NPC好きプレイヤーが往くシャングリラ・フロンティア   作:名無しの葦名衆

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ふと書店で見かけた漫画を手に取り、ペンシルゴンに脳を焼かれました。

ゆっくり進めていきます。


第1話 ようこそ、シャングリラ・フロンティアへ

貴方はなんのためにゲームをしますか? 
 

 

恐らくは全ゲーマーが聞かれたであろう言葉だ。

 

ある者はクソゲーを網羅する為と答えた。

 

またある者は積み上げて、強くなる為と答えた。

 

ある人もまた、私が美しくある為と答えた。

 

ならば俺は? 

 

俺はどう答える? 

 

そりゃあもちろん

 

 

 

 

 

 

 

俺の手で生み出したキャラクターが紡ぐシナリオを、この目で見る為だ。

 

 

 

 

──────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉ急げやぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 ようやく大学の講義が終わり明日から春休みが始まる為、俺は全速力で自宅へと戻る。

 勿論春休みが始まるという理由もあるが、実はもう一つある。

 

「この日のために俺は待っていたぜぇ……シャンフロぉ!!」

 

 そう、今日は世間で神ゲーと噂されているあのゲーム「シャングリラ・フロンティア」が手元に届く日だからだ。

 

 

「シャングリラ・フロンティア」 通称「シャンフロ」

 

 去年の春に発売され、最も多くの人が同時にプレイしたゲームとして世界記録としても認定された。

 

 どのゲームにもあるアンチが、このゲームではその数十倍もののファンによって押し流されるレベルでの高評価。

 

 つまり、文字通りの神ゲーってわけだ。

 

 事前に商品は置き配にしてたし、配達完了通知も既に携帯から確認済みだ。

 

 後は帰って封を開けるだけ……。その瞬間が楽しみでワクワクが止まらねぇぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっしゃー! 手に入ったぜ、シャンフロぉ!!」

 

 帰宅後、玄関前に置かれていた箱を開けると待ちに待った「シャンフロ」とご対面できた。やべぇ、パッケージからして神ゲー感漂ってるわ。良いゲームってなんでパッケージ見るだけでもにやけ面が止まらねぇんだろうな。

 

 そして俺は正当なゲーマー。シャンフロの説明書を読みながら、VRで遊ぶ環境を整えていく。

 

 ガチ勢や金持ちじゃない限りは基本的にはベッド等に寝てプレイをする。まぁさっきも言った通り、ガチ勢とかはゲーミングチェアやら買うんだが、流石に賃貸でそれをやるのは他の住居者に迷惑がかかるからな。勿論、金が足りないってのもあるが。

 

 後はプレイしながら水分補給や食事もできないからそれも済ませておこう。因みに俺は食パンにハムとスライスチーズを挟んだ即席サンドイッチが好みだからいっつもそれだ。

 水分補給の方も俺が好きなメーカーのスポーツドリンク。

 野菜不足? 後で野菜ジュース飲むから許してくれ。

 

 この賃貸自体、というかこのご時世だからVRゲームをプレイする人が多いからそういう人向けを借りている為、滅多に人とかが来ないが逆にそれでVRプレイ中に体調不良でそのまま……という事例もあるからな。

 今は冬だから脱水症状や風邪だが夏だと更に危険だ。VR中に熱中症になっちまったらとなると恐ろしくて考えられねぇぜ。

 

 窓を開けて換気、そして寒くならないようにエアコンの暖房を付けておく。玄関のカギはオートロック式だからそこはありがたい。

 

 最後にVR機器を頭に付けて、布団に寝る。

 

「さぁて、神ゲーがどれほど凄いか試させてもらうぜ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゲームが起動するとタイトル画面が表示、次にログインする為のIDとパスワードの確認が完了すると、待ちに待った新規キャラクター作成がやって来た。

 

「流石、MMORPGだな。キャラメイクの自由度が高いぜ」

 

 人種に体格、アクセサリー。ここまでならよくあるが流石はシャンフロ、角まで用意してやがる。これで同じ見た目の奴に会ったら運極まれすぎて最高かってくらいの自由度だ。出来ればキャラメイクを最後にしたいが……お? 

 

「おいおい、先にジョブ決められんのかよ」

 

 キャラメイクを最後にするタイプにもありがたい、スキップしても他の項目に進められるようだ。特に俺は職業や出身からキャラをイメージして作るタイプだからとてもありがたい。さっそくジョブから決めるぜ。

 

「いや多くね!? ジョブの欄がこんなにあるの初めてだぞ!?」

 

 まさかのスクロールでも数秒かかるとは思ってなかったわ。

 他のゲームだとただの騎士の一括りになるものでも、このゲームでは騎士(○○使い)という風に独立しているみたいだ。

 流石に某死にゲーと呼ばれているゲームに登場する素寒貧はないが。いやあっても困るが。

 となると……最初のジョブは《傭兵(弓使い)》で行こうか。

 

 次は出身だ。こっちはどうやら選択によって上がる補正と下がる補正がある。だが、こっちは直ぐに決まるな。

 

「出身は……在野の雄でいこう」

 

 選んだ理由はいたってシンプル。クエストクリア時のNPCからの好感度に補正、クエストをクリアする程NPCに名前が広まる。この効果があるからだ。

 俺個人の考えだが、ゲームはプレイヤーだけでは成り立たない、NPC(彼ら)も居るから世界観が広がり、NPC(彼ら)が居るから俺達プレイヤーもRPが出来る。言葉にするのが難しいが、俺はNPCが大好きだ。

 なのでNPCに名が広まるという補正がある《在野の雄》にした。

 

 そして最後にキャラメイク。ジョブと出身からイメージするのだが……俺はゲームに自分を反映させるより、そのゲームで生まれたキャラクターを操作する派なのでリアルとは全く別にする。まぁキャラメイクスキルはないので時間がかかるんだが……

 

「お、悪くねぇな」

 

 約2時間かけて出来上がったのはロング程でも短髪程くらいの長さにし、右目が隠れるように伸ばした黒髪。目の色も両方黒。性別は男性で、種族は人間。身長は……低身長より高身長派の俺は180弱にしておこうか。

 

 最後にプレイヤー名。これが大事だ。毎回違う名前にする上にこいつに命を吹き込むような儀式の感覚になるから、毎度毎度悩んでいる。

 だけど……今回だけは前に遊んだゲームと同じ名前にしよう。なんか合ってるしな。

 

「お前の名は『ローン』。ただ一人、それでも強く」

 かっこよく言ったけどまぁ「一匹狼」という意味に近いな。傭兵だし多分クエストを沢山受けるからソロプレイが多いだろう。

 

「さて、これからお前の物語の始まりだ。一番近くで見させてもらうぜ?」

 このシャンフロに新たに生まれるキャラクター『ローン』がどんなシナリオを進んでいくのか楽しみにしながら、西崎智也()はゲームを始める。

 

 

 

 

 

 遥かな太古、神代と呼ばれる時代があった。 偉大なる神人達は後世に命を紡ぎ、その姿を消した。 時は流れ、神人の遺志継ぐ我々は彼らが願ったように地に広がり、そして大いなる命の流れを紡いでいく……

 

 

 

 今を生きる我々は、歴史と遺跡の中に息づく過去の遺産から神人達の軌跡を辿る。 貴方は開拓者。東よりの風と共に現れ、幾度となく膝をつき、されど進み続け……そして風と共に消えるかもしれない者。

 

 

 

 貴方の生きる意味は? 

 一振りの剣に己が身命を託す? 

 魔道の深淵を覗いて魔道の高みを目指す? 

 

 

 

 あるいは戦いの道を選ばないことも出来る。その全てがここにある。その全ては貴方の中にある。さぁ、一歩踏み出して。 未知を、未来を、そして可能性を切り拓いて。それがこの地に生まれ落ちし、神代よりの子らに課せられた使命なのだから。

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