Pokémon LEGENDS “雷”   作:Cr.M=かにかま

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出したいポケモン達と人物が出せて、満足感……(まだはじまったばかり)

ちびたXtremeさん、いつも誤字報告ありがとうございます…!


6.少女は己のことを考える

 アチャモの体力を考慮し、出発は明日になった。

 目を覚ましたアチャモはソラノ同様、悔しさを露にしており、エレキッドに飛びかかりそうな勢いだった。

 バーベキューで多少は打ち解けたものの、ライバル心を燃やしてることに変わりはない。

 

 日が落ちるまで騒ぎ、夜になり眠れぬソラノは外に出て星空を見上げる。

 星空、あのどこかに自分の故郷があるのだと、欠けた記憶を辿るように物思いに耽る。

 

 「あれ、ソラノ?」

 「キサゲ」

 

 眠れぬのは彼も一緒だったようだ。

 あれこれと丸め込まれ、クレアシティまで同行することになった。

 イナズマ巡業スタート地点であり、ヒノ諸島の玄関口とされてる港町である。

 途中、ウルタウンを経由するのが、ここからの行き方である。

 

 「まさか、連日でウルタウンに行くことになるなんて思わなかったっす」

 「ボク一人でも問題ないのに、キサゲにも迷惑かけてる」

 「……うちの両親、そういうところ強引なんっすよね」

 

 乾いた笑い声が辺りに響く。

 バーベキューした時に感じたのだが、彼はソラノが思うよりも信頼してもいい人物なのかもしれない。

 軽薄でお調子者な印象だったが、引きこもり体質なだけなのかもしれない。

 

 「……二人ともキサゲが心配、だから無茶振りさせてる?」

 「まさか、オイラはなんやかんや要領良くやっていけてるっすよ」

 

 追記、少々自信過剰なところもあるようだ。

 

 「ソラノって、宇宙から来たって聞いたっす」

 「うん、そうみたい」

 

 記憶が曖昧なせいで、どうにも自分事に思えない。

 

 「オイラ、ソラノが宇宙に帰る日が来たら一緒に連れてってほしいっす」

 「宇宙に?」

 「オイラの夢なんすよ、宇宙旅行」

 

 幼い頃に見たドキュメンタリー。

 宇宙からやって来たポケモンの存在や数多くの未知やロマン、男として惹かれるものがとても多い。

 

 「……引きこもりなのに?」

 「それとこれとは話は別っす!」

 

 ソラノに男のロマンはわからない。

 ましてや、現地星人の感性であるなら尚更なのかもしれない。

 

 「……ボク、いまいち自分があそこから来たって感じがしないんだよね」

 「そうなんすか?」

 「なんというか、懐かしいって感じは少しあるけど、ここが心地いいというか、うまく、言えないけど」

 「そういうもんなんすね」

 

 実家を出てない(引きこもり)キサゲにはピンと来ない感覚だった。

 もしかしたら、ソラノもこんな感情なのかもしれない。

 

 「だから、ボクはボクを知るためにイナズマ巡業を、してみる。アチャモと一緒に」

 

 少女は決意を胸に。

 

 「ま、少しの間っすけど付き合うっすよ」

 

 少年にそんなものはなかった。

 締まらない男である。

 

 

 ※

 

 「……うん、あの男消そう」

 

 

 ※

 

 ──ゾク、っと背筋を恐怖が伝う。

 

 突然のことにソラノとキサゲはその場から動けずにいた。

 先程までの雰囲気とは一転、張りつめた緊張が場を重くする。

 

 ザリ、ザリ、ザリ……

 足音が響く。

 

 バチバチバチバチ、と電撃の発生する音が次第に大きくなる。

 

 「──ッ、ワンパチ!!まもるっす!!」

 

 キサゲが反射的にポケットの中にあったモンスターボールを投げる。

 飛び出してきたワンパチは混乱する様子もなく、主人であるキサゲの指示に応じた。

 

 ──雷撃の剣を振り下ろした武人がそこにいた。

 

 バチバチバチバチ、と稲妻と絶対防御の盾がぶつかる。

 結果として、ワンパチのまもるが破られる道理がなく、武人の攻撃は不発に終わる。

 

 攻撃を防がれ、武人は勢い良く後退る。

 

 「あれも、ポケモン……?」

 「キリキザンっす!」

 

 ▽キリキザン(ヒノのすがた)

 ▽らいきりポケモン

 

 左右非対称の腕、右腕がまるで刃物のように鋭い形状を為している。

 人間のような二足歩行で武骨な造形は、冷酷な暗殺者のようである。

 

 「──あれま、防がれちゃったか。不意打ちとして完璧だと思ったんだけどね」

 

 キリキザンの後ろから歩いてきた男、まるで悪意が形取ったような男だった。

 糸のように細い目から覗く瞳は悪意とは程遠いほど綺麗なものである。

 しかも、その瞳の色は──

 

 「やぁ、久しぶりだねソラノ。やっと会えてお兄ちゃん嬉しいよ」

 

 ──ソラノと同じ輝きを持っていた。

 

 「……誰?」

 「おいおい、冗談はよしなよ。僕のことを、お兄ちゃんのことを忘れた演技でもしてるのかい?」

 「ボクに、お兄ちゃん……?」

 「……ちょっと待って、これ本気で忘れてるやつ?もしかして、さっきの衝撃で記憶飛んじゃったの?」

 

 襲撃者はコロコロ表情を変え、ひどくショックを受けている。

 隣に立つキリキザンがとても気まずそうな表情をしていた、止まった時間にキサゲが入り込む。

 

 「ていうか!あんた、一体何なんすか!?今の、攻撃完全にオイラのこと狙ってたっす!危ないじゃないっすか!!」

 「僕がソラノに攻撃なんてするわけないだろ!?」

 「やっぱりオイラを……!何なんすか、あんたは!?」

 

 膝を付き両の手を地に伏せた男はゆっくりと立ち上がる。

 キリキザンは男を守るようにして、一歩前へと動く。

 

 「言ったろ、僕はソラノのお兄ちゃんだよ」

 「……それしか言えないんすか、あんた」

 「妹に付き合うと言った貴様を消す男だ、死に行く者にそれ以上を伝えることはない」

 「……えっと、あれってそういうことじゃなかったんすけど──」

 「妹を弄んだのか、この屑男!」

 「だ、だからお兄さん──」

 「貴様にお義兄さんと呼ばれる筋合いはない!キリキザン!!」

 「だー!!こいつめんどくせぇっす!!」

 

 キリキザンはやれやれと言った様子でキサゲに向かう。

 まもるは連続で使用すると技が決まりにくい。

 アチャモとエレキッドは部屋で既に眠ってしまっている。

 

 「ソラノ!こいつ何とかするっすよ!」

 「もちろん!ロトム!」

 

 ソラノのロトムはバトル向きの育成はされてないが、現状頼れる存在だ。

 バトル用の技はあやしいひかりとスパークの二種類。

 キサゲのワンパチもエレキッドほどバトルが強いわけではない、対する相手は武闘派の雷刃。

 

 「妹相手に、手加減とかするつもりは……?」

 「するに決まってるだろ!」

 (するんだ……)

 (するんっすね……)

 

 ──もしかしたら、なんとかなるかもしれない。

 淡い希望が少しだけ、できた。

 

 ▽???(シスコン)が しょうぶを しかけてきた!

 

 「──あやしいひかり!」

 

 ポケモンバトルにおいて、搦め手は有効な手段である。

 世界トップのトレーナー達も使うし、戦法の手段として公的にも認められてる。

 特にジャイアントキリングをする上では必要不可欠な要素とも言える。

 

 「目をつむって、つじぎり」

 

 キリキザンの つじぎり!

 

 あやしいひかりは言うなれば、光源から混乱を発生させる視覚情報からのもの。

 視覚を絶って敵を斬る、武人たるキリキザンにとっては容易なことであった。

 

 雷を切断する刃がワンパチを襲った。

 

 「ワンパチ!?」

 

 まさに一刀両断。

 実力差は明確であった。

 

 「ていうか、狙うのはソラノのロトムじゃねーんすか!?あやしいひかり出したのロトムっすよ!?」

 「ソラノのポケモンに手を出すわけないでしょ、ばぁか!」

 「まずい……!」

 

 ロトムよりレベルの高いワンパチの戦闘不能、つまるところ敗北を意味している。

 

 「ソラノ、僕にお前を攻撃させないでくれ──」

 「──なんだいなんだい」

 

 キリキザンがロトムに狙いを定めようとした、その時であった。

 第三者の声により、否、キリキザンの動きを止めたポケモンの登場によって、状況が一変する。

 

 「おばちゃんも、混ぜておくれよ」

 「わわ、イナホさん!?」

 

 元マリブリーグ四天王のイナホが寝間着姿で、相棒のキングラーを携えて乱入してきた。

 

 ▽キングラー(ヒノのすがた)

 ▽はさみポケモン タイプ みず・じめん

 ▽巨大な 左のハサミは 万力以上の パワーで ダイヤモンドも 粉々に する




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