音が鳴り響いた。

 

「な、何だ!?」

 

《解。集落から少し離れた所で爆発が発生しました》

 

 戸惑うリムルに『大賢者』が簡潔に答えた。

 

 その爆発は、集落にいる者達も当然聞こえており、一体何事かと困惑している。

 

『リムル様、分身体より奇妙な魔獣と見慣れぬ格好をした人間が、ジュラの大森林に突然現れたとの報告が入りました。先程の大きな爆発を引き起こしたのは、その者達です』

 

 隠密の役職を与えられた鬼人族(キジン)蒼影(ソウエイ)から『思念伝達』が届いた。

 

「そんな奴等が現れたって事は、只事じゃなさそうだな」

 

 報告を聞いたリムルは、直接確認しようと自ら動き出そうとするのであった。配下となった他の鬼人族(キジン)達も召集させる事を忘れずに。




時期としてはオークロード討伐から二か月後です。
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