伝説のスイーパーの弟子がリコリコの世界に行く話   作:Mr.不器用

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 1話から1ヶ月も経ってしまい申し訳ありません。一応全13話で完結させる予定です。完結まではしっかり書くのでご安心してください。




ep.1 始まりの物語

「おはようございます」

 

 時刻は午前9時。今、俺はリコリコにいる。今日は普通にコーヒーを飲みに来たのではない。

 

 仕事だ。具体的には銃が約千丁消えた。一丁や二丁ならまだいい。千はかなりまずい。戦争が始められるレベルだ。この任務は元々リコリスが受け持っていたが任務に失敗した。その詳しい状況と今後の対応について話に来た。

 

「優か。待ってたぞ」

 

 ミカさんには昨日の時点で連絡をしておいてある程度の情報は掴んでもらっている。

 

「おおー優くんじゃんおはようー」

 

「おはよ、千束」

 

千束に挨拶するとその横に見知らぬ女の子がいた。千束の制服と色違いなことからリコリスだと思われる。

 

「あ、そうだ優くん紹介するよ!私の相棒のたきな」

 

「新しくここで働くことになった井ノ上たきなです。よろしくお願いします」

 

「ああ、こちらこそ。一応ここの常連になるのかな?冴羽優です」

 

「じゃあ軽い自己紹介も終わったことだし私たちは仕事に行くよ。詳しい話はまた今度。じゃあたきな行くよ」

 

「わかりました」

 

千束とたきなはそう言ってリコリコを出ていった。仕事といってもリコリスの仕事ではなくおそらくいつものようにコーヒー豆の配達だろう。

 

「千束たちも行ったことだしこちらも本題に入るか」

 

「そうですね」

 

「まずはこちらの情報だが残念ながらほとんど得られなかった。商人も死亡していたからな。今わかっているのは銃が約千丁消えたということだけだ」

 

「なるほど。俺もほとんど情報は得られませんでした。でも、その銃のうち約三百丁は先日俺が押収して処理することができました」

 

「本当か!残りの七百丁は」

 

「申し訳ないんですがそこまでは掴めなかったです」

 

「そうか。そうなると複数に分けて引き渡されたみたいだな」

 

「これからはしばらく情報収集をしようかと思います」

 

「頼む。こちらも何か情報をつかみ次第共有しよう」

 

 ひとまず、今得られそうな情報はこのくらいか。三百丁回収したとはいえまだ半数は行方知れず。仮に銃がテロリストに渡り日本でテロを起こされたら対処するのは難しいだろう。最悪のことを想定して師匠にも話しておくべきだな。

 

「それじゃあミカさん俺はこの辺で失礼します」

 

「せっかく朝早く来てくれたんだ、コーヒー飲んでいかないか?もちろんサービスだ」

 

「それじゃあお言葉に甘えていただきます」

 

side out

 

千束・たきなside

 

「千束さんはどうしてDAにいないんですか?」

 

「うん?あぁー問題児だからかな」

 

「優秀なリコリスだと伺っていますが。あれも千束さんの仕事だと」

 

 そう言ってたきなが見ている先には崩壊した電波塔がある。

 

「旧電波塔を一人で守ったリコリスとして地方でも有名ですよ」

 

「あぁー地方ではそう伝わってるのかー」

 

 千束は歯切れが悪そうに答える。

 

「違うんですか?」

 

「あの電波塔が崩壊した原因は私にあるんだよね。あ、もちろん私が壊したわけじゃないから」

 

「どういうことですか?」

 

「あの事件が起きたとき私とテロリスト以外にももう一人いたんだよ」

 

「リコリスですか?」

 

「たきなはさシティーハンターって知ってる?」

 

「もちろんです!シティーハンター、正体は不明ですがリコリスの協力者として様々な任務を単独でこなす人だと」

 

「お、おう。たきな、テンション高いね。なんかあったの?」

 

 たきなの予想外の反応に千束は少し戸惑いながら返答した。

 

「はい。かつて任務で一度だけ遭遇したことがあるんです。夜だったので顔はよく見えませんでしたが動きはよく見れました。隙のない身のこなし、的確な判断能力、そして極めつけはあの射撃能力。そしてその人物について聞いたところその人がシティーハンターらしくそれ以降彼は私の目標であり、憧れです。それでシティーハンターがどうしたんですか?」

 

「彼もね、いたんだよ。あの旧電波塔事件の時にね」

 

「でも、千束さんとシティーハンターが組めば問題なんて起きないと思いますが」

 

「それがね、彼がシティーハンターとして活動したのはあの旧電波塔事件からなんだよね」

 

「それじゃあ、まさか」

 

 たきなは察しがいいようですがに気がついた。

 

「そう。シティーハンターなんて存在がいるなんて知らなかったからさ私が行った時そこにいる人は全員テロリストだと思ってた。だから私は彼にも銃を撃ったんだよね。でもね全く当たらなかったんだよ!いやー私もムキになっちゃって追いかけまわしてたらその隙にドッカンって感じ。だから私は旧電波塔を救うどころか救えるはずの彼を邪魔しただけなんだよ」

 

「千束さん・・・・」

 

「ああ、ごめんね。暗い話しちゃって。あの後、ちゃんと彼に謝って許してもらったから。大丈夫!」

 

「え?もしかして千束さんシティーハンターとお知り合いなんですか?」

 

「おうよ。知り合いどころか友達?いや親友かな。もしくはそれ以上の関係だったりするのかな」

 

「その話はあとで詳しく聞かせてください。それより聞きたいことがあるんですけど」

 

「ん?どした?」

 

「私たちが出かける前にお店に入ってきた男の人がいたじゃないですか。あの人にリコリスの話をしていたのを聞かれていた場合はどうしたらいいのかと思いまして」

 

 たきなの心配は当然のものだ。リコリスは一般市民には認識されていない。もしも一般市民に情報が漏洩しようものならそれだけでリコリスは活動をすることが困難になる可能性は十分にある。

 

「優君のこと?大丈夫だよ。優君はリコリスのこともともと知ってるし」

 

「それなら彼は何者なんですか?」

 

「どうしようかなー」

 

「早く教えてください。リコリスの存在を脅かすなら早いところ始末しないと」

 

「ストップストップ!すぐに始末とか物騒すぎるよ。わかった教えるから。その代わりここからいなくならないでよ」

 

「いなくなったりしませんよ。それで何者なんですか」

 

「優君がさっき言ってたシティーハンターだよ」

 

「待て待て、どこに行くつもりだ。いなくならないって言ったじゃん」

 

「放してください。千束さん。サインをもらいに行かないと」

 

「あとで呼んであげるから。今は行くよ」

 

「・・・・わかりました」

 

千束・たきなside out

 

 コーヒーを飲み終わりリコリコを出て少し歩いていると携帯の着信が鳴った。

 

「もしもし、千束どうした?」

 

『優君、今時間ある?』

 

「特にやることはないから空いてるぞ」

 

『私たち今ストーカー被害にあってる女性の話聞くことになってさ、それでしばらく護衛もすると思うから優君も来てくれない?』

 

「わかった向かおう。今どこにいる?」

 

『今いる喫茶店の場所携帯に送ったからそれ見て来てね』

 

「了解」

 

 さて、行くか

 

♢♢♢♢

 

「千束、来たぞ」

 

「ありがとね、来てくれて」

 

「気にするな。護衛は数が多いほうがいいだろ」

 

「優さん」

 

「どうした?井ノ上さん」

 

 やっぱり井ノ上さんは俺が護衛に参加するのは反対なのだろうか。そもそも井上さんは俺がシティーハンターだと知らないだろうし、シティーハンターそのものを知らない可能性もある。だが依頼を一度引き受けた以上は断れないしどうやって説得するか。

 

「サインください」

 

「・・・・?」

 

「さっきコーヒー豆の配達してるときに優君がシティーハンターだって話しちゃったんだよね。そしたらたきなはシティーハンターのファンみたいでさ」

 

「なるほどね。そういうことなら喜んで書かせてもらおう」

 

「ありがとうございます。あと私のことはたきなでいいです」

 

「じゃあ改めてこれからよろしくたきな」

 

「はい、こちらこそいろいろ学ばせてもらいます」

 

「お、二人とも来たみたい。沙織さーん」

 

「なるほど、この写真をSNSに上げてから狙われるようになったと」

 

 普通のカップルが撮るような写真だ。2人が被害にあってることから個人的なものではなさそうだ。となるとこの写真に写っている別の何かが原因だろうな。

 

「すみません。このビルは」

 

「ああ、そうそうガス爆発事件のビル。撮影したのはその3時間くらい前かな」

 

 その話を受けてたきなが写真をアップにしたところ、あまりの衝撃に飲んでいたコーヒーを吹き出してしまった。

 

「何かわかったの?」

 

「この写真貰えます?」

 

「取引の現場映ってるじゃん」

 

「まさかこんなところから収穫できるとは。これで残りの行方の手がかりになればいいが」

 

「優さんも調べてたんですか?」

 

「ああ、さすがに大きな事件だからな」

 

「それより沙織さんが狙われてるのはこの写真をSNSで見て」

 

「沙織さんめちゃやばいのに狙われてるよ」

 

♢♢♢♢

 

「ありがとう三人とも。刑事さんにも伝えておいて」

 

「沙織さん今夜は一緒にいません?」

 

「いいよ。じゃあうちに来てよ」

 

「やったあ。親睦もかねてパジャマパーティーなんてどうです」

 

「いいわね」

 

「あ、優君はどうする?一緒に参加する?」

 

「いや、さすがに遠慮しておこう。女子会の中に混じる勇気はないから。でも、とりあえず家までは護衛するよ」

 

「じゃあ、優君たきなよろしくね。私はお泊まりセット取ってくるから」

 

「任せておけ」

 

 千束と別れ帰路につき始めた瞬間から車でつけられている。

 

「たきな」

 

「わかってます。優さんならこんなときどうしますか?」

 

「逆に聞くがたきなならこんな時どうする?」

 

「そうですね。沙織さんを囮にしてそれで出てきたところをやります」

 

「バカ。護衛対象を囮にするなんて前代未聞だよ」

 

  あまりに予想外の回答にビックリしてしまった。真面目なのかと思ったが任務成功のためなら手段を選ばないらしい。任務を成功させると言う点では真面目なのかもしれないが。

 

「犯人の狙いはあくまで写真。沙織さんを殺す理由はないはずです」

 

「口封じのために殺すなんてことはよくあるだろ」

 

「シティーハンターならどうしますか?」

 

「作戦はこうだ・・・・」

 

「流石です!確かにそれが一番良さそうです」

 

「沙織さん、今から三つ数えるのでそしたら全力で走りますよ」

 

「うん。わかった」

 

「1,2,3今だ!走れ!」

 

 俺らが走り出すと後ろでゆっくり近づいてきていた車も沙織さんを見失わないようにスピードを上げて近づいてくる。そしてある程度スピードが出てきたところで、銃を懐から抜き車のタイヤに向けて撃つ。

 

 タイヤがパンクしたことでコントロールを失った車は壁に激突し煙を上げた。

 

「優君、たきな終わった?」

  

 振り返るとそこには千束が戻ってきていた。

 

「まだです。優さんが車をやりましたがまだ後部座席にいた奴らは無事です。どうしますか?ここからなら射殺できますが」

 

 うーん。やっぱりかなり物騒な思想の持ち主みたいだ。でもリコリスならこの思考の方が良いのだろうか。

 

「命大事にだってば。そんなに射撃に自信あるなら7時方向からこっち見てるドローン撃ってくれる」

 

 たきなは千束の言った方向に向けて撃ち、見事一発でドローンを仕留めた。

 

「いい腕だ。たきなは沙織さんを頼む。千束行くぞ」

 

「おっけー」

 

 千束は右から俺は左から回り込む。さっきのたきなの射撃で怯んでいたため近づくのは簡単だった。

 

 こっちに気づいた相手はすぐに銃を撃とうとするがその前に弾き飛ばしがら空きになったボディに拳を叩き込む。そして後ろから現れたもう一人の相手には銃を持つ手に向けて発砲した。そして撃たれた手を痛みで押さえてるすきにボディブローをきめた。

 

「終わったよーそっちは」

 

「問題ない」

 

 沙織さんにも怪我はなく、犯人も全員捕まえた。ひとまず今日の依頼はこれで終わりだな。

 

「じゃあ依頼も終わったことだし俺は帰るわ。また明日」

 

「またね」

 

「お疲れさまでした」

 

♢♢♢♢

「イチャついた写真をひけらかすからこんなことになるんだよぉ」

 

「僻まない」

 

「SNSの無自覚な投稿がこんなことになるんだって言ってんのよ」

 

「その女襲ったやつらはどうしたのよ」

 

「クリーナーに引き渡した」

 

「あんたまたクリーナー使ったの⁉高いのよ」

 

「DAに渡したら殺されちゃうでしょ。DAもこいつら追ってるんでしょ。私たちが先に見つければたきなの復帰も叶うんじゃない。どう、たきな」

 

「やります。でもDAにはしばらく戻らなくてもいいです。ここで優さんといたほうが学べることが多いと思うので」

 

「おお?千束ここにきて最大のライバルが到来かもね」

 

「ま、まさかね」

 

「そうだ。言い忘れてた。この一連の事件を解決するのに助っ人としてもう一人スタッフが増えるんだ」

 

「お、誰かな。どんなリコリスが来るのかなーたきなはどんな人がくると思う?」

 

「私は別に任務をこなせる人なら誰でもいいです」

 

「入ってきていいぞ」

 

「おはようございます。ここで新しく働くことになった冴羽優です。よろしくお願いします」

 

『・・・・』

 

「流石になんかリアクションして欲しいのだが」

 

「2人とも驚きすぎて声が出ないのよ」

 

「優にも新しくここのスタッフとして働いてもらうことになった。ここで働いてもらっていた方が情報の共有がしやすいからな」

 

「まぁそう言うわけだよろしく」

 

「せっかくスタッフが増えたことだし写真撮ろうよ。みんなもっとよってよって」

 

「早速お店のSNSにアップしたよ」

 

「あんたはまた!さっきSNSに無自覚な投稿するなって言ったばかりなのに」

 

「ここにはビルなんて映らないんだから大丈夫。それよりほら、お客さん来たみたい。たきな練習通りに。優君は大丈夫だよね」

 

『いらっしゃいませ』

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